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短い足にふっくらした体つき。
お尻が可愛いと話題のコーギーは、つぶらな瞳に、ピンとした大きな耳とどこから見ても愛嬌たっぷりな 犬種 。
このウェルシュ・コーギーにも2種類あり、私たちがよく知るコーギーはその1種類であるということをご存知でしょうか。
ここでは、そんなウェルシュ・コーギーの種類や特徴、飼育方法などを詳しくご紹介していきます!
コーギーは、ウェルシュ・コーギーと呼ばれるイギリス原産の犬種。
短い足に胴は体高に比べてかなり長めです。
名前にあるウェルシュとはイギリスの地方のこと。
自然が多く残る美しい地で、宮崎駿監督作品『天空の城ラピュタ』の美術参考にされたほどです。
ウェルシュ・コーギーは、ウェルシュ・コーギー・ペンブローク(Pembroke Welsh Corgi)と、ウェルシュ・コーギー・カーディガン(Cardigan Welsh Corgi)の二種類があります。
似た身体的特徴から同じ犬種とされてきましたが、1934年イギリスのケンネルクラブにより別の犬種として分けられました。
日本で多く飼育されているほとんどは、ウェルシュ・コーギー・ペンブローク。
「コーギー」としての認識も、ペンブロークのみという方が多いことでしょう。
コーギーは体高に比べて、体長が長い特徴的な見た目をしています。
活発に動き回るため、体は筋肉質でがっしりとしており、重さも見た目より重い個体が多いようです。
カーディガンは体高30cm、ペンブロークは25~30cmが理想とされています。
標準体重は11〜14kgです。
前述した通り、胴長短足の身体が特徴的。
頭が大きく、がっちりした体つき。
ペンブロークの尻尾は短いか、断尾のためまったくない場合があります。
ペンブロークに比べてカーディガンは胴がより長く、耳も大きいのが特徴。
尻尾も断尾されているペンブロークがよく見られるのに対し、カーディガンは切られることが稀で、 キツネ に似た尻尾を持ちます。
ペンブロークでは、レッド、セーブル、フォーン、ブラックアンドタン。
白地がある場合もない場合もあります。
ペンブロークに比べてカーディガンはカラーバリエーションが豊富。
ただし、白が多い個体は認められていません。
コーギーは総じて、非常に活発な性格。
天真爛漫で朗らかです。
ただ、興奮しやすく飼い主の足に噛み付く習性があるため、 しつけ には注意が必要。
カーディガンの性格はペンブロークに比べややおとなしめ。
どちらも頭のいい犬種であり、自立心や自己判断能力に優れ、好奇心も旺盛です。
コーギーの寿命は、12〜14歳とされています。
しかし、飼育環境や病気の有無により 寿命 がかなり変わることも。
また、コーギーは10歳以上になると、変性脊髄症にかかるリスクが高まる犬種です。
変性脊髄症は、一度発症すると3年以内に死亡するという原因不明の病。
この病気がコーギーをあまり長寿になりにくい犬種たらしめています。
「ウェルシュ・コーギー」とひとくくりにされているペンブロークとカーディガン。
同じようにイギリス・ウェールズ州を原産とし、大変よく似た犬ですが、実はその成り立ちや祖先犬はまったく違います。
日本でもよく飼育されるペンブロークは、ウェールズのペンブロークシャーにいたことでその名がつきましたが、いつからそこにいたのかははっきりとしていません。
有力な説は、1107年頃に当時のヘンリー1世に招聘されたチャネル諸島の職人が連れて来たというもの。
ペンブロークの祖先は、チャネル諸島にたびたび訪れていたバイキングの連れていた北欧のスウェーディッシュ・ヴァルファントとも言われています。
初期のペンブロークは牛追いの牧畜犬として、土着のスピッツなどと交配して改良されていきました。
その後、ヘンリー2世のペットとなってからは、繁殖家の手によって改良が進み、現在のペンブロークに近い形になります。
2種類のコーギーとイギリス王室の関わりは深く、現在の女王エリザベス2世の愛犬として人気を博したのがペンブロークです。
しかし、現在イギリス国内で絶滅の危機にあると言う声も。
もともと尻尾がある 犬 であるペンブロークは、牧羊犬だった頃の名残で生後間もなく断尾する習慣がありましたが、動物愛護精神の高まったイギリス国民がこれを受け容れず、繁殖家がペンブロークの繁殖をやめてしまったということが背景にあります。
現在このような背景から、無意味な断尾はイギリスや欧州各地で禁止の方向に向かっています。
一方、カーディガンの出現はペンブロークよりずっと早いとされていて、紀元前1200年頃。
中央アジアのケルト人が、ヨーロッパを経由してイギリスに渡ったときに連れてきた犬で、その容姿が似ていたため ダックスフンド と同じ祖先であるという説もあります。
ペンブロークと同じウェールズ州の山間のカーディガンシャー地方で飼われていたものが、1925年頃にその存在が表面化。
ペンブロークと同じく牧畜犬として働いてきましたが、断尾の習慣はなく、尻尾のあることが普通とされてきました。
1933年にジョージ6世がペットとして飼っていたことから、世間に広く知られるように。
この当時、まだペンブロークもカーディガンも同じ犬種と考えられており、両方を交配することもあったようです。
しかし、体の大きさや毛色、尻尾の存在などで、同一の犬種標準で計ることが難しくなり、1943年にイギリスケンネルクラブが別々の種類のコーギーとして登録することになりました。
以降、日本も含め海外の多くの国でペンブロークとカーディガンは別々のコーギーとされています。
しかし、現在日本でコーギーとして販売・飼育されているのはほとんどがペンブローク。
日本人にとってはカーディガンを「コーギー」と呼ぶ機会は少ないかもしれませんね。
ペンブロークは、牧羊犬として働いていた頃、尻尾が邪魔になることやケガをしやすかったことから断尾という習慣がありました。
そのため、ペットとして販売する際もその習慣を残して断尾を行なっていました。
しかし、近年動物愛護精神の高まりから、無駄な苦痛を強いる断尾への批判も高まります。
そして、現在ではヨーロッパではペンブロークも断尾しない傾向が強まってきました。
2007年にはイギリスでは断尾禁止法を施行。
それまで、コーギーの断尾に反対する愛犬家の影響を受け、繁殖家がコーギーの繁殖を止めたことで減っていた作出数。
この法律によって、コーギーの魅力であった尻尾の短さが失われてしまったことで、さらにイギリスでの作出数が減ってしまいました。
2013年にケネルクラブは、「イギリス生まれのペンブローク種の登録数が300を切り、絶滅危惧種になる可能性がある」と伝えています。
断尾をする習慣により数を減らしてしまったコーギーが、断尾を禁止したことでさらに減少傾向になるという皮肉な結果となりました。
世界的に見れば動物福祉の観点から断尾に反対する声が多いものですが、日本では断尾されたコーギーをよく見かけます。
国内でも断尾について賛否両論あるものの、その認知度と動物愛護に対する関心はあまり高いとは言えないのでしょう。
断尾は牧羊犬などの使役犬や山岳を走り回る犬が、尻尾を引っ掛けてケガをしないために行うこと。
愛玩用の犬の断尾は、ひとえに「見た目の可愛さ」のために行われます。
もちろん、尻尾を切ることは大きな苦痛を伴うことでしょう。
私たちも断尾についてその意味と必要性を考えていく必要がありますね。
コーギーは、日本でもメジャーになってきた犬種。
多少しつけにくいところはあるものの、元気で愛嬌があり賢いコーギーはペットショップに行けばすぐに見つかることでしょう。
飼い方や個体によってはしつけにくいコーギーですから、ぜひ優良なブリーダーやペットショップから購入してくださいね。
特に動物愛護の観点から見れば、ブリーダーから直接購入することがおすすめです。
コーギーの平均価格は約19万円。
最高価格は28万円、最低価格は10万円と、容姿や性格によって幅のある犬種です。
愛嬌いっぱいのコーギーは、しっかりしつけて運動の時間も取れる人にぴったりの犬種。
ここで、コーギーの飼い方について見ていきましょう。
コーギーはイギリス原産の犬種であるため、日本の高温多湿の気候には向きません。
できれば完全室内飼いで、温度管理を徹底しましょう。
特に夏は熱中症に注意。
また、見た目によらず運動量のある犬なので、室内もある程度自由に動けるスペースが必要です。
コーギーは元々羊や牛たちを追う牧羊犬。
体高は低くても、かなりのスポーツマンです。
散歩の時間を毎日しっかり取り、週に1回は ドッグラン など自由に走り回れる環境で遊ばせましょう。
また、頭を使う遊びも好きなので、ドッグスポーツなどを取り入れて遊んでください。
運動量が足りなければ問題行動を起こす原因となります。運動時間をしっかり取りましょう。
コーギーは賢い犬種。
良好な信頼関係を築き、頼れるリーダーとして飼い主が認められていれば、しつけはさほど難しいものではありません。
しかし、逆にいうと賢いがゆえに相手を良く見て、信頼に値するかどうか見極めることに優れているということ。
信頼に足らない飼い主だと判断された途端、しつけが難しくなります。
したがって、コーギーはしつけに慣れていないビギナーでは、しつけしきれず手こずることも多くなるかもしれません。
牧羊犬時代、牛の脚を咬んで動きをコントロールしていたため、人の足が気になり咬んでしまう個体もいますのでしつけは必須です。
しっかりしつけができ、さらに運動でストレス解消の時間を取ってあげられる飼い主が望まれます。
家庭犬として多いペンブロークは、前述の通り、北方スピッツ系の犬種。
寒地域に適した被毛が生えています。
しかし、日本の室内では一年中気温が大きく変動しないため、毛を蓄えておく必要がなく抜けやすくなるようです。
コーギーの抜け毛の量はとにかく多いため、驚く飼い主も多いもの。
こまめなブラッシングで被毛を衛生的に保ちましょう。
少なくとも週に2~3回は行ってください。
コーギーの気をつけたい病気は、短足胴長の犬に多い椎間板ヘルニアと変性脊髄症。
両者も歩き方に違和感が出るというのが初期症状。
特に後者は老犬によく見られる病気で、10才くらいから後ろ足をすり足のように地面にこすりながら歩くようになり、次第に動かなくなります。
進行すると前足も動かなくなり、最後は呼吸もできなくなります。
変性脊髄症の原因はまだ不明。
発症すると3年以内に死に至るとされています。
ヘルニアも変性性脊髄症も初期症状として歩き方の変化が目視できる病気。
少しでも異常を感じたら、動物病院を受診するようにしましょう。
原産国:イギリス
値段:19万円前後
毛色:ペンブロークはレッド、セーブル、フォーンなど。カーディガンはその他種類豊富
寿命:13歳〜16歳程度
体重:11〜14kg
特徴:胴長短足、筋肉質
性格:活発で好奇心旺盛、賢い
かかりやすい病気:椎間板ヘルニア、変性脊髄症など
コーギーは非常に天真爛漫で、一緒にいると明るくなれるような犬です。
舌を出してこちらを見る姿は、笑顔のように愛嬌たっぷり。
賢い犬なので、しっかりしつけをすることで唯一無二のパートナーともなってくれますよ。
犬を迎えることを検討中なら、ぜひコーギーも候補に入れてみてくださいね!
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公開日 : 2017/12/07