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ハシブトガラスは非常に知能が高く、他の鳥類と比較すると圧倒的に体に対する脳の用量が大きい動物です。
彼らにとって物の違いを判別したり、記憶したりすることは文字通り朝飯前のこと。
細い棒を使って木の穴から虫をほじくり出したり、クルミの固い殻を車に引かせて取り出したりと道具を巧みに使いこなすこともできます。
ユーラシア大陸の東部全域のかなり広い範囲に生息しています。
日本国内では小笠原諸島を除く、全国で見られます。
全長は56センチ程、体重は600~800g程です。
羽を広げると1メートル程になる、意外と大きな動物です。
ハシブトガラスは「カアカア」とカラスのイメージ通りの声で鳴きます。
ちなみにハシボソガラスは「カア」とは鳴かず、「ゴー」「ゴアー」としゃがれた声で鳴くので、鳴き声で種類を判断することもできます。
ハシブトガラスは雑食性の動物です。
植物の種子や果物、動物(昆虫、魚、哺乳類、鳥)、人が出したゴミまで何でも食べます。
木々が深く生い茂る、森林や山奥が主な生息地です。
しかし、人間の生活圏にも順応し、現在では東京をはじめとした都市部でもよく見られます。
ハシブトガラスは毎年3月中旬~4月頃に産卵します。
通常直径50ミリくらいの卵を2~5個産み、卵は20日程で孵化します。
分類:鳥綱 スズメ目 カラス科 カラス属
和名:嘴太烏
学名:Corvus macrorhynchos
英名:Jungle Crow
分布:ユーラシア大陸の東部全域
大きさ:
全長:56cm程
体重:600~800g程
鳴き声:「カアカア」
食性:雑食性
繁殖:
性成熟:2年程
産卵数:2~5個
寿命:おおよそ10~14年程
ハシブトガラスをペットとして飼うことは不可能ではありません。
しかし、ハシブトガラスを自宅で飼育するためには、他のペットと異なり非常に手間がかかります。
なぜなら、カラスは「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」で狩猟鳥獣に定められており、簡単に捕獲・販売をすることができないからです。
どうしてもカラスをペットにしたい場合は、適切な手段をとって行政に届け出を行う必要があります。
国内産の野鳥は基本的に捕獲・販売が禁止されています。
行政に申請を出し、合法的に販売することも不可能ではありませんが、あまり現実的ではありません。
つまり、ハシブトガラスは「一般的なペットショップでまず扱っていない」と考えて差し支えないでしょう。
基本的に販売することができない動物であり、具体的な値段は不明です。
ハシブトガラスを入手することは不可能か?といわれれば不可能ではありません。
ハシブトガラスは狩猟対象の動物になっているため、狩猟免許を持っている人であれば、狩猟期間中に決められた方法で捕獲することができます。
捕獲した後はと殺して食用にしても、そのまま飼育しても構わないとされています。
狩猟免許を持っていなくても、ケガや病気で弱った個体を回復するまでの間飼育することができます。
また、都道府県知事に申請を出し、許可を受けた場合は狩猟期間を問わず捕獲・飼育することが可能です。
ときおり里親を探している方がいるため、里親募集サイトをチェックしてみるのもよい方法でしょう。
いずれにしても、野生のハシブトガラスを許可なく捕獲、飼育すると法律によって罰せられるので注意しましょう。(1年以下の懲役又は100万円以下の罰金)
運良くハシブトガラスを入手できても、あくまで飼育のスタートラインに立っただけにすぎません。
まずは飼育に必要だと考えられる道具を揃え、ハシブトガラスを診察してくれる動物病院を探しておきましょう。
ハシブトガラスのように飼育事例が少ない、珍しい動物を飼うのは非常に難しいことです。
エサの種類から量、運動させる時間など全てが手さぐりになることを忘れないでください。
カラスを長期飼育する事例が少ないため、カラス専用のフードは存在しません。
ドッグフードやキャットフード、中型~大型鳥用のフードを主食に、様々な野菜・果物・肉などをバランスよく与えると良いでしょう。
ハシブトガラスは油分を好むため、刺身や肉、卵黄などを与えると喜びます。
ハシブトガラスは羽を広げると1メートルもの大きさがあるため、かなり広い飼育スペースが必要となります。
また、非常に頭が良く、執念深いため、簡単な鍵やワイヤーは外して脱走してしまう恐れがあります。
なるべく広く、そして頑丈な大型鳥用のケージを用意しましょう。
ハシブトガラスは季節を問わず、よく水浴びをする動物です。
ただし泳ぐことはできないため、足が着く程度の深さで、ある程度羽を広げられる大きさの水浴び場を用意しましょう。
ハシブトガラスは本来見通しがよくない、木々がうっそうと生えている山奥に住んでいる動物です。
飼育下で同じような環境を再現するのは難しいですが、止まり木を用意して少しでも自然の環境に近づけてあげましょう。
ハシブトガラスは他の鳥類と比べて脳が大きく頭が良いため、人間の顔を見分けたり数の概念を理解することもできます。
しつけの仕方によっては非常に良いパートナーになってくれるでしょう。
ただ、ハシブトガラスに限らず、鳥類はトイレのしつけが難しいといわれています。
体を軽くするため場所や時間を問わずよく糞をする性質があるため、毎日の掃除が欠かせません。
また、非常に大きな声で鳴くため、10年程カラスと一緒に暮らすことができるのか、またご近所迷惑にならないか事前に確認しておくことも大切です。
市街地や郊外など、どこでも見かけるハシブトガラスですが、「害鳥」としてのイメージも強いことから動物園ではほとんど飼育されていません。
2019年3月時点で飼育していることが確認できる施設をご紹介します。
コアラやカンガルー、 レッサーパンダ など、子どもに人気の動物が数多く飼育されている動物園です。
ハシブトガラスの「ブト」ちゃんが飼育されています。
住所:埼玉県東松山市岩殿554 埼玉県こども動物自然公園
マップ: Googleマップ
電話番号:0493-35-1234
入園料:
大人(高校生以上) 510円
小人(小・中学生) 210円
開園時間:9:30~17:00
休園日:毎週月曜日(祝祭日の場合は開園)
公式ホームページ: 埼玉県こども動物自然公園
フクロウ や エミュー 、 ペンギン など、数多くの鳥と触れ合える施設です。
ハシブトガラスの「ナズナ」ちゃんが飼育されています。
住所:静岡県富士宮市根原480-1
マップ: Googleマップ
電話番号:0544-52-0880
入園料:
大人(中学生以上) 1,100円
小学生 550円
幼児 無料
シニア(65歳以上) 880円
開園時間:
4月1日~11月30日まで 9:00~17:00
12月1日~3月31日まで 9:00~16:00
休園日:年中無休
公式ホームページ: 富士花鳥園
身近な動物だけど意外と知らない、ハシブトガラスについて解説してきました。
非常に頭が良いハシブトガラスを飼ってみたいと思う方はいるようですが、実際ペットにするためには様々な申請が必要となってきます。
それでもハシブトガラスを飼いたい方は、ぜひ環境を整え、行政と相談して夢の実現に向かって突き進んでください。
※合わせて読みたい: カラスの生態や保護方法
最終更新日 : 2021/11/02
公開日 : 2019/03/28