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ターキッシュアンゴラは最も古い歴史を持つ 猫種 のひとつです。
長い歴史を持つとされるペルシャの祖先とも言われています。
優美な姿からは想像し難いですが、出身はトルコの山岳地帯で、過酷な冬の防御のために非常に柔らかいミディアム・ロングの被毛を持つようになりました。
ターキッシュアンゴラは中央アジアの野生の猫であるマヌルネコで、広く中央アジアに住んでいたタタール人が家畜化した猫が祖先と考えられています。
最も古い記述は16世紀のフランスであるため、ターキッシュアンゴラの原種は当時の貿易によりヨーロッパでも姿を見ることができたと推測されました。
白い長毛の優美な姿はヨーロッパでも人気になり、17世紀のフランスではルイ16世やマリー・アントワネットの愛猫として知られています。
しかし、19世紀のキャットショーに出展されたことが絶滅のきっかけとなりました。
その優美な姿に魅力を感じたペルシャのブリーダーが繁殖にターキッシュアンゴラを使用し始めたため、本来の原種としてのターキッシュアンゴラは事実上ヨーロッパでは絶滅してしまったのです。
ペルシャと掛け合わされたターキッシュアンゴラの特徴である引き締まった体型を失い、ペルシャと同様なずんぐりした体型になってしまったために、長い間たんに「アンゴラ」と呼ばれていました。
幸運なことにトルコではターキッシュアンゴラは国宝とみなされていたために、特別な繁殖プログラムが確立しており、種として保存されていたのです。
1950年台にアメリカの軍人がトルコのアンカラ動物園で飼育されていたターキッシュアンゴラの存在を知り、それがきっかけで世界に存在が再び知られるようになりました。
トルコではヨーロッパの乱繁殖のようなことが再び起こることを恐れて、ターキッシュアンゴラの国外への持ち出しには慎重な姿勢でした。
しかし、1962年にウォルター・グラント大佐にオスとメス2匹のターキッシュアンゴラを譲渡し、それらの猫がアメリカでターキッシュアンゴラの繁殖のきっかけとなります。
種を守るためにCFA(猫愛好家協会)で登録されているターキッシュアンゴラは、祖先が全てトルコのターキッシュアンゴラでなければ登録できないという厳しい規定を設けています。
1968年にCFAは白色のターキッシュアンゴラの登録を認め、1978年には色の付いた被毛のターキッシュアンゴラも正式に登録されました。
ターキッシュアンゴラは絹のようなシングルコートのミディアム・ロングの長毛が最大の特徴です。
耳はとがった形をしており、目はアーモンド形で青、緑、琥珀、金目銀目=オッドアイなどがありすべて公認されています。
ボディは筋肉質ながらも引き締まった体型をしています。
平均的な体重は2.5kg~5kg程度。
中型の大きさです。
13歳〜18歳。
近年人気のマンチカンやスコティッシュフォールドなど、人の好みに合わせて障害を固定化させた品種は短命な傾向にあるのですが、それに比べてターキッシュアンゴラは猫の野生種を祖先に持ち、過度な人の手が加えられていない品種なので体も丈夫で長生きです。
とても賢く運動能力も高いです。
高い場所に登ることも得意ですし、ドアなどは簡単に開けてしまうでしょう。
そのため、脱走されないように注意する必要があります。
ターキッシュアンゴラは古代からその個性を守られてきた種であり、狩猟本能も維持しています。
室内での暮らしを楽しくするために、キャットタワーやキャットウォークなどを準備してあげてください。
さらに、狩猟本能を満たせる 猫のおもちゃ も用意してあげましょう。
大人になっても遊び心を忘れない猫です。
ターキッシュアンゴラはあまり人見知りせず、訪問者とも仲良くなれます。
お客さんのあとをついて歩いたり話しかけたりするので「犬のような猫」といわれることも。
社交的で人間が大好き。
そして他の猫や 犬 とも仲良くできます。
ターキッシュアンゴラはとても賢いため、 キャットフード のしまい場所や開け方などを覚えるとすぐに繰り返し行ってしまいます。
一旦覚えてしまったものを治すことは難しいです。
ゴミ箱のいたずらなど、してほしくないことは最初からできないように工夫しましょう。
活動的で遊び好きなので、おもちゃなどで一緒に遊んであげられる時間が取れない人、猫のいたずらにユーモアと忍耐を持って対処できない人には向いていません。
ターキッシュアンゴラはとても美しい長い被毛を持っていますが、シングルコートなのでお手入れはさほど難しくありません。
もつれやすいアンダーコートがないのでブラッシングをしやすく、週1〜2回程度行えば大丈夫でしょう。
ターキッシュアンゴラ本来の被毛の長さになるのは2歳くらいまで成長してからで、子猫とのときは短毛に見えます。
ターキッシュアンゴラは丈夫な品種ですが、歯肉炎になりやすいのは他の猫と一緒です。
できればブラシでの歯磨きをしたいところですが、難しい場合は液体歯磨きを併用したり、歯肉炎になりにくいフードにするなどの工夫をすると良いですね。
ターキッシュアンゴラは野生種の猫に近い本能を持っています。
冒険心があり運動能力が高いので、一旦外に出ると帰ってこなくなる可能性が大。
完全室内飼育をしてください。
遊びが好きで冒険心あふれるターキッシュアンゴラが室内で退屈せずに過ごせるように、高い場所を用意してあげましょう。
冒険心が満たされるように、歩く場所が細いキャットウォークなどがあるとより楽しめます。
野生種の血を引き継ぎ、山岳地帯で生きられる体に進化したターキッシュアンゴラは、一般的に丈夫で、遺伝子疾患などは比較的少ないと言われています。
ターキッシュアンゴラは被毛に色がついているタイプもありますが、被毛が真っ白でオッドアイであった場合は片方または両方の耳が難聴であることがあります。
真っ白でオッドアイのターキッシュアンゴラは貴重なので珍重されますが、耳が聴こえない場合は外では暮らせませんから、必ず室内飼育をしてあげる必要があります。
室内のみで暮らす分には難聴であっても、人間が注意してあげれば問題なく暮らせるでしょう。
猫にときどき見られる病気ですが、ターキッシュアンゴラも発症する病気です。
遺伝によるものではなくても、シニア以上になると発症しやすい傾向があります。
予防は難しい病気ですが、若い猫にも関わらず運動したがらない、寝てばかりいるなどの様子が見られたら早期に獣医に相談しましょう。
ターキッシュアンゴラはまれに運動失調症を発症することがあるとされています。
小脳に異常があることによる神経系の病気ですが、うまく歩けない、頭が傾いてしまうなどの症状が見られることがあります。
先天性の場合はごく幼いときから症状が現れますが、それ以外の病気や菌の感染などが原因になることもあります。
万が一発症しても、完全に室内で飼育し、高所や階段などを避けるようにすれば生活は可能です。
人間が運動を制限しなくても、成長した猫は高い場所など自分で危険な場所には行かないようになることが多いでしょう。
雑菌が繁殖しないよう陶器製のものをおすすめします。
水分を摂取しやすくなるように水用の食器は複数個用意しましょう。
あまり小さいトイレは、猫は好まないので少し大きめのものがいいです。
猫のトイレは猫の数プラス1個以上が理想。
大と小を分けて使用する猫もいますし、トイレが汚れていることによる粗相も予防できます。
猫砂も様々な種類が発売されていますが、猫は一般的に細かい砂のほうが好きです。
可能であれば猫砂も2種類使ってみると猫の好みが把握できるでしょう。
猫砂が気に入らなくて粗相する場合もあります。
大きくなれば自由に室内の放し飼いで大丈夫ですが、子猫のうちは留守番時など危険な場合がありますからケージがあったほうがいいでしょう。
猫は高さが必要ですから、2段以上あるケージが望ましいですね。
必ずしもなくてもいいですが、猫が安心できる場所を作ってあげましょう。
病院などに行く際に必ず必要です。
移動時は行方不明になることを避けるために必ずキャリーに入れてください。
ターキッシュアンゴラは長毛ですのでブラシが必要です。
歯磨き用品なども用意しておきましょう。
完全室内飼育が望ましいですので、室内の高い場所を確保できるようにキャットタワーやキャットウォークなどを準備してあげましょう。
このように、合計すると準備に総額59,000円ほどかかることになります。
1日の食事量を50g~60gとすると(年齢・体重などによって変わります)、1ヶ月で約2kgのキャットフードが必要になります。
猫は、本来は肉食獣ですから穀物が少ないものを選んであげてください。
健康のためには添加物もなるべく少ないキャットフードがいいでしょう。
食事からも水分をとらせたいのでウエットフードも必要になってきます。
トイレの砂はいつでも清潔な状態を保ってあげてください。
完全室内飼育でも人間が持ち込む菌やウイルスから猫を守るために最低限、3種混合ワクチンを年に1度接種しましょう。
爪とぎがあると壁や家具での爪とぎを減らせます。
年間の費用は、14万円は見積もる必要があります。
18年生きたとすると252万円の費用が掛かります。
病気やけがになったときのための診療代も経費として考えておきましょう。
費用の面からも家族に迎えることが可能かどうか検討してください。
※合わせて読みたい: 猫の飼い方!費用、エサ、しつけ、病気から老後の世話まで
希少種なので、価格は30万円ぐらいからと高額な傾向があります。
ターキッシュアンゴラに関する専門知識と猫に対する愛情があるブリーダーから購入しましょう。
購入前にブリーダーを訪問してみることをおすすめします。
狭いアパートの1室で、猫をすし詰め状態にして繁殖しているような悪質ブリーダーも数多く存在します。
動物の数が多くても清潔にしていれば匂いはしないものです。
きちんと愛情を持って管理されているか確認しましょう。
また、子猫が親猫から早期に引き離されたり飼育者から愛情をかけてもらっていないと、甘噛の力加減ができなかったり人間への愛情が希薄だったりする場合があります。
日本では小さい子猫を希望する消費者が多いですが、アメリカの猫種を登録している組織であるCFAは優良なブリーダーは生後12週〜16週を経過した子猫を譲渡するとしており、それ以下のごく幼い子猫を譲渡するブリーダーは良くないことを示唆しています。
日本でも生後8週齢での譲渡販売は禁止されていますから、動物愛護の精神にのっとって繁殖しているブリーダーかどうか見極めてください。
1.原産国:トルコ
2.歴史:最も古い歴史を持つ猫の1種。祖先は野生種のマヌルネコとされている。ヨーロッパで人気になったものの乱繁殖で絶滅状態に陥る。しかし、原産国トルコでは国宝として大切にされていたので種が維持された。
3.体の大きさ:中猫程度 平均的な体重は2.5kg~5kg
4.寿命:13歳〜18歳 余計な改良が加えられていないため丈夫な体を持つ。
5.特徴:美しい長い被毛を持ち、ほっそりとした引き締まった体を持つ。運動能力に優れており、高い場所を好む。
6.性格:フレンドリーな性格で、人間とも他のペットとも仲良くできる。賢く、ドアなどは簡単に開けてしまうので脱走されないように注意する必要がある。
7.気をつけたい病気:難聴、肥大型心筋症、運動失調症
ターキッシュアンゴラはトルコでは国宝級とされ、その特性や姿を保持するために余計な改良を加えられていない本来の美しさを持った貴重な猫です。
賢いので脱走に注意する必要はありますが、性格もフレンドリーで飼いやすい猫といえますね。
ターキッシュアンゴラは寿命が長い傾向があるので、その分費用もかかりますし面倒も見てあげなくてはいけません。
その点も十分考慮して家族に迎えてほしいです。
公開日 : 2017/07/27