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【獣医師監修】エミューの飼育方法とは?大きさや寿命、性格も解説






生きている鳥類の中で、ダチョウに次いで2番目に背が大きいと言われるエミュー。
ですが、日本では動物園などの一部の施設でエミューを見ることができるくらいなので、エミューのことをあまり知らない人も多いかもしれません。

「エミューってどんな鳥?」「どうやってお迎えするの?」「そもそもペットとして飼育できるの?」「気になるエミューの値段は?」など‥

本記事ではそのような疑問に答えるべく、エミューに関する様々な情報をお伝えします。

本ページに掲載のリンク及びバナーには広告(PR)が含まれています。


【目次】【獣医師監修】エミューの飼育方法とは?大きさや寿命、性格も解説

 

エミューとは

エミューの大きさ

エミューの寿命

エミューの羽

エミューの鳴き声

エミューの性格

エミューのオスはイクメン

エミューは実は飼いやすい?

日本でエミューを飼うには

申請・許可

エミューの入手方法

エミューの飼い方

卵から育てる場合

成鳥を育てる場合

さいごに

 

 

エミューとは

 

エミューとは_特徴_生態

 

エミューは、オーストラリアに生息しているダチョウ目の 鳥の一種 です。

現生の鳥の中では、ダチョウに次いで2番目に背が高い鳥です。

 

野生のエミューは、かつてはオーストラリア以外にも生息していましたが、人間の狩猟や駆除運動により、オーストラリアに生息する現生の一種を除いて絶滅してしまったと言われています。

 

一方で、オーストラリアでは沿岸部、森、山、草原や荒れ地など、様々な場所に住んでいるため、国のシンボルとされています。

エミューは後ろ向きには歩けないため、「前進あるのみ」という願いが込められてシンボルとされているそうです。

 

ダチョウと同じく飛べない鳥ですが、時速50km程の猛スピードで走ることができます。

そして、泳ぐこともできます。

 

 

エミューの大きさ

 

体長:1.6~2m

体重:40~60㎏

背の高さはダチョウに次いで2番目に高く、体重は3番目に重いです。(体重が重い鳥の2番目はヒクイドリです)

 

 

エミューの寿命

 

20~30年ほど。

やはり、身体が大きいと寿命も長いのですね。

 

飼育されているエミューはより長生きするそうです。

 

 

エミューの羽

 

エミューの羽は現生の鳥の中で最も退化しており、20cmほどしかありません。

また、羽毛は一本の羽が根元から二本に枝分かれするという珍しい構造をしています。

 

 

エミューの鳴き声

 

鳴き声はオスとメスで異なるため、雌雄の判別がしやすいです。

 

雄「グー…」

雌「ボンボンボンボン…」

 

 

エミューの性格

 

犬や猫の仲間は天敵とみなして攻撃することがありますが、人間に対しては優しいと言われています。

ただ、繁殖期は警戒心が高まり、人間も近づくと攻撃される可能性があるため注意が必要です。

 

 

エミューのオスはイクメン

 

emuoyako

 

エミューの卵は長さ10cm、重さは700~900gほどで、濃い青緑色をしています。

メスは3〜4日に一度の数個の卵を産み、繁殖期に10~20個くらいの卵を産みます。

 

なんと、エミューの子育てはほとんどがオスの役目で、オスはメスが卵を産むとすぐに卵を温め始めます。

42日~52日間、オスは飲まず食わずで排便さえせずに卵を温め続けます。

 

この間は身体に蓄えた脂肪を消費して生きながらえるので、雛が孵る頃にはオスの体重は3分の2にまで減少していると言われています。

 

雛が孵ると、食べ物の取り方も父親のエミューが教えます。

 

エミュー_赤ちゃん_雛

 

メスのエミューは、オスが卵を温め始めると巣を出て行って、他のオスと繁殖行動を始めることが多いそうです。

人間から見るとちょっと寂しい家族関係かもしれませんが、これも種の保存に必要な戦略なのですね。

 

エミューの雛は、縦じま模様をしています。  

 

 

エミューは実は飼いやすい?

 

エミュー_飼育

 

日本では、ペットとしてエミューを飼育している人はそれほど多くはないかと思います。

海外においてはエミューをペットとして飼っている人の情報をちらほら見ることができます。

 

ただ、人の顔を見分けられない、物覚えが悪いという特徴があるので、犬猫や小鳥などとは違う感覚が必要でしょう。

生まれた時から人に囲まれてきたエミューは人に対して好意的ですが、個人に対して好意的ではなく、人類に好意的という意味です。

 

 

日本でエミューを飼うには

 

エミュー_日本_飼育_ペット

 

申請・許可

 

意外なことに、エミューを飼育する上で申請や許可は必要ありません。

 

エミューの入手方法

 

エミューの卵・雛・成鳥を購入できる施設をご紹介します。

 

オホーツクエミューらんど

 

住所:〒099-3115 北海道網走市字稲富462-1

マップ: Googleマップ

電話番号:0152-46-2644

 

日本最大級のエミュー牧場です。

 

代表の中山冨士男さんは、平成10年にエミュー8羽を移入し、その後およそ1000羽まで増やすことに成功されたとのこと。

ここでは、エミューの雛から生後36ヶ月の成鳥まで購入することができます。(雛の販売は4月~6月までです)

 

お値段は、生後1ヶ月であれば4万円程度、生後36ヶ月のものは19万円くらいです。

注文はインターネットからでもできますが、引き渡しは基本的に牧場へ行って目視で確認後に行うとされています。

 

北海道へ観光がてら、エミューを購入するのも良いかもしれません。

それにしても、やっぱり運搬は大変そうですね。

 

他にも、食用として売られているエミューの有精卵を購入して孵化させるという方法もあるそうです。

 

しかし、生後3ヶ月までの雛はとても弱いので注意が必要です。

牧場である程度育ったものを購入した方が、長く一緒に居られるかもしれません。

 

 

エミューの飼い方

 

エミュー_飼い方_飼育方法

 

卵から育てる場合

 

温度は35.5~36.7度、湿度30~35度ぐらいの環境で温めます。

孵卵機を使うのが確実でしょう。

 

また、胚が卵の内側に張り付くのを防ぐために、一日に数回、卵を転がす作業が必要です。

孵卵機に転卵機能が付いている場合もあります。

42~52日前後で孵化します。

 

人間が孵化の段階から育てると、刷り込みによって人間と生活したがるようになります。

部屋の外に出せないで、室内飼育を続けることもあるようなので、覚悟を持って育てましょう。

 

室内飼育するには巨大すぎるサイズです。

 

成鳥を育てる場合

 

飼育環境

 

エミューは大きい鳥ですから、当然ながら広い土地が必要です。

自分の家の倍以上の広さで、下が土である牧場の様なスペースを用意してください。

 

エミューは生命力が強く、多少の暑さや寒さは平気ですが、小屋は用意してあげましょう。

見た目の割に優しくて怖がりな鳥なので、騒音を立てたり脅かす様なことはやめてあげてください。

 

また、飼育場所の掃除は月に一度くらいは行いましょう。

 

群れで生活する性質があるため、たった一羽だけで飼育するにはエミューにストレスがかかるかもしれません。

人に慣れていない場合は攻撃的になることもあるので、脱走には十分に気を付けてください。

 

食べ物

 

エミューは雑食で、落ち葉、草、果実、花、小さい昆虫など、何でも食べると言われています。

 

動物園では小松菜、リンゴ、バナナ、ミルクパン、蒸し甘藷、パパイヤ、キウイ、白菜、パイン、蒸し人参などを約2.5kg/日という表記がありました。

鶏用のペレットやドッグフードを追加しているという記事もあります。

 

飼育している人の体験談によると、鍵、工具やスポンジまで食べてしまうそうなので注意が必要です。

 

また、小石を食べることがありますが、エミューには砂嚢と呼ばれる袋があり、その砂嚢に小石を溜めて、溜めた小石を使って、食べた植物をすりつぶしてから消化しているのです。

 

お庭の雑草も食べてもらえれば、一石二鳥ですね。

 

 

さいごに

 

emuhina

 

慣れない動物を飼うことは大変なこともあります。

実際にエミューを飼うとなったら、エミューを飼育している施設のプロの方に一度相談してみましょう。

 

エミューは20年くらい生きると言われているので、最後までしっかりお世話ができるかどうかも事前に考えるべき大事なポイントです。

中にはエミューを見てくれる動物病院もあるようなので、先に検索して受診できる動物病院を見つけておきましょう。

 

また、エミューは時速50kmで走ります。

もし脱走したら…諦めずに全力で捕まえてください。

 

ただ、群れていたい習性があるので、一羽だけでどこまでも遠くへ行ってしまう可能性は低いと言えます。

逆に複数で脱走した場合には、遠くまで行ってしまうので大変です。

 

卵から孵して人に慣れていると、とても甘えん坊な一面があるようです。

上手にお世話ができたら、あなたも国内で数少ないエミューマスターになれることでしょう。

 

 

監修:獣医師 山口 明日香(やまぐち あすか)

 

日本獣医生命科学大学獣医学部獣医学科卒後、2つの動物病院に勤務し、現在も臨床獣医師として働く。

ワークライフバランスを整えるため、在宅でのLINEおよび電話による健康相談、しつけ相談も開始。

その過程で、病気のみならず各種トレーニングと問題行動の大変さ、大切さを知る。

 

今後は学校飼育動物学で学んだ動物飼育と、子供の情緒の発達についても発信し、獣医動物行動研究会において問題行動の知識を深め、捨てられる動物が減るように正しい情報を伝えるべく模索中。


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