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優しげな表情にしっかりした体格、のんびりとした動作が印象的なセントバーナード。
日本人にとっては「アルプスの少女ハイジ」に登場するヨーゼフで馴染みのある 犬種 ではないでしょうか。
犬好きなら、ハイジと行動する心優しいこの犬を見て「ぜひ一緒に暮らしてみたい」と思ったことがあるはず。
しかし、日本の地でセントバーナードを飼育するのは難しい点が多々あります。
ここでは、セントバーナードを迎える前に知っておきたいセントバーナードの特徴や飼育方法、歴史などをまとめました。
セントバーナードはスイスを原産とする垂れ耳と優しい顔立ちが特徴的な犬種。
山岳地帯特有のがっしりとした身体を持つかなり大型の犬です。
がっしりとした体格と骨格が特徴。
足腰も強くしっかりしています。
標準的な成犬のオスの体高は70〜90cm、メスは65〜80cm。
体重は少なくとも50kgで100kgを超える個体もいる超大型犬です。
一般的によく見られるセントバーナードは、ホワイトの地色にブラウンの斑または胴体を覆う大きなブランケット柄です。
レッドブラウンに少しのブリンドルが入った個体や、イエローが混じったブラウン、黒の斑の固体なども多く見られます。
被毛は寒さに適したダブルコートで、硬い短毛が密集して生えているスムースタイプ、直毛またはウェーブがかったロングタイプの2種類です。
セントバーナードは、温和でおっとりとした性格。
辛抱強く優しいのが特徴で、家族として安心感のある犬種です。
自分で考える洞察力にも優れた賢い犬種で、自分の任務に対して責任感が強い一方で、頑固な一面もあります。
家族として家の中で人間のそばに置くことで、自分の役割を全うしようとがんばってくれる愛らしい性格です。
ただし、心臓に関わる病気の発症率が高いため個体差がかなり大きい犬種です。
また、飼育環境や食べ物などによっても寿命は変化します。
セントバーナードは、イタリアとスイス国境近くにある聖ベルナール僧院(Saint Bernard)で育てられていた犬種。
セントバーナードという名前はこのドイツ語を英語読みしたものです。
この聖ベルナール僧院周辺の冬は大変厳しく、20mを越える積雪、マイナス30℃という極寒の地域。
この厳しいアルプスの地で、遭難者を救助していたのがセントバーナードであったと伝えられています。
先祖はローマ帝国が連れていた軍用犬のモロシア犬。
紀元後2世紀頃にこの土地にモロシア犬が入ってきて番犬として飼われていたのが起源とされています。
17世紀に深い雪中でもひるまない体力を兼ね添えた軍用犬として改良され、聖ベルナ―ル僧院へ寄贈された犬たちが現在のセントバーナードの基礎となりました。
聖ベルナール僧院では遭難者の救護犬としてセントバーナードを使い、20世紀までに2000人以上の遭難者を救護してきました。
19世紀初めからイギリスに入ってきたセントバーナードをイギリスの画家が絵に描いたことで知名度が一気に高まりました。
セントバーナードは超大型犬。
土地の狭い日本ではあまり見られる犬種ではありません。
ペットショップではほとんど見られない点、動物愛護の観点から、 ブリーダー から直接購入するのがおすすめします。
セントバーナードの子犬平均価格は約15〜30万円。
気性や容姿によっては40万円など、価格に変動があります。
セントバーナードは極寒の地に適用するように改良された犬種。
高温多湿に弱いため、日本では室温管理、湿度管理された場所での飼育が必要不可欠です。
また、大型犬ですので、十分な運動ができる家屋の広さがあるのか、散歩コースも購入する際検討しなくてはいけません。
セントバーナードは運動不足による肥満の可能性が高い犬種です。
十分に運動する時間をとりましょう。
特に若犬の頃は、肥満により関節の負担が増えないようにしっかりした身体づくりが必要です。
散歩 は1日1時間以上とり、適正な筋肉づくりを心がけましょう。
セントバーナードはパートナーである飼い主を喜ばせようと一生懸命に尽くす犬種。
大型犬の中では比較的しつけやすい犬種です。
しつけの際は大げさなくらいにほめて、飼い主が喜ぶ姿を見せて伸ばしてあげるのが良いでしょう。
飛びつき癖や引っ張り癖はしっかりしつけることが必要。
おもちゃ やご褒美のおやつを使って、しつけを行いましょう。
頑固な面もあるので怒るのではなく飼い主がしつけを楽しんでいる姿を見せるのがポイント。
しつけやすい犬種とはいえ、大型犬の しつけ は難しいことも多いので、自信がないときはプロのトレーナーやしつけ教室を利用しましょう。
セントバーナードには短毛・長毛と2種類がいますが、いずれもダブルコートで下毛は厚いため、定期的なブラッシングが必要です。
少なくとも週に3日以上、できるなら毎日ブラッシングをしましょう。
特に温度湿度の高い夏場は丁寧な被毛ケアが必要不可欠。
セントバーナードは遺伝性疾患の多い犬種です。
心臓病の発症率も高いため、定期的に動物病院で健康診断を受けることをおすすめします。
体が大きい分、股関節形成不全も大変多く、若犬の頃から健全な肉体づくりが必要です。
しっかりした身体づくりを意識した運動を取り入れましょう。
雪山の救助犬で首に樽を付けている写真をよく目にします。
この樽の中、実はブランデー。
寒い雪山で倒れた遭難者の体を温めるためにアルコール度数が高いブランデーを入れていたようです。
世界で最も有名なセントバーナードは、1800年代に山岳救助犬として活躍していたバリー。
バリーはスイスの雪深いアルプスで山岳救助を行い、生涯で40人以上の人命を救っています。
彼は死後も、ベルン自然史博物館で剥製として保存されており、多くの人々に愛されています。
優しい顔立ちに頼もしい身体が人気のセントバーナード。
親しみやすい表情やシルエットの美しさから、グッズも大変人気があります。
車に貼れるタイプのセントバーナードのステッカー。
犬らしいシルエットが人気。
他犬種のバージョンもあり、バリエーション豊かな商品です。
セントバーナードの赤ちゃん型ぬいぐるみ。
歩いたり尻尾を振ったり、愛嬌たっぷりの動くぬいぐるみです。
子どもや犬のおもちゃにぴったり。
均整とれたセントバーナードの体格を再現したフィギュア。
山岳救助犬としての勇姿を感じさせる商品です。
ブランデーの入った樽もしっかり身につけたセントバーナード好きには堪らないフィギュアとなっています。
セントバーナードは優しく頼もしい人間のパートナーとなれる犬種だとお分かりいただけたのではないでしょうか。
しかし、高温多湿で居住環境が狭い日本では飼育が難しい犬でもあります。
セントバーナードをパートナーとして迎えるなら、最適な飼育環境を作った上で、家族として受け入れたいものですね。
あなたとセントバーナードの幸せな暮らしに、本記事が役立てば幸いです。
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最終更新日 : 2020/11/04
公開日 : 2017/02/21