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草食なのに筋肉質なボクサー!カンガルーの生態や種類、そのパワーについて解説






カンガルーはオーストラリアに生息する、有袋類の一種です。
メスのお腹に袋があり、その中で子どもを育てることで有名な動物です。

本記事ではカンガルーの生態や特徴をはじめ、その力の強さや筋肉について解説していきます。
知っているようで意外と知らない、カンガルーのディープな素顔に迫っていきます。

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【目次】草食なのに筋肉質なボクサー!カンガルーの生態や種類、そのパワーについて解説

 

カンガルーの生態

カンガルーの生息地

カンガルーの食性

カンガルーの種類

1. アカカンガルー

2. オオカンガルー(ハイイロカンガルー)

3. アカワラルー

4. ベネットワラビー(アカクビワラビー)

5. クアッカワラビー

6. セスジキノボリカンガルー

カンガルーとワラルー、ワラビーの違い

カンガルーの特徴

1. 生まれたての子どもがとても小さい

2. 誕生日がわかりづらい

3. 同時に3匹の子どもを宿せる

カンガルーの筋肉について

カンガルーの力の強さ

カンガルーの肉について

さいごに

 

 

カンガルーの生態

 

上からみたカンガルーの顔アップ

 

カンガルーのお腹に袋があることは良く知られていますが、それ以外にどんな特徴があるのでしょうか。

まずはカンガルーの生態をご紹介します。

 

カンガルーの生息地

 

エアーズロック

 

カンガルーの生息地はオーストラリア、タスマニア、ニューギニアです。

オーストラリアとその周辺の島にのみに生息しています。

 

カンガルーの食性

 

葉を食べるカンガルー

 

カンガルーは木の葉や芽、木の実、果物などを食べる草食性の動物です。

一部のカンガルーは昆虫を食べることもあります。

 

動物園ではチモシーやアルファルファなどの牧草に加えて、キャベツ、ニンジン、サツマイモ、草食動物用ペレットを与えています。

 

 

カンガルーの種類

 

青空とカンガルー

 

オーストラリア周辺にのみ生息するカンガルーですが、現状 70種程の仲間が存在する と言われています。

全種を取り上げることはできませんが、一部の種類についてその生態や特徴を紹介していきます。

 

1. アカカンガルー

 

伏せるアカカンガルー

 

アカカンガルーは世界で一番大きな有袋類の一種です。

成長したオスは喉や胸から赤い液が分泌され、全身が赤褐色に染まるためこの名前が付けられました。

なお、メスはこの赤い液が分泌されないことから、体の色は青灰色です。

 

アカカンガルーは後ろ足が非常に発達しており、ジャンプすると前方に最大8mほど跳ぶことができます。

そして、時速60kmほどのスピードを保ったまま数分間飛び続け、助走をつけずに2mほどの高さまでジャンプできるアスリートのような筋肉を持っています。

 

アカカンガルーの基本データ

 

学名:Macropus rufus

体長:0.8〜1.6m

体重:17〜90Kg

生息地:オーストラリアのほぼ全域

 

2. オオカンガルー(ハイイロカンガルー)

 

 

オオカンガルーはアカカンガルーと並ぶ、非常に大きな体をもったカンガルーの一種です。

メスよりオスの方が大きく、非常に筋肉質な体つきをしています。

 

オオカンガルーは森林を好むためか、アカカンガルーよりはやや生息地が限られています。

後ろ足の力が非常に強く、本気で飛び跳ねると時速50kmものスピードを出すことができます。

 

オオカンガルー(ハイイロカンガルー)の基本データ

 

学名:Macropus giganteus

体長:1〜1.5m

体重:25〜60Kg

生息地:オーストラリア東部、タスマニア島

 

3. アカワラルー

 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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アカカンガルーとオオカンガルーよりわずかに小さい、カンガルーの一種です。

オーストラリアでは一般的な草食動物で、平坦な土地で群れをなしている姿がよく見られます。

 

現在日本の動物園では飼育されておらず、国内でその姿を見ることはできません。

 

アカワラルーの基本データ

 

学名:Macropus antilopinus

体長:0.8~1.5m

体重:14~70Kg

生息地:オーストラリア北部

 

4. ベネットワラビー(アカクビワラビー)

 

ベネットワラビー全身

 

ベネットワラビーはワラビーの仲間の中では、最も大きい体を持っています。

背中側の首の毛が赤いことから、アカクビワラビーとも呼ばれることもあります。

 

愛らしい見た目で大人しく、飼いやすいことから国内の動物園でも比較的多く飼育されています。

 

ベネットワラビー(アカクビワラビー)の基本データ

 

学名:Macropus rufogriseus

体長:0.7〜0.8m

体重:12〜15Kg

生息地:オーストラリア南東部、タスマニア

 

5. クアッカワラビー

 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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クアッカワラビーは“世界一幸せな動物”とも呼ばれる、小さな有袋類です。

つぶらな瞳にまるで笑っている様な表情、そして一緒に自撮りをしてくれるほどの人懐っこさからSNSで大人気になっています。

 

日本の動物園では飼育されていないため、クアッカワラビーに会いたい方は現地に行くしかありません。

 

クアッカワラビーの基本データ

 

学名:Setonix brachyurus

体長:0.4〜0.5m

体重:2.7~4.2Kg

生息地:オーストラリア南西部

 

6. セスジキノボリカンガルー

 

 

セスジキノボリカンガルーは、木の上で暮らす珍しいカンガルーです。

一見カンガルーらしくない見た目ですが、お腹に袋を持つ有袋類の仲間です。

 

彼らはアカカンガルーやオオカンガルーのように、尻尾だけで立つことはできません。

その長い尻尾を器用に使ってバランスを取り、木の上で葉や果実を食べて暮らしています。

 

セスジキノボリカンガルーの基本データ

 

学名:Dendrolagus goodfellowi

体長:0.6mほど

体重:8~8.5Kg

生息地:ニューギニア島の中央部〜東部

 

 

カンガルーとワラルー、ワラビーの違い

 

ワラビーの群れ

 

ここまで一部のカンガルーについて、種類やその生態を説明してきました。

カンガルーの仲間6種を取り上げましたが、カンガルーとワラルー、ワラビーにはどのような違いがあるかわかったでしょうか。

 

身も蓋もない回答になりますが、 実はカンガルーとワラルー、ワラビーには明確な差がありません。

体が大きい種がカンガルー、小さい種がワラビーと呼ばれています。

そして、カンガルーとワラビーの間、中くらいの大きさの種はワラルーと呼ばれています。

 

この分類については、具体的に 「◯◯cm以上ならカンガルー」 という決まりもありません。

意外と大胆で、やや大雑把な分類方法に驚いた方も多いのではないでしょうか。

 

カンガルーとワラルー、ワラビーは種類が違っても生態や習性がほとんど同じであることから、明確な分類がしづらかったのかもしれません。

 

※合わせて読みたい:  ワラビーの飼い方、カンガルーとの違い

 

 

カンガルーの特徴

 

寝転がるカンガルーの親子

 

カンガルーの生態や多くの種類があることが伝わったでしょうか。

この項目は不思議で面白い、有袋類のカンガルーならではの特徴を説明していきます。

 

1. 生まれたての子どもがとても小さい

 

 

カンガルーは有袋類という、袋の中で子育てをする動物の仲間です。

 

そんなカンガルーの子どもは非常に小さく、未成熟な状態で生まれてきます。

子どもは最大種のアカカンガルーでも 約2cm、1gほどという指の先ほどの大きさ しかありません。

 

カンガルーの子どもは生まれると、小さな体の力を振り絞って自力で袋の中に移動します。

その時、母親は子どもが移動しやすいように、袋までの道のりを舐めて道を作ってあげるそうです。

 

そして袋にたどり着いた子どもは、中にある乳頭からおっぱいを飲みながら育っていきます。

その後、子どもは長い間(アカカンガルーでは8か月ほど)、母親の袋の中で生活します。

 

2. 誕生日がわかりづらい

 

袋に入っているカンガルーの子どもアップ

 

カンガルーは先程説明した、少し変わった出産と育児をする動物です。

そのため、いつ妊娠したのか、いつ子どもが生まれたのかわかりづらいという特徴があります。

 

どうしても正確な誕生日を把握することが難しいため、便宜上 「初めて袋から顔を出した日を誕生日とする」 動物園が多いようです。

 

3. 同時に3匹の子どもを宿せる

 

授乳するカンガルーと子ども

 

また、カンガルーには 「着床遅延」 という現象が見られることでも知られています。

着床遅延はクマや一部の イタチ にも見られる、交尾で受精した受精卵がある一定の条件が整うまで子宮の中を浮遊し、条件(エサの量や気温など)が整うと着床して成長していく仕組みのことを示します。

 

この仕組みのおかげで、カンガルーはなんと 成長段階が違う子どもを同時に最大3匹宿す ことができます。

カンガルーが非常に強い繁殖力を持つ、生命力にあふれた動物であることがわかりますね。

 

 

カンガルーの筋肉について

 

 

カンガルーのオスは体が大きく、非常に筋肉質な体をしています。

カンガルーは草食であるにも関わらず、なぜ体が大きく筋肉質なのでしょうか。

 

その理由はずばり、 自分の遺伝子を持った子孫を残すため です。

 

カンガルーは「ブーマー」と呼ばれる1匹のオスを中心に、メスとその子供たちで群れを作ります。

ボス以外はメスと最初に交尾をする権利がなく、自分の遺伝子を持った子孫を残すことができません。

 

そのため、なんとか群れのボスの座を守ろう、もしくは得ようとオスたちは激しい争いを行います。

この時に体が大きく、力が強いほど優位というわけです。

 

 

国内では須坂市動物園で暮らしサンドバッグを相手にトレーニングする「ハッチ」が、海外ではオーストラリアの保護区で暮らしていた群れのボス「ロジャー」がマッチョすぎるカンガルーとして一世を風靡しました。

 

カンガルーの力の強さ

 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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カンガルーの最大種であるアカカンガルーは直立すると体長2m、体重は最大で90Kgほどにもなります。

 

カンガルーのオスは両手を使ったボクシングと、両足を使ったキックボクシングで順位争いをします。

強靭な尻尾だけで体を支え、発達した両足を前に繰り出すカンガルーのキックはとんでもない破壊力を持っています。

 

その威力は直撃すると成人男性でも簡単に吹っ飛び、内臓破裂しかねないほど。

アカカンガルーのロジャーは生前、金属でできたバケツを潰して遊んでいたそうです。

 

カンガルーの筋肉はその見た目を裏切らない、強力なパワーを持っていることがわかりますね。

そうとはいえ、カンガルーが人を襲って傷つけるような事件は数えるほどしか起こっていないようです。

 

カンガルーの肉について

 

 

ここまでカンガルーがとてもパワフルな動物であることを説明してきました。

実はそんなカンガルーのパワーが詰まった、カンガルー肉が流通していることをご存じでしょうか。

 

オーストラリアでは牛や羊向けのエサや水を拝借し、一部のカンガルーが爆発的に増加しています。

そのため、政府は環境のバランスを保ち、自然を守る目的でカンガルーを狩猟し間引いているそう。

そして、その際に取れたカンガルーの皮や肉を、多くの国に輸出しています。

 

カンガルーの肉はタンパク質が多くて脂肪分が少なく、非常にヘルシーな赤身肉です。

ただ、独特の獣臭があり、焼き過ぎると固くなる性質もあるため、牛肉や豚肉と全く同じように扱うのは難しいようです。

 

 

さいごに

 

こちらを見るカンガルー顔アップ

 

カンガルーの生態やその力の強さについて説明してきました。

かわいらしいイメージのカンガルーですが、実は意外と力強く生命力にあふれた動物であることが伝わったでしょうか。

 

カンガルーの腕や脚のパワーはすさまじく、天敵であるディンゴを撃退してしまうこともあるそう。

動物園でカンガルーやワラビーを見かけたら、ぜひじっくりとその体つきや筋肉を観察してみてください。


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