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8. メダカについて知ろう! ~⑦飼う前に準備するものは?~
今回ご紹介するのは、皆さまご存じ、 メダカ です!
童謡にも歌われるほど日本人には身近な存在のメダカですが、ペット市場では意外に見落とされがちです。
実はこのメダカ、とても魅力にあふれたペットなんです。
そこで、本記事では簡単な流れに沿って、皆さまにメダカについての魅力たっぷりな情報をご紹介していきます!
まずは、バックグラウンドとして基礎的な知識を蓄えて頂き、そのあと具体的な情報をご覧頂きます。
主な項目としては、以下のものがあります。
①歴史
②品種と値段
③特徴
④性格
⑤寿命
⑥かかりやすい病気
⑦飼う前に準備するもの
⑧メダカを飼う環境
それでは早速、①歴史について見ていきましょう!
メダカは、主に アジア に分布する淡水魚で、日本にも全国に生息しています。
そもそもメダカは、 目高 と書きます。
その名の通り、目が高い位置にあることから名付けられたようです。
身近な自然の生き物として人々に親しまれた結果、たくさんの 異名 を持つことでも知られています。
金魚と同様、鑑賞魚として定着するのも早く、江戸時代には大名たちが室内で鑑賞していたようです。
現在でも小川などで見かけることができ、童謡でも親しまれていますが、実は 絶滅危惧種 に指定されています。
水質汚染や環境の変化などにより、メダカが減少したことが原因です。
ですが、絶滅危惧種といっても、ペットとして飼うことが禁止されたわけではありません。
むしろ近年では、身近に感じられる機会が減ったからこそ、ペットとしての人気が高まっているようです。
意外に思われるかもしれませんが、メダカには様々な色、形の品種があります。
ここでは、代表的な鑑賞用の品種を 5種類 ご紹介致します。
黒メダカ とは、いわゆる野生メダカと同じカラーの品種を指します。
もともと、単に メダカ と呼ばれていましたが、ほかの改良品種と区別するため、この名前が付きました。
しかし、現在では真っ黒い体色のメダカも出てきているため、混乱を招くこともあります。
そちらの品種は、 ピュアブラック などと呼ばれて区別されています。
黒メダカの体色は、薄墨色を帯び、尾ビレは淡い黄褐色をしています。
とても枯淡とした味わいのあるメダカで、ほかの鮮やかなカラーに負けない魅力を持っています。
日本人好みのこの ノーマルカラー からは、たくさんの改良品種が生み出されました。
丈夫で飼いやすさにも定評があり、初心者にもおすすめです。
お値段は、 30円~100円前後 と、とてもお安く購入することができます。
日本に古くからいる、黒メダカの親しみやすい姿をご覧になって、癒されてみてはいかがでしょうか。
緋メダカ は、改良品種の中でも 最もポピュラーな品種 です。
歴史は古く、江戸時代から既に親しまれていたようです。
今では、黒メダカに次いで身近な存在となっています。
ペットショップで見かけることが一番多い品種、といっても過言ではありません。
実は、単に メダカ といった場合、黒メダカよりこちらの緋メダカを思い浮かべる人が多いほどです。
メダカの代表格として、教科書などにも載っています。
黄色の強い色素を持つため、体色は明るいイエロー、もしくはオレンジ、黄褐色です。
とても飼いやすく丈夫なため、初心者にもおすすめの品種です。
お値段は、 30円~100円前後 で、黒メダカよりお安い 100円未満 で売られていることが多いようです。
何匹か群泳させて、美しい色合いを楽しむのも良いですね。
白メダカ は、緋メダカに次いでポピュラーな改良品種です。
色素がほとんどないため、美しい白い体色を楽しむことができます。
いわゆるアルビノ種ではなく、目は黒い色をしています。
そのため体は弱くはないのですが、飼育はやや難しめです。
色には個体差があり、真っ白なものから淡い黄色味のあるものまで様々です。
濃いものを ミルキー 、淡いものを シルキー 、黄色味のあるものは、 クリーム と呼ばれています。
水草のある水槽の中に、白メダカが泳ぐさまは、とても幻想的です。
特に真っ白な個体は人気が高く、違うカラーの品種と合わせて鑑賞するのが楽しまれています。
お値段は、 100円~200円前後 と、とてもお手頃です。
種類の違うメダカと一緒に購入されて、色のバリエーションを楽しんでみてはいかがでしょうか。
青メダカ は、改良品種の中でも人気の定番メダカです。
青メダカと聞いて、真っ青なメダカを想像されるかもしれませんが、実際は違います。
このメダカの魅力は、青味を帯びたように見える淡い体色です。
発色の度合いなどは個体差がありますが、群れで飼うとより魅力的な色合いが楽しめます。
青メダカには、黄色の色素がないため、この青味がかった体色が現れます。
早くから固定化された品種のため、飼育も難しくありません。
お値段は、 100円~200円前後 です。
黒メダカや緋メダカよりは若干高めですが、10匹単位だと少しお安くなることもあります。
特に青メダカは群泳での鮮やかな発色が魅力的ですので、何匹か購入されてみてはいかがでしょうか。
楊貴妃メダカ は、近年人気となっている改良品種です。
まるで金魚のような強い赤色の体色は、メダカがペットとして人気となるきっかけにもなりました。
その名の通り、鮮やかな発色がとてもきらびやかな印象です。
赤色の濃さが違うもの、白い斑のあるものなど、様々なバリエーションがあるのも人気の原因となっています。
成長するほど、赤色が濃く発色するため、育てがいもあります。
ペットショップでも多く目にすることができ、比較的丈夫で飼いやすい品種です。
お値段は、 200円~500円前後 です。
他の品種と比べて少しお高めですが、最近ではかなりお手頃になってきています。
ぜひ、楊貴妃メダカをご自宅に迎え入れて、艶やかな姿を楽しんでください!
メダカは前述した通り、 アジア に広く分布する淡水魚です。
体長は 3.5cm~4cm ほどで、小川や田んぼの水路などに生息しています。
メダカの特徴のひとつに、 擬態すること があげられます。
まわりの環境に合わせて体色を変化させることができるのです。
また、とても丈夫な生き物であることでも知られています。
0度~35度 近い水温に耐えることができ、 耐塩性も高い ため、海水で生きることも可能といわれています。
ですが、急激な変化には対応できません。
メダカの水槽の温度を、急に上げたり下げたりするのはやめましょう。
柔軟さはありますから、時間をかけた上で、 まわりの環境に合わせていく能力が高い といえます。
さらにメダカは、 繁殖力が高い ことでも知られています。
ご自宅でも、比較的容易に繁殖させることができるのです。
飼い主さんがご自身でメダカを殖やせるというのも、ペットとして人気の理由かもしれません。
ですが、 殖やしすぎてしまったメダカを放流することは 絶対にやめましょう 。
遺伝子などの違いから、既に生息していたメダカの生態系を壊したり、環境を破壊してしまう恐れがあります。
ぜひ、こうした特徴をふまえた上で、メダカに良い環境をつくってあげてください!
メダカの性格?と思われるかもしれませんが、メダカには性格がちゃんとあります。
それは、 穏やかな性格 です。
群れで生活するメダカはとても穏やかで、ケンカは滅多にしません。
そもそも天敵があまり多くないため、群れをつくって静かに生活している生き物なのです。
それぞれがなわばりを主張したりせず、群れで活動するという性質が、穏やかさにつながるのでしょう。
また、特徴の項でも述べたように、 幅広い環境に対応できる柔軟さ もあります。
このため、多少水槽の環境を簡略化しても、飼育ができてしまうのです。
後述しますが、例えばフィルターを使わず小さい水槽で飼育することも可能です。
(もちろんその場合は、 水換えなどの水質管理が大切になります )
たくさんのメダカを群泳させて楽しんだり、ほかの淡水魚と一緒に飼うこともできます。
一人暮らしの忙しい方でもポイントをおさえれば、安心してご自宅で飼うことができるのです。
まさに現代人にぴったりのペット、といっても過言ではないでしょう!
ぜひご自宅で、ゆったりと泳ぐメダカたちの姿に癒されてください!
野生のメダカの場合、寿命は1年ほどといわれています。
しかし、飼育下の場合は 3年~5年 程度になるようです。
メダカは3ヵ月ほどで成熟します から、4年以上生きればとても長生きといえるでしょう。
丈夫で長生きなメダカになるよう、大切にお世話してあげてください。
メダカの病気には色々なものがありますが、ここでは代表的なものを 5種類 あげます。
・原因…イクチオフティリウスという繊毛虫が寄生することによって起こります。
・症状…ヒレに白点が現れ、やがて全身に広がります。
・予防…水温が変化する季節に、水質管理をしっかりしましょう。
・原因…傷口などに、カラムナリス菌が感染して発症します。
・症状…尾ビレが白色化し、やがてちぎれます。
・予防…水質チェックをこまめにし、メダカを傷付けないようにしましょう。
・原因…様々な細菌が傷口に感染することで発症します。
・症状…ヒレなどにやわらかい白色のかたまりが現れます。
・予防…水槽を清潔に保ち、メダカを傷付けないようにしましょう。
・原因…傷んだ餌を食べたり、食べすぎたりすると発症します。
・症状…食欲不振になり、あまり動かないようになります。
・予防…餌の鮮度や量に充分注意しましょう。
・原因…急激な水温の低下などにより起こります。
・症状…体表に異常が現れたり、行動が鈍くなります。
・予防…秋から冬などの低水温気に、水温管理をしっかりしましょう。
今まで述べてきたように、メダカはとても丈夫な生き物です。
ですが、 一度病気にかかるとなかなか治りにくいという 繊細さ があります。
日頃の健康チェックや、水質管理、餌の量などにしっかり気を配ってあげましょう。
きちんと管理をしてあげれば、とても元気に過ごしてくれるはずです。
ペットショップにはサプリメントもありますから、いざというときのために準備しておくと安心ですね。
ここからは、いよいよ具体的な飼育アイテムをご覧頂きます。
特に代表的なアイテムについて、ポイントを交えながらご紹介致しますので、早速ご覧ください。
一番おすすめの 水槽 は、 四角い水槽 です。
ガラス製 が鑑賞の点ではおすすめですが、 アクリル製 は丈夫で扱いやすいという利点があります。
メダカの数に合わせてゆったりとした広さのある水槽を選びましょう。
一般的には、 10匹前後なら一辺が30cm 、 50匹前後なら60cmほど あるのが良いといわれています。
また、上の写真のような小さめでフィルターが付けられない水槽の場合は、水質管理が重要になります。
水換えをこまめに行いましょう。
頻度としては、 3日に1回程度 換える必要があります。
以上は室内に置く水槽の場合ですが、もし屋外でお飼いになりたい方は、 広い水面 があって 、あまり深くない入れ物 が理想的です。
睡蓮鉢 などが良いですが、四角い プラ舟 や プランター など、水が充分溜められるものであれば問題ないので、ぜひ参考にしてみてください。
底砂 も 水草 も、絶対に必要なものではありませんが、水槽に入れることで華やかさがぐっと高まります。
水質管理もしやすくなるので、やはり入れるのがおすすめです。
底砂には粒の大きさから色まで様々なものがありますが、好みのもので大丈夫です。
ですが、 ガラスのようにとがった砂だとメダカが傷付いてしまうので、避けましょう。
水草を植える場合は、底砂に 3cm~5cm ほどの厚みがあると安心です。
植えない場合は、それほど厚さがなくても大丈夫です。
水草には、以下のような種類のものがあります。
・金魚藻(オオカナダモ) …砂がなくても育つ丈夫な水草です。
・リラキナ …赤い水草です。水槽が華やかになります。
・マツモ …底砂に植えることができますが、砂がなくても育ちます。
・ウォータースプライト …底砂に植えることも、浮草にすることもできる丈夫な水草です。
・ホテイアオイ …浮草タイプの水草です。屋外で飼う場合におすすめです。
このほかにもたくさんの種類がありますから、ペットショップに足を運んでぜひ検討してみてください。
フィルター も、底砂と水草のように、必ずしも必要なわけではありません。
ですが、水質管理が行いやすくなるため、基本的にはあった方が良いでしょう。
水槽内はゴミでどんどん汚くなりますが、メダカの健康のためにも常に清潔な環境が必要です。
もしフィルターを設置しない場合は、前述した通り こまめな水換えを行わなければなりません。
( 3日に1回程度 )
もちろん、 フィルターを付けている場合でも水換えは必要です。
1~2週間に1回ほど 、水の一部を交換するようにしましょう。
水換えの方法は、以下の通りです。
①ヒーターなどの機器の電源を切ります。
② ポンプ などを使い、静かに水を半分ほど吸いだします。
③新しい水( 水道水の場合は中和します )を用意して、 温度をチェックします。
④用意した水を、静かに注ぎます。
以上の手順で水換えを行い、しっかり水質管理を行ってください。
また、底砂や水草を入れることで、水の浄化を助けることもできます。
ほかにも、 照明器具 や ヒーター 、 水温計 や バックスクリーン などのアイテムがあります。
どのアイテムも、鑑賞やメダカの健康管理を助ける目的がありますから、必要に応じて購入してみてください。
メダカの餌には、 人工餌 や 生餌 、 活き餌 があります。
人工餌は、フレーク状や顆粒状のものがあり、栄養バランスも考えられているので一番基本的です。
ただ、嗜好性は低いものが多いので、食いつきが悪い場合は生餌や活き餌を試すのがおすすめです。
生餌は、冷凍したアカムシやイトミミズなどで、活き餌は生きた状態の餌のことです。
人工餌と比べて栄養価が高いので、体力が落ちているときに与えても良いでしょう。
以下の生餌も、参考にしてみてください。
ただ、生餌や活き餌は保管が難しく、水質を悪化させるので、 買いすぎには注意しましょう。
また、どの餌にもいえることですが、 与えすぎてはいけません。
水質も悪くなりますし、食べすぎでメダカが体調を悪くすることがあります。
残さず食べつくせる量 を、 1日2、3回 ほど与えましょう。
餌を与える時間は、いつも同じ時間帯なのが理想的です。
餌やりの時間は、メダカの健康チェックを行うことができる時間でもあるので、しっかり観察すると良いですね。
メダカが元気に過ごすことができるよう、美味しい餌をしっかり与えて可愛がってあげてください。
最後に、メダカを飼うときの環境についてご覧頂きます。
ここでは、メダカに最適な環境やメダカを飼う際の注意ポイントなどをざっくりご紹介致します。
まず、一番大切なのは、 メダカの水槽を置く場所 です。
なんとなく、窓際などの日当たりの良い場所がいいのでは?と思われるかもしれません。
しかし、これは間違いです。
直射日光の当たる場所は、高水温になりコケが発生して、水槽の中が緑色になってしまいます。
おすすめは、 日が直接当たらず温度の変化も少ない場所 です。
静かな部屋の隅の、丈夫な台の上などに置きましょう。
また、もし旅行などで家を空ける場合は、 夏場など水温が上がりすぎないように注意が必要です。
空調で調節する か、 水槽にファンを取り付けて水温を下げる こともできます。
さらに気を付けてほしいのは、家を空ける際に、餌を余分に与えてしまうことです。
しばらくあげられなくなるからといって餌を与えすぎると、 水質の悪化やメダカの体調不良 を招きます。
メダカは通常、 1週間程度なら餌を食べなくても死ぬことはありません 。
そのくらいの日数でしたら、あまり心配せずに家を空けることができます。
屋外の場合でも同じで、普段の餌はむしろ、 室内で飼っているときより少なめに与えます 。
置き場所も、あまり日が長く当たらない涼しい場所がおすすめです。
屋外での注意点は、 ネコやタヌキなどの外敵がメダカを襲うかもしれないということです 。
対策としては、 ネット などの覆いを施すのが良いでしょう。
ほかにも、石や小さな鉢を水中に設置することで、メダカが影に隠れやすくなります。
大切なメダカを守るためにも、ぜひ環境づくりを工夫してみてください。
英表記:Killifish, Medaka, Ricefish
原産地:アジア
体長:3.5cm~4cm
体色:薄墨、黄、白、青、赤、黒など
品種:黒メダカ、緋メダカ、白メダカ、青メダカ、楊貴妃メダカなど
値段:黒メダカ30円~100円前後、緋メダカ30円~100円前後、白メダカ100円~200円前後、
青メダカ100円~200円前後、楊貴妃メダカ200円~500円前後
特徴:擬態ができ、0度~35度の水温に耐えられる。耐塩性も高く、急激な変化には弱いが適応能力が高い。
繁殖力も高い
性格:穏やかで比較的柔軟
寿命:野生下では1年ほどだが、飼育下では3年~5年程度
かかりやすい病気:白点病、尾腐れ病、水カビ病、腸炎、風邪など
入手のしやすさ:容易
メダカの基本的な知識に加え、飼育する際に役立つ具体的な情報もお分かり頂けたかと思います。
メダカはとても穏やかで、ペットにぴったりな生き物です。
ご自宅でお飼いになれば、ゆったりと泳ぐ姿に癒されることでしょう。
ぜひ、素敵なメダカをお飼いになって、いつまでも可愛がってあげてくださいね。
最終更新日 : 2021/10/29
公開日 : 2016/10/08