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テンレックは「アフリカトガリネズミ目 テンレック科」の動物です。
マダガスカル島を中心に生息している原始的な哺乳類の仲間で、全部で30種類ほどの仲間がいるといわれています。
テンレックは一見 ハリネズミ やモグラのような見た目をしていますが、全く異なる生き物です。
彼らが同じような見た目をしているのは、 「収斂」 (しゅうれん)によるものと考えられています。
生き物は生息地が違っても同じような生活をしていると、似たような見た目に進化していきます。
このような状態を、生物学では収斂(収斂進化とも)と呼んでいます。
この項目では、そんなテンレックたちの生息地や大きさ、鳴き声などを説明していきます。
先ほども説明したとおり、テンレックは30種類ほどの仲間がいるといわれています。
この項目では国内の動物園やペットショップなどで見られるテンレックを一部ご紹介します。
テンレックは”テンレック科”の模式種(代表)となっている種です。
意外と大きい(体長約30cm)こと、そしてほとんどしっぽがないことが特徴です。
※「大きさ」以降の項目については、こちらの「テンレック」について解説していきます。
学名:Tenrec ecaudatus
生息地:マダガスカル島
体長:26~39cmほど
ハリテンレックは先ほど紹介したテンレックより、やや小型のテンレックの仲間です。
体長は20cmほどですが行動範囲は広く、オスは東京ドーム3個分ほどの距離を移動するといわれています。
学名:Setifer setosus
生息地:マダガスカル島
体長:20cmほど
ヒメハリテンレックはハリテンレックより、さらに一回り小さいテンレックです。
夜行性ですばしこく、地上と樹上を行き来して生活しています。
学名:Echinops telfairi
生息地:マダガスカル島
体長:14〜18cmほど
シマテンレックは白と黒の模様が特徴的な、テンレックの1種です。
首のまわりに”かえし”がついた針が生えていて、敵に襲われると針を突き刺して戦います。
学名:Hemicentetes nigriceps
生息地:マダガスカル島
体長:12~16cmほど
テンレックの体長は26~39cmほど、体重は1.6~2.4kgほどです。
貴重なヒメハリの鳴き声の撮影してみた
— しゅうらく (@tenrec_shuraku) August 16, 2018
オスはその気だけど相性悪そうね
#ヒメハリテンレック pic.twitter.com/2hhy6tPi0X
テンレックはあまり鳴かない動物です。
ときおり「プシュッ」と音をたてたり、「ピスピス」と鼻を鳴らすことがあります。
テンレックは植物も動物も食べる、雑食性の動物です。
野生では昆虫類や陸貝、ミミズ、 カエル 、小型の 爬虫類 や哺乳類、果実等を食べています。
テンレック最大の特徴は、背中にびっしりと生えた針状の毛です。
この針はハリネズミと同じように、天敵から身を守るために使われています。
そして、体温調節がうまくないため冬場になると体温を下げ、冬眠する性質も持っています。
また、哺乳類ながらフンとオシッコを出し、生殖器にもなる 「総排泄口」 (そうはいせつこう)を持っていることも特徴の1つです。
テンレックは180日ほどで性成熟し、56~64日ほどの妊娠期間を経て出産します。
1回の出産で1~32頭ほど、平均18頭の仔を産みます。
テンレックの寿命は、飼育下で6年ほどとされています。
天敵が多いため、野生下での寿命はより短いものと考えられます。
分類:哺乳綱 アフリカトガリネズミ目テンレック科
学名:Tenrec ecaudatus
英名:Tail-less Tenrec
分布:マダガスカル島
大きさ:
体長:26~39cmほど
体重:1.6~2.4kgほど
鳴き声:「プシュッ」「ピスピス」など
食性:雑食
繁殖:
性成熟:生後180日ほど
妊娠期間:56~64日
産子数:平均18頭
寿命:6年ほど
テンレックはまだマイナーですが、ペットとして飼育できる動物です。
この項目ではテンレックの購入方法や、おおよその値段を解説していきます。
この安らか&健やかすぎる寝顔…😴😴😴
— ホームアシスト清水駒越店ペットコーナー (@enchokomagoe) July 26, 2019
お世話の仕方はハリネズミと同じでさほど針も痛くなくふれあい🆗なのがヒメハリさんの素敵なところ💕
この子はおそらく男の子の個体と思われますので、お探しの方は是非っ😀 #エンチョー #ホームアシスト #ヒメハリテンレック #ヒメハリ #小動物 pic.twitter.com/4HP172Md6H
テンレックは一部のペットショップやブリーダーで販売されています。
出来る限りテンレックに詳しいショップ、ブリーダーから迎えることをおすすめします。
テンレックは種類や年齢にもよりますが、3~10万円ほどで販売されています。
希少性が高く、扱っているショップが少ないため、ある程度言い値になってしまう部分もあるかもしれません。
テンレックの飼い方は、基本的には
ハリネズミの飼い方
を参考にすると良いでしょう。
ただし、テンレックならではの注意点もあるため、事前になるべくテンレックに関する情報を集めておくことをおすすめします。
この項目ではテンレックの飼い方や、飼う時に必要になるものについて説明していきます。
テンレックの主食には、ハリネズミ用フードかフェレット用のフードを使用します。
フェレット用のフードを使用する場合は、お湯でふやかしてあげると良いでしょう。
主食に加えて、副食として コオロギ やミルワームなどの昆虫類も与えます。
”虫が苦手”という方も多いかと思いますが、一般的に生餌はし好性が高いものです。
テンレックにミルワームやコオロギを与えると、喜んで食べる姿が見られることでしょう。
動物園ではハリネズミ用のフードのほか、 ドッグフード や昆虫(コオロギやミルワーム)、果実(バナナやオレンジ)を与えることがあります。
ケージはなるべく余裕があるサイズの物を用意しましょう。
野生のテンレックは地上だけではなく樹上でも生活すること、そして行動範囲が広いことからなるべく運動できる環境を作ってあげることが大切です。
テンレックは見かけによらず、とても運動量が多い動物です。
運動不足にならないように、ケージの中に回し車を設置してあげましょう。
ただ、テンレックの足はとても細いため、うっかりケガをしてしまう可能性があります。
足がはさまらないような、プラスチック製のものを使うのが無難です。
テンレックは体温調節が下手で、気温に合わせて体温が変わってしまう性質があります。
また、気温が下がりすぎると冬眠してしまい、その後二度と目を覚まさなかった…という悲しい事態が起こる可能性もあります。
そういった事態を避けるためにも、ペットヒーターなどの保温器具を用意してください。
ケージの近くに温度計を設置し、こまめに温度を確認してあげるとなお良いでしょう。
テンレックは地上と樹上を行き来する動物です。
木の枝を用意して、ケージの中で上下移動ができるようにしてあげましょう。
木の枝は市販されていますが、拾ってきたものを使っても問題ありません。
拾ってくる場合は、農薬や殺虫剤がまかれていない場所から採取するようにしてください。
テンレックを飼う時には、1つ注意して頂きたいことがあります。
それはテンレックが珍しい動物であるということです。
珍しいということは、テンレックの体のつくりや病気に関する情報も珍しいということ。
テンレックをお迎えする前に、必ずエキゾチックアニマルに強い動物病院を探しておいてください。
なかなか見つからない場合は、お迎えするショップやブリーダーに聞く、あるいはテンレックを飼っている人に聞くと良いでしょう。
テンレックの仲間はペットとして飼育できるものの、一般的な動物ではありません。
ペットとして飼ってみたい!と考えている方は、まずは動物園に行ってみてはいかがでしょうか。
動物園ではどんな環境で暮らしているのか、どんな物を食べているのか…そういった情報を把握しておくと何かと役に立つはず。
この項目では、テンレックの仲間を飼育展示している動物園をご紹介します。
西園・アイアイのすむ森に最近登場したシマテンレック。実は、からだのあるものがスゴいんです。 pic.twitter.com/nCTxWFKunA
— 上野動物園[公式] (@UenoZooGardens) March 21, 2018
日本最古の動物園・上野動物園のアイアイの森では、3種類のテンレック(シマテンレック、ヒメハリテンレック、ハリテンレック)が飼育されています。
アイアイの森は夜行性動物が動いているところを観察できるように、暗い部分が多くなっています。
足元に注意し、写真はフラッシュや補助光をオフにしてから撮影してください。
住所:東京都台東区上野公園9-83
マップ: Googleマップ
電話番号:03-3828-5171
入園料:
一般 600円
65歳以上 300円
中学生 200円
都内在住・在学の中学生、小学生までは無料
開園時間:9:30~17:00
休園日:毎週月曜日(祝日の場合は翌営業日)、年末年始
公式ホームページ: 上野動物園
※合わせて読みたい: パンダだけじゃない!上野動物園の見どころまとめ
小動物コーナーでは、8月5日にヒメハリテンレックがうまれました。 写真は生後1日(まだハリが出ていません)、生後10日(目が開きました)、 生後3週間です。今では親と同じ姿で、元気に動きまわっています。 残念ながら親子は展示していませんが、おとなのヒメハリテンレックは ご覧いただけますよ!
Posted by Saitama Children's Zoo on Tuesday, August 26, 2014
埼玉県こども動物自然公園では、ヒメハリテンレックが飼育されています。
ハリネズミに似ているけれどハリネズミではない、不思議な姿を観察してみてください。
園内ではヒメハリテンレックの他に、カイロトゲマウスやヒメマーラなどの珍しい小動物も飼育されています。
住所:〒355-0065 埼玉県東松山市岩殿554
マップ: Googleマップ
電話番号:0493-35-1234
入館料:
大人(高校生以上) 520円
小人(小・中学生) 210円
営業時間:
2月11日~11月14日 9:30~17:00
11月15日~2月10日 9:30~16:30
休園日:毎週月曜日(祝日の場合は翌営業日)、1月は火曜休みもあり
公式ホームページ: 埼玉県こども動物自然公園
とても珍しい動物であるテンレックについて解説してきました。
テンレックはハリネズミに見えてハリネズミではない、モグラでもない、不思議な動物です。
実際に見てみるとハリネズミとは少し違う、とぼけたような顔に惹かれてしまうかもしれません。
テンレックを飼いたいと考えている方は、ぜひテンレックやハリネズミについて勉強してください。
そして、しっかりと環境を整え、寿命を全うできるような暮らしをさせてあげてくださいね。
公開日 : 2020/02/28