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サワガニと聞くと、昔話の「さるかに合戦」や、宮沢賢治の「やまなし」を思い出す方は多いのではないでしょうか。
彼らは私たちにとってあまり身近な生き物ではありませんが、共に暮らすようになると、とても可愛らしい生き物です。
今回の記事では、そんなサワガニの魅力についてご紹介させていただきます。
サワガニは一生を淡水で過ごす淡水生の生き物です。
青森からトカラ列島まで生息しているとされています。
北海道にはモクズガニという淡水に生きるカニがいますが、それとはまた別種です。
胴体が焦げ茶色、足が濃いオレンジ色の個体が多いですが、青色の個体や少し紫色になっている個体もいます。
地方によって体の色の分布に差がありますので、もし近くに綺麗な川があるようでしたら、浅瀬の石をひっくり返してサワガニがいないかどうか確かめてみてもいいかもしれません。
尚、サワガニは綺麗な水にしか住めませんので、水質階級Ⅰという水の綺麗さを表す指標の生物にもなっています。
一般的に、サワガニの雌雄はハサミの大きさで見分けることができます。
右か左、どちらかが大きい固体が雄。
ハサミがどちらも小ぶりな個体が雌です。
うまく見分けがつかない場合はお腹を見てみるとすぐにわかります。
雄のお腹はおにぎりのような三角形をしていますが、雌のお腹は球体を半分にしたような形になっています。
カニ は卵をお腹に抱えて育てるので、雌のお腹には時々卵を守る毛が生えていることもあります。
サワガニの飼育はとても簡単です。
サワガニを飼おう!と思ったときに必要なものは
たったこれだけです。
水槽はあまり大きくないもののほうが良いでしょう。
また、水生生物用の砂利などを水槽の底に敷いてあげてもいいかもしれません。
プラスチックやガラスでできた水槽はどうしても足が滑ってしまうことがありますから、それが気になるようでしたら沢山ではなく、ほんの少しだけ敷くことをお勧めします。
砂利は百円ショップなどでも販売しているので、気軽に買い求めることができます。
それから、サワガニは逃げ出すのが上手な生き物なので、水槽は必ず蓋があるものを選ぶのが良いです。
サワガニは雑食です。
魚はもちろん、白米やお肉、茹でてあげれば野菜も食べます。
ペットショップに売っている、粒の大きい魚の餌などでも大丈夫です。
ちなみに、固体によって好きな餌とそうでない餌があるので、好みの食べ物を探ってみることもできます。
野生下では 水草 や藻、ミミズや小魚、水生昆虫等を食べているようです。
それらを用意可能であれば、与えてみても問題ありません。
ただ、サワガニが食べてしまうので、サワガニの水槽で エビ やメダカ、 金魚 などを一緒に飼育するのはお勧めしません。
サワガニに餌をあげるときに一番気を付けなくてはいけないことは、餌に含まれる塩分量です。
特に、人間用に味がついているものは塩分が高いのであげるべきではありません。
生の魚ではなく煮干し等を与える場合は、最低一日は水でふやかして、しっかりと塩を抜いてから与えましょう。
また、サワガニは夜行性なので餌を与える時間は夕方から夜がお勧めです。
サワガニはとても小食です。
2、3日に1回与えれば十分なので、あまり与えすぎないようにしましょう。
沢山あげすぎてしまうと、残した餌が痛んで水質が悪くなってしまうため注意です。
特に、夏などの水温がある程度高い時期は良いですが、冬になると水温が下がるため消化速度が遅くなります。
いつも食べていた量を残すようになったらもう少し間隔をあけて餌を与えてください。
毎日替えることがベストですが、こちらは2日に1回替えれば大丈夫です。
ただ、細かい餌の食べ残しが水中を漂っているようなら水替えをした方がいいでしょう。
2日に1回は水を替えてあげないと、そうした食べ残しやサワガニの排泄物によってどんどん水質が悪化してしまいます。
また、サワガニはその名の通り沢や川などに住んでいます。
その生態上、水温25度以上になると弱ってきてしまいますので、汲み置きの水が温かくなってしまっている時は使わないほうが良いです。
サワガニを飼育する際の水温は15℃~20℃がベストです。
※注意!
サワガニは冬になると冬眠する生き物です。
しかし飼育下で冬眠させることは難しいため、越冬させたほうが良いでしょう。
部屋の中に入れておけば冬眠はしませんので、冬の間は是非そうしてあげてください。
平均として4、5年。
長くて10年ほど生きてくれます。
水換えや餌やりをちゃんと行えば、長く付き合っていける生き物です。
また、サワガニは脱皮をして、欠損部分や傷ついた殻を再生します。
その時の体はとても柔らかく、指でつまむと潰してしまいそうになるぐらいです。
1週間もすれば体はもとの固さに戻りますから、脱皮直後のサワガニはなるべく刺激しないようにしましょう。
さらに、脱皮時に捕食者(サワガニを含めた別のカニ類や両生類、鳥など)がいると食べられてしまうので注意です。
サワガニは共食いをする生き物なので、何匹かを同時に飼いたいと思っても水槽は別々にしたほうが良いでしょう。
ペットショップで販売されているところもありますし、スーパーの鮮魚コーナーで売っている時もあります。
ペットショップでは欠損もなく、綺麗なサワガニが売っていますが、鮮魚コーナーでは欠損が目立つ個体が多いです。
その代わり安価で、一匹50円あたりから販売されています。
ペットショップでは一匹300円から500円ほどで販売しているところが多いです。
もし、購入するのではなく野生のサワガニを捕まえたいと思った時は近場の水がきれいな沢や川を探してみてください。
サワガニは流れが穏やかな川の浅瀬にいます。
夜行性なため、昼間は石や流木の下に隠れているので、そういった所を持ち上げて探してみると出会えます。
淡水生ではありますが夜にサワガニがいる川の傍に行くと、地面を歩いているサワガニが見られるかもしれません。
ただ、サワガニは食用としてもペットとしても売られていますが、 寄生虫などの懸念がある生き物 です。
食べる際も高温での揚げ物が推奨されています。
よって、食べることが目的ではなくとも 触ったら必ず石鹸で手を洗うようにしてください 。
寄生虫以外にも、雑菌の繁殖を防ぐため水を替える際には人の口に入らないような場所での水替えが必須です。
・サワガニは青森県~トカラ列島で採取ができます。
・綺麗な水でしか生きられません。
塩素が入った水では飼育しないようにしてください。
・水は2日に一回は替えましょう。
・塩分が多い餌はお勧めしません。
淡水の生物なため、塩分濃度が高い餌に適応していません。
具合が悪くなってしまったり、最悪死んでしまうので避けましょう。
・ペットショップ、スーパー、水が綺麗な沢や川で入手できます。
綺麗な個体がほしいのならペットショップがお勧めです。
スーパーや野生のサワガニは捕食者との争いや同族との喧嘩で欠損個体が多く見られます。
・サワガニを触った後はしっかりと除菌をしてください。
このように、サワガニは比較的簡単に飼育できる水生生物の一種です。
仕草もちまちまとしており、ハサミを使って器用に餌を口に運ぶ様子は可愛いの一言につきます。
ただ飼育するだけではなく、アクアテラリウムに入れることもできます。
アクアテラリウムの生き物が捕食されないか心配、という場合は水深を少し深めにして、逃げられるような造りにすれば大丈夫です。
その時はサワガニが登れるような少し高めの陸地を作ってあげてください。
サワガニを飼いたいと思っていた方や、飼育中の方にこの記事がお役に立てば幸いです。
最終更新日 : 2020/12/22
公開日 : 2017/09/27