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またたびとは「マタタビ科・マタタビ属」に属する「落葉蔓性木本(らくようつるせいもくほん)」です。
これではあまりイメージが湧かずピンと来ないかもしれません。
「落葉蔓性木本」とはどのようなものなのかについて、先に触れておきましょう。
「落葉」とは植物の葉が自然と落ちる生理現象で、「落ち葉」のことを指します。
落葉樹などの場合、寒い時期や乾燥が強い季節になると、生存することが難しくなります。
そのため、自ら葉を落とすことで、それぞれの環境に適応します。
「蔓性」とは、またたびのような植物によく見受けられる、茎や幹がつるのような形状をしている性質のことを指しています。
ここまでは、文字からイメージすることがたやすく、なんとなく理解できます。
しかし最後についてくる「木本」がどのようなものか想像するのはなかなか難しいようです。
「木本」とは本来は「もくほん」と読むのが一般的ですが、地名としても使われておりその場合は「きのもと」と読みます。
今回は植物のお話になりますので、「もくほん」と読んでください。
意味はずばり「樹木」のことです。
木の部分の発達が著しく、それらの細胞壁が木化して強固になります。
そうなることで地上の茎が長きにわたり生存し続けることができる植物全般を指しています。
主に「高木」と「低木」にわけられて扱われます。
またたびは主に、日本を含むアジアの地域に多く分布しています。
日本の場合は、北海道・本州・四国・九州と、多くのエリアでその姿を観測することが可能です。
世界でみると、北海道本島の東に位置する、「千島列島」や朝鮮半島に分布しています。
主に山地の林縁部分に自生しています。
蔓(つる)は若いころは茶褐色をしているのですが、成長していくと少しずつ黒ずんでいき最終的には紫がかった茶色へと変化します。
葉っぱの部分は蔓上の枝の1つの節ごとに1枚ずつ、方向をたがえてついていきます。
葉の大きさは約2~7cm程度となり、楕円形で廻りには細かい「鋸歯(キョシ)」と呼ばれるのこぎりの歯のような形状があります。
6月から7月ごろにかけて、直径2cmほどの可愛らしい白い花を咲かせます。
花は約2~2.5㎝程度の大きさで、細長い楕円形の実をつけます。
この実は秋が深まる季節になると、熟してオレンジ色に変化します。
猫を夢中にさせてしまうマタタビですが、それ以外にも利用価値がたくさんあります。
実や葉は食用として使われます。
また生薬の材料としても使われています。
熟したまたたびの実はそのまま食べることもできます。
しかし、何もせず食すとかなり舌に刺激が残ってしまうので、お世辞にも美味しいものではありません。
生食以外で用いる場合は、塩漬や味噌漬けにしたり、「マタタビ酒」と呼ばれる薬用酒として加工されます。
またたびの実というのは、そのまま状態の物よりも「虫こぶ」になったもののほうが重宝されます。
虫こぶになった実のほうが薬用効果が高いため、生薬にも利用されます。
「虫こぶ」については後程詳しくご説明いたします。
新芽やつる先の部分は山菜として扱われるため、おひたしや和え物として食べることも可能です。
多めの塩をいれた熱湯でしっかりと茹でて食べます。
ですが、またたびはアレルギー症状を引き起こしてしまう可能性があるため、食用にする際は注意が必要です。
樹皮は布の袋に入れることで入浴剤としての効果を発揮します。
神経痛や、足腰の冷えに効果があるといわれています。
またたびは生薬として用いる際は「木天蓼(もくてんりょう)」と呼ばれます。
この呼び方は、またたびの中国名ともなります。
「木天蓼」と呼ばれるのは、またたびの実の部分です。
しかしこの時の実は、通常の状態のものではありません。
ここで登場するのが先ほど出てきた「虫こぶ」です。
またたびの蕾に、「マタタビミタマバエ」か「マタタビアブラムシ」が寄生すると「虫こぶ」になります。
実に産卵された状態は、こぶができたように見えることから「虫こぶ」と呼ばれるようになしました。
「木天蓼」は、樹皮で登場した効用と同じく、「冷え性」や「神経痛」、「むくみ」や「リウマチ」に効果があります。
体を温めて血行を良くする効果があることから、「強心」にも効果があるとされています。
どのようにして生薬にするかと言うと、虫こぶの中に寄生している虫を殺すため、まずは熱湯に5分程度浸します。
その後天日干しを行い完全に乾燥させます。
乾燥させたものを粉末にして服用したり、焼酎に漬けることで飲みやすくします。
焼酎に漬ける場合は、実の部分200gに対し、1.8Lのホワイトリカーに漬け込むだけです。
あとは半年ほど冷暗所でゆっくり寝かせれば「マタタビ酒」の完成です。
不思議な響きを持つ「またたび」という名前ですが、漢字で書くと先ほど登場した「木天蓼」となります。
つまり「木天蓼」と書くと、またたびとも読めますし、もくてんりょうとも読めるということです。
「またたび」という呼び方は和名となっていて、英名は「silvervine」となります。
和名の「またたび」の名前の由来には諸説あり、疲れた旅人がまたたびの実を食べたことで、また旅を再開できたというものがあります。
「複(また)旅(たび)」で「またたび」というわけです。
ですがこの説には、とくに確固たる証拠となる裏付けがあるわけではありません。
なぜかというと、またたびが旅人に好まれたというような記録などが見当たらないからです。
更に付け加えると、「副詞+名詞」となる命名法はあまり例がないからです。
「またたび」=「復旅」とすることで、字面的にも連想しやすいことから、この説は一般的となりました。
しかし、もっと有名な名前の由来となる説があります。
それはアイヌ語の「マタタムブ」が語源になっていいるという説です。
アイヌ語で「マタ」とは「冬」を意味します。
「タムブ」は「亀の甲」と言う意味を指していて「虫えい」を意味されると言われています。
「虫えい」とは「虫こぶ」と同じ意味です。
「タムブ」は、「苞(つと)」という意味であるという意見ものちに登場します。
「苞」とは、「ほう」とも読むことがあり、その場合の意味は「花のねもとにつく小形の葉」となります。
ちなみに「つと」と読む場合は、「みやげ」や、納豆のような「藁などで包んだもの(わらづと)」と言う意味を持っています。
またたびについての詳細がわかったところで、次は動物とまたたびの関係性をみていきましょう。
昔からあることわざに「猫にまたたび、お女郎に小判」というものがあります。
後ろの部分を外して「猫にまたたび」だけで使用されることもあります。
意味は字面からも容易く想像ができるとおり、好きで好きでたまらない「大好物」の例えです。
また、相手の機嫌を取るために一番効果があるものの例えとしても使用されます。
このように例えられてしまうだけあって、またたびは猫を夢中にさせてしまうアイテムとして有名です。
元気のない 猫 の活力をみなぎらせるのにも格好のアイテムと言われている「マタタビ」
猫たちはその臭いをかいだだけでも絶大な効果があらわれます。
それもこれも、すべてまたたびに含まれている成分が影響を与えているのです。
「β-フェニルエチルアルコール」
フェネチルアルコールという成分は、主に化粧品の香料として使われています。
β-フェニルエチルアルコールは、バラの香りのする香料に使われていることで有名です。
このβ-フェニルエチルアルコールですが、人気の高い香りの元として使われる反面、思わぬ効果も持っています。
それは、「催涎作用」と呼ばれる、よだれの分泌を促進する作用です。
確かに猫にまたたびを与えると、よだれまみれにしている印象があります。
ただ単に、齧りすぎてよだれまみれになっている可能性も高いですが、この成分も考えられる一つの要因となっています。
「マタタビラクトン」
真打登場、これこそ猫を陶酔させてしまう根源となる成分です。
単一の物質ではありませんので「マタタビラクトン類」と呼ばれる場合もあります。
マタタビラクトンという成分は、猫の神経を刺激したり、麻痺させることができます。
そのせいで性的快感を覚えさせてしまうので、体をくねらせたり、転がりながら悶えるような動きをし、陶酔状態を引き起こします。
それだけ猫の神経や体に影響を与えるものなので、常用することは大変な危険を伴います。
猫がおとなしくなる、面白いなどの理由で常用してしまうと、呼吸不全を引き起こす可能性があるのです。
逆に、きちんと猫の様子を観察し、元気がないときなどに上手に取り入れると、他にない万能薬として役立ってくれることでしょう。
「アクチニジン」
アクチニジンは、マタタビラクトンと並び、猫を陶酔状態にさせてしまう成分です。
マタタビウラクトンとアクチニジンという成分は、猫の上あごにある「ヤコブソン器官」で反応を起こします。
するとこの2つの成分は、体内にある中枢神経を麻痺させる働きを開始します。
これがマタタビラクトンでも登場した性的快感・興奮を覚えさせるメカニズムとなります。
「アクチニジン」をはじめとする成分には、血行を促進し血流を改善する効果があります。
その結果、冷え性を改善する効果が期待できます。
北日本のほうではまたたびは、「食べる温泉」と呼ばれ重宝されているのです。
このことから、またたびは猫だけではなく、人間にも良い効果や影響をもたらしてくれることが分かります。
倦怠感がなかなか取れないなどでお悩みの場合、寝る前にまたたび茶を飲めば疲労回復が期待できます。
血流改善だけでなく、アクチニジンンには胃の健康を保持する効果もあります。
このアクチニジンは、またたびと同じ「マタタビ属」に属している果物の「キウイ」にも豊富に含まれています。
アクチニジンはたんぱく質を分解する働きを持つ酵素です。
つまり消化吸収を助ける働きを盛んに行ってくれる成分なのです。
この効果は、胃もたれや消化不良を防ぐ働きをおこない、胃の健康を保持してくれるというわけです。
先ほどのまたたびの成分で触れましたが、またたびの効果は人間にも期待できます。
さらには人間が美味しく食べることができる「フルーツまたたび」なるものもが、北海道は網走市で生産されています。
完熟したフルーツまたたびの実は、大変フルーティーで人間の嗜好にとてもあいます。
しかも完熟したまたたびの果実には、ビタミンCが大変豊富に含まれています。
その量はレモンの約3倍、イチゴの約5倍と、かなりの含有量となっています。
またたびはビタミンCによる美容効果が高いことから、美を意識する女性にもうってつけなのです。
ビタミンCが豊富であるということは、抗酸化機能・活性酸素除去の効果に優れています。
これらは血圧の上昇を抑制する効果が認められており、抗がん作用や生活習慣病の抑制・予防効果に期待がされています。
網走のほうではフルーツまたたびを使用したスイーツや、じゃがいもとスイーツまたたびをコラボさせた「じゃがドラフト」なる発泡酒などが販売されています。
スイーツもジャンルの幅が広く、ケーキやジェラート、飴などいろいろ楽しめます。
美と健康に効果が期待できて、なおかつ美味しくて食べやすいとなると、飼い猫だけに与えておくのはもったいないですね。
いくら人間にもよい効果があると言っても、猫のように酔っぱらったような「陶酔状態」になっては困るという方もいらっしゃるでしょう。
しかし、そこは安心してください。
またたびに含まれる成分は、ネコ科の動物にのみ神経を麻痺させたり、性的快感を覚えさせるものです。
ですから、人間が摂取しても神経を麻痺させるようなことはありません。
またたびを常用してはいけない理由でお話ししましたが、またたびにはネコ科の動物の「中枢神経」を麻痺させる作用を持っています。
麻痺のレベルが高くなると呼吸不全をおこして、息ができなくなってしまう危険性をもっています。
これは人間でいうところのお酒と考えておくとよいでしょう。
急性アルコール中毒や、お酒の耐性が低い人にどんどん強いお酒を飲ませ続けると、当然危険な状態になることは火をみるより明らかです。
万能薬のはずのまたたびが、与え方を誤れば飼い猫に死をもたらせてしまう可能性があることもしっかりと頭に入れておきましょう。
それを踏まえたうえで、どのように飼い猫にまたたびを与えればよいかについてお話しします。
与えた際、効果が強くなるのは「粉末」→「液体」→「実」→「枝」→「葉」の順番となります。
自然に自生しているものが手に入る方は、与える場所によって影響が異なることを覚えておきましょう。
販売されているものは大抵が粉末状であり、内容量はせいぜい1袋につき0.5g程度でしょう。
これぐらいであれば、飼い猫が全て食べてしまってもあまり問題はありません。
ですが、またたびアレルギーを持つ猫もいますし、子猫や老猫の場合は全部食べてしまうと危険な場合もあります。
与える時は、必ず猫の変化に注意してそばを離れないようにしてください。
粉末の場合の目安は1g以内です。
喜ぶからと言って、これ以上一度に与えるのは猫にとってリスクが高すぎます。
刺激が強すぎると体に大きな影響を与えます。
さきほど出てきた子猫や老猫だけでなく、心臓の弱い猫などにも強すぎるまたたびの刺激は命取りとなってしまいます。
人間にとってのアルコールと同じような存在をもつ「またたび」
あげるタイミングは以下を参考にしてください。
・元気がないとき
・食欲がないとき
・しつけをするとき
・ストレス解消に
室内飼いの場合、十分なスペースが確保できず、飼い猫にとってはストレスが溜まりやすい環境となっている場合があります。
また飼い主さんが忙しくて、あまり構ってあげられないなどのような、猫がストレスを感じているときに与えることも効果的です。
しつけとしては、一般的なのが「 爪とぎ 」です。
段ボール製などの市販の爪とぎを買うと、粉末のまたたびがついてくることがあります。
これがまさに「 しつけ 」目的に与えるタイミングです。
元気がない、食欲が無いなどは、またたびより先に環境の改善や病気などの心配をしたほうが良い場合もあります。
飼い猫の様子をよくみて、またたびを与えるかどうかを判断しましょう。
粉末状のまたたびであれば、そのまま直接飼い猫に与えても問題はありません。
食事をする時の食器にそのまま乗せても構いませんし、飼い主さんの手のひらに乗せて直接与えても大丈夫です。
食欲が落ちている場合は、いつも食べている キャットフード に直接かけることで、落ちていた食欲が増進する場合もあります。
あとは、先ほども登場した「爪とぎ」に振りかけてやると、爪とぎを抱えて大喜びすることでしょう。
猫のおもちゃ に振りかけてやるのもおすすめです。
夢中になって遊ぶことは、ちょっと太めでダイエットが必要な飼い猫にうってつけです。
粉末以外となると、市販ではなかなかみかけませんが時折、またたびの枝なども売られています。
市販品であれば注意書きを守って与えれば、特に難しいことはありません。
ですが、ある程度の時間を決めて与えるようにしてください。
そして片づける時は、またたびの臭いが飼い猫にばれないように注意しましょう。
自生のまたたびが手に入る場合は、与え方にかなり注意が必要です。
決して一番効果の高い「葉」は与えないようにしてください。
効果が高いということは、それだけ死に対するリスクが高いということです。
またたびごときで飼い猫と悲しい別れをするなんて嫌ですよね。
ここからは、市販されているまたたびでおすすめのものを5つご紹介します。
かなり安価でいろいろなものが販売されていますので、ぜひ吟味して試してみてください。
全年齢の猫に対応している「粉末タイプ」で人気のあるまたたびが、「スマック またたび (純末) 2.5g」です。
一度に与える目安量は0.5g程度となりますので、おおよそ5回分と言うところです。
これで金額は400円前後となりますので、飼い猫へのたまのお楽しみにはちょうど良いといえるでしょう。
商品の仕様上、連続して与えることや量の規制には特に触れられていません。
ですが、できれば目安量程度からスタートするのがベストです。
開封後はできるだけ密閉して、飼い猫に臭いを悟られないように注意しましょう。
手軽にまたたびを与えたいタイプの飼い主さんには、こちらの「またたび玉」がおすすすめです。
飼い猫に与えるおやつのなかに、またたびが含まれているタイプとなっています。
これなら粉末の粉が飛び散る心配がありません。
1粒が大きめなので、その1粒をゆっくりと長い時間楽しんでくれます。
また、おやつとして与えられるため、リラックス効果やストレス発散に効果的です。
粉末タイプの形状のまたたびが、保管に便利なキャップ付きボトルで登場です。
粉末タイプのまたたびは袋入りのものが多く、一度開封すると後の処理に困るという飼い主さんも多いはず。
ですのでキャップ付きボトルは重宝します。
ボトル入りなので、飼い主さんの手に触れにくいというメリットもあります。
飼い猫の食事などに適量、ささっとかけてあげられるので、その手軽さが魅力と言えるでしょう。
スプレータイプのまたたび抽出液です。
スプレー式のため飛び散りは気になりますが、粉のようなこぼれてしまい床がざらざらで困るということが軽減されます。
合成保存料や防腐剤などの添加物を使用していませんので、安心して与えることができるのも魅力です。
布製品などに使う際に重宝します。
粉末タイプより価格は少々アップしますが、粉末や液状のものと比べると、直接与えて遊びながら楽しませることができるのが固形タイプの魅力です。
与えると抱きかかえるようにゴロンゴロンと転がりまわります。
運動効果にも期待できるので、ダイエット中の飼い猫におすすめです。
粉末・固形・スプレーなど形状を問わず、大体20~30分もすれば、またたびに酔いしれた飼い猫は正気を取り戻します。
ですがたまに全く反応しない猫もいますので、反応がないからと言っても与えすぎないように注意してください。
当然30分以上たっても陶酔した状態が続くようであれば、できれば一旦取り上げるほうがよいでしょう。
またたびについて詳しくご紹介してみました。
動物と言うのはとかくストレスを抱え込みやすいものです。
言葉を話さない分、人間より分かりにくいのも難点です。
そんな猫たちのストレスを解消してあげることができたり、元気を出させてあげられる万能薬となる「またたび」を上手に取り入れてください。
猫がリラックス出来れば、それだけでその空間は幸せで満ち溢れます。
リラックスしてとろけている飼い猫を見ていると、飼い主さんも心穏やかにリラックスできることでしょう。
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最終更新日 : 2020/12/15
公開日 : 2017/10/05