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多くの 爬虫類 は幼いうちは毎日 餌 を食べますが、成長してからは一週間に一度くらいしか食べないものも多いです。
ただ、クビワトカゲのように、いつもお腹を空かせている種類もあります。
自分のペットがどのくらいの間隔で餌を食べるものなのか、あらかじめ調べておきましょう。
生まれたばかりの赤ちゃんの場合、卵の栄養が残っていて、一週間くらいお腹が空かないこともあります。
ヘビ は普通脱皮中は餌を取りません。
その他の爬虫類も、繁殖の時期や妊娠中には食欲が落ちることがあります。
爬虫類には夜行性のものと昼行性のもの、夕暮れ時や明け方に活発になるものがいます。
夜行性なら、昼間だるそうにしていても何の心配もありません。
それでは、どんな時に心配する必要があるのでしょうか。
よく見られる病気と病気の前段階をご紹介します。
普通なら一週間に一回餌を食べるはずなのに、二週間たっても食べなかったら拒食を疑ってみましょう。
拒食の原因は色々と考えられますが、まず爬虫類は環境の変化に弱いということを念頭に置いておいてください。
家に迎え入れた直後は、そっとしておいてあげるのが肝要です。
新しい環境に慣れた後も、あまりいじくりまわされると餌を食べなくなることがあります。
また、気温や水温、湿度、光がその子に合っているかどうかもチェックしてください。
その他に考えられるのは、餌をあげる時間、餌の大きさ、種類などです。
生き餌を怖がってしまうことも少なくありません。
コオロギ があまりピョンピョン跳ね回るなら、コオロギの足を折って与えるという人もいます。
栄養不良や脱水症状になると、尻尾や体の脂肪が落ちたり、体の色が褪せるなどの症状が見られます。
さらに進むと、背骨や肋骨が飛び出したり、目が落ちくぼんできます。
こうなったら獣医さんに診てもらわなければなりません。
トカゲ が自分で尻尾を切ることを自切りと言います。
尻尾の中に栄養を蓄えている種類もあるので、これは避けたいところ。
それに、自切りをするのはストレスがある証拠なので、あまりびっくりさせないようにしましょう。
触れるのを嫌がらない場合でも、尻尾を捕まえたり、背中から掴んだりしないことです。
両手でそっとすくいあげるように持ち上げてください。
爬虫類を飼う時は、カルシウム不足に注意が必要です。
マウスなどを丸のみするヘビならさほど心配は要りません。
トカゲ類や カメ は、餌をよく食べ丸々と太っていても、カルシウムが不足している場合が多々あります。
カルシウム不足が進むと、背骨が変形してしまい、カメの場合は甲羅が柔らかくなります。
その他、変な歩き方をする、足が震える、歩けないなどの症状が見られます。
昼行性の爬虫類には紫外線ランプや直射日光が不可欠。
ただ、シェルターや日陰も作ってあげてください。
暑すぎると茹ってしまうし、ランプに目をやられることもあります。
木の上に棲む爬虫類は、ケージの中でも高いところを好みます。
ランプを真上に付けるのは避けるのが賢明です。
高いところにいたいがために、ランプのすぐ近くに長い間陣取ってしまい目が見えなくなるカメレオンもいます。
ちなみに、熱源に直接触れて火傷をすることも多いです。
保温のために熱いランプ等をケージに入れる時は、直接触れないよう、目の細かい金網などでカバーを付けることが必要です。
紫外線ライトには寿命があり、段々と紫外線量が低下しています。
それぞれのライトには交換時期の記載があるので、定期的に新しいものにしましょう。
また、距離が離れすぎても紫外線強度は下がるので、距離は正確に製品の指定する高さに置きましょう。
栄養バランスはどんな動物にとっても大切ですね。
爬虫類を飼う時は、カルシウムとリンのバランスが重要です。
自然の中にいる時は、爬虫類はリンよりカルシウムをずっと多く摂っています。
例えば、 レオパード・ゲッコー がミルワームを好むからといって、長期間それだけを与えているとカルシウム不足やリン過多となります。
また、ビタミンDもサプリメントで補充する必要がある個体もいます。
成長速度が著しい品種では低カルシウム血症になりやすいので、十分に注意してください。
水棲や半水棲のカメに多く見られます。
綿のようなものが足にできたら、菌に感染した可能性があります。
軽い場合、2〜3日乾燥した場所で日光浴をさせると治ります。
この時、脱水や熱中症にさせてしまうことが多いので気を付けましょう。
皮膚病にかかるのを避けるためには、なるべく頻繁に水を換えることです。
夏場は毎日の水替えが必要です。
汚れが残りやすいので、砂や小石の床材を使用しない方が清潔に保てます。
フィルターは付けた方が良いですが、見た目が綺麗になっても菌はなくならないことを忘れないでください。
たかが寄生虫、されど寄生虫です。
病気の媒体になったり、衰弱の原因になることも多く、ひどい場合は死に至ることもあります。
トカゲ類に多いダニは、赤やオレンジ色です。
目の周りや耳の周りに付いている場合はすぐ気が付きやすいですが、鱗の中や脇の下に隠れていることもあります。
鱗の間にかさぶたや白い点々があったら、ダニがいる証拠。
獣医さんに診せれば、適切な駆虫薬などを処方してくれます。
ヘビ類に多いのは黒いダニ。
目の周りやあごの下に群れているのが見えることがあります。
また、水の中でとぐろを巻いたあと、水中に落ちていることも多いです。
ダニが見つかったら、ピンセットでゆっくりはがした後、ポビドンヨードや抗生物質の軟膏などを塗っておきます。
大体のケースでは、ピンセットでは取り切れない量のダニがいるので、引っ張り出さずに獣医師に処方された駆虫薬を使う方が安全です。
ダニを抜き取るとストレスになりますし、皮膚に傷ができてしまいます。
自己判断で人間用や 犬 ・ 猫 用の抗生物質を使うのは危険です。
野生の爬虫類には、必ずといっていいくらい寄生虫がいるものです。
中には危険なものもいます。
下痢や嘔吐、血便、粘液便などが見られたら、早めに治療しましょう。
獣医さんに検便してもらって、薬を処方してもらいます。
自然の中で捕まえた餌には寄生虫がいる可能性があるので、数日間冷凍した上で与えるようにしてください。
新しい子をケージに加える場合は、すぐ一緒にしないで、一週間から二週間、別のケージに入れて様子を見ることです。
病気や寄生虫の兆候があったらまず治療。
完治してから、他の子と一緒にします。
ちゃんと脱皮できるのは健康な証拠です。
脱皮前には皮膚が白っぽくなります。
ヘビは、数日かけて一枚の抜け殻を脱ぐように脱皮します。
トカゲの皮膚は少しづつ落ちます。
完全に脱皮できず皮膚の一部が残ってしまうと、皮膚病や血行不良になる恐れがあります。
トカゲは耳の周りや足、ヘビはまぶたや尻尾の先をよく確認してください。
なお、湿度が足りないと上手く脱皮できません。
霧吹きでそっと水を吹きかけてやります。
ヘビは脱皮前に水に浸かるので、水があふれない大きめの容器が必要です。
頭の先を何かにこすりつけた時のかすり傷が原因となることがあるようです。
ケージの金網が荒すぎても、傷の原因となります。
そして、昆虫の生餌による外傷です。
昆虫が口の中で暴れて、傷ができたところに細菌感染が発生します。
口の中に赤い点々が見えたら、出血している可能性があります。
傷口からチーズのようなものが出てきたら、獣医さんに相談しましょう。
放っておくと、顎や口の中が腐ることもあります。
雌にとって、出産とは常に危険を伴うものです。
鳥 と同じように、爬虫類も卵が詰まる危険性があります。
安心して卵を産む場所が見つからないと、雌は産むのを諦めてしまいます。
無事産卵した後も、卵が少し残っていて問題を起こす場合があります。
そうなったら、獣医師に見てもらうしかありません。
症状は、急性腸炎や肺炎となって現れます。
糞が緑色っぽくなったら赤信号。
また、爬虫類の場合、症状がなくても、サルモネラ菌を持っている場合があるので注意してください。
ペットに触った後や、ケージを掃除した後は、必ずよく手を洗いましょう。
アメリカでサルモネラ菌が蔓延したのは、ペットの爬虫類が原因だったとも言われています。
その結果、アメリカでは生卵を食べられなくなってしまいました。
日本もそうならないよう、大事なペットと自分自身、家族を守るために衛生管理は徹底しましょう。
毎日、糞や食べ残しの餌を取り除き、汚れた床材はなるべく早く取り換えましょう。
また、ケージの消毒も必要です。
注意書きに従って消毒剤を使った後は十分にゆすいで、ケージに薬が残らないようにしてください。
おかしいと思ったら、なるべく早めに獣医に相談することです。
軽いうちに治療した方が、ペットも苦しまないで済みますし、治療代も安く済みます。
重病になってから慌てて獣医さんを探すのではなく、普段から信頼できるお医者さんを見つけておいてください。
「爬虫類」や「エキゾチックアニマル」という言葉で探すと見つかることでしょう。
監修:獣医師 山口 明日香(やまぐち あすか)
日本獣医生命科学大学獣医学部獣医学科卒後、2つの動物病院に勤務し、現在も臨床獣医師として働く。
ワークライフバランスを整えるため、在宅でのLINEおよび電話による健康相談、しつけ相談も開始。
その過程で、病気のみならず各種トレーニングと問題行動の大変さ、大切さを知る。
今後は学校飼育動物学で学んだ動物飼育と、子供の情緒の発達についても発信し、獣医動物行動研究会において問題行動の知識を深め、捨てられる動物が減るように正しい情報を伝えるべく模索中。
最終更新日 : 2022/09/21
公開日 : 2016/06/03