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スキッパーキというあまり耳慣れない、変わった名前の由来には諸説があるとされています。
かつてはドイツ語で「小さな船長」を意味する言葉から名付けられた、あるいは運河の船の船長(スキッパーと呼ばれる)が由来であると言われてきました。
しかし、現在ではフレミッシュ語で「(小さな)羊飼い」を意味する言葉がこの名前の由来であるという説が最も有力とされています。
スキッパーキはベルギー原産の小型犬です。
15世紀にはすでに存在していたと言われており、原産地では番犬や牧羊犬として使われていました。
船の番犬やネズミ退治として、船乗りに飼われていたこともあるそうです。
18世紀にはベルギー王室の王妃に気に入られて流行し、イギリスやアメリカに紹介されました。
そして、小型で明るい性格をしているスキッパーキは国境を超えて、世界中の愛犬家に広まっていきました。
原産地であるベルギーでは「ケッチェ」「スピッチェ」と呼ばれ、広く愛されています。
スキッパーキは体高が25〜33cm程、体重は3〜9Kg程(理想は4〜7Kg)の小型犬です。
小型犬ながら 大型犬 のようなパワーとエネルギーを持っています。
スキッパーキの基本的な毛色はブラック(黒色)です。
耳の先から尻尾の先まで、なめらかで艶のある被毛に覆われています。
ブラック以外にフォーン、クリーム色のスキッパーキも存在していますが、これらのスキッパーキは遺伝的な問題から繁殖させるときに注意が必要であると言われています。
ちなみに、スキッパーキとしてドッグショーにでることができるのはブラック、もしくは下毛がダークグレイで上毛に完全に隠れている個体のみです。
しかし、ドッグショーに出ることができないカラーであっても、家庭犬として飼う分には全く問題はありません。
スキッパーキの特徴は三角形のピンと立った小さな耳、キツネのようなくさび形の頭です。
甲斐犬 に似ていますが、よく見ると耳の立ち方や毛色が異なります。
小柄ながら体はがっちりしていて、とてもタフです。
肩にはケープを羽織っているように見える長い毛が、下半身は長いキュロットをはいているように見えるふわっとした毛が生えているのが特徴です。
しっかりと方と下半身の被毛が生えそろうと、スキッパーキらしい独特のシルエットになります。
毛並みは固めでまっすぐの上毛、ふわふわで柔らかく密に生えている下毛の2層構造になっています。
スキッパーキは通常長い尻尾を持っていますが、生まれつき全く尻尾がないか、とても短い個体も存在しています。
元々は 牧羊犬 として飼育されることが多かったため、伝統的な飼育方法では産まれてからすぐに断尾されるのが普通でした。
しかし、近年は動物愛護の観点から、断尾していない尻尾が長いスキッパーキが増えています。
日本犬 のような巻尾の個体も多く見られます。
スキッパーキはとても用心深く好奇心旺盛、明るく元気で飼い主に忠実な犬種です。
とても賢くて頭の回転が早く、大胆なところもありますが自立した性格をしています。
家庭犬となった今でも番犬としての本能が強く、家族には忠実でも見知らぬ人を警戒するスキッパーキは、日本犬でいうところの 柴犬 に近い性格と言われています。
強い警戒心を持ちながらも子どもや老人にも優しいことから、原産国のベルギーではとても人気があります。
ただひたすら可愛がる愛玩犬というよりも、1頭の犬として尊重し、共に暮らすようなスタイルの方が合う犬種です。
なお、少し小悪魔的なところがあり、海外では ブラックデビル という別名で呼ばれることもあるようです。
しかし、そんなところがまたかわいらしいと思ってしまう人も多いという、個性的な性格をしています。
スキッパーキはとても運動が好きで疲れ知らずな犬種です。
とても俊敏でジャンプ力にも優れていて アジリティ(障害物競技) など、あらゆるドッグスポーツを器用にこなします。
海外ではその身体能力を生かし、救助犬として働いているスキッパーキもいるそうです。
かつてネズミやモグラなどの害獣を退治するために使われていたため、小さくて素早く動くものによく反応します。
スキッパーキの寿命は12年以上と言われています。
比較的長寿な犬種であるため、長い時間を共に過ごすことができます。
別名:ベルジアン・バージ・ドッグ、シッパーキ
英名:Schipperke
原産:ベルギー
大きさ:
体高 25〜33cm
体重・3〜9Kg(理想は4〜7Kg)
寿命:12年以上
スキッパーキは国内飼育頭数が少ないため、メジャーな犬種と比べると資料やデータが多くありません。
基本的な飼育方法は小〜中型の犬(柴犬など)をベースにすれば問題ありませんが、データが少ないことからどうしても手探りになってしまう部分もあるでしょう。
スキッパーキはそういった側面を含め、一緒に生活することを楽しめる方に向く犬種といっても良いのかもしれません。
スキッパーキはとても性格の良い 犬種 です。
しかし、運動量の多さや情報量の少なさから考えると、手放しに初心者向きの犬とはいえません。
スキッパーキは比較的知名度が低く、飼育数も少ない犬種です。
一般的なペットショップではまず販売してないと考えたほうが良いでしょう。
ペットショップによってはブリーダーから取り寄せをしてくれることもありますが、直接スキッパーキを繁殖させているブリーダーに問い合わせて購入するのが最も確実な方法です。
スキッパーキは30〜50万円ほどで販売されています。
比較的マイナーでブリーダーの数が多くないため、やや高価であると考えるのが無難です。
ここまでスキッパーキの歴史や性質について解説してきました。
ここからは実際にスキッパーキを飼うために、事前に知っておいて欲しいポイントを解説していきます。
もともと牧羊犬だったスキッパーキは体を動かすことが大好きで、膨大な運動量が必要な犬種です。
最低限1日に2回、30分以上の散歩時間を確保してください。
ときおり ドッグラン など広い場所に連れて行って、思いっきり運動をさせてあげると良いでしょう
スキッパーキの生命力にあふれ、疲れを知らない様子は 小さな発電機 と表現されることすらあります。
スキッパーキは比較的抜け毛が多いため、定期的なブラッシングが必要です。
換毛期以外は週に1回程度ブラッシングをすれば問題ありませんが、換毛期は毎日ブラッシングをした方が良いでしょう。
換毛期になると、スキッパーキの特徴である首元のケープや、足元のキュロットのように見える部分の毛も抜けてきます。
たっぷりとした被毛が抜けると驚くほど細身のため、別の犬のように見えるかもしれません。
スキッパーキの特徴でもある首回りのケープのような毛ですが、毛量には個体差があります。
毛量が多い個体の場合は首回りがきつく、首輪がしづらいことがあるようです。
首輪をするのが難しい場合は ハーネス を使用すると良いでしょう。
スキッパーキは丈夫で健康な個体が多く、重篤な遺伝病は少ないと言われています。
ただし、他の犬種と同じように皮膚病やアレルギーを発症することがあります。
また、ある程度の年齢にさしかかると、膝や甲状腺の疾患にかかりやすい傾向にあるようです。
スキッパーキはとても頭が良いため、小さいうちから上下関係をはっきりさせておきましょう。
小型犬 だからといって、甘やかしてばかりではいけません。
また、スキッパーキは牧羊犬で使われていたためか、小さな体の割によく響く大きな声で鳴きます。
無駄吠えをしないように、しっかりと良いことと悪いことを教える必要があります。
日本ではまだまだ飼っている人が少ないマイナーな犬種である、スキッパーキ。
スキッパーキは大型犬を飼いたいけれどスペース的に余裕がない人、活発で愛情深くじっくりと付き合っていける犬を探している人におすすめしたい犬種です。
ただし、とても賢く自立した性格をしていることから、しつけをしっかりする必要があります。
スキッパーキに限らず、動物をお迎えする時は事前に念入りに下調べと準備をすることを忘れないでください。
公開日 : 2019/06/07