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鳥のトキ(朱鷺)は絶滅した?保護の理由と歴史・現在の繁殖状況と課題を解説!






トキ(朱鷺)は、「ニッポニア・ニッポン」という学名で知られるように、日本の代表的な鳥の一種であるにもかかわらず、絶滅の危機を迎えてしまった貴重な生物です。

トキが絶滅寸前の状態になってしまった理由・原因、保護活動の歴史と現在、日本産最後のトキとして知られる「キン」の話、そして今現在のトキの繁殖状況や、日本国内に生息している数、観察できる場所など、トキに関するさまざまなことをご紹介します。

【目次】鳥のトキ(朱鷺)は絶滅した?保護の理由と歴史・現在の繁殖状況と課題を解説!

 

トキ(朱鷺)とは

日本の国鳥は「トキ」ではなく「キジ」

トキの特徴

トキとサギ類の区別の仕方

トキが保護される理由は、絶滅してしまったから?

日本のトキと中国のトキは同じ種類、だから「野生絶滅」扱い

トキが絶滅寸前状態になった原因・理由

江戸時代、トキは鍋の食材にされるほど多かった

日本におけるトキの保護・繁殖活動の歴史と現在

2008年にトキの放鳥を開始

最後の日本産のトキ「キン」と宇治金太郎氏について

日本で放鳥されたトキはどこにいるの?

日本の佐渡島(新潟)に生息するトキの数

トキは佐渡以外の地でも繁殖中

野生のトキを観察できる場所と観察時の注意点

トキの保護と放鳥における今後の課題

 

トキ(朱鷺)とは

 

のトキは、広義にはペリカン目のトキ亜科(学名:Threskiornithinae)のこと全体を指しますが、日本においては、ニッポニア・ニッポン(学名:Nipponia nippon)という一種のことを指す場合が多いです。

英語では「crested ibis」と表記されます。

 

長い間 コウノトリ の仲間として分類されていましたが、DNA解析によってペリカンと同じグループだったということが2013年に発表されています。

 

漢字では「朱鷺/鴇/桃花鳥/鵇/年鳥」などの書き方があり、日本で古くから知られてきた鳥の一種です。

「トキ」という名で呼ばれるようになるのは江戸時代に入ってからのことで、奈良時代には「ツク/ツキ」、平安時代には「ツキ/タウ」といった名で呼ばれていたことがわかっており、『万葉集』や『日本書記』のような有名な文献上にも「桃花鳥」という表記でトキについての歌や文章が掲載されています。

 

基本的に数羽〜十数羽の群れになって行動し、1月頃にはさらに小さな群れに分かれて求愛行動をします。

春にはペアを組んで大木の枝に直径60cmほどの巣を作り、3、4個の卵を産みます。

 

オスとメスの区別の仕方は難しいとされており、オスのほうが性格が攻撃的で食べる量が多いことに対し、メスはおとなしく食事量が少なく、オスよりも体が一回り小さい傾向があります。

昔はたくさん見られる野鳥であったトキですが、現在は日本で文化財保護法によって「特別天然記念物」に、また世界では「国際保護鳥」に指定されています。

 

日本の国鳥は「トキ」ではなく「キジ」

 

トキは、ニッポニア・ニッポンという学名を持つことから、日本を象徴する鳥として有名であるため、日本の国鳥と誤解されることが多いようです。

しかし、日本の国鳥は、トキではなく キジ です。

ちなみに、トキは新潟県や石川県で保護されてきた歴史があり、現在は新潟県の「県の鳥」、そして同県佐渡市および石川県輪島市の「市の鳥」に指定されています。

 

 


トキの特徴

 

 

トキの体は全長77〜80cm位で、翼を広げたときの長さは130~160cmほどです。

クチバシの色は黒く、長さは15~18cmで、下方へ向かって湾曲しています。

オスの体重は1.8~2kg、メスの体重は1.4〜1.6kg程度です。

 

淡紅色が混ざった白色の毛、頭部にある冠羽が印象的で、顔や足首の部分は赤い皮膚が露出しています。

羽の裏側は「朱鷺(とき)色」と呼ばれる美しいオレンジ寄りのピンク色で、この綺麗な羽を装飾品に使う人が多かったことも、トキの生息数が減少した理由の一つとされています。

 

主な食べ物は、水田や湿地に住むドジョウ、 サワガニ カエル 、イナゴ、ミミズ、トンボといった虫などです。

タニシ のような貝類を採食することもあります。

 

トキとサギ類の区別の仕方

 

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トキはしばしば形状がよく似たサギ類と間違われますが、サギはクチバシが短く、足や首が細く長いという特徴があります。

一方、トキは長い鎌形のクチバシを持っており、首は太く短く、足は比較的短いです。

飛んでいる姿を見分けるときは、長い足を伸ばして飛んでいれば、サギ類であると判断できます。

 

※合わせて読みたい:  アオサギの生態や観察スポットなど

 

また、トキは繁殖期になると頭から背中まで羽が黒い色に変わるという特殊な変化が見られます。

首の付近の黒い皮膚が厚くなっていき、粉状に剥がれ落ちるのですが、この粉末状になった黒い皮膚を水浴びした後にこすり付けていくのです。

この羽のカラーが黒くなる現象は、繁殖の準備ができているという合図を他のトキに示すため、また抱卵の際の保護色になるため、と考えられています。

 

 

トキが保護される理由は、絶滅してしまったから?

 

トキが保護されるようになった理由は、絶滅寸前の状態に陥ってしまったからです。

 

元々トキは、本州・北海道・九州・四国・沖縄と全国各地に分布しており、明治頃までは羽や食肉確保のためにトキが狩猟されるのは当たり前のことでしたが、1925〜1926年頃に国内でトキが見られなくなり、日本のトキは絶滅してしまったと思われていました。

 

しかし、1930〜1933年に新潟県の佐渡島や静岡県の賀茂村でトキを目撃したという情報が提供されたことにより、1934年12月に「天然記念物」に指定されることになります。

また、1952年にはさらに希少になってきたと判断されるようになったため「特別天然記念物」に認定されました。

 

2003年に日本産の最後の一羽である「キン」が死去したことにより、国内のトキは絶滅したと言われていますが、中国から日本に送られたトキの子ども達が、今も日本の地で生息・繁殖し続けています。

 

日本のトキと中国のトキは同じ種類、だから「野生絶滅」扱い

 

トキは中国・ロシア・韓国などの国にも生息していますが、いずれも日本のトキと同じ遺伝子を継ぐ同一種であることがわかっています。

 

生物学的に全く同じである中国出身のトキが日本に送られ、現在もなお日本国内で繁殖活動を行っていることから、日本でのトキは正確には「絶滅」ではなく、「野生絶滅」という扱いになっています。

「野生絶滅」とは完全に「絶滅」してしまう危険性が非常に高いレベルのことで、本来の生息域外に帰化した状態でのみ生存している種、もしくは飼育下でのみ存続している種のことを指します。

 

絶滅する危険性がある生物種について、IUCN(国際自然保護連合)がまとめた「レッドリスト」や「レッドデータブック」をもとに、各国や各地域において独自のリストが作成されています。

日本では、環境省・都道府県・学術団体がそれぞれ独自のレッドリストやレッドデータブックを作成・公開しており、トキは2017年12月現在、環境省のレッドリスト上では「野生絶滅」として扱われています。
 

その一方で、元々生き残っていたトキを「保護せず、野生のまま自然に繁殖させるべきだった」という意見もあり、日本の野生のトキは一度絶滅してしまったという考え方もあります。

 

 


トキが絶滅寸前状態になった原因・理由

 

 

日本のトキが野生絶滅状態になってしまった理由としては、まず明治時代に肉や羽毛をとるため乱獲されたことが挙げられます。

1908年の段階で、明治政府の『狩猟に関する規則』によりトキは保護鳥に指定されたものの、昭和期以降からは木々の伐採や水田地帯の開発が進み、トキの繁殖地およびエサとなる動物が大幅に減ってしまいました。

ただでさえ生存・繁殖が厳しい環境になっている中で、トキの美しい羽は羽根ほうき・布団・矢羽根などの材料として人気が高いことから乱獲が続き、国外にも輸出されてしまうほどでした。

 

1925年頃には、ほとんどの地域でトキを見ることができなくなっており、1927年には佐渡支庁が懸賞でトキ発見情報を求めるほどにまで、トキの数は激減していました。

1960年に「国際保護鳥」に指定された段階で、日本のトキの生存数は20羽前後だったと言われています。

 

なお1965年、怪我をしていた幼鳥「カズ」が保護されましたが、翌年に死亡してしまいました。

このときにカズを解剖した結果、大量の有機水銀が体内から検出され、トキが激減した理由の一つは農薬であるとも考えられました。

しかし、日本の農家で農薬が本格的に導入されたのは1930〜1950年代であり、この頃にはトキはすでに絶滅寸前状態に陥っていたため、農薬が最たる原因ではないという説が有力です。

そうとはいえ、トキを守る上では自然に近い状態のエサを与えることも重要であるため、現在トキを飼育・放鳥する地では、極力農薬を使わないよう配慮されています。

 

江戸時代、トキは鍋の食材にされるほど多かった

 

トキがたくさんいた頃は田畑を荒らす害鳥とされており、実は駆除活動も盛んに行われていました。

 

『料理物語』(1643年刊)や江戸時代の本草書『本朝食鑑』(1697年刊)によると、当時トキの肉は一般的な食材で「トキ鍋」「トキ汁」に調理されており、冷え性や女性の産後の滋養効果があると考えられていたようです。

なお、トキの肉は味は良かったものの生臭いため鍋にしかできなかったそうですが、トキ鍋は煮汁が血のように赤くなってしまって見た目が悪いことから、暗い所で食べたほうが良いということで「闇夜汁」とも呼ばれていました。

 

 

日本におけるトキの保護・繁殖活動の歴史と現在

 

 

トキの保護および繁殖のための活動は、1967年、佐渡に「トキ保護センター」を設置することにより本格的にスタートしましたが、当初は失敗の連続でした。

まずは佐渡島内で3羽のトキを捕獲の上、飼育を始めましたが、寄生虫などが原因で翌1968年までには3羽とも亡くなってしまいます。

 

同じ1968年には日本産最後のトキとして有名な「キン」が捕獲され、1970年には本州最後のトキ「ノリ」が能登半島で捕獲されました。

メスのキンとペアリングするためオスのノリを佐渡へ運んだものの、ノリは翌年1971年に死去してしまいます。

 

1975年から環境庁と新潟県が協力し合い、毎春トキの産卵時期に、採卵および人工ふ化活動を続けました。

ところが、卵をカラスに奪われたり、持ち帰った卵が無精卵だったりといった失敗が続きます。

また、人間が営巣地に近付くと、驚いたトキは卵を捨てて逃げ去ってしまいます。

その隙に カラス に卵を奪われてしまうリスクもあることから、採卵作戦に反対する意見も多くありました。

 

貴重なトキを捕獲して保護していくか、野生の状態で繁殖させていくか議論された末、1980年に国内に残った全てのトキを保護し人工飼育することが決定。

翌1981年の1月には、佐渡島に生存していた最後の5羽を全て捕獲し、キンと共に6羽の飼育が始まります。

この内オスは1羽のみで、各個体を識別するために付けられた足環の色にちなんで「ミドリ」と名付けられました。

4羽のメスも足環のカラーにより、それぞれ「アカ」「キ(キイロ)」「アオ」「シロ」と呼ばれることになります。

 

基本的にトキは一夫一妻であるため、ミドリが複数のメスと結婚することは難しい状況でした。

この環境の中、シロがミドリとのペアリングに成功しましたが、産卵時に卵管に卵を詰まらせてしまいます。

アカとキは、保護してから半年以内にケージにぶつかってしまい、このときにできた傷からブドウ球菌が侵入し、発病して亡くなってしまいます。

 

それまでは大空を飛んでいたはずのトキが、突然狭いケージの中に閉じ込められてしまうこと自体、無理があったのかもしれません。

シロの卵菅詰まりの原因は、運動不足やストレス、産卵のための環境整備不足の可能性が考えられます。

取り出した卵の人工ふ化も試みられましたが、失敗しました。

 

そしてアオも、ミドリとの間に子供を授かることなく死去してしまうのです。

最後に残されたキンとミドリの間で何度もペアリングが行われましたが、結局成功することはありませんでした。

 

1985年には中国からの個体の借り受けを開始し、1990年3月〜1992年9月にミドリを中国の北京動物園で生活させたこともありましたが、やはり繁殖は成功しませんでした。

キンは高齢になり、1989年には繁殖期に入っても体の色が変わらなくなってしまいます。

そしてミドリはヒナを授かることなく、1995年にこの世を去ります。

 

しかしながら1999年、中国から2羽のつがい「友友(ヨウヨウ・オス)」と「洋洋(ヤンヤン・メス)」が贈呈され、佐渡トキ保護センターにおいてキンと共に飼育が行われました。

同年5月、友友と洋洋の間に「優優(ユウユウ・オス)」が誕生し、日本初のトキの人工繁殖が成功します。

さらに翌2000年には、優優のパートナーとして中国から「美美(メイメイ・メス)」を貸与され、多くの子孫が誕生していきます。

 

2003年、ついにキンも息を引き取り、野生の日本産トキは姿を消しました。

老齢であったキンの子は最後まで望めなかったものの、友友と洋洋、そして優優と美美の活躍により、2007年には日本に生息するトキの数がついに100羽に達します。

 

2008年にトキの放鳥を開始

 

トキの飼育・繁殖は、最終的には野生のトキを復活させることを目的として開始されました。

 

このため2007年6月より、「順化ケージ」で野生復帰のための訓練がいよいよスタートし、2008年9月に、佐渡市の小佐渡山地において10羽が初めて放鳥されます。

1981年に全てのトキを保護してから、トキが空を舞う姿が見られるのは実に27年ぶりのことでした。

その後も毎年、トキの放鳥は続けられています。

 

2012年4月には、2011年に放鳥したトキのつがいからヒナが誕生したことが確認されました。

2016年には野生下で生まれ育ったトキの夫婦の間から、ヒナが生まれています。

多くの人達・そしてトキ達の数え切れない苦労とたゆまぬ努力により、現在トキの野生復帰は順調に進んでおり、今では毎年数十羽ものヒナが元気に生まれ、成長しています。

 

 


最後の日本産のトキ「キン」と宇治金太郎氏について

 

 

最後の国産トキとして知られるキンについて、もう少し詳しくご紹介しておきます。

 

キンは1967年の発見当初は幼鳥であったことから、1966年に生まれたと推測されています。

彼女が最も懐いていた佐渡の愛鳥家・宇治金太郎氏の名にちなんで、「キン」と名付けられました。

 

キンが発見されたのは1968年、群れからはぐれて、当時の佐渡郡真野町に迷い込んでいたときでした。

前年に佐渡トキ保護センターが整備されたばかりで、人工飼育も難航している頃のことです。

環境庁の指示のもと、真野町はトキの観察および餌付けを行う事になり、このとき観察スタッフとして依頼されたのが、地元に住む野鳥の会会員であった宇治金太郎氏でした。

 

本来トキは警戒心が強い鳥ですが、毎朝少しずつ距離を縮めながらエサを持ってくる宇治氏に、幼いトキは次第に懐いていくようになります。

最終的には彼の足元に降り立ち、手から直接エサをついばむほど、宇治氏にだけは心を開いていました。

宇治氏も彼女のことを「トキ子」と呼び、まるで我が子のように可愛がっていました。

 

やがてトキ子を保護するため、環境庁の捕獲班が真野町にやってきます。

ところが、トキ子は無双網を持った捕獲班を恐れて逃げてしまったため、捕獲班は真野町にトキ子の捕獲指示を出して撤退していきます。

 

真野町はついに、宇治氏へトキ子の保護を依頼します。

宇治氏自身も、たった一羽で暮らすトキ子の命を守るためには保護すべきと思うものの、自分を信頼してくれている彼女を捕獲することに対して激しい葛藤がありました。

しかし悩んだ末、宇治氏はトキ子を捕獲することを決断します。

 

トキ子が保護されたとき、普段のように宇治氏からエサをもらった後、宇治氏に寄り添うように座りました。

そして宇治氏に、優しく抱きかかえるようにして捕獲されたのです。

トキ子は、動かず抵抗することもなかったようですが、このとき宇治氏は大粒の涙を流していたそうです。

宇治氏はそれから亡くなる直前まで、トキ子の自由を奪ってしまったことを悔やみ続け、彼女の長寿と子孫繁栄を祈り続けました。

 

その後、「キン」と名付けられて保護センターで飼育されたトキ子は、宇治氏の願いに応えるように長生きします。

他のトキ達が次々に亡くなっていっても、1984年に宇治氏が他界した後も、日本の最後の一羽として寿命を全うするのです。

中国から来た仲間のヒナが無事に育つまで、彼女は生き続けました。
 

キンが亡くなったのは、2003年10月10日のことでした。

同日の早朝6時には、佐渡トキ保護センターを巡回していた警備員がモニター画面で生存を確認していましたが、午前7時20分に出勤した職員が、ケージ内で倒れて死亡しているところを発見しました。

 

録画したモニターを再生したところ、午前6時29分に突然飛翔したキンの記録が残っていたことから、死因はケージの扉に衝突し、頭部挫傷したことによるものと推測されました。

キンが急に羽ばたいた原因は、不明です。

最期まで頑張って生き続けたキンが、このような形で亡くなってしまったのは悲しく残念なことではありますが、野生のトキの生き残りとして、たくさんの人達に希望を与えてくれた事実は、きっと今後も変わることはないでしょう。

 

キンの推定年齢は36歳と言われており、人間の歳に換算すると100歳近くと、鳥類でも異例の長寿でした。

幼鳥から老齢期まで飼育されたキンの記録は、今も日本や中国のトキの人工繁殖の際に活用されています。

 

なお現在キンの剥製は、佐渡トキ保護センターにて丁寧に保管されています。

また真野町のトキ子が保護された地には、「日本最後のトキ 餌付けの地 宇治金太郎さんとキンちゃんの碑」があり、トキを愛する多くの人々から親しまれています。

 

 

日本で放鳥されたトキはどこにいるの?

 

 

現在、国内で放鳥され巣立っていったトキ達のほとんどは、佐渡島内に残って生活しています。

佐渡と本州を往復する個体の姿が確認されたこともありますが、まだまだ生息地域は広がっていないのが現状です。

 

 


日本の佐渡島(新潟)に生息するトキの数

 

環境省の佐渡自然保護官事務所が提供している「放鳥トキ情報」によると、2017年の12月18~24日の1週間で、放鳥したトキ95羽、野生下生まれのトキ64羽、計169羽が確認されています。

また、2017年12月26日時点で推定される野生下トキの総個体数は291羽で、佐渡島内に290羽、本州に1羽が生息していると考えられているようです。

今後もトキが元気に繁殖していくことを、ぜひとも願っていきたいですね。

 

 

トキは佐渡以外の地でも繁殖中

 

ちなみにトキの飼育は、佐渡以外の地域でも実施されています。

単独の施設で動物を飼育すると、感染症などによって全滅してしまう危険性があるため、鳥インフルエンザ対策も兼ねて、トキを複数の施設に分けてお世話しているのです。

 

2007年に東京都日野市に所在する「多摩動物公園」で飼育を先行開始してから、2010年に石川県能美市の「いしかわ動物園」、2011年には島根県出雲市の「出雲市トキ学習コーナー」、新潟県長岡市の「長岡市トキ分散飼育センター」においても、分散飼育が始められています。

なおトキの飼育はすべて非公開エリアで行われているため、一般人が見学することは難しいでしょう。

 

飼育されたトキ達は、環境省の保護増殖事業計画に基づき、佐渡のトキ保護センターへ度々送られます。

移送されたトキ達は今後の放鳥・保護・増殖計画のために、繁殖期にペアリングが行われたり、野生順化訓練を受けたりしながら生活します。

 

 


野生のトキを観察できる場所と観察時の注意点

 

以上のような理由から現時点では、新潟の佐渡以外の地で野生のトキを見ることは困難と言えるでしょう。

 

もしも野生のトキに会いたい場合、観察できる確率が最も高いのは、佐渡の「トキの森公園」周辺にある田んぼや水田と思われますが、トキは警戒心が強く、自ら人間に近寄る鳥ではありません。

乱獲されていた過去があることから、ひっそりと身を潜めていることも多いです。

 

運良く野生のトキに遭遇できたとしても、不用意に近付いたり追い回したりといった行動は控えましょう。

特に繁殖期のトキは大変デリケートであるため、人間が巣に近付くと、せっかく作った巣を放棄して逃げてしまいます。

 

なお野生ではありませんが、トキの森公園内の「トキふれあいプラザ」に行くと、飼育されているトキを見ることができます。

至近距離でトキを見られるのでおすすめです。

 

ちなみに「新潟県観光協会」では、事前に申し込みが必要ですがトキ関連の施設を巡る「トキガイド」を実施しています。

また、市のトキガイドの講習修了者で構成される「佐渡トキガイド連絡協議会」もあるので、問い合わせてみると良いでしょう。

 

 

トキの保護と放鳥における今後の課題

 

トキの繁殖・放鳥活動は着実に前進しているものの、これからも課題はあります。

保護すること自体は反対されていなくても、再びトキが野鳥として生活できるようになったとき、昔のように田畑がまた荒らされてしまうのでは、と懸念する声があるのも現状です。

 

実に多くの人やトキが心身を労して喜ばしい結果を出してきている一方で、今後増え続けていくトキ達が人間に乱獲・駆除される悲劇が繰り返されないよう、きちんと考えていくことも重要です。

 

一度は日本から姿を消しかけてしまったトキ。

再び自然の中で自由に暮らしていけるよう、この奇跡的な種の存続をじっくりと見守り続けていきたいものですね。


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