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猫 が飼い主さんや柔らかい布などをもみもみしていることがありますが、なぜそのような行動をとるのでしょうか。
猫の「もみもみ」もしくは「ふみふみ」は、猫が飼い主さんやぬいぐるみなどを前足を使ってもむように踏む行動を指します。
ただ足踏みするのではなく、猫の手のひら(肉球)や指を使って握るように踏んでくるのが特徴です。
ギュッと指を握るようにするので爪も出てしまい、飼い主さん相手にふみふみすると爪が刺さって痛いことも。
口も何かを吸うようにチュッチュとすることが多く、実際にもんでいる布をくわえたり、吸いながらもみもみしたりする姿も多く見られます。
もみもみする対象は毛布のようなやわらかい布が多く、くわえるだけでなく実際に毛布を食べてしまう子もおり、その症状を「ウールサッキング」と呼びます。
ウールサッキングまで発展してしまうと、健康が脅かされる場合もありますので注意が必要です。
猫が毛布などのやわらかい布や飼い主さんをもみもみするのは、子猫が母猫の母乳を飲むときの行動です。
子猫は母猫のお乳をもんで出やすくし、 のどをゴロゴロ 鳴らしながらお乳を飲みます。
もみもみすること、のどをゴロゴロ鳴らすことで、母猫におっぱいを要求しているのです。
子猫のときのしぐさなのですが、大人になってからもずっとこの行動を続ける子もいます。
母乳を飲むときの行動なのに大人になっても見られる場合は、親猫から離される時期が早すぎたことが理由とされています。
十分に母猫からミルクをもらい、愛情をかけられる時間が足りなかったときに見られる行動とされており、筆者の経験ではふみふみする子は実際に早期に母猫から離れているケースが多いです。
筆者は保護活動をしており、早期に捨てられた子、保護した母猫が生んだ子など、それぞれの成長過程を見てきました。
子猫は最低でも生後2カ月までは母猫と過ごさせるべきと言われていますが、実際に子育てをする母猫を見ていると、生後4カ月くらいになるまでおっぱいをあげることが多いようです。
生後3カ月くらいになると子猫におっぱいを催促されても無視したりする様子も見られるようになりますが、それでもかなり大きくなるまで子猫は母猫におっぱいを求めますし、母猫も与えます。
観察していると、大きくなってきた子は必ずしも母乳を飲んでいるわけではなく、おっぱいに吸い付いてもみもみすることで甘えているようです。
十分におっぱいをもらって育った子は、成長後はほとんどふみふみしません。
また、おっぱいをもらって育っている最中の子も、母猫のお腹以外をもみもみすることはありません。
現在筆者は、親子で保護している猫と、眼が開いたばかりの状態で捨てられていた子猫たちを保護しているのですが、ママ猫がちゃんとおっぱいをあげて育てている子猫たちは、布などに全くふみふみする様子は見られません。
それとは反対に母猫がいない子猫たちは、布にくるんだ湯たんぽを入れてあげるたびに、その布に吸い付きもみもみしています。
なんだかその様子を見ていると切なくなってしまいます。
早期に捨てられた子は筆者が母猫の代わりに哺乳瓶でミルクを与えても、かわいがって育てても、柔らかい布にふみふみしますし、大きくなってからもその行動が続きます。
やはり母猫の温かいお腹に抱えられ、優しくなめてもらう感覚は人間では与えてあげられないのかもしれません。
その姿を見ていると、子猫から母猫を奪ってしまう罪深さを感じてしまいます。
猫がもみもみ・ふみふみしているときはどんな気持ちなのでしょうか?
猫がもみもみするのは母猫からおっぱいをもらうときの行動だということが分かりましたね。
母猫に甘えている行動なので、成長後に行うもみもみも、甘えているまたはかわいがってほしいという気持ちからなのです。
特に飼い主さんにもみもみするときはこの気持ちが強いでしょう。
飼い主さんを親のように感じ、母乳をくれる母猫にするように慕って甘えているのです。
オス猫はしないなどの意見もあるようですが、筆者の観察したところでは、メス猫だからモミモミする、オス猫はしないという性別による傾向はあまりないと思います。
猫も飼い主さんに褒められたり、かまってもらえるとうれしいと感じます。
うれしい気持ちのときに猫はもみもみすることがあります。
子猫が母猫のおっぱいを吸っているときは幸福感に包まれていたでしょうから、そのときの気持ちを思い出して、うれしいと出てしまう行動なのかもしれませんね。
猫の足には臭腺という匂いを出す器官があります。
爪とぎ は爪の手入れをするとともに、においを付けて縄張りを主張するためでもあるのです。
同じように、もみもみすると自分のお気に入りの毛布やぬいぐるみに匂いが付きますね。
お気に入りのものに自分の匂いを付けているという意味もあるでしょう。
遊びに夢中になっていたり、走りまわっているときにいきなり、ふみふみし始めたりはしません。
ふみふみするときは、まったりした気分や眠いときが多いです。
ご飯を食べてお腹いっぱいになって眠くなったときやお昼寝タイム、飼い主さんとソファでまったり過ごしているときなどにもみもみしてくることが多いようです。
すべての猫がふみふみするかというと、そういうわけではありません。
前述したとおり、子猫のときに十分な期間を母猫に育ててもらえなかった子はふみふみする傾向が強く、甘えっこはよくもみもみします。
同じように早期に捨てられてしまった子でも、ほとんどふみふみしない子もおり、そういう子はあまり飼い主にべたべたするタイプではないことが多いようです。
猫が甘えてふみふみしてくるときは、たいてい前足ですが、飼い主さんのほうにお尻を向けて後ろ足を小さく足踏みするようにしてふみふみしたり、お尻をゆらしたりすることがあります。
これは子猫のときの環境が起因しているわけではありませんが、甘えている行動です。
猫はお尻の匂いをかぐことによって相手のことを理解します。
ですから、お尻を向けて後ろ足で小さくふみふみしていたら、お尻をかいでほしいということなのです。
つまり、飼い主さんに自分をわかってほしいのですね。
愛猫とはいえお尻をかぐということは抵抗があるかもしれませんが、やってあげると愛猫との絆が深くなれるでしょう。
猫はお尻もくさくないことが多いですが、お尻をかぐのに抵抗があるときは後ろ足の付け根のあたりに顔を近づけたり、おでこや鼻を当ててあげると満足してくれますよ。
猫のふみふみは愛情からくる行動です。
飼い主さんにするときは甘えているのですから、邪険にしたらかわいそうですね。
ただ、もみもみするときは爪も出してしまうので、飼い主さんが痛い思いをするときもあります。
猫の爪を切っておくと痛くありませんし、毛布などのふわふわした布などを飼い主さんと猫の間に入れてもいいでしょう。
毛布を横において猫を移動させてもいいですね。
ウールサッキングとは猫が布を食べてしまうことです。
もみもみするときに毛布などの布をくわえたり、「チュッチュッ」吸いながらする子がいますが、もし食べてしまうようであれば要注意です。
ただくわえているだけ、吸っているだけであれば問題ありませんが、そこから布を食べてしまうことにまで発展してしまうと猫の健康を害することになります。
布を食べてしまうウールサッキングは、もみもみするからといって必ずしもそうなってしまうわけではありませんが、ときどきみられる症状なので、布に穴が開いているなどしたときはウールサッキングを疑い獣医に相談しましょう。
放置すると、消化器官に詰まってしまうなど命にかかわることもあります。
猫のもみもみは愛情表現であることが分かりましたね。
十分にママ猫に甘える時間がなかったことに起因する行動であることもご理解いただけたと思います。
猫がもみもみしてきたときは、愛猫のお母さんだと思って受け止めてあげるといいですね。
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公開日 : 2018/05/30