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1. ケージを隣同士(お互いが見えないように)にして、匂いに馴れさせる
まず 「多頭飼い」 (複数飼い)の定義が重要になります。
ここで言う「多頭飼い」とは、基本的に 「ケージは分け、部屋んぽ(部屋でのおさんぽ)は一緒にさせること」 を指します。
うさぎは 縄張り意識が強い ため、うさぎ同士が同じケージで寝食を共にできることは極めて稀です。
野生ではのんびり集団生活をしているように見えますが、実際は 自分のテリトリーを激しく主張 し合い、それぞれ自分の生活範囲を確保しているのです。
そのため、大前提として 「ケージは1羽に1つ、十分な広さのものを用意する」 ことが重要です。
その上で、「一緒に部屋んぽさせたり、遊ばせたりすることはできるか」について解説していきます。
よく「寂しそうだからもう1匹」と多頭飼いを始めようとする方がいます。
ただ、うさぎはもともと縄張り意識が強く、 単独行動をする動物 です。
うさぎからすると 「1羽=寂しい」「2羽以上=賑やかで楽しい」というわけではありません。
「ウサギは寂しいと死ぬ」というのは迷信です。
むしろ、 1羽に飼い主があまり構ってあげられないのであれば、複数羽だとより構ってあげること難しいです。
それこそ世話が行き届かなくなり、うさぎにストレスを与えたり、ケガや病気に気がつかない可能性もあります。
「自分が構ってあげられないから遊び相手に…」という考えで多頭飼いをするのはやめるようにしましょう。
「うさぎは多頭飼いできるのか、できないのか」という話ですが、結論としては 「相性や工夫次第ではできる」 です。
お迎えする前に「性格を見極める」こと、そしてお迎え後は「きちんと手順を踏んでお互いを会わせる」こと、これらを飼い主はよく注意しなければなりません。
また、相性が合わなかった場合に「完全に別々で飼育する準備と心構え」も必ずしておきましょう。
まず大前提として、人間と同じように、うさぎの性格も様々です。
種類や雌雄は関係なく 「相性」 というものがあります。
うさぎに関しては、この 「相性」が合わなければ多頭飼いはできません。
うさぎの喧嘩は、かわいい見た目に反してとても激しく、時には命に関わります。
「少しくらい性格が合わなくても平気でしょ」と安易に考えないようにしましょう。
そうとはいえ、ペットショップでお迎えをする時点では、相性が合うかあまりわからないですよね。
お迎えしても相性が合わなかった場合、 それぞれを完全単独飼育する覚悟 も持ってお迎えする必要があります。
うさぎの 性別 によっても多頭飼いできる、できないの傾向はあります。
オス同士 は ほとんど多頭飼いができない と考えてください。
オスは特に縄張り意識が強いため、相手を噛んだり蹴ったり、マウンティングをしたりが絶えません。
時には命に関わるような喧嘩をしてしまう可能性があります。
去勢手術をしたオス同士だと、多少は穏やかになる可能性がありますが、それでも縄張り意識がなくなるわけではありません。
去勢の有無にかかわらず、多頭飼いできない可能性が高いと考えてください。
メス同士 は オス同士よりは多頭飼いしやすい と言われています。
ただしこれも相性次第で、相性が悪ければやはり激しい喧嘩をしてしまいます。
オスとメス の 異性 の多頭飼いは、 同性よりも多頭飼いしやすい と言われています。
これも例によって相性次第ですが、相性が良ければぴったり寄り添ってじゃれあうこともあります。
結論としては、 「オスとメス」 が 最も多頭飼いを実現できる可能性が高い ということです。
しかし「去勢していないオス」と「避妊していないメス」では、当然交尾をし赤ちゃんが生まれてしまいます。
うさぎの交尾は、1年中可能です。
また、1度に産む数は多くて5,6匹です。
生まれた全てのうさぎに、それぞれ十分な広さのケージを用意してお世話ができたり、引き取り先を見つけられない限りは、交尾はさせないようにしましょう。
つまり、 繁殖ができない状況(=赤ちゃんの将来が保証できない状況) であれば、 「去勢していないオス」と「避妊していないメス」の多頭飼いはやめるようにしましょう。
「 オス(去勢済み)とメス」 または「 メス(避妊済み)とオス」 であれば、 繁殖もせず、比較的相性が合いやすく、多頭飼いが実現しやすい です。
「繁殖させない」という観点からいうと、手術をするのはどちらかだけでも良いです。
ただ、去勢・避妊をしていないウサギは発情して神経質になることがあります。
※合わせて読みたい: うさぎの発情期とは?発情期の特徴や行動、注意点を紹介
血の繋がった親子や兄弟姉妹についても、相性次第となります。
小さい頃(生後2~3ヶ月ごろまで)は、同じケージでも飼えることが多いです。
しかし、性成熟を迎える生後4~6ヵ月ごろになると、 血のつながりは関係なく、縄張り意識が芽生えてしまいます。
親兄弟でも、オスメスであれば交尾をしてしまいます。
「小さいころから一緒にいる親子、兄弟であれば多頭飼いできる」ということはありませんので、注意してください。
種類によって多頭飼いできる、できないというのはありません。
重要なのはうさぎ同士の性格と相性です。
ただし、うさぎはその種類によって性格の傾向があります。
それを少し念頭に置いてうさぎを選ぶと、イメージと現実のギャップは起こりにくいかもしれません。
例えば、小型のうさぎである ネザーランド・ドワーフ (以下「ネザー」)は活発で、走り回ることが大好きです。
そのため、ネザー同士の多頭飼いは、ドタバタ賑やかな毎日になるかもしれません。
ネザーと、比較的おっとりとした ロップイヤー (以下「ロップ」)の組み合わせであれば、おっとりしたロップにネザーがじゃれつく、というようなパターンがイメージできます。
ロップイヤー同士だと、比較的のんびりした多頭飼いができるかもしれません。
ただし、ネザーでも大人しい子や、ロップでも活発な子もいます。
何より重要なのは その子の性格 です。
性格をよく見て、多頭飼いのイメージをしてあげてください。
うさぎの多頭飼いに挑戦する 方法・手順 をご紹介します。
もちろん、この方法が絶対ではありません。
相性が合わない場合、「完全に別々の飼育(一切会わせない)になる可能性はある」ということを念頭に置いてお迎えをしましょう。
いきなり対面させると、驚いて喧嘩になってしまったり、ストレスで弱ってしまったりする可能性があります。
動物飼育の基本ですが、 まずは数日「匂い」を覚えさせ、少しずつ慣れさせる ことから始めましょう。
ケージにカバーをかけたり、ケージの間に仕切り版を入れたりして、お互いの姿は見えないようにしてください。
数日間は匂いに馴らし、うさぎが警戒せず普段通りリラックスしている様子を見せたら、ステップ2に進みましょう。
数日間、ケージの仕切りやカバーを取ってお互いを対面させましょう。
もちろんケージなしでいきなり会わせてしまうと、これまたびっくりしてしまうので、 ケージ越し というのが重要です。
部屋んぽは1羽ずつ、順番にさせます。
このとき重要なのは、部屋んぽは 「先住うさぎを先に」 というところです。
先住うさぎを優先すべきことについては、後の項目で述べます。
ケージ越しでも最初は少し興奮するかもしれませんが、数日経って落ち着いて来たらステップ3に進みましょう。
ここからは慎重に観察する必要がありますが、うさぎを完全に ケージから出して会わせましょう。
このときは、あらかじめうさぎが リラックスして、落ち着いている状態 であることを確認しておいてください。
ケージのドアを開放して、うさぎたちが自分たちから出てきて、お互いに近寄っていくようにすると、びっくりすることがないので良いでしょう。
もちろん激しい喧嘩を始めてしまったら、すぐに離せるよう、飼い主はうさぎの様子をしっかり見ておくようにします。
喧嘩をしないようであれば、初日は5分ほどでそれぞれのケージに戻してください。
うさぎ同士が喧嘩や威嚇をしないようであれば、お部屋で対面する時間を 10分→15分→30分→1時間 と、日ごとに少しずつ長くしていきましょう。
30分もお互いに仲良くできれば、いったんは問題ないと言えます。
おもちゃで一緒に遊ばせたり、おやつを一緒に食べさせたりして、微笑ましいうさぎさんたちの様子を観察してください。
しかし、最初は相性が良さそうでも、ある日突然、相性が悪くなってしまったりすることもあります。
うさぎ同士のけんかはケガのもとですし、ストレスにもなります。
うさぎ同士を会わせるときは 飼い主が近くにいるときだけ にしましょう。
うさぎを多頭飼いする方は、「すでに1羽飼っていて、新しく1羽お迎えをする」という状況の方が多いのではないでしょうか。
その場合、 既に飼っているうさぎ(=先住うさぎ) と、 新しく迎えるうさぎ(=新入りうさぎ) の扱いについてはそれぞれ注意する必要があります。
先住うさぎ は、今まで自分だけが飼い主の愛情を受けのびのび暮らしてきたところに、新しいうさぎが来ると、 嫉妬で怒ってしまったり、不安や恐怖で元気がなくなってしまう 子が多いです。
今までと変わらず、「先住うさぎが1番だよ」ということを伝えるために、 ごはんやスキンシップは先住うさぎを優先 させましょう。
新入りうさぎへのご飯やスキンシップは、 先住うさぎの目の届かないところ で行うのが無難です。
もちろん、「先住うさぎが1番」というのは、あくまで先住うさぎの感じ方の話です。
実際は新入りうさぎに対しても、(先住うさぎの目の届かないところで)目一杯愛情を注ぎ、新しい環境にゆっくり馴れさせてあげましょう。
うさぎ同士の相性も重要ですが、飼い主の お世話(ごはん、掃除、病院…などなど)の負担 も考えなければなりません。
うさぎは牧草もたくさん食べますし、ペレットもたくさん食べます。
そのため、場合によっては 業務用の牧草・ペレット を用意しておかなければ間に合わなくなる可能性もあります。
もちろん、 ケージやお部屋のお掃除 も、うさぎの数だけ手間がかかります。
病院代 もうさぎの数だけかかると思っておいた方が良いです。
これらのことをよく理解して、多頭飼いが本当にできるかどうかを考えましょう。
手間はかかりますが、うまくいけば、可愛い可愛いうさぎさん達に囲まれる生活は幸せそのものです。
うさぎ好きであれば、1度は夢見る多頭飼い。
相性やお世話の手間など大変なことは色々ありますが、きちんと考えてお迎えをすれば、きっと賑やかで楽しい毎日を送れるはずです。
考えた上で「多頭飼いは難しそう…」となっても、1羽のうさぎさんにしっかり愛情を注げばお互いに十分幸せな毎日を送れます。
ショップの店員さんや獣医さんのアドバイスを受け、また自分の目でもよく観察して、可愛いうさぎたちとの幸せモフモフライフを送りましょう。
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最終更新日 : 2021/05/07
公開日 : 2019/08/16