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・アオダイショウは野生のほかにもペットショップやブリーダーさんから手に入れることができます。
アオダイショウは最大で二メートルほどにもなる、日本最大の大きさを持つ毒を持たない 蛇 です。
ハブのような別種の大型の蛇が生息している沖縄にはいないようですが、都市部も含む日本全土に分布していると言われています。
白いアオダイショウ(アルビノ)は神の使いとして昔から信仰されている地域もあるのです。
そのため、アオダイショウは私たちにとってはとても身近な蛇だと言えます。
そこで今回は、そんなアオダイショウの魅力を少しでもお伝えできるように生態や特徴、飼育方法の解説をしていきたいと思います。
アオダイショウは平地から山地にかけて生息しています。
森林や堤防、農地、木の上や人家、それになんと下水道まで、その生息場所は実に様々です。
ヤマカガシ やシマヘビなど、山に暮らす蛇が多いのに対して何故アオダイショウが身近な場所にいるのかというと、餌となるネズミが私たち人間が暮らしている場所に多く存在しているためです。
餌がいればどのような場所でも生息できるアオダイショウだからこそ、彼らは私たちの身の回りで良く見かけることのできる蛇なのです。
また、アオダイショウの腹の側面にはキールと呼ばれる膨らんでざらざらとした感触をもつ鱗があります。
このキールを使って、木の幹だけではなくなんと壁をよじ登ることもできてしまいます。
この性質によって、アオダイショウは人家周辺や都心部でも問題なく生息できています。
野生の個体はネズミや 鳥 、鳥の卵や トカゲ などを食べています。
カエルなどの爬虫類を食べる蛇は日本に多いですが、アオダイショウはどちらかというと哺乳類を好む傾向があるようです。
カエル がいない都市部にアオダイショウが生息しているのもこのためだと言われています。
そんなアオダイショウの天敵はイヌワシやタヌキ、キツネやイノシシなどの大型の哺乳類です。
アオダイショウは日本に生息している蛇の中でも大型なので、アオダイショウの天敵も必然的に大型になっていきます。
しかし、幼体は 猫 やカラス、シマヘビなども天敵になります。
最終的に2メートルほどの大きさになるアオダイショウですが、毒を持っていないため幼体の時は天敵が増えてしまうのです。
アオダイショウは昼間に活動する性質を持っているため、日中に生息場所に向かうと比較的その姿を確認しやすい蛇です。
攻撃的な個体は多くないと言われていますが、人に嫌なことをされた経験をもつアオダイショウは人間に向かって攻撃的になるため、近づいた際に威嚇をしてくるような場合は近づかないほうが良いでしょう。
アオダイショウの最大の特徴は名前の通り、青みのかかった緑色の鱗です。
北海道に生息しているアオダイショウは青みが強い固体が多いと言われています。
また、暗黄褐色の鱗のものもいますし、幼体はニホンマムシの体色に似た色の鱗を持っています。
これは毒をもつマムシに擬態することで、天敵に襲われる可能性を減らすためであると考えられているようです。
勿論アオダイショウは毒を持つ蛇ではないので、手で触っても問題はありません。
しかし蛇の種類をすぐに見分けることは中々難しいので、ニホンマムシなのかアオダイショウの幼体なのかがわからない場合は触れることは避けてください。
アオダイショウは、獲物を捕らえた時に締め付けて殺し、それから食べるという方法を取ります。
毒を持つ蛇であるマムシやヤマカガシ、ハブなどは一度噛みついてしまえば毒が回って獲物はそのまま弱るため、あまり締め付ける方法は取りません。
毒を持たない蛇は体で締め付けて殺してから食べる固体が多いです。
アオダイショウ程度のサイズであれば締めつけられても痛みを感じるぐらいですみますが、外国のニシキヘビやアナコンダなどの大型の蛇は一度締め付けられてしまうとその強力さに命に関わってしまう場合があります。
現地にいった時は十分に気を付けましょう。
アオダイショウは野生では勿論、ペットショップでも手に入れることができます。
ブリーダーさんがインターネット販売をしている場合もあるので、そちらで入手するのも手です。
平均価格は3000円から5000円程度で、日本に生息していることからもそこまで高価な蛇ではないと言っていいでしょう。
アオダイショウは慣れない環境や危険が近づくと総排出口から匂いを出します。
環境に慣れれば匂いを出すことはなくなりますので、その点は問題ありません。
また、北海道から国後島に生息するアオダイショウは青みが強い美しい鱗をしていることから、海外では「クナシリラットスネーク」と呼ばれて人気があるようです。
アオダイショウはピンクマウスを食べてくれる蛇なので、特定の餌しか受け付けない種類や神経質で中々餌を食べてくれないような蛇と比較すると飼育は容易な蛇です。
アオダイショウを飼育するために必要なものは
の4つです。
一般的には、蛇を飼育する際には「蛇がとぐろを巻いたときの3倍ほどの面積」がある飼育容器を選んだほうが良いとされています。
このため、アオダイショウの場合は幼体から飼育を始めたとしても最終的には2メートルほどになる蛇です。
将来を考えて飼育容器は大き目の衣装ケースなどを選ぶことをお勧めします。
水槽と比べて重さがないこと、キャスター付きのものを選べばどこかへ運ぶことが楽なことからキャスター付きの衣装ケースは飼育場所に最適です。
ここで注意しなくてはいけないことは、アオダイショウの脱走です。
体が大きいことに加えて、アオダイショウの狩りの方法は締め付けなのでとても力が強いです。
衣装ケースの軽い蓋はきちんとしまっていないとなんなく持ち上げてしまいますし、開けっ放しにしておくと体長が大きいため尻尾で自分の体をもちあげてするりと脱走してしまいます。
アオダイショウが逃げ出さず、かつ空気の出入りがあるように、ある程度の改造をして使用することをお勧めします。
こちらはアオダイショウの糞を簡単に掃除するために必要なものです。
蛇はもともと大量に糞をしますし、尿酸という尿のような液体も出します。
爬虫類や鳥類は哺乳類のようにアンモニアを尿にして出すのではなく、糞と一緒に排出する体内構造を持っています。
飼育している場所が不衛生にならないためにも、蛇の飼育に床材は必須です。
また、蛇が尿酸を出した時に緑色が混じっている時があります。
これは内臓に負荷がかかっているときの状態と言われているので、もし飼育している蛇が緑色が混じった尿酸を出した時は動物病院に連れて行ってあげてください。
蛇は水を飲みますので、飲み水としての水入れ、そして湿気を保つ意味と水浴をさせる意味で蛇の飼育に水入れは必須です。
他の蛇と同じように、アオダイショウも脱皮をします。
特にアオダイショウは脱皮のために水が必要です。
脱皮不全を避けるためにも、アオダイショウが水にとぐろを巻いて浸かれるような大き目の水入れを用意してあげるのがベストです。
この時、水入れにお勧めなのは重みのある容器です。
力が強いアオダイショウは軽い容器だとひっくり返してしまい、飼育場所を水浸しにしてしまいます。
掃除の面でも大変になってしまうので、蛇がひっくり返さないような重めの容器を選ぶのがお勧めです。
蛇は狭い場所が大好きです。
アオダイショウも例に漏れず、特に初めての環境では落ち着かないためかよく隠れたがります。
早く環境に慣れさせるためにも、隠れ家を用意しておくことが必要です。
とぐろを巻いた状態でぴったりとはまるような大きさの場所がベストだと言われているので、蛇の成長に合わせて換えてあげるか、なんらかの工夫をしてあげることをお勧めします。
良く使われているのは植木鉢です。
アオダイショウがとぐろを巻いても入るサイズの植木鉢に、アオダイショウが入れるぐらいの穴をあけてそこから出入りができるようにします。
この時、排水のために下に開いている穴は塞いでしまったほうが良いでしょう。
アオダイショウがそこを通ろうとして、詰まってしまう可能性があります。
陶器のものなら重みも十分にありますし、蛇が動いてもずれにくい、という点でも植木鉢はお勧めのシェルターです。
植木鉢が小さくなってしまったら、重みのあるコンテナなどを加工して使うのも一つの方法です。
隠れ家は蛇が暗くて静かな空間で落ち着くための場所なので、色は絶対に透明を選ばずに、なるべく黒い色のものを選ぶことをお勧めします。
ケージをそのままシェルターとして使うという方法もありますが、アオダイショウにはあまりお勧めできません。
アオダイショウは昼に活動する蛇なので、昼は昼で明るく、夜は暗く、とリズムをつけてあげたほうが良いかと思われます。
隠れ家に関しては蛇自体の性格によって好みがありますし、飼育容器自体をシェルターにしてしまっても問題ない場合もあります。
少なくとも初めてアオダイショウを飼育する場合には、体にあったシェルターを用意してあげること、昼と夜の区別はつけさせてあげることが良いでしょう。
アオダイショウの餌は主にピンクマウスを与えます。
野生のアオダイショウは鳥やその卵を食べていますが、飼育の際に一番手軽なのはピンクマウスです。
幼体から成体までをカバーできる様々なサイズのものが売られていますし、値段もそう高くありません。
冷凍されているので冷凍庫に保管できるというのも強みです。
カエルや鳥の卵を与えるという手もありますが、カエルは寄生虫の可能性がありますし鳥の卵は栄養が偏ってしまうのでアオダイショウの飼育にはマウスが望ましいです。
また、マウスを解凍するときには、決してそのままお湯で温めたりしてはいけません。
蛇は匂いで餌かそうでないかを判断しています。
舌をちろちろと口から出すことで、舌に匂いの粒子をつけてものを判断しているのです。
そのため、お湯にマウスをそのまま浸けて解凍してしまうとマウスの匂いが取れてしまいます。
勿論人の指で触ってしまうとマウスに人間の匂いがついてしまうため、その点にも注意をしてください。
ビニールなどに入れてから、匂いが取れないように解凍する方法がお勧めです。
解凍したマウスは人肌よりも少し暖かい程度まで温めてあげることがベストです。
孵化したて~50センチ以下ではピンクマウスSサイズを2日に1回。蛇の大きさに合わせて2匹ほど。
50センチ~1メートル未満ではピンクマウスM、Lサイズのどちらかをを3日に1回。蛇の大きさに合わせて1,2匹ほど。
1メートルを超えた成体にはアダルトマウスを一週間か10日に1回。蛇の大きさに合わせて1,2匹ほどが良いかと思われます。
蛇の口に入らない大きさのマウスしかない場合は、解凍前に半分に切っておくことをお勧めします。
上の例はあくまでも目安ですので、どのペースで餌を与えたら太ってきてしまった、痩せてきてしまった、などは実際に飼育をしてみてから判断することをお勧めします。
蛇はもともと燃費が良い生き物ですから、多少の絶食は問題ありません。
少しずつ個体の状態を探っていきながら餌のペースを決めることが重要です。
また、蛇は急に環境が変わったりなにか刺激を与えたりしてしまうと拒食になってしまうことがあります。
健康な個体だったとしても、脱皮前には餌を食べようとしなくなります。
その時は下手に給餌をさせようとせずに、まずは飼育環境の温度やシェルターに不備がないか、脱皮の兆候が表れていないかなどをよく確認して見てください。
これまで餌を食べていたのに急に餌を食べなくなった・・・という理由の一つが脱皮です。
蛇の脱皮は、水で皮膚をふやかすことによって皮を剥けやすくすることが多いです。
そのため、水場は絶対に必要な場所になります。
水を沢山飲むようになる、水入れに良く入っている、目が白濁している、拒食をし始める、体の色がくすみ始める、といった変化が脱皮の合図です。
脱皮不全を起こしてしまわないように、アオダイショウの脱皮の兆候が見え始めたら水はたっぷりと用意してあげてください。
脱皮の補助用に木の枝などを飼育場所にいれるという手もあります。
脱皮不全は蛇にとって様々な不調を引き起こす原因になるので、もし不全状態になってしまった場合はある程度の補助が必要です。
日本で最大級の大きさをもつ蛇な上に都市部にも生息が確認されています。
餌となる小動物が生息している場所ならば大抵アオダイショウが生息している可能性があると考えてください。
都市部と言っても、コンクリートばかりであまり自然がない場所ではアオダイショウはあまり地上をうろつかないようです。
日本に生息している蛇なため比較的安価に購入することができます。
またマウスをよく食べるので飼育も容易です。
少しの隙間からあっという間に脱走してしまうのが蛇です。
つるつるとした鱗が脱走しやすさに拍車をかけているのでしょう。
そのため飼育場所の隙間はしっかりと塞ぐこと、蓋はがっちりとはめるか上に物をのせておくことをお勧めします。
勿論、蛇は呼吸をしますので空気穴をあけることは忘れないでください。
冬眠をさせない場合にはヒーターなども必要ですが、とにかくアオダイショウの飼育に必要なのは飼育場所も含めたこの4つです。
特に隠れ家は初めて家にやってきた蛇には必須といっても良いでしょう。
安心して隠れられる場所をつくってあげて、蛇の不安を軽くしてあげてください。
抵抗がある方も多いとは思いますが、蛇の餌にはマウスが一番適しています。
特に蛇は ベルツノガエル などの待ち伏せ型の両生類とは違い、解凍したマウスを床に置いておくだけでも十分食いついてくれます。
下手に食べさせようとすると拒食をする場合もあるので注意です。
飼育している個体のサイズに合わせて、マウスのサイズも調節して与えてみてください。
勿論不調からの拒食もありますが、蛇は脱皮の前には拒食になりますし、成長しきってしまえばあまり餌を食べずに済みます。
飼育場所の温度や湿度、糞や尿酸の状態、鱗や目の状態などをチェックすることで、何故餌を食べていないのかはある程度わかると思われます。
下手に焦らず、拒食の可能性を一つ一つ無くしていきながらじっと様子を見てください。
特にハンドリングなどは大きなストレスになることも少なくないので、固体の性格や状態に合わせた触れ合いを心がけましょう。
アオダイショウは決して飼育が難しい蛇ではありません。
環境を整えてあげさえすれば、長く付き合っていける蛇です。
ただし、蛇という生き物はそもそも触れ合いを好みません。
勿論、性格によっては気性が荒い子もいますし、おっとりしていて触れ合いを拒まない子もいます。
しかし人間の手に触れられることが大きなストレスになってしまう蛇は決して少なくないので、性急に触れ合おうとせずにゆっくりと慣らしていってあげてくださいね。
この記事がアオダイショウを飼育しようと考えている方の参考になれば幸いです。
最終更新日 : 2024/07/04
公開日 : 2017/10/27