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犬はなぜマウンティングをするのでしょうか。
マウンティングは犬の本能に基づいた行為ですので、異常な行動ではありません。
犬の発情期とは、メス犬が「妊娠できる期間」のことを言います。
発情期を迎えるとメス犬はフェロモンを発し、それに誘われたオス犬が交尾を行うのですが、発情期の性的な欲求がマウンティングという行動で表れます。
オス犬は年中交尾が可能なので、発情期以外でもマウンティングをすることは珍しくありません。
性的欲求による場合はマウンティングだけでなく、落ち着きがなくなる、ご飯を食べない、雌犬を追いかけて脱走してしまうなどの問題行動も見受けられることがあります。
また、メスも発情期の欲求によってマウンティングをすることがあります。
犬がかつて野生で暮らしていた頃は、他の仲間と共に群れを作って生活しており、その習性はペットとして暮らすようになった現在でも色濃く残っています。
群れにはリーダーが必要で、それにともない群れの中の順位がありました。
そのような背景から、マウンティングは自分の方が強いという意思表示の意味もあります。
したがって、他の犬にマウンティングをすることはあまり良いことではありません。
マウンティングは遊びの一環であり、コミュニケーションの手段ということもあります。
マウンティングされることを嫌う犬は多いですが、仲が良い犬同士だと許す場合もありますし、お互いにマウンティングし合うこともあります。
また、 猫 などの他の動物にすることもあり、これは性的な意味合いではなく、遊びの延長でマウンティングすることが考えられます。
飼い主さんにする場合も同じような感覚で、好意があるからこそ行っていると考えられます。
クッションやぬいぐるみなどにマウンティングをするのは、退屈だったからという理由が考えられます。
マウンティングは犬にとっては楽しい行為です。
暇なのでクッションにマウンティングしてみたところ、楽しかったのでするようになることもあります。
マウンティングは犬の本能的な行動ですが、マウンティングをする頻度は個体差や育った環境の影響が大きいです。
筆者は4匹の犬を飼っており、全員避妊済みです。
この4匹の犬のうち、2匹は全くマウンティングをしません。
残りの2匹のうち1匹はときどきマウンティングをしていましたし、もう1匹は頻繁にしていました。
全くマウンティングをしない2匹は、子犬のころから筆者がしつけをしてきた子たちです。
マウンティングに対する欲求がもともと少なかったこともあるかもしれませんが、筆者が許さなかったことも、現在全くしない理由だと推測してします。
マウンティングする2匹は元 保護犬 で、成犬になるまで全くしつけをされなかった子たちです。
マウンティングの欲求の強弱はあると思いますが、しつけをなされなかったこともマウンティングを頻繁にするかしないかに影響しているように感じます。
現在では、この2匹も筆者のしつけによりマウンティングしなくなりました。
※合わせて読みたい: 犬のしつけをマスター!愛犬のしつけ方や正しい飼い方を把握しよう
犬のマウンティングが始まるのは、子犬の頃からです。
筆者は保護活動をしており、何度も子犬を保護してきました。
早い子だとマウンティングは生後2か月頃から始まると言われていますが、筆者が観察したところでは、生後4か月~5か月ごろから見られるようになることが多いようです。
この頃は、好奇心も旺盛になり兄弟犬との順位も意識するようになります。
じゃれたりする遊びの中で、兄弟の中でも強い子と弱い子の順位がだんだんついてくるようになる時期なので、マウンティングも遊びの中で行われるようになってくるようです。
マウンティングは本能による行動なのですが、現在は犬同士の群れではなく、人間社会で暮らしているのでマウンティングをすることによる様々な害が出てきてしまいます。
犬同士の群れであれば、マウンティングはコミュニケーションの一環としての役割もあったでしょうが、現在では他の犬と会うのは 散歩 であったり、 ドッグラン であったりと群れの中ではありません。
いきなり親しくもない犬にマウンティングするのは、ケンカに発展するなどトラブルの元となります。
多頭飼育をしていても、マウンティングをされることが嫌な犬は少なくないので、お家で飼っている犬同士でもトラブルを避けるためにさせない方がいいでしょう。
筆者は犬同士のマウンティングは絶対にさせません。
飼い主さんにマウンティングしたからといって、必ずしも飼い主さんを下に見ているわけではなく、実は好意の表れの場合もあります。
しかし、これを許していると来客や散歩中に出会った人などにもしてしまうようになります。
犬としては悪気はないのですが、失礼な行為ですし、飼い主さんとしては恥ずかしい気持ちにもなりますから、やめさせた方がいいでしょう。
クッションへのマウンティングだったら許してもいいかというと、それも良くない面があります。
ダックスフンド など胴長の犬種は腰に負担がかかるというリスクがあります。
また、クッションにマウンティングすることを許していると習慣化してしまい、家以外の他の場所でもするようになってしまうことがあります。
マウンティングをやめさせる方法をご紹介します。
避妊・去勢をしていない場合は、マウンティングをしたい欲求が強くなるので、しつけでやめさせることは困難です。
繁殖する予定がない場合は、避妊・去勢手術を受けさせるとマウンティングへの欲求はだいぶ少なくなります。
マウンティングをする癖がすっかりついてしまっていると、手術後でも治らない場合がありますので、1歳になる前に避妊・去勢をされることをおすすめします。
また、避妊・去勢を行うことで乳腺腫瘍、前立腺の疾患などの予防にもなります。
飼い主さんにマウンティングしてくるときは、「いけない」など制止するコマンドでやめさせ、犬のそばを離れて無視しましょう。
怒鳴ったりすると犬との信頼関係に悪影響を及ぼすので、毅然と落ち着いた態度を示すようにしてください。
犬は愛情表現として行っているかもしれませんが、飼い主さんはそれは嬉しくないということを態度で分からせるようにします。
飼い主さんと愛犬に信頼関係成り立っていれば、そんなに苦労せずにマウンティングをしなくなりますよ。
他の犬にしてしまったら、厳しく叱って引き離しましょう。
怒鳴らず、厳しく「いけない」や「ダメ」といった決めたコマンドを言うだけでいいです。
飼い主さんが大好きな犬であれば、飼い主さんに叱られるのは悲しいことなので、我慢するようになります。
できればマウンティングする前に おやつ で気をそらせて、させないようにできるといいですね。
クッションなどにマウンティングしてしまうときは、他の遊びに誘って気をそらせましょう。
習慣化させないことが大切です。
愛犬をよく観察していると、マウンティングしたくなるクッションやぬいぐるみがあると思います。
形なのか匂いなのか、特定のものにマウンティングすることもあるため、そのような場合はその対象物を撤去してしまいましょう。
クッションやぬいぐるみにマウンティングしてしまうのは、暇なせいかもしれません。
運動が足りていないと犬はおうちにいる時間を退屈に感じるので、お散歩や遊びの時間を増やして、お家にいるときは休息の時間となるようにしましょう。
犬は暇だったり体力が有り余っていたりすると、マウンティングしたり何かを壊したりという問題行動を起こしやすくなります。
年齢や大きさに応じて、適切に運動させてあげましょう。
マウンティングは犬の本能による行動で、本来は悪いことではありません。
しかし、人間社会でペットとして暮らす上では良いことはないため、やめさせた方がいいでしょう。
すっかり癖が付いている、欲求が強いなどの場合は、しつけも簡単にいかないことがありますが、根気強く教えることで少しずつでも改善してくれるでしょう。
犬のしつけは「根気よく怒らないで行う」ということが大切です。
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最終更新日 : 2020/11/11
公開日 : 2018/08/09