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フトアゴヒゲトカゲを家に迎え入れる前に、これだけは揃えておこう
面構えに特徴があるフトアゴヒゲトカゲ。
爬虫類 ファンならずとも、こんな生き物を飼ってみたい!と思う人は多いのではないでしょうか。
実はこの「アゴヒゲ」、喉の下にある袋のことです。
危険を感じると、敵を驚かそうとして、この袋を膨らませるのです。
フトアゴヒゲトカゲはオーストラリア東部の原産。
昼間活動し、長時間、石や丸太の上で日光浴をします。
フトアゴヒゲトカゲは、成長すると、尻尾を入れて55cmから58cmになります。
フトアゴヒゲトカゲには、様々な色のバリエーションがあります。
ノーマルなタイプとしては、褐色やグレーがあります。
今日本のショップで取引されているフトアゴヒゲトカゲは、人の手で殖やされた子たちです。
オレンジ色や黄色が強く出ている個体をオレンジやイエローと呼んでいます。
値段は1万5千円から2万5千円ほど。
餌や光によって体色が変わることもあります。
黒い色素が少ないハイポやトランスという体色も出回っています。
イエロートランスやハイポオレンジと呼ばれ、価格は3万円ほど。
ハイポやトランスの場合、光や餌によって体色が変わることはありません。
フトアゴヒゲトカゲは、通常10年くらい生きます。
長いお付き合いになりますので、飼う前に十分考えましょう。
また、繁殖させる時も、生まれるベビーをどうするか、予め決めておいた方が良いですね。
馴らすためにはベビーの時から飼うのが一番です。
ただ、どんな動物もそうですが、赤ちゃんは病気になりやすいもの。
飼育に自信がない場合、1歳以上の子を飼うことをおすすめします。
爬虫類を飼うときは、まずその種類に適した環境を作っておくことが重要です。
飼育環境の良し悪しがフトアゴヒゲトカゲの健康にも関わるので、飼い始める前にケージ内の環境は完璧に整えておきましょう。
通気性のよいもの、逃げられないものを選びましょう。
成長すると50cm以上になるので、一匹で飼うとして、最低でも一辺1mは欲しいところです。
トカゲ は、 ヘビ とは逆に、体の大きさの割に広い空間が必要なので、理想的には1m50cmあると良いです。
もちろん、小さいうちはもっと小さめのケージでも構いません。
狭いケージで飼って、外に出して運動させればいいのではという人もいます。
ただ、爬虫類はサルモネラ菌を持っていることも多く、おすすめできません。
外に出す時は時間を限り、監視の下で行いましょう。
参考価格:18,080円(税抜)
メーカー名:鈴木製作所
サイズ(幅X奥行X高さ):120×45×45cm
重量:30㎏
生産国:日本
基本的には乾燥していることが重要です。
掃除が楽なのは紙。埃のたたない砂でも良いでしょう。
汚れたらすぐ取り換えましょう。
参考価格:905円(税抜)
メーカー名:ジェックス
内容量:3kg
生産国:中国
フトアゴヒゲトカゲは夜行性ではなく昼行性なので、紫外線ランプが必要です。
紫外線蛍光灯やUVライトを使いましょう。
もちろん、自然光でもいいのですが、ガラスは紫外線をブロックするので、直接、または金網越しに光が浴びられるようにします。
日光が不足する時期には、紫外線ランプを付けることが必須です。
自然光にせよ紫外線ランプにせよ、日陰も作ってあげてください。
参考価格:5,350円(税抜)
メーカー名:ジェックス
サイズ(幅X奥行X高さ):9.5×9.5×13.95cm
重量:80g
生産国:中国
温度管理は、爬虫類を飼う上で重要なポイントです。
パネルヒーターやプレートヒーターを、タイマーやサーモスタットと連動させて使います。
保温電球を使うときは、水滴が飛んでも壊れないタイプを使うか、金網などで覆った方が安全です。
フトアゴヒゲトカゲの場合、低温部は28度くらい、高音部は40度から43度必要です。
ケージの中に作る高温の部分をホットスポットといいます。
動物が必要に応じて高温部や低温部に移動できることが大切です。
夜間は21度から24度に下げます。
参考価格:2,679円(税抜)
メーカー名:みどり商会
サイズ(幅X奥行X高さ):25×0.1×22cm
重量:150g
爬虫類は、シェルターがないとストレスで参ってしまいます。
ランプや日光を十分浴びて、一休みするにもシェルターが必要です。
体全体がすっぽり入るくらいの隠れ家を入れてあげましょう。
参考価格:1,650円(税抜)
メーカー名:スドー
サイズ(幅X奥行X高さ):17.5×16.5×10.5cm
重量:920g
爬虫類を飼うには、動物の値段より環境作りにお金がかかると言われるとおり、以上を全て揃えると、初期投資としてなかなかの費用がかかります。
しかしながら、良好な飼育環境の中で十分な光を浴び、バランスの取れた餌を食べれば、10年くらい付き合ってくれますよ。
本当に飼いたいと思う方にとっては、必要な投資と言えるでしょう。
フトアゴヒゲトカゲは雑食性です。
コオロギ などの昆虫、ミールワーム、野菜(ブロッコリー、ニンジン、チンゲン菜、タンポポなど)や果物(リンゴ、オレンジなど)を食べます。
野菜や果物は細かく刻んで混ぜ合わせ、爬虫類用のカルシウムをまぶすと良いでしょう。
ひっくり返らないように安定した容器に入れて与え、食べ残しは取り除きます。
大人には1週間に4~5 回、生後半年までは毎日与えます。
昆虫やミールワームは通販でも売っています。
餌 の昆虫にも、餌を与えなければなりません。
コオロギには、新鮮で清潔な野菜を与えます。
冬には保温をするために、使い捨てカイロを利用するのが便利です。
蒸れないよう、通気性にも気を配ってください。
ミールワームにはフスマを与えます。
長めのピンセットで与えると良いでしょう。
ときどき肉を与えてもかまいませんが、リンが多い牛肉は避けましょう。
また、幼いときは動物性の餌を多く、成長するにしたがって、植物性の餌を多くします。
ベビーでも、ミールワームや昆虫が好きだからといって、そればかり与えるのはやめましょう。
野菜を受けつけなくなり、栄養のバランスが取れなくなってしまいます。
カルシウム補給として、小鳥用のイカの骨も砕いて与えると良いです。
オーストラリアの乾燥地帯に住んでいるフトアゴヒゲトカゲですが、水入れは必要です。
水浴はしないので、小さなもので十分です。
安定したものを選びましょう。
水は毎日替えてください。
適切な環境、バランスのとれた食事のほかに、気を付けるべき点は何でしょうか。
フトアゴヒゲトカゲがストレスを感じることなく、心身ともに健康に過ごしてもらうために、注意する点があります。
人に慣れやすいトカゲですから、手に取ったり、触ったりして大丈夫です。
背中のトゲトゲは実は柔らかく、痛くありません。
慣れてくれれば、掃除や治療のときにも楽ですね。
ただ、触るのは1日10分から15分に留めましょう。
爬虫類全般に言えることですが、フトアゴヒゲトカゲも、別に撫でてほしいとは思っていないようです。
また、買ってきた日や、環境が変わったときなどは、そっとしておいてあげてください。
手に取るときは、決して尻尾をつかんだり、つまみ上げたりしないことです。
お腹からすくいあげるようにしましょう。
何と生まれてすぐに上下関係を作るフトアゴヒゲトカゲ。
体が大きく、どっしりとした個体が必ず先に餌を食べます。
小さい時から少数で飼った方が、みんなが元気に育ちます。
生まれたての子を複数で飼う場合、1日に2~3 回餌をあげましょう。
みんなに行きわたるよう、少し余分に餌を用意します。
生後4週間くらいたったら、1日1回に減らします。
成長するとボスが現れ、縄張りを作ります。
大人は1匹かペアで飼うのが良いでしょう。
爬虫類を繁殖させたかったら、寒冷期を作って季節感を出します。
寒冷期を作るのはフトアゴヒゲトカゲが1歳を過ぎてからが良いでしょう。
最初の1年は、ずっと同じ温度で飼った方が無難です。
繁殖させる前に、生まれた子たちの行き先を決めておいてください。
寒冷期をウィンタークーリングともいいます。
日本では12月初めにスタートするのがいいでしょう。
いきなり温度を下げるのではなく、徐々に変化させてください。
フトアゴヒゲトカゲの場合は、7~8週間。
低温部は17~18度、ホットスポットは24~26度にし、夜間は15度くらいに下げます。
こうしてケージの中を人工的に冬の季節にします。
寒冷期の終わりには、再びゆっくりと温度を上げ、冬が終わり春が来たとフトアゴヒゲトカゲに感じさせます。
雌にはたっぷりの餌を与え、ペアを同じケージに入れて交配させます。
約3週間後に、雌を元のケージに戻します。
産卵用に、一部湿った砂を用意します。
穴が掘れるくらいの厚さに砂を入れてください。
交尾後45~60日で産卵します。
通気性のあるプラスチックの箱にバーミキュライトを入れます。
湿らせて、窪みを作り、卵が少し顔を出すように置いてください。
この時、母親が産み落としたまま、上下を入れ替えないように気を付けます。
鳥類 の卵と違って、上下を変えるのは厳禁です。
箱の中は、湿度10% 気温30度を保つと60~70 日で孵化します。
中には卵から出るのに何日もかかる子もいるので、そっと見守りましょう。
動き回るようになったら、赤ちゃんだけのケージに入れてください。
大人と同じか、やや低めの温度で育てます。
卵の栄養が体内に残っている間は、餌を食べません。
翌日から餌をすすめてみましょう。
大人に与える餌より、ずっと細かく刻んでください。
餌を食べない子や成長の早い子は、別の容器に移した方が良いです。
フトアゴヒゲトカゲに多い病気といえば、卵詰まりや寄生虫など、いずれも爬虫類全般に多いものばかりです。
病気になる前に、エキゾチックアニマルや爬虫類を見てくれる獣医さんを探しておきましょう。
詳しくは、Petpediaの 爬虫類の病気に関しての記事 もご覧ください。
予防は、温度管理をしっかりすること、ケージの中を清潔に保つことです。
糞や餌の残りは毎日取り除き、1週間に1回くらい、ケージの掃除をしてください。
また、ペットに触ったり、お世話をした後は、必ずよく手を洗いましょう。
英語表記: bearded dragon
原産地:オーストラリア
体色:グレー、褐色、オレンジ、イエロー、白など
値段:通常1万5千円くらいから6万円くらい
特徴:昼行性
餌:雑食(昆虫と野菜、果物)
性質:馴れやすい
寿命:10年くらい
かかりやすい病気:寄生虫、脱皮不全、卵詰まりなど
入手の仕方:トカゲを扱っているショップなら大抵販売されています
野生的な顔つきなのに、しっかり人に馴れてくれるフトアゴヒゲトカゲ。
きちんと飼えば、元気に育ってくれて、初心者にもお勧めの爬虫類です。
ペットと共に暮らす喜びを、十分味わわせてくれる動物だと言えるでしょう。
公開日 : 2016/07/17