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アマガエル に並ぶ日本の代表的なカエル、ヒキガエル。
しかし、ヒキガエルの名前は知っていても、どんなカエルかということまではあまり知らない方も多いのではないでしょうか?
今回はそんなヒキガエルの特徴や飼育方法について解説していきます。
ヒキガエルは体長7~18センチのずっしりとした大きな身体の カエル です。
褐色の肌に白や黒の線やまだら模様、背中には多数のイボやシワがあるため、お世辞にも万人受けする見た目とは言い難いかもしれません。
日本にいる多くのヒキガエルは「ニホンヒキガエル」と「アズマヒキガエル」で、その違いはアズマヒキガエルの方が鼓膜が大きいことぐらい。
他はほとんど一緒です。
カエルといったらピョンピョンと跳ねまわるイメージがありますが、ヒキガエルはのそのそと歩き、虫やミミズを食べて生活をしています。
のそのそと歩いて生活していると外敵に襲われてしまいそうですが、なんとヒキガエルは耳の辺りから毒を出せるのであまり襲われません。
以下にヒキガエルの毒について詳しくご紹介していきます。
ヒキガエルはゆっくりとしているにもかかわらず、外敵からあまり襲われることがありません。
それは、ヒキガエルは鼓膜の横の「耳腺」という部分から白い毒液を出せるためです。
「ブフォトキシン」と呼ばれる毒で、「ブフォ」はヒキガエルの学名、「トキシン」は毒という意味です。
それでは、ヒキガエルの毒の効果や危険性・対策などについて解説します。
ヒキガエルの毒「ブフォトキシン」は強力な神経毒で、皮膚に触れると赤く炎症を起こしてしまうことがあります。
また、滅多にありませんが、ヒキガエルの毒が口から入ってしまった場合、嘔吐・下痢・幻覚・心臓発作などを引き起こし、最悪死に至ることも。
犬 や 猫 がヒキガエルにちょっかいを出してしまうことがありますが、その場合は特に注意が必要です。
犬や猫は人間よりも致死量が少ないため、経口感染した場合はとくに危険です。
ここまでヒキガエルの毒の怖さについて解説してきましたが、ヒキガエルが毒を出すことは滅多にありません。
よほどの命の危険にさらされない限り、毒は出さないようです。
ヒキガエルに触れた場合は、毒を出したかどうかは関係なく石鹸でしっかりと手を洗いましょう。
危険な生き物ではないので、衛生意識をしっかり持ち安全に触れ合うことが大切です。
ヒキガエルの天敵、「 ヤマカガシ 」という ヘビ にはヒキガエルの毒が効きません。
しかも、ヒキガエルの毒を身体に溜めて自分の毒として利用できる力を持っています。
動きが遅い上に毒が無効になってしまっては、もうお手上げですね。
パッと見では分かりにくいかもしれませんが、実はヒキガエルにはオスとメスでいくつかの違いがあります。
それぞれの特徴を見ていきましょう。
森林、畑や田んぼ、都市部の公園や民家の庭など、様々な場所に分布しているとても身近なカエルです。
ヒキガエルは大人になると、繁殖期以外はほとんど陸上で生活をします。
陸上生活をしていたら身体が乾いてしまいそうに思いますが、ヒキガエルは乾燥に強いという特徴があります。
また、ヒキガエルは夜行性のため、昼間は物陰に隠れており、陽が落ちると活動的になります。
ヒキガエルはどっしりとした大きな身体に似合わず、小さくかわいらしい鳴き声を出します。
それは、「くぅくぅ、きゅうきゅう」のような、カエルというよりも鳥を連想させる鳴き声です。
ヒキガエルはなぜあんなに大きな身体でありながら、声が小さいのでしょうか?
大きな身体に小さな声のヒキガエルに対して、小さな身体で大きな声なのが「アマガエル」です。
アマガエルはなぜ大きな鳴き声が出せるのかというと、「鳴嚢(めいのう)」と呼ばれる皮膚の膜が頬や喉にあるためです。
鳴嚢で共鳴させることによって、アマガエルは大きな鳴き声を出すことができるのです。
基本的にオスのカエルは鳴嚢を持っていますが、ヒキガエルには鳴嚢がありません。
なので、ヒキガエルは声を共鳴させることができず、小さくかわいらしい鳴き声をしているというわけです。
ヒキガエルのメスは鳴き声を出すことができません。
鳴き声を出すことができるのはオスのみで、以下のような状況で鳴きます。
ヒキガエルの寿命は整った飼育環境で8~11年、自然界で4~5年と言われています。
しかし、生後から1年間生き抜くことができるのはわずか3%ほど。
特に、初めての冬を越すときに命を落としてしまうケースが多いようです。
1年以上生き延びたとしても、気候の変化・エサ不足・天敵・事故など、様々な要因によって命を落としてしまいます。
ちなみに、36年間生きたヒキガエルがいたという驚異的な記録が残っています。
ヒキガエルは比較的飼いやすいペットですが、飼育の際は気を付けないといけないこともあります。
ここではヒキガエルの入手方法・用意するもの・エサの与え方について順番にご紹介していきます。
野生のヒキガエルを捕獲する場合は、雑木林の落ち葉の下や公園などを中心に探してみましょう。
水辺よりも陸地を好み、市街地にも多く生息しています。
捕まえやすい季節は5月頃の梅雨の産卵期で、昼間は岩陰や建物の軒下などに隠れている場合が多いので、活動的になる夜を狙うのがベストでしょう。
冬は冬眠しているので土の中に潜りこんでいて、見つけることが困難です。
素手で優しくつかんで捕まえましょう。
野生のヒキガエルを捕まえるのが難しい場合は、ペットショップなどのお店で購入することもできます。
ヒキガエルのサイズやお店ごとに値段は前後しますが、およそ1,000~2,000円で販売されていることが多いです。
両生類のペットとしては安く手に入れることができる点も魅力的です。
ヒキガエルの飼育容器は、あまりお金をかけたくないのであれば、フタつきのプラケースがオススメです。
衣装ケースなどでも代用できますが、通気性の良いフタを乗せてください。
その場合は、ヒキガエルが脱走してしまわないようフタに重しを乗せるなど工夫が必要です。
成長につれて大きくなるヒキガエルに合わせて、なるべく大きめのサイズの飼育ケースを用意しましょう。
ヒキガエルが土の中に潜ったり穴を掘ったりしやすいよう、床材は深めに敷き詰めましょう。
床材の種類ですが、黒土・赤土・腐葉土・鹿沼土などがオススメです。
なるべく保湿性が高く、やわらかい土を選ぶと良いでしょう。
ヒキガエルが隠れるためのシェルターを設置すると、積極的に入って行きます。
なるべくヒキガエルの身体全体が覆われるサイズのものを選ぶのがオススメです。
ヒキガエルは直接エサを与えないとなりません。
生きたエサを掴んで与えるために使います。
ヒキガエルは身体から水分を吸収するので、水が必要になります。
そのため、ヒキガエルの身体がすっぽり入る大きさの水入れを用意しましょう。
水道水には、消毒のためのカルキ(塩素)が含まれています。
ヒキガエルの飼育においては、「カルキ抜き」をしたものを使用するようにしましょう。
カルキ抜きの方法については、以下を参考にしてください。
水道水のカルキ抜きにはいくつか方法があります。
ここでは簡単にできるカルキ抜きをご紹介します。
一番簡単でよく知られているのが汲み置きです。
バケツなどに水道水を汲み、そのまま放置しておくとカルキを抜くことができます。
天気が良い日に日当たりの良い場所で行った場合は、半日ほどでカルキ抜きができます。
日陰で放置した場合は、2~3日ほどかかります。
やかんや鍋などで水道水を沸騰させることでカルキ抜きをすることができます。
40~50分ほど沸騰させてください。
ハイポと呼ばれる中和剤を使っても簡単にカルキ抜きをすることができます。
ハイポはペットショップなどのお店で安価で購入することができます。
水道水を溜めたバケツの中にハイポを入れ、5分ほど置けばカルキ抜きができます。
この方法が1番手間がかからずオススメです。
野生のヒキガエルは、主にイモムシやコオロギ、ミミズなどの地面を這っている虫をエサとしています。
ペットショップなどのお店で購入する場合は、コオロギがヒキガエルのエサとして適しています。
飼っているヒキガエルが食べやすいサイズのエサを選ぶようにしましょう。
ヒキガエルは基本的に生きているエサしか食べません。
また、エサとなる コオロギ などの虫は直接与えないと食べてくれない可能性があります。
そのため、ヒキガエルにエサを与える際はピンセットで生きた状態のエサを掴み、3日に1回、10匹ほど与えます。
ヒキガエルに与えるエサの数は、大きめのエサなら少し減らすなど、サイズごとに調整してください。
毒をもつ身体に、かわいらしい鳴き声。
今回はヒキガエルの意外な一面もご紹介しました。
ヒキガエルの飼育はエサの与え方などに注意すれば比較的簡単です。
皆さんも是非ヒキガエルをペットに迎え入れてみてはどうでしょうか?
公開日 : 2017/10/31