Top > 魚類/甲殻類/水生生物 > 甲殻類
本ページに掲載のリンク及びバナーには広告(PR)が含まれています。
ペットとして人気のあるテナガエビですが、日本国内にも生息しているポピュラーなシュリンプ種です。
熱帯魚や アカヒレ ・ メダカ などとの混泳も可能で、 アクアリウム を充実させるのにぴったりの エビ です。
しかし、手部分がとても長いため、導入時や混泳相手は慎重に選ぶ必要のある種類といえるでしょう。
また分布域も幅広く、淡水から汽水域にまで生息しています。
どのようなシュチュエーションでテナガエビを飼育したいのかを検討して種類を選び、購入することが望ましいです。
種類によっては大型に成長する個体もおりますので、飼育のポイントについて早速紹介させていただきます。
テナガエビはテナガエビ科に分類させるエビの総称であり、第二歩脚部分が長く発達するという特徴があります。
熱帯地域から温帯にかけて生息しており、温かな環境を好むシュリンプ種です。
日本では九州以南の南西諸島周辺では15種類ほどのテナガエビが生息しています。
反対に北の方に行くと、ヒラテナガエビ、ミナミテナガエビ、テナガエビの3種類しか生息は確認されていません。
種類にもよりますが、成長すると全長3センチ~20センチほどに成長して、その大きさも様々です。
体色が緑褐色~灰褐色の色合いをしており、若い個体には半透明で黒い縞模様がみられることが多いです。
ザリガニ や カニ 類と違い、第一歩脚ではなく、第二歩脚が鋏脚として大きく発達しているという特徴があります。
この発達した脚はエサを捕食したり、外敵を攻撃することに活用しています。
河川の下流から沼地、湖等に生息しており、流れの緩やかなところを生活圏としています。
夜行性であり、日中は岩下や水草の茂みに隠れて夜間に獲物を探して活発に行動します。
縄張り意識が非常に強く、別個体に接触すると好戦的に相手を排除しようと攻撃するので、同種同士での混泳は注意が必要です。
食性は肉食性なので、水生昆虫や魚の死骸などを捕食して生活します。
飼育下では雑食性に転じることも多く、藻類なども食べますが動物性たんぱく質が不足すると共喰いすることもあり、定期的な肉食性の給餌が必要です。
テナガエビの繁殖期は5月~9月までの暖かい時期であり、比較的長期ですが、多くは夏季に産卵する傾向にあります。
雌は一度に1000個~2000個ほどの卵を出産して孵化するまでの間、腹脚にかかえて保護します。
テナガエビの幼体は両側回遊型であり、海水か最低でも汽水域まで降下しないと成長できません。
幼体時にはプランクトンやデトリタスといった微生物を捕食して成長し、1か月ほどで稚エビに成長し、川底を自らの足で登って淡水域にに戻ってきます。
飼育下での繁殖にはコツが必要で、腹脚に卵をかかえた雌を隔離し、卵が孵化したら海水に幼体を移す必要があります。
さらに1か月ほどして5ミリ前後に成長した稚エビはまた淡水に戻す作業が入ります。
この時に成体のテナガエビと一緒にしてしまうと、捕食対象になってしまうので、さらに別の水槽で成長するまで飼育します。
また稚エビの餌付けは難しく、一番おすすめなのはブラインシュリンプを孵化させたものを与えることです。
両側回遊型のシュリンプの繁殖は難易度が高く、経験者でも失敗する場合があり初心者には不向きです。
ペットショップでは500円~2000円前後のテナガエビが販売させていますので、初心者は購入により数を増やすのがベストでしょう。
寿命はおよそ3年前後で、大切に飼育すると5年以上生きる個体もおります。
温暖な環境を好むので、温度管理は必須になります。
特に冬季は夜間などに一気に低温になってしまうとそのまま水槽内で全滅してしまうことも考えられますので、ヒーターを設置するようにします。
飼育を円滑に行うために便利なアイテムもご紹介いたします。
テナガエビのみの飼育でしたら小型の水槽でも飼育可能ですが、種類によっては30センチ前後に成長するので、60センチ水槽がおすすめです。
さらに、テナガエビ種は縄張り意識が強く、複数の隠れ家が必要になりますので余裕を持った水槽が良いでしょう。
初心者の方はろ過装置とセットになった飼育セットの購入もお得に設備をそろえることができるので良いでしょう。
長い手を水槽のふちにかけて脱走する場合も考えられますので、水槽のフタは必ず設置します。
テナガエビは肉食性なので、人工エサに慣れるまで時間がかかります。
画像のような半生のエサからあたえるようにすると抵抗なく食べてくれる可能性が高いです。
他にもスーパーなどに売っている魚肉ソーセージや、魚の切り身などもテナガエビのエサとして有効です。
しかし、魚肉ソーセージなどには添加物が多く含まれていますので、あくまでおやつ代わりとしてあたえることが大事です。
テナガエビは、脚にかかえて少しづつ崩しながら食べるので他の魚に獲られないように、沈下性のエサを合わせて与えるようにしましょう。
夜間に活発に活動しますので、給餌は夕方から夜にかけて行うのが望ましく、日中は隠れ家でじっとしていることが多いです。
混泳相手にはテナガエビより一回り大きいサイズの熱帯魚と混泳することにより捕食されにくくなります。
プラティーや モーリー 等の5センチ前後に成長する魚がおすすめです。
また、 グッピー や ネオンテトラ 、メダカ類との混泳を検討している場合には数を多めにいれるのが良いでしょう。
メダカなどが衰弱した個体がいると長い脚を使って、捕食しようとするので隔離して治療するようにしてください。
なお、肉食魚などとの混泳は逆にテナガエビが捕食されてしまうので避けましょう。
テナガエビなどのシュリンプ種は、筒状の隠れ家を好む傾向にあります。
水槽内に土管などの筒状の隠れ家を設置することにより、テナガエビが休憩やエサを落ち着いて食べることが可能です。
複数飼育している際には、テナガエビの数分だけ隠れ家を設置することをおすすめします。
テナガエビは縄張り意識が強く、一つの隠れ家に一匹づつで入っていることがほとんどです。
数が足りないと、喧嘩になってしまい、長い歩脚を欠損してしまうことがあります。
また、混泳している魚に突かれた際に避難場所として利用できるので、土管でなくてもライブロックなどを設置してあげると良いでしょう。
テナガエビをペットショップで購入してからすばやく、水合わせしてあげることによりストレスをかけずに導入することができます。
すでに魚などがいる水槽にテナガエビを導入する場合には数日別容器でトリートメントしてから導入するようにします。
①水道水にカルキ抜きをいれて、水が透明になるのを待ちます。購入した水槽を洗って天日干ししておきましょう。
②砂利、アクセサリー類を洗い水槽にセットします。
③水が泡立たないように静かに水槽に水を入れていきます。
④水槽に水を満たしたら、ヒーター・ろ過装置をセットして水を循環させ、そのまま2日間ほど置きます。
⑤水槽内を酸素が循環することにより、バクテリアが発生してフィルターに付着して水槽内の水質が安定します。
⑥水が完成したら購入してきたテナガエビを、袋ごと水槽に1時間浮かべていきます。
⑦袋の水を少量捨てて、水槽の水を袋に入れて40分ほど置きます。
⑧⑦を2~3回繰り返して水質をあわせます。
⑨水合わせが完了したらテナガエビのみを水槽に移して完了です。
テナガエビが病気にかかった場合、魚よりも治療が難しく、また原因がはっきりしない場合があります。
普段からの様子を観察することにより、テナガエビの健康を管理してあげましょう。
こちらの項目では、テナガエビが陥りやすい症状をご紹介いたします。
飼育しているテナガエビに不調がみられた場合には、速やかに専門家に相談しましょう。
脱皮の段階でうまく脱皮することができず、古い皮膚が残ってしまい、そこから菌が入って感染してしまうことがあります。
古い皮膚は数日すると自力で取れるものですが、様子を見て経過観察してください。
無理に引きはがしてしまうとそこから欠損してしまう場合もありますので、隔離して脱皮しやすい状況を作ってあげると良いでしょう。
また、水温が低温すぎたりするとテナガエビの動きが鈍ってしまうことがるので、水温を一度ほどあげるなどの工夫が必要です。
テナガエビは肉食性の傾向が強いので、十分にエサが足りないと水槽内の生物を手当たり次第に捕食しようとします。
また同種を複数で飼育している場合には、縄張りスペースがないと喧嘩からの共喰いに発展することがあります。
なるべく飼育する際にはサイズをそろえて、広めの水槽で飼育するようにしましょう。
また、日々の飼育で十分にエサがいきわたるように数回に分けて給餌するのが良いでしょう。
赤虫などの動物性たんぱく質を中心にエサをあたえると良いです。
テナガエビは水質の変化に強く、少し汚れている水の方が適応力があります。
しかし、水槽内に藻類やカビが発生したまま放置しておくと、テナガエビの皮膚に菌が感染してしまい、爛れてしまうことがあります。
症状が進行すると食欲不振や皮膚が赤くなってきてしまい、やがて衰弱死してしまいます。
定期的なメンテナンスをして水槽内の水質を一定にしておくことが予防になります。
感染が内臓部分までいってしまうと拒食になってしまい数日で死に至るので早めに隔離しましょう。
薬液などは甲殻類にはかえって害になってしまうことがるので、よく確認してから使用するのが良いです。
原産国 : 日本九州以南、東南アジア等
値段 : 500円~2000円前後
色 : 緑褐色~灰褐色
寿命 : 2年~5年
体長 : 3センチ~20センチ前後
特徴 : 第二歩脚が長く発達しており、鋏脚としてエサを捕食します。
性格 : 縄張り意識が強く、肉食性が高いシュリンプ種です。
かかりやすい病気 : 脱皮不全、細菌感染症等
注意点 : エサが十分与えられてないと共喰いをすることがあるので、エサを数種類バランスよく与えるようにしましょう。
テナガエビの飼育について紹介させていただきました。
テナガエビは水質の悪化にも強く、初心者にも飼育しやすい種類も存在するので、水生生物の飼育を始めたい方にもおすすめです。
また、長い歩脚はインパクトがあり、水槽内で器用に使用する様子が観察できるのも魅力的ですね。
こちらの記事を参考にテナガエビに興味を持っていただければ幸いです。
公開日 : 2017/11/09