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コウノトリは、国の特別天然記念物に指定されている 鳥 。
絶滅危惧種として指定されているため、世界的にも希少な鳥です。
日本では、昭和46年を最後に野生のコウノトリが姿を消しています。
「赤ん坊を運んで来る鳥」としてもよく引き合いに出されるコウノトリですが、その生態はどのようなものなのでしょうか。
本記事では、コウノトリの特徴や現在の生息状況について、詳しくご紹介していきます。
コウノトリは、コウノトリ目コウノトリ科に属する鳥類。
遠目にはツルと似た姿をしている大型の鳥。
絶滅が危惧されており、国で保護されている存在です。
全長約110〜115cm。
翼を広げると160〜200cm、体重4〜6kgにもなる非常に大型の水鳥。
サギとシルエットが似ていますが、コウノトリの方がかなり大きめです。
羽色は白と光沢のある黒色。
クチバシは黒味がかった濃い褐色で脚は赤色。
遠くから見るとツルと似ています。
目の周囲に赤いアイリングがあり、高貴な雰囲気を持った鳥です。
分布域は東アジア。
絶滅危惧種であり、総数も推定2,000~3,000羽と少ない希少種。
日本ではすでに野生のコウノトリは見られなくなり、繁殖・野生化への取り組みがなされています。
コウノトリの成鳥は、他の鳥のようにさえずることがありません。
代わりに、クラッタリングと呼ばれる、くちばしを叩き合わせるように開閉する行為が見られます。
コウノトリは、フナなどの魚類をはじめ、 カエル 、ミミズ、バッタなどの生きた動物。
ザリガニ などの甲殻類を捕食することも。
また、ネズミなど小型哺乳類を食べる姿も確認されています。
コウノトリは、江戸時代には日本の至るところで見られる鳥でした。
しかし、明治期に入ると銃によって乱獲が増えたことで激減。
第二次世界大戦後には、ほ場整備や河川改修で湿地が消滅した上、農作物散布により日本の空から姿を消すことになってしまいました。
世界的にも希少種であるコウノトリは、現在は絶滅が危惧される動物として国で保護する存在です。
国内野生個体が絶滅してしまったコウノトリを保護し、野生化させる活動を行う地域もあります。
ここで、コウノトリが減少した後の地域の動きを年表で見ていきましょう。
1955年 特別天然記念物コウノトリ保護協賛会の発足
1965年 コウノトリ飼育場における飼育の開始(豊岡市)
1970年 福井県武生市にて保護
1971年 豊岡市にて飼育開始
1971年 国内の野生繁殖個体群が消滅。海外から稀に飛来するだけの存在に
1988年 日本初の繁殖に成功(多摩動物公園)
1989年 繁殖に成功(豊岡市)
2005年 コウノトリの郷公園にて放鳥(豊岡市)
2006年 放鳥したコウノトリの卵を確認→孵らず
2007年 放鳥したコウノトリの卵を確認→無事巣立ち
2014年 大学院豊岡ジオ・コウノトリキャンパス設置(豊岡市)
コウノトリは世界的にも数の少ない希少種。
絶滅が危惧される鳥です。
国内でも1970年代には野生のコウノトリを見ることはほとんどなくなりました。
そんな中、野生最後の生息地のひとつである福井県の武生市に1970年12月一羽のメスが飛来してきました。
コウちゃんと呼ばれた彼女は、くちばしを損傷しており自力でエサを摂ることができず、衰弱が激しかったために保護されます。
1971年2月には武生と改名され、兵庫県豊岡市のコウノトリ飼育場に移送され、2005年6月まで34年という国内最長飼育記録で飼育されました。
武生は飼育場で生きている間に100個を超える卵を産みましたが、成長したのは紫と呼ばれるメス一羽のみ。
この後、豊岡市のコウノトリ飼育場では1985年7月に当時の旧ソ連から幼鳥6羽をもらい受けて1989年に人工繁殖に成功。
翌年以降の繁殖にも成功しています。
多摩動物公園では、中国から譲り受けて人工飼育を続けていた結果、1988年4月に豊岡市より一足先に、国内初の人工繁殖に成功。
大阪市天王寺動物園、豊橋総合動植物公園でも繁殖が成功し、現在では着々と国内飼育数を増やしています。
さらに、兵庫県では繁殖成功後の1992年4月には野生復帰計画がスタート。
1999年に「コウノトリの郷公園」をオープン。
2000年から周辺をコウノトリの生息可能な環境に整備していきました。
そして、2005年9月には世界初のコウノトリ放鳥がとり行われます。
エサをとる訓練をつんだ2〜7歳の5羽が大空に羽ばたきました。
その後2006年、2007年には自然放鳥したコウノトリの産卵が確認。
2007年に産卵された1つの卵から孵化、2007年7月に無事に巣立ちを迎えました。
コウノトリの野生での巣立ちは、1961年に見られて以来46年ぶり。
今後も多くの専門家・職員の手で飼育数、放鳥数を伸ばし、かつてのように野生化で活動するコウノトリが見られるようになることでしょう。
前述して来た通り、コウノトリは国の天然記念物として指定され、しかも絶滅が危惧される希少な鳥。
もちろん、個人でペットときて飼育することはできません。
また、商業目的で取引することも禁止されています。
コウノトリを近くで見たいという人は、前項でご紹介したコウノトリの郷公園に見に行くのがおすすめ。
運が良ければ近い距離で、野生のように暮らしているコウノトリを見ることができますよ。
コウノトリの郷公園についての詳細は後述します。
「赤ちゃんはどこからくるの?」「コウノトリさんが運んでくるんだよ」というやり取りは、昔からあり、見慣れた光景でしょう。
実は、これはヨーロッパの言い伝えから来たもの。
ヨーロッパでは「赤ん坊はコウノトリのくちばしで運ばれてくる」「コウノトリが住み着いた家には幸福が訪れる」と言われています。
しかし、ヨーロッパにコウノトリは生息していないため、彼らがいうのは、近縁種であるシュバシコウのことと思われます。
「コウノトリ=赤ちゃん」というイメージは世界的にも珍しくないもので、2016年のアメリカアニメ映画作品『コウノトリ大作戦!』はコウノトリが赤ちゃんを運んでくる話を元にしています。
また、日本でも綾野剛主演でドラマ化された『コウノドリ』は、産婦人科を舞台にした漫画作品で、赤ちゃんとコウノトリの関連性を意識したタイトルが付けられています。
野生化のコウノトリを見たいという方におすすめなのが、前項でも登場したコウノトリの郷公園。
国の特別天然記念物コウノトリを保護し、放鳥した国内最初の研究保護機関です。
コウノトリについて、科学の理論に基づき野生復帰を実践する機関として1999年に開園しました。
園内には公開エリアがあり、飼育コウノトリを観察することができます。
それだけではなく、湿地と里山景観の中をゆっくり散策することも可能。
この散策中に野外で生息・繁殖しているコウノトリに出会うこともあるとのこと。
非公開エリアではコウノトリの飼育・繁殖、放鳥のための馴化訓練などを行う施設もあり、単なる公園ではなく、コウノトリの野生復帰事業とコウノトリを核にした様々な活動を展開する施設です。
兵庫県のコウノトリ保護事業の歴史は半世紀以上。
これからもコウノトリと人間が共存する社会実現のための活動がなされることでしょう。
「コウノトリ」の名前は耳にすることがあっても、普段なかなか目にすることのないコウノトリ。
希少種ということから、飼育している 動物園 も多くはありません。
「それでもコウノトリを眺めていたい!」という方におすすめなのが、コウノトリグッズです。
ここで、コウノトリがより身近な鳥になるアイテムをご紹介していきます。
2005年に発売された元祖こうのとりキティの根付け。
発売当初からのロングヒットで大人気商品。
特に、妊活祈願や安産祈願のお守りとして買われているそうです。
キティちゃんのマスコットが小さく目立たないため、さりげなく持っていられますね。
キティ好きにもコウノトリ好きにも嬉しいアイテム。
優しいパステル調のフォトフレーム。
赤ちゃんを運ぶコウノトリがふんわり雲の上を渡っていく、可愛らしいデザイン。
厚手の面取りガラスを使用しているので高級感抜群。
上品な雰囲気で写真を飾ることができます。
ご自宅のインテリアに、出産のお祝いに大活躍するアイテムです。
各地域の特色に合わせて販売されているご当地キティグッズの兵庫県但馬限定バージョン。
コウノトリに運ばれているキティちゃんがキュートなハンドタオル。
色味も元気で、持っているのが嬉しくなりますね。
生まれてきた女の子へのプレゼントや、お土産にぴったりの品です。
ABAfactory社のバネ付人形です。
動きがあるため、飾っていて楽しいインテリア人形。
お部屋や店舗のディスプレイに最適。
チェコでハンドメイドされた品であり、木目や絵付などは世界に1つだけのもの。
東欧の雰囲気を味わえる楽しいグッズですね。
コウノトリは世界的に希少な鳥であり、日本では一度野生の個体が絶えてしまった鳥。
これからも世界的に守っていかなければならない動物でしょう。
ヨーロッパの言い伝えから「話ではたまに出てくる鳥」であるコウノトリについて、この記事で知ってもらえていれば幸いです。
興味のある方はぜひ、実際に見てその希少種の姿を感じてくださいね。
最終更新日 : 2021/06/25
公開日 : 2017/11/20