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公認されているものだけでも50種類はいると言われている 猫の種類 。
その中でも、今回はアビシニアンにフォーカスを当ててご紹介します。
アビシニアンは約4000年前の古代エジプトの壁画や彫刻に描かれた「聖なる猫」の化身とされるほど古い歴史を持っており、現存する家猫の中では最も古い猫の1つとされています。
また、その美しい容姿から世界最大美女のクレオパトラにも愛された猫とも言われています。
現在のアビシニアンは1868年のアビシニア戦争のあと、アビシニア(現エチオピア)からイギリス兵が持ち帰った「ズーラ」という名の猫が品種改良されたものが起源とされており、アビシニアンの名前もここから名付けられたと言われています。
見た目の改良には ブリティッシュ・ショートヘア を含む様々な猫の種類との交配がなされました。
その後、1871年にイギリスで開催されたキャットショーにて初登場します。
1882年に公式な猫の種類として確立されましたが、戦争時には絶滅の危機に見舞われました。
アビシニアンを愛するブリーダーによって復活を成し遂げ、1964年には日本においてもアビシニアンが公式な猫の種類として認められています。
アビシニアンの値段はおよそ20〜35万円ほど。
両親ともにチャンピオンといった超優良血統になると、40万円近くすることもあります。
値段の傾向としては、親同士の毛色が同じだと高く、その中でもルディという毛色が人気で高くなっています。
アビシニアンの毛色はルディ、レッド、ブルー、フォーン、の4色があります。
目の下のクレオパトララインが特徴的はルディは、アビシニアンの代表色で最も多いカラーです。
イギリスに紹介された当初は「ラビット・キャット」と呼ばれたこともありました。
淡いオレンジブラウンの下地に黒いティッキングが入ります。
ティッキングとは、1本の毛色に2〜3の濃い色が混ざったもので、主にアビシニアンに見られる特有の被毛となっています。
また、耳としっぽは黒で、足指のパッドは暗いブラウンです。
アビシニアンの持つエジプトイメージは、クレオパトララインに由来しています。
「黄金の被毛を持つ猫」として伝えられている、原種のアビシニアンに最も近い毛色です。
レッドはソレルアビシニアンとも呼ばれます。
暖かみのあるアプリコットベージュの下地に、レッドブラウンのティッキングが入ります。
足指のパッドは暖かみのある薄ピンク色をしていて可愛いです。
ブルーは暖かみのあるブルーの下地に、灰色味のストレートブルーのティッキングが入ります。
下毛と前脚の内側から腹にかけては暖かいベージュで、耳としっぽはしっとりとしたスチール・ブルー、足指のパッドは暗色です。
全体的に灰青色で、神秘的な印象を醸し出しています。
フォーンは暖かみのあるベージュを下地に、薄いココアブラウンのティッキングが入ります。
レッドの希釈色なのでマーキングカラーは不鮮明ですが、気品のある容姿をしています。
アビシニアンの 寿命 は10~13年ほどと言われています。
他の猫と比べても平均的な寿命です。
最近は飼育環境や キャットフード の質が上がっているため、長寿化傾向にあります。
アビシニアンはよく運動するため、食べることが大好きです。
欲しがるままにエサを与えてしまうと、すぐに肥満になってしまいます。
肥満は糖尿病や関節の異常、肝機能不全といった病気の原因となるため予防が必要です。
アビシニアンの体重は平均2.5~4.5㎏ほどです。
これは、一般的な猫の平均体重と比較しても少し小さめの体重となっています。
ボディタイプはフォーリンタイプと呼ばれるスレンダーで筋肉質な体をしています。
また、フォーリンタイプの猫の種類は、他に ロシアンブルー 、ジャパニーズボブテイルなどがいます。
目は大きなアーモンド型で、耳も同様に大きく耳の中にはタフトがあります。
すらっとした立ち姿のアビシニアンは「バレエキャット」とも言われるほど美しいです。
アビシニアンは美しく輝く被毛、丸みを帯びた頭の形、おでこにあるM字型のタビー模様、大きくて先端がとがっている耳、アーモンド形の目が特徴的です。
体に比べて、やや長めで先端に向かって細くなるしっぽも特徴の1つです。
しなやかで筋肉質な四肢の先は小さく、細い脚で爪先立ちをするたたずまいはエレガントで、バレエキャットとも呼ばれるようにバレリーナを連想させます。
魅力的な体つきや立居振る舞い、毛色から世界各国で高い人気を誇る猫種です。
アビシニアンは、きりっとしたその鋭い目つきからは想像が出来ないほど人懐っこい性格の子が多く、人間とのコミュニケーションを図るのがとても上手な猫種です。
猫の特徴というべき「ツンデレ」の部分があまり見られず、非常に甘えん坊な性格の子が多く、特にオスは全身を使い愛情表現をしてくるため、甘えられたい方はオスのアビシニアンがおすすめです。
また、アビシニアンは頭の良いことでも知られ、人の言うこともよく理解し名前を呼べばすぐに飛んでくるほど賢く、スマートで最も人に忠実な猫と言われています。
ただし、その賢い頭脳を持ち合わせている反面、アビシニアンは好奇心が旺盛で、いたずらが大好きな性格の子が多くみられるため、飼い主にとっては少し手を焼く存在になってしまうかもしれません。
アビシニアンは肥満になりやすい傾向があります。
単純に体内に脂肪がたまりすぎた状態になりやすいのです。
肥満になると関節や筋肉に負担がかかって関節炎やねんざのリスクが高まったり、呼吸器への負担が増えたり心臓への負担も増え、心臓病のリスクも高まりますし、糖尿病のリスクも発生します。
麻酔が効きにくくなって手術がしにくくなるという問題も発生します。
また、呼吸器不全で突然死することもあります。
肥満を解消するには運動量を増やしたり、食事量を調整することが必要となります。
腎臓病とは、腎臓の中にあるネフロンという組織が徐々に壊れていく病気です。
ネフロンは、血液中の老廃物をろ過し、尿として排出する組織です。
腎臓病になるとこれが壊れていくので、腎臓病にかかると徐々に血液のろ過ができなくなります。
慢性腎不全になると水をたくさん飲み尿量が増え、食欲がなくなったり嘔吐したりします。
また、尿毒症を発症して死に至ることもあります。
ネフロンはいったん壊れると元には戻らないので、慢性腎不全が進行していると対処療法を行うしかなくなってしまいます。
アビシニアンは、遺伝的にアミロイドという物質が腎臓にくっついてしまって、ネフロンが壊されてしまう病気があります。
その場合では、通常よりも若くして腎臓病が始まってしまうので、定期的な尿検査や血液検査を受けるようにしましょう。
アビシニアンは、先天的(遺伝的)に進行性網膜萎縮という病気のリスクがあります。
これは網膜が委縮して視力障害を起こす病気です。
具体的な症状としては、動体視力が衰えたり夜間に物が見えなくなったりして、進行すると瞳孔が開きっぱなしになって昼間でも物が見えなくなり、最終的に失明することもあります。
後天的には栄養不足によっても発生することもあります。
治療法はタウリンを摂取することです。
ただ、純粋に先天的要因の場合は治療が困難です。
予防法としては、この病気を引き起こす他の病気(緑内障や全身性の高血圧)があるなら治療し、タウリンを十分含んだ食(猫用お総合栄養食)を与えるようにすることが大切です。
原産国:エジプト
価格:20〜35万ほど
平均寿命:10~13年ほど
毛色:ルディ、レッド、ブルー、フォーン
体重:2.5~4.5kg前後
特徴:先端のとがっている大きな耳、アーモンド形の目、引き締まった体つき
性格:人懐っこく甘えん坊、賢い
かかりやすい病気:糖尿病、腎アミロイドーシス、進行性網膜萎縮、ピルビン酸キナーゼ欠損症など
アビシニアンについてご紹介しました。
バレエキャットとも言われるアビシニアンを魅力に感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事が、アビシニアンに興味を持って頂けるきっかけになれば幸いです。
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・ 子猫の飼い方マニュアル。子猫の食事やケアの仕方、飼育にかかる費用、注意点
監修:獣医師 山口 明日香(やまぐち あすか)
日本獣医生命科学大学獣医学部獣医学科卒後、2つの動物病院に勤務し、現在も臨床獣医師として働く。
ワークライフバランスを整えるため、在宅でのLINEおよび電話による健康相談、しつけ相談も開始。
その過程で、病気のみならず各種トレーニングと問題行動の大変さ、大切さを知る。
今後は学校飼育動物学で学んだ動物飼育と、子供の情緒の発達についても発信し、獣医動物行動研究会において問題行動の知識を深め、捨てられる動物が減るように正しい情報を伝えるべく模索中。
最終更新日 : 2022/03/11
公開日 : 2016/09/30