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ベルツノガエルは南米、アルゼンチン中部に広がる「パンパ」と呼ばれる草原地帯に住んでいます。
草原地帯、といってもベルツノガエルが暮らしているのは水辺や水路の中など、湿気が高い場所です。
湿った土の中や水辺でじっと身をひそめ、獲物を待ち伏せるスタイルの狩りをする珍しい種類の カエル です。
今回はそのベルツノガエルを飼育する上での様々な知識を解説させて頂きます。
ベルツノガエルはその名の通り、目の上に小さな角のような突起があります。
他種のツノガエルと比べると、角はあまり目立ちません。
特徴は緑をベースにした体表に、黒褐色の模様や赤い斑点が散らばった幾何学模様です。
模様のパターンは非常に多く、固体によって差があるため視覚でも楽しめるカエルです。
野生のベルツノガエルはこの体表を生かして地面に潜り、目だけを出して近くを通った獲物を捕らえます。
そのため、あまり動くことはありません。
時折水替えの後や排泄の前に大きく跳ねることがありますが、基本的には動かず一定の位置でじっとしています。
そんなベルツノガエルの雌雄を見分ける唯一の方法は「鳴き声を出すか出さないか」です。
雄の指には交尾の際に必要な「抱きタコ」と呼ばれる突起があるためそちらでの判断も可能ではありますが、目で見てはっきりとわかるものではなく、プロでも判別を行うのが難しいと言われています。
身体的な特徴としては雄よりも雌のほうが体が大きくなります。
しかし個体によって差があるため、基本的に雌雄は繁殖環境での鳴き声によって判断されています。
寿命は10年から15年ほどと言われています。
一度飼育し始めると、長く付き合っていけるペットです。
では、ベルツノガエルはどこで手に入れることができるのでしょうか。
現状では以下の2通りとなります。
爬虫類コーナーで販売していることが多いです。
大型のペットショップでは特に良く見かけることができます。
生餌になる 金魚 や人工飼料も売っているので、ベルツノガエルと一緒に購入してしまうのがおすすめです。
ネット販売もしている方が多いです。
ペットショップでは成体の販売が一般的ですが、こちらではオタマジャクシ状態のベルツノガエルも販売されています。
年に何度か爬虫類や両生類などのエキゾチックアニマルを取り扱うイベントがあるため、そこで自分がこの子だ!とおもった個体を購入することも可能です。
ブリーダーさんから購入すると、餌をどのように食べるかなどの個性やその個体の性格を詳しく教えてもらうこともできます。
ベルツノガエルの飼い方はとても簡単です。
最初は水替えや餌やりに手間どってしまうことがあるかもしれませんが、数回もすればコツを掴めてしまうと思います。
ベルツノガエルの飼育に必要なものは
の三つです
野生のベルツノガエルは水分の多い土の中や湿った水苔が生えている場所にいます。
土や水苔をつかった水槽に入れてあげると、その場所に巣を作る様子を観察することができます。
しかし、飼育下では排泄物の処理に手間がかかってしまいます。
土に紛れて糞をどこにしたのかがわからなくなってしまうことや、水苔の維持が大変だと思う方には 薄いウールマット の上で飼育することをお勧めします。
ベルツノガエルの足には吸盤がないので、支えがないと足が曲がってしまうことがあるためです。
プラスチックケースの中には常に何かを敷いておくようにしましょう。
また、元々暖かいところに住むカエルなため、秋から春の初めにかけてヒーターが必要です。
ベルツノガエルは丈夫な生き物なので多少の温度の低下は耐えてくれますが、肌寒くなってきたと感じたときはヒーターをつけてあげるのが良いでしょう。
ちなみに、ベルツノガエルは温浴をさせてあげると調子が良くなります。
温浴と言っても、 普段カエルが浸かっている水と同じぐらいか、2,3℃高めの水 がおすすめです。
人肌程度だとカエルにとっては熱すぎますから、温浴に使う水の温度は25℃前後を目安にするのが良いでしょう。
ベルツノガエルではありませんが、実際にツノガエルが入浴している動画はこちらになります。
中々糞をしないときにも温浴がお勧めです。
餌を与えているのに一か月以上排泄が見られなかったら、少し長めに温浴をさせてあげてください。
※注意!
温浴の際に水を深めにしてしまい、その時ベルツノガエルが泳いでいるように見えてもカエル本人は 溺れないように必死 です。
その様子が可愛らしくても泳がせないようにしてください。
ツノガエル類は泳ぐことが得意なカエルではありません。
ツノガエルを動物園やペットショップなどで見ることがあったら水かきを観察してもらうと、その理由がわかると思います。
ツノガエルの水かきは他のカエルのような泳ぎに適応した形ではないためです。
飼育の際にも、 あまり水を深くしすぎると溺れてしまう ので注意が必要です。
かといって水が少ないと乾燥で弱ってしまうため、湿度を保つ意味でも体の三分の一は水に浸かっているような状態がベストです。
ベルツノガエルは野生では小魚や昆虫、他の小さなカエルなどを食べています。
簡単に手に入れられる生餌は 金魚 や メダカ がお勧めです。
生餌でなくとも、ピンセットで胴体部分を摘まんで顔の前に差し出すと、スムーズに食べてくれます。
餌のやり方は上記の動画のように、顔の前でゆらゆらと動かすのがコツです。
コオロギ などの昆虫も食べますが、コオロギは顎の力が強いです。
自分で食べられるようにケージに放すとカエルを齧ってしまい、カエルがショックで餌を食べなくなってしまう時もあります。
与える場合は頭と後ろ足を取ってからのほうが良いでしょう。
栄養価の高いピンクマウスもベルツノガエルの餌にお勧めですが、固体によっては消化不良を起こす可能性もあります。
そのため、飼育下では 人工飼料がお勧め です。
簡単に手に入りますし、グラム単位で配合されている栄養が決まっているため栄養不足の心配がなくなります。
人工飼料は ペレットタイプ のものと、粉末状の 水で練るタイプ のものがあります。
ペレットは一々量を測らなくても良いというメリットがあります。
一方、粉末は固体に合わせて自分で量をカスタマイズできます。
どれぐらいの量を与えたらいいかわからない・・・という方は最初はペレットタイプのものがお勧めです。
ベルツノガエルは他のツノガエルの仲間と比べると餌の食いつきが良いため、初めから人工飼料を食べてくれることが多いです。
そのため人工飼料で育てられている個体も多い傾向があります。
金魚やメダカなどの生餌しか食べない場合は、生餌にベルツノガエル用の粉末餌を食べさせると栄養の偏りを防ぐことができます。
餌を与える頻度は個体の大きさによって違います。
成長途中のベルツノガエルに生餌を上げる場合は3、4日に一度、メダカなどの小魚だったら5、6匹ほど。小ぶりの金魚なら2、3匹ほどが目安です。
ツノガエルは 餌があればあるだけ食べてしまう生き物 なので、食いつきが鈍くなってきたと思ったら与えるのを止めるようにしてください。
餌の与えすぎはツノガエルの死因にもなっています。
一方、人工飼料はその個体の大きさによって、与える量の目安が決められています。
生餌に比べると高カロリーなので、まだまだ食べたそうにしていても 規定量以上は与えない ようにしてください。
大きくなってからはあまり餌はいりません。
固体によって胃の大きさは違うので、食いつき方で何日おきに何匹与えるか、もしくはどれぐらいの人工飼料を与えるかを判断してください。
しかし、決めた量を与えるようになってから一か月ほどして、明らかに以前より痩せてしまった場合は餌を増やすべきです。
ベルツノガエルは水を肌から吸収して体を膨らませています。
一見太っているように見えても実は水分が殆どだった、ということもあるので気を付けてください。
最低でも 一週間に一度 は換えてあげると良いでしょう。
水が腐りやすい夏などは一週間に二度のペースにしても良いかもしれません。
特に、糞をした場合は 見つけ次第すぐに水換えを行ってください 。
カエルは皮膚から水を吸収するため、そのまま放置してしまうとアンモニアによる自己中毒を起こしてしまう可能性があります。
皮膚の炎症などの症状が出るだけではなく、死に至るケースも確認されています。
成長途中で頻繁に餌を与えている最中のベルツノガエルのケースの状態には、小まめに目を配ることをお勧めします。
一匹のカエルに対して20cmほどのスペースをとれる水槽であれば問題はありません。
片方のカエルがもう片方のカエルに簡単に近寄ることのできないぐらいの間を取ることが望ましいでしょう。
ベルツノガエルは動くものはみんな餌だと思ってしまいます。
共食いをすることもあるので、同程度のサイズならその可能性は低いですが、片方が成体なのに対してもう片方がまだ成長途中、といった組み合わせは避けるべきです。
ツノガエルはぎりぎり自分の口に入らないサイズのものでも捕食してしまうため、少しでも小柄だと噛みつかれてしまう可能性があります。
ベルツノガエルの体に不用意に傷をつけたくないのであれば、やはり個別での飼育がお勧めです。
もし雄と雌のペアで飼育しているなら繁殖にチャレンジしてみてもいいかもしれません。
しかし、ベルツノガエルの繁殖は素人には難しいとされています。
大型な、肉食のオタマジャクシを何百匹も世話をするのは大変な労力とお金がかかります。
仮に成功したとしても不用意に繁殖させて、それを野生に戻すのはやめましょう。
生態系を崩してしまったり、在来種のカエルに別の病気を移してしまう可能性があります。
両生類のカエルは、どの種類でも体温が私たちよりも低いです。
そのため、素手で長く触っているとやけどをしてしまいます。
触る場合は水で手を冷やしてからか、もしくは温浴の時に触れ合うなど最小限にするのが好ましいです。
また、ずっと触っていると警戒音を出すときがあります。
警戒音は歩くと音が鳴る子供の靴のような、キュッという甲高い音です。
体を膨らませて威嚇もするので、一見可愛らしいですが、 カエルにはとてつもないストレスがかかっています。
威嚇をしてきた時は、落ち着くまで静かな場所においてあげましょう。
・ベルツノガエルはペットショップ、もしくはブリーダーさんから入手することができます。
インターネットでの販売や、エキゾチックアニマルの販売会なども利用してみてください。
・ベルツノガエルは泳げないカエルです
湿気のためにある程度の量は必要ですが、飼育の際には水の量を多くしないようにしましょう。
・餌は人工飼料がお勧めです
ベルツノガエルは他のツノガエルと比べると人工飼料の食いつきが良いです。
初心者の場合は練り餌よりも、ペレット状の餌が与えやすいです。
人工飼料を食べてくれない場合は メダカ 、 金魚 、 コオロギ 、ピンクマウスなどを与えてください。
ただし、いくらでも食べるからと言って餌の与えすぎには注意です。
・水は一週間に一度を目安に換えてください。
特に、糞をしていた場合はすぐに水を替えてあげましょう。
・一匹のカエルに対して一つのケースがお勧めです。
複数を同じケースで飼育する場合は十分に間をとって飼育しましょう。
・火傷に注意!過剰な触れ合いは禁物です。
カエルのストレスは出来る限り減らしましょう。
ストレスを与え続けると拒食などの原因になります。
ベルツノガエルは活発に動いて、目を楽しませてくれる動物ではありません。
のんびりと世話ができたり、長い年月を共に暮らすことができるペットがほしいという方にお勧めな両生類です。
しかし、慣れてくるとこちらをじっと見つめてきたり、声に反応してもぞもぞ動いてくれる可愛らしい生き物です。
温浴をさせると気持ちよさそうに自分の体を手や足で洗う様子は、まるで人間がお風呂に入った時のようで微笑ましさがあります。
是非、ベルツノガエルを飼育した際にはその可愛らしさを堪能してください。
この記事が少しでも、ベルツノガエルを飼いたい方や現在飼育している方の助けになれば幸いです。
最終更新日 : 2021/05/04
公開日 : 2017/10/03