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見た目からは想像できないほど人間大好きなにゃんこ「バンビーノ」
バンビーノはアメリカ原産のネコです。
「 スフィンクス 」と「 マンチカン 」を人工的に交配し誕生したバンビーノは、それぞれの特徴を色濃く映した見た目をしています。
「スフィンクス」は全身の体毛が無い「無毛種(ヘアレス)」
「マンチカン」は足の短い所が特徴的です。
この二つが交配されたことで、バンビーノは全身に毛がなく、足がとても短い不思議なバランスとなりました。
アメリカ在住の「キャッテリー」と呼ばれる 猫 の繁殖家、「オズボーン」夫妻の手によって「バンビーノ」は世に登場しました。
キャッテリーとは、ただネコを繁殖するだけの人を指すのではなく、「CFA」または「TICA」などにより、正式に猫の繁殖家として認定されている人のことを指します。
「CFA(THE CAT FANCIERS’ ASSOCIATION, INC.)」とは、世界最大と言われているネコ種の登録団体です。
主に純血猫種の審査・血統登録書を発行することをメインとし、新しい種を登録するならまずここと言われています。
CFAで新たな猫種として登録されると、その情報はたちまち世界中に知れ渡るほどの力をもっています。
日本にも支部があり、その支部の数は世界中を合わせると300近いとも言われています。
猫種の登録をおこなうだけでなく、キャットショーの開催や動物愛護の活動にも尽力しています。
かたや「TICA」も世界最大の血統登録機関と言われているネコ種の登録団体です。
正式名称は「The International Cat Association」
活動の内容はCFAとほぼ変わりません。
ちなみに日本はアジア地区(Asia Region)に所属しており、コチラも世界各地に支部が存在します。
話をバンビーノの起源に戻しましょう。
オズボーン夫妻の手によって新たな交配ののち誕生したバンビーノを、夫妻は2005年にTICAに登録申請をおこないました。
そして、その翌年となる2006年、バンビーノは実験的な新しい品種というカテゴリで登録認定がされました。
この実験的な新しい品種のことを「イクスペリメンタルブリード」と呼びます。
このとおり、登録認定されたのもつい最近となることから、日本ではその姿を見ることがほとんどありません。
それは日本だけではなく、世界規模で同じです。
このような希少な存在となるバンビーノは、希少価値のある 猫種 を登録する機関「REFR(Rare and Exotic Feline Registry)」にも登録されています。
バンビーノの英語表記名は「Bambino」となります。
イタリア語で「赤ちゃん」を意味します。
なぜバンビーノという名前になったのかは、その見た目や特徴が影響していると考えられます。
バンビーノは成猫に成長しても、体格や容姿にさほど変化がありません。
その上、もともと小型の種であることから、大きくなっても子猫(赤ちゃん)のようだということから「バンビーノ」とつけられました。
ちなみに、バンビーノは見た目や体格だけではなく、性格も子猫のころからあまり変化しません。
容姿だけでなく中身も不思議な魅力を持っています。
見た目がとても特徴的なバンビーノ。
それぞれの特徴を細かく確認してみましょう。
体毛が無く、小柄でスリムなため、普通なら足が長くないと違和感を感じます。
バンビーノは、その違和感をばっちり受け継いだ短い脚をもっています。
なぜ脚だけ特徴を色濃く受け継いでしまったのかは謎のようです。
遺伝というものは、まだまだ未知の存在であることが伺えます。
脚は短いですが、バンビーノはとても活発で運動能力も高い種です。
そのため、まるで サル のようだとも形容されることがあります。
脚が短くて小さなネコという見た目だと、勝手に温和である・穏やかでのんびりしているなどのイメージを抱きがちですが、実は正反対なのです。
短い脚に目が行く前に注目を集めるのは、その被毛の無さです。
被毛が無い皮膚がむき出しのボディは、なにやら神秘的なイメージを醸し出します。
しかし、バンビーノの体には全く被毛が無いわけではありません。
よく見るとうっすらと産毛が生えています。
このように産毛程度の毛は生えていますが、基本的に「被毛」と胸を張って呼べるほどの量はありません。
そしてその肌の表面はしわが多く、年を取っているようにも見えるので、更に不思議な存在として目に映ります。
この肌の表面に多く刻まれたしわですが、子猫のころがもっとも多くはっきりと刻まれています。
バンビーノの価値を決める時、このしわが成猫になった時点でどれだけ残っているかが決め手となります。
とくに頭の部分のしわが重要視されます。
皮膚の色はホワイトやブラック、もしくはピンクなどが一般的です。
肌の質感は、カモシカの革を植物油でなめした「セーム革」によく似ています。
スリムで小柄なボディは、とても筋肉質です。
この筋肉質な部分のおかげで、高い運動能力を保持しているのでしょう。
元来の運動神経の良さとやんちゃな性格が、高い運動能力とコラボされると、手が付けられない元気っぷりを発揮します。
しかし、それだけではないのが不思議な存在のバンビーノです。
とても筋肉質で運動能力も高いという言葉とは裏腹に、なぜかお腹周りはぽっちゃりさんなのです。
ここでもアンバランスさを発揮しています。
まるで赤ちゃんのようだと形容されるバンビーノは、確かに小柄な部類に入るネコ種です。
バンビーノの平均体重はおよそ2.4~4.0kg程度となります。
一般的なネコの平均体重が3.5~4.5kg程度となることを考えると、驚くほどではありませんが軽量であることは確かです。
この軽さでも筋肉質なのですから、運動能力の高さにも納得です。
生後間もない人間の赤ちゃん(新生児)でも2.10~3.67kg程度はありますので、最も小さい個体になると、新生児より小さいということです。
イメージとしては2lのペットボトルを想像するとわかりやすいでしょう。
大きくても4kgですので、2lペットボトル2本分程度の軽さです。
まだ誕生してわずかな歴史しかありませんので、バンビーノの生態はほぼ分かっていません。
しかも野生下で誕生し、ここまでの歴史を刻んできたわけでもありませんので、食性や繁殖・子育て、 寿命 など分からないことだらけです。
ただ寿命に関しては、バンビーノそのものはわかりませんが、交配したマンチカンとスフィンクスから予測を立てることは可能です。
マンチカンの平均寿命はおよそ12年程度、スフィンクスの平均寿命がおよそ12~14年程度と言われています。
このことから鑑みて12年程度は生きるのではないかと考えられています。
しかし、人間の手で交配されたことにより誕生した種は、あまり強くない可能性もあります。
あくまでも交配された2種から割り出した数字であって、もしかしたらもっと長く生きるかもしれませんし、短命で終わるかもしれません。
一応2005年ごろより飼育がおこなわれていますので、もう少し時間がたてば詳しい生態などもわかってくることでしょう。
人工的に交配され誕生した種ですので、ペットとして飼育することが可能です。
もちろん、人工的な交配で誕生してもペットには不向きな動物もいますが、バンビーノは大丈夫です。
なんといってもその性格がペットとして人間と共に暮らしていくことに向いているからです。
特徴的な見た目のせいで誤解されがちですが、バンビーノはとても明るく社交的で人懐っこい性格をしています。
一瞬近寄りがたい雰囲気をもっていますが、人見知りもせず人間によくなつきます。
これはマンチカンとスフィンクス、共に共通する性格からきているものです。
一見クールそうに見えますが、実はやんちゃで元気いっぱいの明るい子。
それがバンビーノです。
ここまでにもお話しした通り、とにかくやんちゃで活発です。
そこに加えて運動能力が高く、それに伴い身体能力も高いので、あちこち走り回って遊びまわる姿を見ることができます。
このような性格から、人間と共に生活することに長けていると言えるのでしつけは比較的しやすいと言えます。
交配元であるマンチカンやスフィンクスのしつけと同じに考えると分かりやすくて良いでしょう。
マンチカンは穏やかで人懐っこい。
スフィンクスは人間が大好きでやんちゃなこ。
そして、両方の種に共通しているのが「頭の良さ」です。
マンチカンもスフィンクスも、人がとても大好きなうえにとても聡明です。
一説ではマンチカンに至ってはイヌと変わらないレベルで芸を教えることも可能だと言われています。
このことから、バンビーノのしつけもさほど困難ではないことが伺えます。
貴重な種なので、当然飼育は室内でおこなうことになりますが、バンビーノは大変活発なため注意が必要です。
部屋の中を走り回りますので、ぶつかったり、落下物にあたったりなどのケガが心配です。
次に、集合住宅の場合、隣接する住居の方への騒音・振動問題も浮上する可能性があります。
ネコのみならず走り回るような足音系の騒音は、階下のみならず意外に上の階にも伝わります。
なので、バンビーノを飼育する場合は、防音・防振対策を必ず行うようにしましょう。
また、バンビーノがのびのびと遊べるスペースを確保して上げることも重要です。
そして飼い主さんができるだけかまってあげて、一緒に遊んであげられればストレスをためることなく完ぺきです。
何かにぶつかる・落下物などの問題は、飼い主さん次第で事故が起きる確率を減らすことは可能です。
ある程度は事故として考えるべきですが、不幸な事故を起こさないような努力も大切です。
スフィンクスと同じく、被毛がほとんどなく皮膚がむき出しのバンビーノは、直射日光に当たらないように注意が必要です。
直射日光は皮膚病を起こすリスクを増幅させますので、天気が良くてもカーテンを開け放ったりして直射日光が部屋の中に差し込まないようにしましょう。
可能であればUV加工が施されているカーテンを使用するのがベストです。
UV加工のレースカーテンを引いておくようにするとよいでしょう。
日光浴をさせることは可能ですが、その場合は肌に直射日光が触れないよう洋服を着せてあげたり、日焼け止めを塗るなどの対策が必要です。
しかし、日焼け止めは塗ると後が大変ですし、別の皮膚病を呼び起こしかねませんので、できれば皮膚を保護布や衣類で守ってあげるようにしましょう。
皮膚がむき出しになっているということは、温度管理に注意が必要です。
寒さから体温を奪われないようにするための毛皮がありませんので、寒い時期は特に注意しましょう。
私たち人間が平気でも、バンビーノにとっては寒い可能性もあります。
寒い季節は防寒具を着せてあげたり、暖房を欠かさないようにしてあげるなどの配慮が必要です。
しわの多い皮膚はその隙間に皮脂が溜まりやすい構造です。
また被毛が無いので体から分泌した皮脂を吸収することもできません。
そのため、バンビーノやスフィンクスのような被毛のないタイプは皮膚のお手入れが欠かせません。
肌にあるわずかな産毛では皮脂を取り除くことはできないからです。
皮脂も過剰に蓄積されると皮膚病を起こします。
1日起きに暖かい濡れタオルで全身を拭いてあげるようにしてください。
その上で最低でも月に1度はお風呂に入れてあげましょう。
特にしわになっている部分は、皮脂が溜まりやすい上に落としにくくなっています。
丁寧にやさしく、皮膚の清潔を保ってあげてください。
バンビーノと飼い主さんのコミュニケーションの一つにもなりますのでおすすめです。
バンビーノをペットとして飼いたい方は、とにかくよくかまってあげて、様子をよく観察しましょう。
やはり新種のネコなので、罹りやすい病気や、食性、弱い部分などがはっきりとわかっていません。
困った時はまず交配元となるマンチカンかスフィンクスの情報を集めて、それを参考に対応しましょう。
完ぺきに合致するかどうかは難しいですが、きっと参考にはなることでしょう。
また珍しい種なので、飼育する際は近隣の獣医さんに何かあった時対応してもらえるかも確認しておく必要があります。
基本的なネコの病気であれば、ひとまず診察し対処してくれますが、分からないことが多い新種には完ぺきな治療は難しいでしょう。
おかしいなと思ったら、様子を見る前にまず獣医さんに相談ぐらいの気持ちでもいいかもしれません。
バンビーノは珍しい種で希少価値もあります。
そのため、ふらっと立ち寄ったペットショップで遭遇できる確率はほぼないに等しいでしょう。
現段階では、日本でその姿を確認する事すら難しい状況です。
ペットショップでもその姿を見かけることはまずありません。
そうなるとバンビーノを入手する最短ルートは、ブリーダーさんからの購入です。
珍しい種のネコなので、ブリーダーさんから購入したほうが、その後に相談しやすいという方もいらっしゃいます。
ブリーダーさんとの相性次第ではありますが、バンビーノの飼育方法や生態についても理解されているので思い切って相談するのも良いでしょう。
ペットショップの店員さんに聞いてみたり、ネットなどでバンビーノのブリーダーさん探しから始めてみましょう。
ただし残念なことに、日本国内でのバンビーノのブリーダーさんはあまり見かけないので、探すのは困難を極めるかもしれません。
気軽に購入できないうえに、国内でのブリーダーさんを探すのも困難なバンビーノ。
それらの理由によりバンビーノの相場すらわからないのが現状です。
マンチカンやスフィンクスでも20万円以上が相場です。
そこにバンビーノの希少価値を加味すると、最低でも30万を超えることは覚悟する必要があります。
また、海外のブリーダーさんなどからしか入手できない場合は、輸送費などの追加される手数料類にも注意が必要です。
世界的にも大変貴重で珍しい新種のネコ、バンビーノについてご紹介してみました。
一見神秘的だったり、クールに見えるのに、実は全然人見知りをしないやんちゃっこ。
この意外性にハートを撃ち抜かれてしまいそうです。
新種のネコなので、今後いろいろなことが分かってくるでしょう。
早く日本でも飼育しやすくなるといいですね。
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最終更新日 : 2021/03/18
公開日 : 2018/01/29