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金魚の起源はとても古く、西暦3~4世紀頃の中国南部にはじまったとされています。
そこで発見されたのが、現在の金魚のルーツとなる、突然変異種のフナでした。
金魚の祖先は、フナだったのです。
通常フナは黒っぽい体色をしていますが、突然変異したものは赤や黄色をしており、尾びれの形も変化しています。
10世紀頃の中国では、赤や黄色のフナは神聖視され、大切にされました。
やがて珍しい色のフナが固定化されると、金魚の原種であるワキンが誕生し、さらに品種改良を重ねて様々な金魚が生まれました。
日本に金魚が伝わったのは16世紀の室町時代(1502年)。
その後たびたび、中国や琉球を経て輸入されるようになります。
金魚は大変高価な輸入物で、江戸時代初期には大名などの富裕層の間で取引されていました。
1784年には「金魚養玩草(きんぎょそだてぐさ)」という日本ではじめての金魚本が生まれ、金魚の歴史や飼育法などが本格的に執筆されています。
19世紀に入ると日本各地で金魚の養殖が盛んになり、庶民の間でも金魚の飼育が流行し、金魚は「江戸の名物」と言われるほど人気のペットとなります。
そして現在、中国や日本から輸出された金魚が、ヨーロッパやアメリカなど世界各国で親しまれているのです。
金魚には様々な品種が、複雑な系統とともにあります。
金魚の生まれ故郷でもある中国では、120~130種類の品種があるといわれるほど、金魚の種類は日々多様化しています。
ここでは、主要な品種をご紹介します。
金魚の中で、もっともポピュラーな品種が ワキン です。
中国からはじめて日本に渡来した品種で、金魚すくいでもおなじみの金魚です。
一番はじめに日本に来た金魚ということで「和金」と命名されました。
胴長で頭部は小さく、原型であるフナにもっとも近い体形をしています。
大きいものですと、体長 25cm ほどにもなります。
尾びれの形は、二つ尾(フナ尾)、三つ尾、四つ尾、花弁のようなサクラ尾があり、二つ尾がもっとも一般的です。
体色は、 赤 や 白 、 サラサ と呼ばれる赤と白のまだら模様があり、濃い赤色や、白地に緋色のコントラストが美しいものほど価値があると言われています。
全身白色のものは、あまり価値がないとされます。
原種に近いため、体質が強く丈夫で、きちんと世話をすればかなり長生きをする金魚です。
金魚をはじめて飼うという人にもオススメの品種と言えます。
値段は、金魚すくい用の小さな個体だと 20円前後 、鑑賞用の個体の場合、 1,500~3,000円前後 で購入することができます。
個体によってかなり価格に差がありますが、とても飼いやすい品種なので、気に入ったものがあればぜひ飼育にチャレンジみてください。
リュウキン は、ワキンに次いで日本の代表的な金魚です。
江戸時代に中国から琉球を経て輸入されたので、この名前が付きました。
もともとワキンから生まれた個体で、小さな頭部に短い胴が特徴的です。
全体的に丸みを帯び、長い尾びれが優雅な金魚ですが、大きいものだと体長 18cm ほどにもなります。
尾びれの形は、三つ尾、四つ尾、サクラ尾などがあり、二つ尾のものはあまり価値がないとされ、出回りません。
体色は 赤 、 白 、 サラサ などがありますが、白色は価値が低めです。
飼育もワキンと同様、比較的容易です。
お値段は、 300~8,000円前後 と、個体によってかなり差があります。
安く購入したい場合は、ホームセンターで取り扱っているものだと1,000円以内で購入することができます。
少し値が張っても、美しい色や模様、体のバランスにこだわりたいという方は、気に入る個体が見つかるまでお店をめぐってみるのも良いでしょう。
※合わせて読みたい: 長い尾びれが優雅な金魚、琉金の飼育について
コメット は、アメリカで作出、固定された、リュウキンの突然変異種です。
長く美しい「吹き流し尾」が特徴的で、まさに彗星(コメット)のようです。
体形は胴長のワキン型で、尾びれは長く、二つ尾が一般的です。
リュウキンから生み出された品種ですが、ワキンに近い体形なのは、フナとの交配があるためだと言われています。
そのため、丈夫な金魚で、大きなものだと 25cm ほどにもなります。
体色は 赤 、 白 、 サラサ などがありますが、白色のものはあまり出回りません。
流通しているものの多くは、サラサの模様です。
前述した通り丈夫な金魚のため、飼育が容易な品種です。
値段は 200~2,000円前後 と、個体によって少し差はありますが、比較的安価に手に入れることができます。
ペットショップでもよく見かける品種ですから、お近くのお店でぜひ購入してはいかがでしょうか。
※合わせて読みたい: 金魚の飼育を始めよう、コメットの魅力、飼い方
ユニークな姿が特徴的な デメキン は、金魚の中でも親しみ深い存在です。
もともとリュウキンから出た「出目」と呼ばれる突然変異の金魚を、固定してできたのがはじまりでした。
日本に輸入されたのは明治期で、中国では500年も前から飼育記録が残っています。
リュウキンから出た品種だけあって体形もよく似ていますが、何といっても特徴的なのは、左右に突出した眼球です。
この目は、孵化後3ヵ月頃から徐々に突出してきます。
体長は、大きなものですと 18cm ほどにもなります。
体色は、アカデメキンと呼ばれる 赤色 のものがオリジナルでしたが、やがて 黒色 のクロデメキンが作られました。
同じアカデメキンから作られたサンショクデメキンは、混色の華やかな金魚です。
この サンショクデメキン には、特徴的な鱗があります。
普通、金魚は色素胞をもつ 普通鱗 と、色素胞のない 透明鱗 のどちらかを持っていますが、サンショクデメキンには両方が混ざり合っています。
(両方が混ざった鱗を、 モザイク透明鱗 といいます。)
そのため鱗の色が様々に変化し、赤、黄、青、紫、黒などの、ほかには見られない様々な体色があらわれます。
この体色を利用した品種改良が行われ、生み出された個体も多くあります。
また、デメキンの特徴である大きな眼球は、デリケートなため事故などで傷付けないように配慮が必要です。
基本的に飼育は難しくはありませんが、外傷などには充分気を付けましょう。
値段は、金魚すくい用の小さな個体は 20円前後 、そのほかの個体は 1,000~2,000円前後 。
取り扱いには少し注意が必要ですが、可愛がって育ててあげるには充分魅力のある金魚です。
※合わせて読みたい: 出目金の飼い方と注意点
ワキンから作出された ランチュウ は、その泰然とした姿から「金魚の王さま」と呼ばれることもあります。
丸みを帯びた体形から、かつてはマルコとも呼ばれていました。
現在のような姿になったのは江戸時代末期から明治期頃で、もっとも伝統のある高級金魚と言われています。
どっしりとした体躯と、ゆったりとした泳ぎ姿は、現在も多くの愛好家に好まれています。
ランチュウの特徴は背びれがないことと、頭部に発達した肉瘤(にくりゅう)です。
この発達具合が鑑賞の対象ともなり、美しい体形のものは非常に高価な値段が付きます。
尾びれは三つ尾、または四つ尾のものがあり、やや肉厚で小さめです。
体長は大きいものですと、 15cm 程度になります。
体色は 黄金色 や サラサ が一般的で、独特の透明感があります。
飼育はやや難しいとされます。
値段は 1,000~10,000円前後 と、ほかの品種に比べて高め。
体形の美しいものですと、さらに高価になることもあります。
そうとはいえ、手に入りやすい値段のものもありますから、ゆったりとした優雅な姿に魅了された方は、ぜひ飼ってみてください。
金魚の祖先は前述したように、フナです。
ですから金魚はフナと同様、コイ科の淡水魚で、 温かい水を好みます 。
ただ、一定の温度でなければいけないということではありません。
金魚は、 0~40度 の水温に耐えることができます。
かなり温度に幅がありますが、変温動物ですから、まわりの変化に合わせて体温を変えることができます。
そのため、屋外の池などで飼育することも可能です。
しかし、金魚は 急激な水温の変化には大変弱い 生きものです。
屋外の温度変化に耐えられるのは、季節の移り変わりによる穏やかな変化のためです。
室内の水槽で飼育する場合には、水温を 25~30度 くらいに保つことをオススメします。
また、体液には0.8%の塩分が含まれているので、0.5%程度の塩分が含まれた水の中でも生活することができます。
水は 止水性を好み 、強い流れが苦手です。
特に デメキン や リュウキン 、 ランチュウ などは、静かな環境で飼育するのが良いでしょう。
水深も、深いものよりは 浅いものを好みます 。
人間に飼育されてきた歴史がありますから、 20 ~ 30cm前後 の浅めの容器が、金魚の生態には合っているのです。
金魚は比較的 大人しい性質 です。
品種の違いや体長の大きさに差があっても、金魚がお互いにケンカをすることはありません。
その理由は、人間とともに穏やかに暮らしてきた歴史にあり、外敵の危険のない環境から生まれたものだと考えられます。
また、様々な 環境に適応できる 高い能力も合わせ持ち、毎日決まった時間にエサやりをすると、その時間を覚えるようにもなります。
飼い主さんが愛情を注いでお世話をすれば、人慣れした可愛い金魚になり、とても育てがいがあります。
しかし、当然のことながら、乱暴に扱えば臆病な性格になってしまいます。
お世話は毎日きちんと行い、もちろんエサも美味しいものを与えてあげましょう。
どのようなエサを好むのかというと、金魚は雑食性なので、大抵のものは良く食べます。
ただ、 好き嫌いがあります 。
一般的に、稚魚のときは 動物性のエサ が好きで、成長すると 植物性のエサ を好むようになります。
動物性のエサにはミジンコやアカムシなどの天然餌料、ペレットなどの人工餌料などがあります。
植物性のものには浮草のほか、人工餌料が一般的です。
ペットショップに行くと色々なものがありますから、金魚の好みに合わせて購入してあげると良いでしょう。
金魚の寿命は 10年前後 です。
丈夫な品種だとかなり長生きをするようで、20~30年生きたという報告もあります。
中には40年以上生きたという気録もあるようです。
飼っている金魚が長生きできるよう、ぜひ大切にお世話してあげてください。
金魚の病気には様々なものがありますが、ここでは代表的なものを取り上げます。
原因…繊毛虫の一種、白点虫(イクチオフティリウス)がエラなどに寄生することで発症します。
症状…はじめ、ヒレ先に白い点があらわれ、全身に広がります。
予防…水温の低い時期にあらわれる虫なので、この時期は水を清潔にし、少しだけ水温を上げると繁殖を防ぐことができます。
※合わせて読みたい: 白点病の症状や原因、治療方法について解説!熱帯魚の体に白い点が発生したら赤信号
原因…カラムナリス菌に感染することで発症します。
症状…尾びれが白くなったり充血した後に、ちぎれるようになります。
予防…水温や水質などのチェックを、日頃から怠らないように気を付けましょう。
尾びれの長い個体は特に注意です。
原因…エピスチリス(ツリガネムシ)が、金魚のヒレなどに着生することで発症します。
症状…体表に、白点病よりは大きめの白点が見られ、充血し、鱗が剥がれます。
予防…梅雨入りから初夏にかけて、水温を一定に保ち、清潔を心がけましょう。
原因…淡水性甲殻類のアルグルス・ジャポニカス、別名チョウが寄生することで発症します。
症状…金魚が水面に浮かんだり、かゆみのため、体を水槽の壁などにこすりつけたりします。
予防…外部から、消毒のしていない水草や、新しい金魚を入れるときに注意します。
発症した個体がいれば隔離しましょう。
原因…平衡感覚を司る神経の異常が原因と言われています。
症状…はじめは異常な泳ぎ方をするようになり、やがて横に倒れ、転覆した状態になります。
予防…冬場など、寒い時期にエサを与え過ぎないようにし、25度以上の水温に保つように気を付けます。
丸みを帯びた金魚は特に注意です。
どれも金魚のかかりやすい病気ばかりです。
日頃から金魚の健康に配慮して、病気を防いであげたいですね。
そのためにも、水温、水質チェックを怠らず、適切な量のエサを与えてあげましょう。
また、少しでも金魚に異常を感じたら、金魚を診てくれる獣医師さんに相談してみるのも良いでしょう。
しかしながら、金魚を診てくれる獣医さんは非常に少ないです。
金魚に不調が見えた時に病院を探し始めては、なかなか見つからない可能性がありますので、前もって探しておくことをおすすめします。
これまでの項目をご覧になって、早速金魚を飼ってみたいと思われた人もいることでしょう。
ただ、その前に準備しておくべきものがあります。
ここではその中でも代表的なものを、ポイントを交えながらご紹介します。
充分な量の水が入り、ある程度の水面があれば、どんな入れ物でも金魚を飼うことができると言われています。
そうとはいえ、金魚の健康について考えると不適切なものもあります。
例えば、可愛らしい形状の 金魚鉢 は人気の水槽ですが、 あまり飼育には向きません。
オススメは、一番基本的な四角い水槽です。
これには、 ガラス製 のものや アクリル製 のものがあります。
ガラス製のものは取り扱いに注意しなければならず、重さもありますが、独特の美しさがあります。
アクリル製のものは手ごろなお値段のものが多く、扱いも簡単です。
どちらも、前面の幅が 60cm のものが無難で、成魚の場合は 3匹程度 を入れることができます。
その他に、 衣装ケース などが丈夫で軽いため、意外にも利用されることがあります。
このように、水槽といっても色々な種類のものがあります。
しかし、どんな水槽を選ぶにしても一番大切なのは 掃除がしやすく、水替えに困らないものである ということです。
上記の点に注意して、ぜひ素敵な水槽を見つけてください。
参考価格:4,051円(税抜)
メーカー名:エーハイム
サイズ(幅奥行高さ):60×30×36cm
重量:11.2㎏
水草 を水槽に入れることは、鑑賞目的にも良いですし、金魚の健康にも良いものです。
水中に分解された栄養素や金魚の排泄物、二酸化炭素などを吸収して、酸素を供給してくれます。
水温などの理由から、熱帯魚用の水草は適していないので、金魚用のものを買うようにしましょう。
主な水草には、以下のものがあります。
参考価格:680円(税抜)
サイズ:約15cm
数量:10本
生産国:日本
金魚のエサには 天然餌料 と 人工餌料 があります。
天然餌料は主に動物性、人工餌料には動物性のものと植物性のものがありますが、前述したように、稚魚は動物性を、成魚は植物性を好みます。
天然餌料には ミジンコ類 や アカムシ などがあり、いずれもペットショップや釣り餌店で手に入れることができます。
生きたまま与えることができる生きエサのほかに、冷凍や乾燥処理をほどこしたものがあります。
人工餌料には、固形の ペレット や顆粒の クランブル タイプ、 フレーク 状になったものなど様々な種類があります。
大型の金魚にはペレットを、そのほか小型の金魚には、クランブルやフレークのエサを与えるのが一般的です。
さらに、金魚にエサを与えるときには、気を付けることがあります。
それは、エサを 与え過ぎない ということです。
金魚は胃がない生きものなので、食べ過ぎると体に負担をかけてしまいます。
一般的に、 5分~10分 程度で食べ終えることができる量を与えるのが良いとされます。
エサやりは、一日に 2~3回 が目安ですが、夕方頃までには終えるようにしましょう。
参考価格:1,097円(税抜)
メーカー名:Tetra
内容量:200g
生産国:ドイツ
以上の3点(水槽、水草、エサ)は最も基本的なものですが、この他にも エアーポンプ や ろ過装置 、 蛍光灯 などの飼育器具があります。
熱帯魚と違い、これらの器具が金魚に必ずしも必要なわけではありません。
しかし、金魚の健康に配慮して、良い環境を整えてあげたいという方は使ってみてください。
金魚を飼うための道具を準備したら、いよいよお目当ての金魚を手に入れることができます。
大きなペットショップに行けば、様々な品種の金魚が色とりどりに取りそろえられ、美しく泳いでいます。
同じ品種のものでもたくさんの金魚がいるので、目移りしてしまうことでしょう。
この項目では、金魚を選ぶためのポイントをご紹介します。
それは、 丈夫で健康な金魚 であるということです。
当たり前といえば当たり前のことなのですが、長く可愛がっていく上でも、重要なポイントです。
丈夫かどうかを判断するには、全体のバランスがとれた美しい金魚かどうかを確かめる必要があります。
まずは、 頭部の形がはっきり として、 左右対称 になっているかどうかを見ます。
背はすっきり として ヒレが大きく 、美しい形のものを選びます。
尾の付け根は太い ものが良く、 尾びれの動かし方が正常 かどうかを確かめます。
体色は 鮮やか で、 濃い色 のものが良いとされています。
さらに、金魚には、品種は同じでも大きさに違いがあります。
中にはその年に生まれた 当歳魚 と呼ばれる金魚もいますが、ほかと比べて飼育が難しいといわれています。
育てがいもある金魚ですが、心配な場合は店員の方に確かめて、 2歳魚 や 3歳魚 を購入すると良いでしょう。
以上の点に気を付けて、ぜひ素敵な金魚を選んでください。
英表記: Goldfish
原産国: 中国
体色: 赤、白、黒、サラサ、黄金、オレンジなど
品種: ワキン、リュウキン、コメット、デメキン、ランチュウなど
値段:
ワキン:20~3,000円ほど
リュウキン:300~8,000円ほど
コメット:200~2,000円ほど
デメキン:20~2,000円ほど
ランチュウ:1,000~10,000円ほど
特徴: 温かい水温を好み、急激な温度変化に弱い。止水性と浅い水深を好む
性格: 大人しく、穏やか。適応力があり、エサの好き嫌いがある
寿命: 10歳程度。長生きをすると40歳以上になることも
かかりやすい病気: 白点病、尾腐れ病、エピスチリス症、アルグルス症、転覆病など
入手のしやすさ: 容易
金魚の基本的なデータに加え、事前に準備するもの、選び方など、 具体的なポイントについてもお分かり頂けたかと思います。
金魚は身近で親しみやすく、ペットに最適な生きものです。
鮮やかな模様や水の中を優雅に泳ぐ姿に、癒されること間違いなし。
色々な品種の中からお気に入りの金魚を見つけて、 いつまでも可愛がってあげてください。
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公開日 : 2016/06/21