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「悪い奴が連れている犬」と聞くと、どんな 犬 を思い浮かべるでしょうか?
日本人ならピンとこないことも多いものですが、アメリカ人なら、アメリカンピットブルテリアと答える人もいるかもしれません。
かつて、アメリカンピットブルテリアは、従順で愛情深い人気の犬種でした。
しかし、近年多くのヨーロッパの国々、アメリカのいくつかの州で所有や飼育が禁止されてしまっています。
一体どうしてでしょうか?
ここでは、そんなアメリカンピットブルテリアの歴史や特徴、飼育方法などをご紹介します。
アメリカンピットブルテリアは筋肉、骨格ともにしっかりした体格の 中型犬 。
丸い大きな頭部とこの均整の取れた筋肉質な体が特徴です。
両目が離れていて鼻は短く、大きくしっかりしたあごを持つ、テリアらしい表情。
半立ち耳、しっぽは中ぐらいの長さで垂れています。
アメリカンピットブルテリアは、体長が体高よりやや長く、大きめの中型犬に分類されます。
標準的なアメリカンピットブルテリアの体高は46〜56cm、体重は14〜36kg。
アメリカンピットブルテリアの被毛は艶やかな短毛。
カラーバリエーションは豊富で白、黒、ブラック&タン、ブリンドル、トライカラーなどあらゆる毛色が存在します。
アメリカンピットブルテリアは明るく無邪気な性格。
飼い主に対して愛情深く、非常に服従心が強い犬種です。
したがって、愛情を注ぎ信頼関係もしっかりしていれば、家庭犬として最良のパートナーとなってくれます。
ただし、闘犬だった歴史もあり、警戒心が強く大きな犬や動物、 小動物 に攻撃的になることも。
飼い主がしっかりしつけを行い、人間社会に適応する性格に育てていかなければいけません。
アメリカンピットブルテリアの寿命は約8〜15年。
ただし、闘犬で多くのピットブルが死亡していること、飼育制限の法の目をかいくぐって飼育している場合も多く、正確な統計データが取りずらい現状もあります。
アメリカンピットブルテリアは ブルドッグ の血を引く闘犬としてつくられたアメリカ原産の犬種。
ブルドッグの他にスタッフォードシャーブルテリアを基礎に作られてきたといわれていますが、その交配に関しての詳細は明らかになっていません。
これは、闘犬として強い犬を作るための交配が門外不出の秘密であることに起因します。
ただし、スタフォードシャーブルテリアの負けん気の強さと体格の大きいブルドッグから、闘犬としての要素が受け継がれているのは確かです。
18世紀、ヨーロッパでは雄牛を犬に襲わせる「ブル・ベイティング」が流行していました。
これに用いられ、活躍していたのが、ブルドッグや ブルテリア などの闘犬です。
しかし、雄牛が一方的に痛めつけられるこの見世物は、イギリスはじめヨーロッパ各国で動物愛護法の制定により禁止に。
その後、犬同士を闘わせる闘犬が流行するも、1世紀の歴史も作らず闘犬も禁止となります。
ただし、闘犬は法の手の届かない闇で横行していました。
そんな闘犬が闇で活躍していた時代、アメリカンピットブルテリアの基礎となったスタッフォードシャーブルテリアがアメリカに輸出され、アメリカンピットブルテリアが作出されました。
アメリカンピットブルテリアは主に畜産家に飼育され、勇敢で力持ちの使役犬として重宝されるようになりました。
しかし、20世紀に入るとアメリカンピットブルテリアは、ネガティヴなイメージを持たれるようになります。
闇で闘犬など犯罪を行う者が、護衛のために気性の荒いアメリカンピットブルテリアをあえて近くに置いたため、凶悪なイメージが広がることになったのです。
こうして「悪い奴が連れている犬」という悪名が広まってしまいました。
現在では、これらの犯罪を助長する危険と人を殺傷することもできる能力から、ヨーロッパの多くの国、アメリカの50以上の州で所有・飼育が禁じられています。
一方日本では、闘犬は全面的な禁止となっていないため、今もアメリカンピットブルテリアが用いられることもあるようです。
アメリカンピットブルテリアは、ヨーロッパの多くの国、アメリカの一部の州や市で飼育が禁止されている犬。
日本では法的に禁止されているわけではないものの、あまり見かけることのない犬種です。
成犬のアメリカンピットブルテリアは、人間の子どもなら簡単に殺傷できるあごと体格を持ちます。
気性の優しい個体を手に入れるためにも、しっかりした しつけ を行うためにも、 ブリーダー から直接購入しましょう。
特に、アフターフォローのないようなペットショップでの購入は危険です。
必ず専門のブリーダーで、しつけのアフターフォローも行ってくれるブリーダーを見つけましょう。
子犬 の値段は13万円〜30万円。
個体によって幅がありますが、安さよりもしつけの感度が重要です。
アメリカンピットブルテリアは、中型犬ながら、かなりの運動量を必要とする犬。
狭すぎる部屋ではストレスになるので、屋外に自由に出られる環境がベストです。
温度管理と運動量管理は必須。
運動量が非常に多い犬種。
若齢期までは朝晩それぞれ少なくても1〜2時間の 散歩 が必要です。
自由に走り回れるドッグランのようなところでの運動も不可欠。
頭が良いので、ボール遊びなど頭を使う運動も取り入れましょう。
運動不足に陥ると闘犬特融の気質が出てきて危険になることも。
欲求不満でストレスが溜まり、少しの刺激でトラブルを起こしてしまうことも少なくありません。
運動の時間はしっかり取りましょう。
被毛は短毛で、多くのケアを必要としませんが、抜け毛があるので週に1回ブラッシングを行いましょう。
獣毛ブラシを使用すると血行促進になるのでおすすめです。
アメリカンピットブルテリアのように闘犬から作出された強い気質を持つ犬は、確実に飼い主がコントロールできるようにならなければいけません。
犬を制御できるように育てるためには、子犬の頃から社会性を身につけさせ、飼い主がリーダーとして信頼関係を築く必要があります。
もともとはきちんと訓練し社会性を与えられれば、利発で忠誠心の高い犬です。
しつけの反応も悪くありません。
主従関係を明確にしたしつけを行いましょう。
ブリーダーやトレーナーなど専門家の力を借りて、性格を見極めながら飼育することが必要。
犬が不幸にならないためにも、愛情を持ってしつけを行なってください。
アメリカンピットブルテリアは基礎犬が疾患を持つ傾向が高かったこと、闇で無理な繁殖が行われていたこともあり、疾患が出やすい傾向があります。
特に注意したいのが、ブルドックによく見られる緑内障、白内障、チェリー愛などの眼病。
目の状態は常にチェックしておきましょう。
その他にも、皮膚病や心臓病、腫瘍などを発症しやすいとされる上、闘犬の性質上、痛みに鈍く我慢強い性格の個体が多く、発見が遅れることが多々あります。
毎日飼い主による健康チェックを行い、定期的に獣医師による健康診断を行いましょう。
前述した通り、アメリカンピットブルテリアは、ヨーロッパ各国やアメリカの一部の州・市で飼育が禁止されている犬種。
世界で最も危険な犬とされており、人や他の犬を襲い命を奪う結果となる事件を起こしたことも知られています。
しかし、これらは全て飼い主のしつけ不足や愛情不足、管理不足に起因するものともいえます。
また、ブリーディング時に気性の優しい個体にできていれば、これらの事件は起こらなかったことでしょう。
もともと闘うために生み出された犬種であり、ある程度の攻撃性を抑えコントロールできる飼い主でなければ、アメリカンピットブルテリアを飼育する資格はありません。
かつてアメリカンピットブルテリアは、食肉のための牧畜を行う家で重宝されていました。
狼やクマなど家畜を襲う大型動物に立ち向かい、家畜の屠殺時には牛や豚を抑えつけるための作業犬として、その勇敢さと強い力は必要不可欠だったのです。
当時の飼い主たちは、命令を出せば、興奮して大型の動物を抑え込んでいてもすぐに口を離す訓練ができていました。
アメリカンピットブルテリアを「危険な犬」に変えてしまったのは、結局は人間なのでしょう。
すっかり「危険な犬」扱いのアメリカンピットブルテリアですが、グッズ展開は多いもの。
筋肉質なシルエットとコワモテな顔がかっこいいアイテムがたくさんあります。
アメリカンピットブルテリアの精悍な顔が印象的なパズル。
頭の体操やお子さんのおもちゃにぴったり。
アメリカンピットブルテリアファンへのプレゼントとしてももってこいですね。
アメリカらしいデザインのステッカー。
アメリカンピットブルテリアの均整の取れた体つきが特徴的。
車や冷蔵庫など日常見えるところに貼っておけば、それだけでファンは楽しいですよね。
アメリカンピットブルテリアの子犬のタオル。
成犬とはまた違う、幼い顔立ちが可愛いですね。
バスタイムに、お出かけのお供にぴったりのアイテム。
名称: アメリカンピットブルテリア
歴史: ブルドッグやスタッフォードブルテリアを基礎にアメリカで作出。家畜を扱う家庭で作業犬として重宝されるものの、20世紀には「危険な犬」として多くの国、アメリカの州で飼育が禁止される。
毛色: 全てのカラー
寿命: 8〜15年
性格: 愛情深く、我慢強く、忠実
気をつけたい病気: 眼病、皮膚病、心臓病など
アメリカンピットブルテリアは、人間の手により作出され、人間の手により「危険な犬」として悪名を広めることになりました。
多くの犬に共通して言えることではありますが、人間によって多くの個体が不幸にさらされた犬種です。
日本ではアメリカンピットブルテリアを飼育してはいけないという法規制はありませんが、覚悟を持って育てなければ、日本でも不幸な事件が起こることでしょう。
アメリカンピットブルテリアを家に迎えるのであれば、性格を選ぶことからはじめ、深い愛と毅然とした態度で接することが必要になります。
環境と知識の準備をしてから犬を迎えたいものですよね。
この記事がお役に立てれば幸いです!
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公開日 : 2017/05/07