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本記事は、バセンジーという 犬種 に興味のある方や、これからバセンジーを飼いたいとお考えの方、または既にバセンジーを飼ってらっしゃる方を対象に獣医師監修の元で執筆しています。
バセンジーは、アフリカのコンゴ共和国原産の狩猟犬として活躍していた犬種です。
その歴史は古く、現代のような形になる繁殖が始まったのは1930~40年代にかけてのアメリカやイギリスですが、エジプトの壁画や出土品にも似たような犬が描かれています。
また、アフリカからエジプトへの献上品として贈られたとの説もあります。
ルーツとなった犬はアフリカのごく限られた値域に生息しており、純血を保ってきました
19世紀後半になると、アメリカの探検家などにより先祖犬が見つけ出されます。
アメリカやイギリスでの繁殖を目的に連れ出しますが、最初はジステンパーなどの病により死滅してしまい、上手くいきませんでした。
その関係で、繁殖のために連れてこられた頭数が少なく、繁殖もごく少数の近親を掛け合わせてきたのです。
後に近親交配が原因で、遺伝子疾患である慢性腎不全をひきおこす「ファンコーニ症候群」を発症する個体が多く重要な問題となりました。
そのため、アメリカの繫殖者の手により、繁殖の輪を広げ、現在のように数種類の毛色のバセンジーが生み出されました。
バセンジーは世界的には愛好家の多い犬種ですが、日本ではまだまだ珍しい種類の犬です。
ペットショップなどで売られていることは少なく、売られていたとしても20万円以上だったりと高額な可能性があります。
専門のブリーダーからの購入が、確実にバセンジーの子犬を手に入れる方法と言えるでしょう。
また、ブリーダーからの購入は価格も10万円前後~30万円前後と幅広く、その子犬の血統によっては高くなる場合もあります。
それゆえ、自分が探している条件のバセンジーを飼育しているブリーダーを見つけて購入するようにしてください。
バセンジーは国内でのブリーダーも少ないので、 海外からの輸入購入も視野に入れて探すと良いですよ。
現在確認されているバセンジーの毛色は以下のものがあります。
バセンジーの中でも一番ポピュラーな毛色です。
祖先犬はこの毛色であったとされています。
はっきりとした色合いで人気があります。
繁殖により後発的に生まれた毛色になります。
ブラック・ブラウン・ホワイトの3色で構成されており、マロ眉のように入った毛色が可愛らしいです。
真っ黒顔が特徴で、時に鼻筋にホワイトのラインが入ることがあります。
光沢が美しく、日本では珍しい毛色になります。
身体全体はレッド、またはブラックのことが多く、そこにブラウンが加わります。
最近になって人気の出てきた毛色です。
バセンジーの特徴はなんといっても「わんわん吠えない」ところです。
鳴くときはヨーデルのような高い声で鳴きます。
普段は滅多に鳴かないということもあり、住宅街やマンションでも飼いやすい犬種ですよ。
その他、他の犬種と比べて体臭も少ないところが飼いやすいポイントです。
ただし、身体能力が高くて運動が好きなため、散歩は毎日欠かせません。
見た目に関して、体毛は短く、大きなたち耳とすらりとした身体つきが特徴です。
大きさは中型犬に部類され、体長は成長すると40センチ~45センチぐらいになり、体重は10キロ前後になります。
寿命は10~15年と比較的長生きで丈夫です。
また、バセンジーは他の犬種と違って発情期が年に一度しかないのも特徴です。
バセンジーは好奇心旺盛、かつ活発で利口な犬種です。
飼い主には忠実で愛情深く接しますが、警戒心が強い一面があるので他人にはあまりなつきません。
また、独立心が強くてマイペースな性格なので、しつけにはあまり向いていません。
しかし、キレイ好きな一面があり寝床が汚れるのを嫌うので、トイレは覚えやすいです。
野性的な面あるため他の犬には攻撃的になりやすい傾向にあるので、多頭飼いには不向きです。
その他、先述した通り運動好きで活発な犬なので、小さなお子さんのいる家での飼育はあまり向いていません。
とにかく運動をするのが大好きな犬種のため、散歩は1日2回、最低でも1時間ずつ行ってあげましょう。
おもちゃ をくわえて無我夢中で遊ぶ姿はかわいらしいものです。
興奮しすぎると夢中でつい攻撃的になる場合もあるので、飼い主さん主体で遊ぶようにしてくださいね。
こちらではバセンジーがかかりやすい病気について紹介します。
ただ、本記事はあくまでも参考として、少しでも愛犬に異常を感じたら、動物病院などの専門家の指示を仰ぐようにしてください。
バセンジーの歴史でも解説させていただきましたが、バセンジーを生み出す過程で近親交配を繰り返したことによる遺伝性の疾患です。
慢性腎不全の一つであり、症状としては多飲多尿、尿の色がうすい、体重の減少、失禁、脱毛などがあげられます。
治療方法は腎臓の機能悪化を防ぐ投薬治療や、腎臓サポートのエサに切り替えるといったものになります。
遺伝性の疾患の面が強いため、若年の場合でも発症する場合があります。
予防方法としては、購入の際にブリーダーやペットショップなどで血統を確認し、家系的に発症しているかなどを見ることが大事です。
可能であれば、親犬を実際に確認しておきましょう。
バセンジーは体毛が短く、アフリカの気温が熱い地域が原産の犬種なので、日本の寒さに非常に弱いです。
そのため、適切な保温をしてあげないと身体の免疫機能が低下してしまい、皮膚の脱毛であったり皮膚の皮むけ、しもやけのような症状を引き起こす場合があります。
最悪、皮膚の組織が壊死ししてしまい、表皮がはがれてしまう場合もあります。
四肢の先や尾の先、血流が届きにくい末端に症状が出やすいです。
一度組織がはがれてしまうと、再生するのにかなりの時間がかかります。
予防としては室温を一定にする、服を着せ保温に努める、四肢の先や尾の先にワセリンなどの保湿クリームを塗ることです。
犬によっては服に違和感を覚えて破いてしまう場合もあります。
その場合は誤飲の可能性もあるため、服は着せないようにしてください。
バセンジーは胃腸にトラブルが出やすい種類の犬でもあります。
食欲不振や下痢、こういった症状がでた場合は一食エサを抜いて様子を見てください。
また、寒さに非情に弱い犬種なので、防寒対策をしっかりとらないと身体が冷えてしまい下痢になることがあります。
特に抵抗力が弱ってくる老犬によく見られるる症状の一つです。
症状が出る前に、食事を胃に負担が少ないものに切り替えたり、保温をしっかりとするなどして予防をするようにしましょう。
基本的に犬を飼う上で用意していただくものを準備していただければ問題はありません。
しかし、バセンジーならではの "これはあった方が便利" というものをまとめてみました。
バセンジーは非常に運動神経がよくジャンプ力が高いため、小型犬用のサークルなどは簡単に飛び越えてしまいます。
また、力が強いので軽量のサークルやケージですと、扉を破って脱走する恐れがあります。
用意していただく サークル や ケージ は重量があり、しっかりとした作りの背の高いもの、または屋根があるタイプのものを選ぶようにしましょう。
バセンジーの体毛は短く身体はつるつるしているため、首輪ですと抜けてしまう可能性があるので ハーネス がおすすめです。
首輪の場合は頑丈な皮タイプのものが良いでしょう。
バセンジーに寒さは大敵です。
必要に応じて毛布、服、ヒーター等を準備しましょう。
ケージでヒーターを使う場合は、熱くなりすぎて低温やけどを引き起こす場合があるので、全体に使用するのではなく逃げ場を必ず作るようにしてください。
洋服 はずっと同じものを着せていると逆に不衛生になり、服の摩擦等で肌の状態を悪くする場合があるので、定期的に着替えさせるようにしましょう 。
バセンジーは胃腸にトラブルが出やすいので、なるべく胃腸に負担のかからない低アレルゲンで油分の少ない ドッグフード を準備すると良いでしょう。
最初は購入先で与えていたドッグフードが望ましいですが、状況に応じて切り替えてください。
この時に一気に切り替えるのではなく、2週間ほどかけて徐々に今まで与えていたエサに新しいエサを少量づつ混ぜ、新しいエサの容量を増やしていく形で切り替えてください。
原産国:コンゴ共和国、アフリカ
値段:10万円から30万円前後
毛色:レッド&ホワイト、ブラックタン&ホワイト、ブラック&ホワイト、ブリンドル&ホワイトなど
寿命:10歳から15歳程度
体重:10kg前後
体高:40cm~45cm
特徴:ぴんと立った耳、メスの発情が年に1回、わんわん吠えない、体臭が少ない
性格:好奇心旺盛、独立心がつよい、遊び好き、利口、警戒心が強い
かかりやすい病気:ファンコニー症候群
バセンジーについてご紹介しました。
吠えない点や体臭の少なさなどは飼いやすいポイントと言えますよね。
日本ではまだまだ珍しい種類の犬ですが、世界的には愛好家が多く、日本でも取り扱うブリーダーが増えてきました。
独立心と警戒心が強いバセンジーは慣れるまで時間がかかるかもしれませんが、そのあとに向けられる信頼と愛情は得難いものがあり、魅力の一つです。
家族以外の動物や人には急な攻撃性を見せることもあるので、散歩時には絶対にリードが離れないように注意してください。
ぜひ本記事を参考に、バセンジーをパートナーとして考えてみてはいかがでしょうか。
監修:獣医師 山口 明日香(やまぐち あすか)
日本獣医生命科学大学獣医学部獣医学科卒後、2つの動物病院に勤務し、現在も臨床獣医師として働く。
ワークライフバランスを整えるため、在宅でのLINEおよび電話による健康相談、しつけ相談も開始。
その過程で、病気のみならず各種トレーニングと問題行動の大変さ、大切さを知る。
今後は学校飼育動物学で学んだ動物飼育と、子供の情緒の発達についても発信し、獣医動物行動研究会において問題行動の知識を深め、捨てられる動物が減るように正しい情報を伝えるべく模索中。
最終更新日 : 2022/10/18
公開日 : 2017/07/19