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サンコウチョウはスズメ目の「カササギヒタキ科」に属する鳥です。
見た目と鳴き声に特徴がある鳥で、特にオスの長くて優雅な尾羽をはためかせながら飛ぶ姿は、愛鳥家の憧れの的になっています。
インドシナ半島、マレー半島、韓国、日本(本州より南)など。
サンコウチョウの全長はオスで45cm程、メスで18cm程です。
全長に尾の長さが含まれているため、オスの方が大きい数字になっていますが、体の大きさ自体はほとんど変わりません。
体重は20g程度で翼を広げると20cm程、 スズメ と同じくらいの大きさです。
サンコウチョウは「ツキ ヒ ホシ ホイホイホイ」と鳴きます。
その鳴き声が「月 日 星」と聞こえることから、 三つの光の鳥“サンコウチョウ” と呼ばれるようになったそうです。
サンコウチョウは昆虫を食べる、昆虫食の鳥です。
木々の間を飛び回り、飛んでいる昆虫を器用に捕らえて食べています。
オスの頭と胸は紫がかった黒色で、頭には黒くて短い冠羽があり、30cmにもなる長い尾羽を持っています。
一方のメスはオスより全体的に色が暗く、背中から尾にかけて赤褐色がかった色で尾羽は短めです。
オスメスともくちばしもコバルトブルー色で、目の周りに特徴的なコバルトブルー色のアイリングがあります。
サンコウチョウは5月頃から木の枝にコケや木の皮や枯れ枝などを混ぜ、クモの巣でくっつけたコップ状の巣を作ります。
どうやら巣にはこだわりがあるようで、卵を産む箇所には鳥の羽や哺乳類の毛が敷かれています。
巣が完成すると3〜5個の卵を産みます。
卵はオスとメスが交代で温めて12〜4日程で孵化し、雛は孵化後8〜12日ほどで巣立ちます。
サンコウチョウの寿命は不明です。
スズメの野生下での寿命が1年程、飼育下では10年程といわれてるため、サンコウチョウも同等の寿命を持っているのかもしれません。
日本国内では、2亜種のサンコウチョウが記録されています。
日本には繁殖のために飛来し、冬になると東南アジアへ渡っていく夏鳥です。
静岡県の県鳥に指定されており、同県のサッカーチーム・ジュビロ磐田のエンブレムにも描かれています。
チームのキャラクターであるジュビロくん、ジュビィちゃんはサンコウチョウがモデルになっています。
沖縄やトカラ列島・奄美諸島に夏鳥として飛来し、生息している亜種です。
大きさや見た目はほどんどサンコウチョウと変わりがないため、見分けるのは至難の技です。
分類:鳥綱 スズメ目 カササギビタキ科
和名:三光鳥
学名:Terpsiphone atrocaudata atrocaudata
英名:Japanese Paradise Flycatcher
分布:インドシナ半島、マレー半島、韓国、日本(本州より南)
大きさ:
全長:オス45cm程、メスで18cm程
体重:約20g
鳴き声:「ツキ ヒ ホシ ホイホイホイ」
食性:昆虫食
繁殖:
性成熟:詳細不明
抱卵期間:12〜14日程
産卵数:3〜5個程
寿命:詳細不明
日本国内において、サンコウチョウをペットとして飼うことは困難です。
当項目ではサンコウチョウを入手する方法や、飼育において必要と考えられるものについて解説していきます。
日本国内に生息しているサンコウチョウは 鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(鳥獣保護法) により、捕獲すること、商用目的で販売することや譲渡することが原則禁止されています。
購入できるとすれば海外産の個体、あるいは海外産の個体から繁殖させた個体のみとなります。
ペット用として一般的に流通している鳥ではないため、具体的な価格は不明です。
国産のサンコウチョウは鳥獣保護法により保護されているため、 基本的にペットとして飼うために捕獲することはできません 。
特例として環境大臣もしくは都道府県知事の許可を得れば捕獲することができますが、学術研究目的や動物による農作物被害の防止目的など、具体的な目的がなければ許可が下りることはないでしょう。
サンコウチョウは現状ワシントン条約(CITES)の付属書に掲載されていないことから、海外から輸入することは法律上不可能ではないと考えられます。
動物の輸入に詳しいペットショップや業者に相談すれば、入手できるかもしれません。
ちなみに国産のサンコウチョウでも、怪我や病気で弱った個体を保護し、回復するまで飼育することは可能です。
しかし、サンコウチョウをはじめとした野生動物を保護する場合はいかなる理由があっても、必ず住んでいる都道府県の野生鳥獣を管轄する部署に連絡し、その指示を仰いでください。
サンコウチョウはペットとしてメジャーな鳥ではありません。
飼育方法が確立していないということは与える餌の種類や量、頻度から適切な温度までサンコウチョウに関わる全ての事項が手さぐりになってきます。
サンコウチョウを健康的に飼育するためにはいかに早く適切な飼育方法を見出すことができるか、柔軟に対応することができるかが鍵になってくるでしょう。
野生由来の個体の場合は捕獲されたストレスや環境の変化で餌を食べることを拒否したり、暴れて大怪我をおったりしてそのまま衰弱死してしまうことも珍しくないことを知っておいてください。
野生のサンコウチョウは生きた虫(ハチ・クモ・ガなど)を食べて暮らしています。
比較的入手しやすいミルワームや コオロギ などの生餌を与えると良いでしょう。
狭いケージでは羽を傷つけてしまう可能性があるため、少し大きめのものを用意すると良いでしょう。
特にオスは尾羽が長いため、なるべく広いスペースを確保してあげてください。
サンコウチョウは水浴びをする鳥です。
水浴び用の容器を用意し、好きな時に水浴びができるようにしてあげましょう。
サンコウチョウはとても警戒心が強い動物です。
人目を気にせず休むことができるように、巣箱を用意してあげましょう。
野生のサンコウチョウは木々が生い茂る森林に住んでいます。
なるべく自然に近い環境にするため、止まり木を用意しましょう。
市販されているものでも構いませんが、もし入手できるならば剪定した後などの葉がついた生木を使う良いでしょう。
その場合は、殺虫剤や農薬が付いていないか確認してから使うようにしてください。
2019年4月時点で、サンコウチョウを飼育している動物園は見つかりません。
今後野生のサンコウチョウが保護され、自然復帰が不可能と判断された場合は動物園で飼育されることもあるかもしれません。
しかし、なるべくそういった事態にならないことを願いたいものです。
当項目ではサンコウチョウが見られるかもしれない公園と、剥製が展示されている施設を紹介します。
静岡県にある総合運動公園エコパの森では、良くサンコウチョウが観察されています。
時期的には5月頃が多いようで、他にも カワセミ やノビタキ、 チョウゲンボウ などの野鳥も一緒に観察できるかもしれません。
住所:静岡県袋井市愛野2300-1
マップ: Googleマップ
電話番号:0538-41-1800
料金:無料
開園時間:8:30~21:00
休園日:無し
公式ホームページ: 静岡県小笠山総合運動公園エコパ
埼玉県所沢市にある、3500ヘクタールもの敷地を持つ自然と触れ合い学ぶための施設です。
こちらの施設では県内で保護・治療されたものの、衰弱死してしまったオスのサンコウチョウの剥製を展示しています。
繁殖時期のきれいな尾羽が生え揃った貴重な標本は、一見の価値ありです。
住所:埼玉県所沢市荒幡782
マップ: Googleマップ
電話番号:04-2939-9412
料金:無料
開園時間:9:00~17:00
休園日:月曜日(祝祭日の場合は翌日)および年末年始
公式ホームページ: 埼玉県狭山丘陵いきものふれあいの里センター
サンコウチョウは野鳥愛好家の憧れの的ですが、年々その数が減っていると言われています。
冬を過ごす東南アジアで森林の伐採が進み、サンコウチョウが生息できる環境が破壊されているのが大きな要因であるようです。
東南アジアの森林は私たちが日常的に使っているパーム油や紙のために伐採されているという側面もあり、日本人の生活もサンコウチョウに大きな影響を及ぼしていることを忘れないようにしたいものです。
サンコウチョウたちの美しい姿をずっと見続けられるように、日本のみならず海外の自然環境にも目を向けていけると良いですね。
最終更新日 : 2021/11/02
公開日 : 2019/04/11