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ソマリのルーツはアビシニアン?美しい被毛を持つ猫「ソマリ」の性格や、飼い方






長毛種の猫で、性格も明るく活発な「ソマリ(Somali)」。

ソマリは、短毛種の「アビシニアン(Abyssinian)」を原種に持つ猫で、短毛種のアビシニアンに対し、長毛種のアビシニアンがソマリと言われます。
そのため、「ロングヘアード・アビシニアン」と呼ばれる事がある猫でもあります。

ソマリを語る上では、このアビシニアンが切っても切れない関係なわけですが、ソマリの誕生には、どのような歴史があるのでしょうか。

今回はソマリの誕生の歴史から、特徴や毛色、性格や飼い方などを解説します。

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【目次】ソマリのルーツはアビシニアン?美しい被毛を持つ猫「ソマリ」の性格や、飼い方

 

ソマリの歴史について

アビシニアンの突然変異「ロングヘアード・アビシニアン」

ソマリの原種、「アビシニアン」の歴史

1900年代、アビシニアン絶滅の危機

ロングヘアード・アビシニアンから、ソマリへ

1978年、新品種「ソマリ」として誕生

ソマリの特徴である「被毛」は突然変異?異種交配によるもの?

アビシニアンの特徴を受け継ぐ、ソマリの美しい被毛

ソマリは「キツネ」の尻尾を持つ猫?

ソマリの体重とボディタイプ

ソマリの寿命と、気を付けたい病気について

重症筋無力症の症状と、治療に関して

ソマリに多い遺伝性疾患「ピルビン酸キナーゼ欠損症」

ソマリは遊ぶ事も、飼い主さんも大好きな性格

ソマリの値段

 

 

ソマリの歴史について

 

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ソマリの歴史はまだまだ浅く、「ソマリ」として正式に認められたのが1978年、ほんの40年ほど前の事でした。

ソマリとして正式に?と、不思議に思うかもしれませんが、ソマリは前述の通り、ロングヘアード・アビシニアンと言われ、単に アビシニアン の長毛種であるとされていたのです。

 

この「ロングヘアード・アビシニアン」が、初めて世間の目にさらされることとなったのが、1963年のこと。

そして、「ロングヘアード・アビシニアン」自体は、1940年代頃に誕生していたのではないかと考えられています。

 

アビシニアンの突然変異「ロングヘアード・アビシニアン」

 

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ソマリの原種となるアビシニアンが、イギリスから外国へと輸出されていった1940年代。

アビシニアン自体は非常に古い起源を持つ 猫種 でも知られ、古くから純血種として繁殖され、キャットショーにも出陳されてきた猫でした。

そんな中、時折生まれてくる長毛種のアビシニアンがいました。

 

ロングヘアード・アビシニアンと呼ばれたこの突然変異のアビシニアンは、純血種を守るブリーダーの間では良いものとされておらず、キャットショーに出す事はありませんでした。

そのため、アビシニアンの繁殖の際にロングヘアード・アビシニアンが生まれた時には、一般のユーザーへと譲渡しペットとして飼育されることが普通となっていたのです。

 

 

ソマリの原種、「アビシニアン」の歴史

 

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純血種として、古くから大事に守られてきたアビシニアン。

ソマリを歴史を遡ると必ず登場するのがアビシニアンですが、少し脱線してアビシニアンの歴史を見てみましょう。

 

アビシニアンの原産国に関しては諸説あり、一つはエチオピアを原産国とする説。

もう一つが、イギリスを原産国とする説があります。

なぜ原産国に関して意見が別れているのか、それはアビシニアンのルーツにあります。

 

1868年、イギリスとアビシニア(現 エチオピア)との戦争が終わった後、アビシニアから「ズーラ」と呼ばれる猫がイギリスへと持ち込まれました。

このズーラが品種改良されアビシニアンが誕生、品種名もアビシニアの猫を意味するアビシニアンと呼ばれました。

こういった歴史があるものの、確固たる証拠は存在していないため、アビシニアンの原産国がエチオピアとする説、イギリスで誕生したという説の2つで争われているのです。

 

一般的には、アビシニアンの原産国はエチオピア(旧 アビシニア)であるとされますが、更にアビシニアンの起源を遡ると、古代エジプトの壁画に描かれる猫は、アビシニアンではないかとも。

果たして、本当の起源はどこなのか気になるところです。

 

1900年代、アビシニアン絶滅の危機

 

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こうしてイギリスへと持ち込まれ純血種として繁殖されていたアビシニアンですが、1900年代に入るとアビシニアンはイギリス国内で絶滅の危機に瀕することに。

そして、アビシニアンの純血種を守るため、アメリカやフランス等の協力を得ることとなります。

 

1930年代に入るとアビシニアンの絶滅も免れるようになり、短毛種と交配を重ねることでアビシニアンの血統を維持し続けることに成功。

現在のアビシニアンも、この頃のアビシニアンが祖先となっているのです。

1940年代、アビシニアンはイギリスから各国へと輸出、こうして前項の「ロングヘアード・アビシニアン」の話へ、つまりはソマリの歴史へと繋がるのです。

 

 

ロングヘアード・アビシニアンから、ソマリへ

 

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アビシニアンの歴史からソマリの歴史へと繋がりましたが、まだロングヘアード・アビシニアンとして認知され、アビシニアンとして認められていなかったソマリ。

ロングヘアード・アビシニアンからソマリ誕生のきっかけとなったのが、1963年のキャットショーでした。

 

カナダのブリーダーの一人、メアリー・メリングは、キャットショーに長毛のアビシニアンをエントリーすることを思いつきます。

それまではアビシニアンとして認められていなかったロングヘアード・アビシニアンをキャットショーに出陳することは、ほんの冗談だったのかもしれませんね。

 

しかし、キャットショーの審査員席にいたケン・マックギルは、このロングヘアード・アビシニアンの魅力に驚き、メアリーからロングヘアード・アビシニアン一匹を譲り受け、ロングヘアード・アビシニアンの繁殖に取り組む事となったのです。

このロングヘアード・アビシニアンは、後に「ソマリ」の第一号となる「Mayling Tutsuta」という猫でした。

 

1978年、新品種「ソマリ」として誕生

 

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ロングヘアード・アビシニアンに惚れ込んだ、ケン・マックギルが繁殖を開始しましたが、その後は、アビシニアンのブリーダーであり、ケンにロングヘアード・アビシニアンを譲渡したメアリーも、ロングヘアード・アビシニアンの育成に取り組み始めることとなります。

こうして本格的にロングヘアード・アビシニアンの繁殖が開始され、アビシニアンとは別品種として認められるための活動が始まりました。

 

その後の1978年、ロングヘアード・アビシニアンは、世界的な猫登録団体「CFA(The Cat Fanciers' Association)」に新品種として登録、その名をエチオピアの隣国「ソマリア」から由来し、「ソマリ」として登録されることになったのでした。

 

ソマリアとソマリに関しては何ら関係はありませんが、アビシニアンの原産国であるエチオピア(旧アビシニア)の隣国、ソマリアに名前を由来するなど、アビシニアンとソマリはやはり切っても切れない関係なのです。

 

 

ソマリの特徴である「被毛」は突然変異?異種交配によるもの?

 

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ソマリの特徴は、何と言ってもアビシニアンと酷似しているというところ。

しかしながら、ソマリとアビシニアン、毛の長さはそれぞれの仔猫の頃から違います。

 

そもそもソマリはアビシニアンの突然変異と説明してきましたが、被毛の長さ以外に違いはあるのでしょうか。

その答えがわかるのが、ソマリとアビシニアンの繁殖方法に関してです。

 

ソマリの美しい被毛を更に長い被毛にしたい場合には、より長毛のソマリを交配させることで、より長い被毛を持つソマリが誕生します。

一方で、少し短めの被毛を持つソマリにしたければ、アビシニアンと交配させることで、短めの皮毛を持つソマリが誕生します。

 

この事から、ソマリとアビシニアンの違いは、被毛の長さだけだということがわかります。

また、ソマリ(ロングヘアード・アビシニアン)は異種交配によって長毛のアビシニアンになったのではなく、アビシニアンの突然変異であると言うことも、同時に証明される結果でもあります。

 

アビシニアンの特徴を受け継ぐ、ソマリの美しい被毛

 

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ソマリの毛色は、「レッド」「ルディ」「ブルー」「フォーン」の4種。

そして、1本1本に濃淡があるティックドタビーの毛を持ちます。

もちろん、こうした点もアビシニアンと同様で、アビシニアンの最大の特徴を、ソマリも受け継いでいます。

 

そして、ソマリの目の色は「ゴールド」、もしくは「グリーン」の瞳を持ちます。

この点も、アビシニアンと同様です。

このアビシニアンの最大の特徴である、美しいティックドタビーの毛は、猫の原種と言われるリビアヤマネコと共通する事から、非常に古い歴史を持つ猫とも推測されているのです。

 

前述の通り、ソマリは個体によっても毛の長さは違い、毛の生える箇所にも若干の違いが見られ、やや短めのソマリもいれば長毛のソマリもいます。

また、毛質に関しては柔らかい毛を持ち、毛の生え変わり時期には大量の換毛が起きますが、日頃のお手入れに関しては簡単なブラッシング程度で問題はないでしょう。

 

ソマリは「キツネ」の尻尾を持つ猫?

 

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ソマリは「フォックスキャット」と呼ばれることもあるのです。

フォックス、つまり「キツネ」という意味のこの呼び名は、ソマリの可愛らしい尻尾の毛から来ているものです。

 

見た目もキツネに似ていると言えば似ていますが、キツネのように長く毛がふさふさとした尻尾を持つので、フォックスキャットと呼ばれることも。

性格も活発なので、キツネさながらの動きを見せることもあります。

 

ソマリの体重とボディタイプ

 

ソマリの一般的な体重は、おおよそ2.5kg〜5kgといったところ。

ボディタイプはフォーリンタイプとなります。

 

フォーリンタイプの猫には、アビシニアンの他に「 ロシアンブルー 」や「 ジャパニーズ・ボブテイル 」等が該当し、特徴としては筋肉質かつスレンダーな体型で手足が長め、逆三角形の顔とアーモンド型の目、そして大きな耳が特徴となります。

 

 

ソマリの寿命と、気を付けたい病気について

 

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ソマリの寿命は約15年ほど。

長生きな子だと15歳を超えることも珍しくありません。

 

性格的にも活発で元気いっぱいの印象があるソマリですが、ソマリが引き起こしやすい病気の一つに、「重症筋無力症(じゅうしょうきんむりょくしょう)」と呼ばれる病気が存在します。

これは、ソマリにも、アビシニアンにも共通するものです。

 

重症筋無力症の症状と、治療に関して

 

重症筋無力症とは、神経から筋肉へと伝達がしっかりと行われず、思うように身体を動かすことが出来なくなってしまいます。

そのため、すぐに疲れてしまったり思うように力を入れることが出来なくなると言った症状の病気で、主に4歳までの若年期か9歳以降の高齢期に多く見られます。

 

原因としては、殆どが先天性のものですが、後天性の場合には腫瘍があるなど、何かしらの要因が関係していることが多いようです。

治療に関しては、投薬治療によって回復することができますが、早期発見が重要です。

眠そうな顔をしていることが多かったり、ふらふらとした歩き方をしているようであれば、念のため検査を行ったほうが良いかもしれません。

 

ソマリに多い遺伝性疾患「ピルビン酸キナーゼ欠損症」

 

ソマリに多い遺伝性疾患の一つに、「ピルビン酸キナーゼ欠損症(PK欠損症)」と呼ばれる病気があります。

この、ピルビン酸キナーゼ欠損症は、赤血球のエネルギー代謝に深刻なダメージを与え、結果として赤血球が破壊されてしまい、溶血性貧血等を引き起こしてしまう病気です。

 

主に、生後3ヶ月位までに貧血の症状が見られますが、成猫になるまで病気に気が付かない場合もあります。

有効的な治療法は見つかっておらず、寿命が短くなってしまう場合が多い病気です。

 

先天性のため、確実な予防法はありませんが、ソマリを家族として迎え入れる際にはブリーダーやショップに、どちらかの系統に発症例はないか等を確認すると良いでしょう。

また、個人として検査する際には、動物病院でも遺伝子検査が行えますので、どうしても気になるという方は、試してみても良いかもしれません。

 

 

ソマリは遊ぶ事も、飼い主さんも大好きな性格

 

 

ソマリの性格は、非常に好奇心旺盛で遊ぶことが大好き。

飼い主さんと遊ぶことも大好きで、とても甘えん坊な一面もあります。

アビシニアンもソマリも、ペットショップなどでよく見かける猫種ですが、ペットとしても非常に飼いやすい品種で、今も昔も根強い人気を誇る猫でもあります。

 

飼い主さんにも懐き、可愛らしい一面も見せるソマリ。

その反面さみしがりやの一面もありますので、単調な毎日だったり、飼い主さんが全然かまってくれないなど、つまらない生活を繰り返しているとストレスも溜まってしまいます。

したがって、暇にならないような、楽しい毎日を送らせるようにしてあげましょう。

 

ソマリの値段

 

 

ソマリは比較的、どこのペットショップなどでも販売されている猫種で、おおよそ20万円前後が一般的な値段です。

地域によって差はありますが、高くとも30万弱といったところでしょう。

一方アビシニアンは、ソマリよりもやや低い価格で販売されていることが多いです。



 

ソマリは美しい被毛を持ち、飼い主にも甘えん坊な性格を持つ猫。

ペットとしても飼いやすい品種で、先住犬や先住猫がいても、持ち前の協調性で楽しい毎日を送ってくれる事でしょう。

 

楽しいことが大好きなソマリですが、つまらない生活や、遊ぶ機会が少ないと、ストレスを抱え込んでしまうという一面も。

ストレスは病気を引き起こす要因にもなりますので、ソマリを飼う際には、しっかりと遊んであげ、毎日が楽しく、ストレスが溜まらないような生活を送らせられるようにしましょう。

 

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