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【元動物園の飼育員が解説】レッサーパンダの威嚇が可愛すぎる!?レッサーパンダの生態や威嚇姿について






もこもこの毛にしましまのしっぽがかわいらしい、動物園のアイドル「レッサーパンダ」。
レッサーパンダはそのかわいさからファンも多く、SNSでもよくその姿を見かけますよね。

そんなレッサーパンダが、威嚇する姿までかわいらしいことをご存じでしょうか。
本記事では元動物園飼育員である筆者が、レッサーパンダの生態や種類、その威嚇する姿について解説していきます。

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【目次】レッサーパンダの威嚇が可愛すぎる!?元動物園飼育員がレッサーパンダの生態や威嚇姿について説明

 

レッサーパンダの生態

レッサーパンダの分布と種類

レッサーパンダの大きさ

レッサーパンダの鳴き声

レッサーパンダの食性

レッサーパンダの特徴

レッサーパンダの繁殖 

シセンレッサーパンダの生態まとめ

かわいい?こわい?レッサーパンダの威嚇について

レッサーパンダがいる動物園

【千葉県】千葉市動物公園

【静岡県】静岡市立日本平動物園

【静岡県】熱川バナナワニ園

 

 

レッサーパンダの生態

 

木の上で寝そべるレッサーパンダ

 

レッサーパンダは中国やミャンマー、インド周辺に暮らしている食肉目の動物です。

ジャイアントパンダより小さいパンダということで、“レッサー”パンダと名付けられました。

※レッサー(lesser)は“小さい”“小さい方の”という意味合いです。

 

レッサーパンダは食肉目の動物ですが、タケやタケノコを主食にしています。

薄暗くなってから行動する“薄明薄暮性”(はくめいはくぼせい)の動物で、昼間は木の上で休み、夕方になると地上に降りて食べ物を探して歩き回って暮らしています。

 

竹を食べるジャイアントパンダ

 

なお、同じパンダの仲間である「ジャイアントパンダ」も、タケを主食とする動物です。

しかし、タケは非常に硬くて食物繊維が多く、簡単に消化吸収できるものではありません。

特にもともと肉食の動物であるレッサーパンダやジャイアントパンダにとっては、決して栄養価が高いとはいえない食べ物です。

 

では、彼らはなぜ栄養満点とはいえないタケを食べ始めたのでしょうか。

 

それは他の動物との、食べ物をめぐる争い避けるためではないかと考えられています。

肉や他の食べやすい植物や果実を求めて争うことを避け、他の動物がほとんど食べないタケやタケノコなどを主食にして暮らすようになったようです。

 

ただ、パンダたちにとって、タケは消化と栄養の効率がよくない食べ物であることは変わりません。

そのため、彼らはたくさんのタケを食べて、必要なエネルギーを確保しています。

彼らがよく休み、ゆったりと動くのはなるべくエネルギーを節約するためといわれています。

 

レッサーパンダの分布と種類

 

リンゴ一切れとレッサーパンダ

 

レッサーパンダには 「シセンレッサーパンダ」 「ニシレッサーパンダ」 という、2つの種類があります。

そして、国内で飼育されているレッサーパンダは、ほとんどが中国周辺に生息する「シセンレッサーパンダ」です。

 

以下にレッサーパンダ2種について、その分布や生態を説明します。

 

1.  シセンレッサーパンダ

 

前足をなめるレッサーパンダ

 

シセンレッサーパンダは、私たちが日ごろ「レッサーパンダ」と呼んでいる方のレッサーパンダです。

雪が降り積もる寒い地域に生息していることから、暑くてしっかりとした毛皮を持っています。

燃えるような赤い色をしていることから、英語では「Red Panda」「Fire Cat」などと呼ばれています。

 

シセンレッサーパンダ の基本データ

 

学名:Ailurus fulgens styani

生息地:中国(雲南省・四川省)からミャンマー北部

体長:約50~60cm(尾の長さ:約30~50cm)

 

2.  ニシレッサーパンダ(ネパールレッサーパンダ)

 

ニシレッサーパンダ

 

別名ネパールレッサーパンダとも呼ばれる、インドやネパールに生息しているレッサーパンダです。

シセンレッサーパンダよりやや体が小さく、その分暑さに強いといわれています。

生態や遺伝的にはシセンレッサーパンダとほとんど差異がないものの、2種は全く別種の動物と考える研究者もいるそうです。

 

ニシレッサーパンダ の基本データ

 

学名:Ailurus fulgens fulgens

生息地:インド北東部、ネパール、ブータン

体長:約50~60cm(全体的にシセンレッサーパンダより小さめ)

 

レッサーパンダの大きさ

 

左向きのレッサーパンダ全身

 

レッサーパンダの体長(尻尾を除く)は50~60cm、尻尾は30~50cmほど、体重は3~7Kgほどです。

非常に厚くてふわふわの毛皮をまとっているため、もう少し大きめに見えるかもしれません。

 

レッサーパンダの鳴き声

 

 

レッサーパンダは 「キュルルル」「ピィピィ」 といったかわいらしい声で鳴きます。

 

発情期である1~3月頃になると、オスとメスが鳴き交わす姿が見られます。

しかし、鳴くかどうかは個体差が大きいようで、筆者が勤めていた動物園のレッサーパンダはほとんど鳴きませんでした。

 

レッサーパンダの食性

 

竹に刺したリンゴを食べるレッサーパンダ

 

レッサーパンダは雑食性の動物です。

基本的にはタケやタケノコなどの植物質を好み、主食として食べています。

 

野生下ではそれに加え小型の哺乳類や鳥類の卵、果物や昆虫なども食べているとされています。

なお、動物園ではタケに加えてレッサーパンダ用のペレット、リンゴやオレンジなどを与えています。

 

レッサーパンダの特徴

 

スロープを上るレッサーパンダ

 

レッサーパンダの大きな特徴の1つが 「明るい赤色の毛皮」 です。

 

一見派手にも見える色合いですが、木の上で体を丸めると保護色となり、ほとんど目立ちません。

彼らはこの保護色を利用して、テンやユキヒョウなどの天敵から身を守っています。

 

また、レッサーパンダのもう1つの特徴は 「前足で物を掴むことができる」 という点です。

レッサーパンダの前足には5本の指に加え、手首に6本目の指と呼ばれるでっぱり(種子骨)があります。

この6本目の指を上手に使い、タケやリンゴなどを器用に掴んで食べます。

 

なお、物を掴むことができる動物は一部の サル カンガルー パンダ の仲間だけだといわれています。

 

レッサーパンダの繁殖 

 

 

レッサーパンダは生後約18か月で性成熟を迎え、繁殖ができるようになります。

 

1~3月になると発情期を迎え、オスとメスが鳴き交わす姿が良く見られるようになります。

交尾の後90~168日ほどの妊娠期間を経て、1回に1~2頭の赤ちゃんを生みます。

 

シセンレッサーパンダの生態まとめ

 

分類:食肉目(ネコ目) レッサーパンダ科 レッサーパンダ属

和名:シセンレッサーパンダ

学名:Ailurus fulgens styani

英名:Red Panda、Lesser panda

分布:中国(雲南省・四川省)からミャンマー北部

大きさ:50~60cm(尾の長さ:30~50cm)

鳴き声:「キュルルル」「ピィピィ」など

食性:雑食

繁殖:

性成熟・生後約18か月
妊娠期間・90~168日

寿命:約15年(野生下では10年ほど)

 

 

かわいい?こわい?レッサーパンダの威嚇について

 

口を開けて立つレッサーパンダ

 

ここまでは、レッサーパンダの生態や種類について解説してきました。

見た目や動きがかわいらしいレッサーパンダは、実は威嚇する姿もとってもかわいらしいのです。

 

ここからは、レッサーパンダのかわいらしい威嚇姿を紹介していきます。

 

 

野生で暮らすレッサーパンダの天敵は、テンやユキヒョウなどの肉食動物です。

 

レッサーパンダも多くの肉食動物と同じく食肉目の動物であり、するどい牙や爪をもっています。

しかし、日頃植物を食べてゆったりと生活している彼らは、それらの武器を使って肉食動物に立ち向かっていくことは難しいようです。

 

そのため、レッサーパンダたちはその身に危険が迫ると、後ろ足で立ち上がって相手を威嚇します。

これは体を大きく見せることによって、相手にプレッシャーを与えようとしていると考えられています。

 

 

レッサーパンダ的には、一生懸命 「自分は大きいぞ!強いぞ!」 と威嚇しているのでしょう。

 

残念ながら、人間にとってはただただかわいらしい姿にしか見えません。

天敵やほかのレッサーパンダには立ち上がったレッサーパンダがどのように見えているのか、とても気になりますね。

 

 

レッサーパンダがいる動物園

 

飼育員の手に前足を差し出すレッサーパンダ

 

ここまでレッサーパンダの生態やかわいらしい威嚇姿について説明してきました。

 

レッサーパンダについて詳しくなったところで、実際彼らに会いに行ってみてはいかがでしょうか。

タイミングやレッサーパンダの機嫌次第ですが、威嚇姿を見ることができるかもしれません。

 

この項目では、レッサーパンダについて有名な動物園を紹介していきます。

 

【千葉県】千葉市動物公園

 

 

千葉市動物公園では、2本足で立つレッサーパンダとして一世を風靡した「風太」が暮らしています。

タイミングがよければ、展示場に設置されている遊具で遊ぶ姿や木に登る姿が見られるかもしれません。

 

毎日行われているリンゴタイムでは、レッサーパンダたちが両手でリンゴを持って食べる姿を見ることができますよ。

 

千葉市動物公園の基本情報

 

住所:千葉市若葉区源町 280番地

マップ: Googleマップ

電話番号:043-252-1111

入園料:

大人(高校生以上) 700円
中学生以下     無料

開園時間:9:30~16:30

休園日:水曜日(祝休日の場合は翌日)、年末年始(12月29日~1月1日)

公式ホームページ: 千葉市動物公園

 

【静岡県】静岡市立日本平動物園

 

 

日本平動物園は、静岡県の政令指定都市、静岡市立の動物園です。

10頭近くのレッサーパンダを飼育しており、繁殖にも力を入れて取り組んでいます。

 

国内で飼育されているシセンレッサーパンダの血統管理を担当し、野生レッサーパンダの保護活動や啓もう活動も行っています。

 

静岡市立日本平動物園の基本情報

 

住所:静岡市駿河区池田1767-6

マップ: Googleマップ

電話番号:054-262-3251

入園料:

一般(高校生以上) 620円
小・中学生     150円

開園時間:9:00~16:30

休園日:月曜日(祝祭日の場合は翌平日)、12月29日~1月1日

公式ホームページ: 静岡市立日本平動物園

 

【静岡県】熱川バナナワニ園

 

 

静岡県にある熱川バナナワニ園は、その名前の通りバナナとワニをメインとしたテーマパークです。

日本で唯一「ニシレッサーパンダ」を飼育・展示している施設でもあります。

 

シセンレッサーパンダと見比べて、どんな違いがあるのか探してみてください。

 

熱川バナナワニ園の基本情報

 

住所:静岡県賀茂郡東伊豆町奈良本1253-10

マップ: Googleマップ

電話番号:0557-23-1105

入園料:

大人           1,800円
こども(4歳〜小学生) 900円

開園時間:9:00~17:00

休園日:年中無休

公式ホームページ:  熱川バナナワニ園

 

 

今回はレッサーパンダの生態やその威嚇する姿について紹介してきました。

レッサーパンダが2種類いること、そして面白い習性や体つきをしていることが伝わったでしょうか。

 

左前足でリンゴを食べるレッサーパンダ

 

統計を取ったわけではありませんが、日本人は総じてレッサーパンダが好きな傾向にあるようです。

 

そうというのも、なんと世界中で飼育されているシセンレッサーパンダのうち、実に7割が日本国内で飼育されているのです。

つまり、動物園でこれほどまでにシセンレッサーパンダが見られるのは日本だけということです。

 

こちらをのぞき込むレッサーパンダ

 

そんなレッサーパンダですが、野生では大きく数を減らしており、絶滅危惧種に指定されています。

現地での状況はあまり良いとはいえず、積極的に保護していかなければ20年以内に絶滅してしまうと警告する専門家もいます。

 

レッサーパンダはペットとして飼える動物ではありません。

ですが、幸運なことに日本では数多くのレッサーパンダが飼育されているため、動物園に行ったときはぜひじっくりとその姿を観察してみてください。

 

かわいらしい威嚇姿を目撃、撮影できたらかなりラッキーかもしれません。

 

▼合わせて読みたい

 

・  レッサーパンダの生態、特徴、歴史

・  レッサーパンダはペットとして飼育できる?価格・平均寿命はどのくらい?


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