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烏骨鶏(うこっけい)とは、ニワトリの内種で天然記念物です。
鳥骨(黒い骨)という名の通り、皮膚、内臓、骨などすべてが黒色をしていることが特徴です。
羽毛の色は白と黒が存在します。
普通のニワトリは脚の指が前に3本、後ろに1本あるのに対し、烏骨鶏は後ろ脚の指が2本あり、合計5本存在します。
これはニワトリのみならず、 鳥類 としても非常に珍しく、中国では霊鳥として扱われ不老不死の食材として珍重された歴史があります。
近年では採卵や食肉用以外に、愛玩としても人気が高まっています。
立った際の高さは40㎝程で、体重は1㎏前後と小柄です。
オスに比べ、メスのほうが一回り小柄です。
烏骨鶏の寿命は10年から15年と言われています。
うまく飼育すると、30年も生きた例も報告されています。
烏骨鶏を飼育する場合は、長い付き合いになることを前提にお迎えしましょう。
烏骨鶏は中国、インド、ベトナムなどが原産とされ、17世紀に日本に渡来したと言われています。
烏骨鶏は日本と長い歴史関係にあるニワトリの一種で、1973年には天然記念物に指定されています。
烏骨鶏はほかのニワトリに比べ、見た目で性別を判断することは非常に困難です。
オスはメスに比べ体が大きく、筋肉質です。
また、冠羽が流れるように逆立っているのがオス、丸くふわふわしているのがメスの特徴です。
成鳥になれば、オスは「コケコッコー」とニワトリ独特の鳴き声を発すようになるため、判別することができるようになります。
野生下では青菜などの葉物や種子類、穀類、果物、ミミズなどの虫を食べているようです。
烏骨鶏の性格は、温厚で大人しく臆病だと言われています。
大人しいため、愛玩として家庭内で飼育する方も増えています。
烏骨鶏も成鳥のオスは、独特の雄たけびである、「コケコッコー」と鳴きます。
メスには雄たけびはなく、「コッコッコ」と普段は小さな声で鳴いています。
雄たけびは小さな体でも十分なボリュームであるため、飼育する際には近隣の迷惑にならないよう注意しましょう。
烏骨鶏の鳴き声(コケコッコー)です。
白い羽毛で頻繁に鳴いているのが烏骨鶏です。
茶色のニワトリは烏骨鶏ではありません。
烏骨鶏は、ほかのニワトリに比べ卵を産む回数が非常に少ないことが特徴です。
通常の採卵用のニワトリは、年間約300個近く産むのに対し、烏骨鶏はたったの60個ほど。
大きさはほかのニワトリのものとほぼ同じで、薄いオレンジ色をしています。
烏骨鶏の卵は普通の卵に比べ、高価であることも特徴です。
その理由は、烏骨鶏の卵に含まれる栄養素の多さ。
産む回数が少ない分、1個あたりに栄養が濃縮されているのです。
烏骨鶏の卵に含まれる主な栄養素は、以下の通りです。
烏骨鶏の卵に含まれる栄養素には、これだけの疾患を予防、改善できる効果が期待されています。
ほかにも烏骨鶏の卵には、カルシウムはもちろん、DHAやEPAも豊富に含まれています。
様々な種類のニワトリの卵。
烏骨鶏は右から3番目です。
烏骨鶏は雛(ひよこ)で販売されていることが多く、鳥類を扱うペットショップで見かけることができます。
また、烏骨鶏を扱っている養鶏場などでも購入できる場合があります。
価格は1.000円~3,000円程。
長生きなため飼育放棄も多く、里親募集をされていることも少なくありません。
成鳥が欲しい場合には、里親募集の掲示板などを覗いてみると見つかる可能性があります。
烏骨鶏を室内で飼育する場合には、ケージが必要です。
ケージには うさぎ 用か 犬 用といった、十分な高さと広さのあるものを用意しましょう。
ほかにはエサ入れ、水入れを設置します。
屋外での飼育用には、頑丈で細かい網目の鳥舎を用意しましょう。
飼育する烏骨鶏の数にもよりますが、ストレスにならないよう、十分な高さと広さ、そして止まり木を確保しましょう。
屋外で飼育する場合には、 ヘビ や イタチ 、 カラス などの外敵が侵入できないよう、作りには十分に注意が必要です。
烏骨鶏は小柄なニワトリですので、 チャボ 用などと表記のある小粒タイプの混合飼料がおすすめです。
チャボ用の餌はホームセンターなどで購入できます。
烏骨鶏を始めとした家禽類の餌は、トウモロコシや魚粉を主原料に複数の穀物などがブレンドされています。
採卵をする場合には、別途カルシウムか、採卵用などと記載のあるカルシウムが多く配合された飼料を与えましょう。
烏骨鶏は餌を綺麗に食べることが苦手なため、特に屋内で飼育する場合には周りにまき散らしてしまいます。
これはくちばしの構造や習性であり、しつけることはできません。
配合飼料は、小さくても5㎏程からとサイズが大きく、米にわくような小さな虫が発生する場合があります。
虫が湧くということは、農薬の量が少ないともいえるため、一概に「虫がわくから質が悪い」とは言い切れません。
烏骨鶏は普段から虫を食べるため、虫自体を食べてしまっても問題はありませんが、虫が飼料の栄養を食べてしまうため、駆除が必要です。
駆除には、天気の良い日に新聞紙などを外に敷き、なるべく薄く飼料を広げて天日干しをすることで駆除することが可能です。
虫の卵がある場合には、数日後にまた虫がわきますが、その際にはまた同じように天日干しすることで対処するようにしましょう。
また、飼料は日陰で涼しく、風通しの良い場所に保管するようにしましょう。
おやつには野菜くずなどの葉物や、果物を与えると喜びます。
また、野生下では虫も食べるため、ミルワームなども良く食べるようです。
烏骨鶏を含む家禽類は砂嚢という器官を持っています。
砂嚢に砂を入れることにより、食べた餌をすりつぶし、消化を良くしています。
室内飼いの場合には、小鳥用の焼き砂をたまに与えるか、外にお散歩に連れ出すことで、本能的に地面に落ちている砂を食します。
烏骨鶏は温厚な性格で、飼い主さんに良く懐くことから、愛玩としても人気が高まっています。
基本的に攻撃などはせず、飼い主さんが呼べば寄ってくる、ご飯を手から食べる、膝や腕、肩に乗るなど、可愛らしい面がたくさんあります。
小柄なので飼育スペースもあまり必要ではありません。
飼い主さんの後を追って、必死に階段を上る烏骨鶏。
最後はちゃんとハウスに入っていきます。
普通サイズのニワトリと烏骨鶏の室内同居です。
普通サイズのニワトリさんも、ちゃんとペットとして飼われています。
比べると、烏骨鶏の小ささが分かりますね。
「コケコッコー」と鳴いているのは、普通サイズのにわとりさんの方です。
烏骨鶏は屋内で飼育することもできますが、トイレを覚えることはできません。
そのため、ケージから出している際には場所を選ばず糞をします。
糞自体に臭いはなく、比較的固形ですので簡単に処理することができます。
しかし、時間型つと乾燥して飛び散りやすく、吸引することは烏骨鶏にとっても人間にとっても良くありません。
糞があることは不衛生に変わりはありませんので、見つけたらすぐに処分し、部屋は常に衛生的に保つようにしましょう。
オスは家禽類独特の「コケコッコー」という雄たけびをします。
朝方や夕方に多く見られますが、日中でも鳴くことがあります。
比較的おとなしい烏骨鶏ですが、雄たけびのボリュームは大きいので、隣近所の迷惑にならないよう防音対策はしっかり行いましょう。
ニワトリと言えば飛べない鳥というイメージがあります。
確かに普通の鳥類のように空を自由に飛ぶことはできませんが、本気をだせばそこそこの距離を飛ぶことができます。
飛び上がると言うよりは滑空に近い感じです。
また、野生化では木の上などで眠るため、高い場所に飛び乗ることも可能です。
屋外で飼育する場合には、止まり木をいくつか設置してあげると良いでしょう。
屋内飼育の際には、飼い主さんの肩などに飛び乗ってきたリ、場合によってはカーテンレールなどの高い場所に飛び乗ることもあります。
地面のみを歩いて生活しているわけではないことを、頭に入れておきましょう。
屋外飼育をしている場合に多いのですが、小屋に穴が開いていたり、掃除をしていたりする際、舎外に出てしまうことがあります。
その際、焦って追いかけると、烏骨鶏もパニックになりどんどん遠くに逃げてしまいます。
抱っこに慣れていない子は、無理に捕まえようとすると羽をまき散らし暴れてしまいます。
烏骨鶏が逃げ出した際は、焦らず大きく回り込み、鳥舎の入り口に誘導するように後ろからゆっくり追います。
烏骨鶏は自分の小屋を理解していますので、入り口が確認できれば自分から戻っていきます。
これはほかの家禽類も同様です。
例え気が付かないうちに逃げ出してしまっても、鳥舎付近にいることが多く、遠くへ逃げ出すことは稀です。
烏骨鶏はその温和な性格や愛らしい見た目から、屋内で愛玩として飼育することも十分可能です。
ただ、屋内だけで飼育するのではなく、定期的に外に散歩に連れ出す必要があります。
烏骨鶏は遠くに飛んで行ってしまう危険性が少ないため、気軽に外に連れ出すことが可能です。
また、外に出しても飼い主さんにそれなりに懐いていれば、後をついてきますし、遠くへ逃げてしまうことが少ないのが、烏骨鶏をはじめとする家禽類の性質です。
先述しましたが、烏骨鶏をはじめとする家禽類は砂嚢という器官を持っており、ここに砂を入れることで、餌をすりつぶし消化を良くしています。
そのため、外に出して土や砂を摂取させてあげることは、烏骨鶏の健康維持に欠かせません。
その他、日光を浴びることで、皮膚からの栄養補給と健康的な毛ヅヤを維持することができます。
日光浴は窓一枚でも大分遮断されてしまい、栄養補給には不十分です。
出来る限り、天気の良い日は外に散歩に連れて行ってあげましょう。
外に出す際には、農薬やほかの動物に十分注意をしてください。
烏骨鶏のヒヨコをお迎えして失敗してしまう方の多くは、温度管理不足によるものです。
成鳥になれば寒暖差に強い家禽類ですが、雛であるヒヨコは違います。
産まれてからしばらくは、母鳥の羽毛の中に潜り込み、暖をとって生活しています。
そのため、寒さには非常に弱い生き物です。
ヒヨコ電球などを使用し、常に27~30度ほどの温度を保つ必要があります。
夏場も、夜間やエアコンの効いた室内では寒すぎるため、保温が必要です。
カイロなど一部分だけが温まるものでは不十分ですので、必ず空気全体が温まるように心がけましょう。
インコ などの雛は親鳥から吐き戻して餌をもらいますが、烏骨鶏のヒヨコは産まれてすぐに自ら餌を食べるようになります。
そのため、ヒヨコを購入した際は、挿餌を行う必要はありません。
ヒヨコ用の餌がホームセンターなどで販売されていますので、エサ入れに十分に入れておきましょう。
家禽類は飲水量が多めなため、しっかりと新鮮な水が飲めるようにします。
飲み水はこぼしたり、体が入ってしまわないような入れ物を使用するようにしましょう。
ヒヨコは体が濡れてしまうと、すぐに弱って命を落としてしまいがちです。
ヒヨコはプラスチックケースか小鳥用の小さなケージがおすすめです。
いずれも保温がしっかりできるよう、対策をしましょう。
底には吸水性のある新聞紙などを敷き、その上に木材でできたペレットを敷きつめます。
チップ上の敷材ですと、動きまわった際に木の粉を吸い込んでしまい良くありません。
また糞の量が多いので、1日に1度は敷材を新聞紙ごと取り換え、衛生的に保つことも重要です。
高い温度の中では、雑菌が繁殖しやすいため不衛生になってしまいがちです。
免疫力の低いヒヨコは、不衛生な環境だと病気にかかるリスクが高まってしまい危険です。
烏骨鶏はニワトリの仲間で、小柄で全体が羽毛で覆われている可愛らしい家禽類です。
卵を産む回数が少ない代わりに、栄養が一個一個に凝縮されており、高い栄養価なことが特徴です。
性格は大人しく温厚で人に懐いやすいため、愛玩として屋内飼育をする方も増えています。
可愛らしい性格や見た目に、メスであればおいしい卵のおまけつき、是非烏骨鶏をお迎えしてみませんか?
烏骨鶏は長寿の持ち主ですので、お迎えする際は飼育放棄にならないよう、長い付き合いになることを念頭に入れておきましょう。
公開日 : 2017/12/03