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オナガは漢字で「尾長」と書き、その名前の通り尾が長い鳥です。
英語の場合は漢字のようにはいかず、直訳すると「Long-tailed」になりますが、オナガの英名は「Azure-winged Magpie」と言います。
日本には留鳥(年間を通して同じ場所に生息する、季節で移動をしない鳥)として生息し、1年を通して群れで行動しています。
そのため、生息している地域では観察しやすい鳥です。
オナガは身近な鳥ですが、どのような鳥なのかを詳しくは知らない人が多いと思います。
そんなオナガの生態について、どんな鳴き声なのか、どのような餌を食べるかなど幅広くご紹介します。
全長は約35〜37cmほどですが、尾羽が約20〜30cmもあり、体の半分以上の長さがあります。
翼開長は約40cmで、全長より少し大きめです。
全体の大きさ的には、 スズメ や キジバト より大きめとなります。
細長く可愛らしい見た目をしていますが、これでも カラス の仲間なのです。
オナガをざっと見ると、頭は黒色で白い体をしており、それに映える青くて長い尾が特徴的です。
細かく見ると、頭上が黒色で頬から喉と胸が白色、背から肩羽と腰は青みが強い灰色、翼は濃いめの水色をしています。
尾羽も濃い水色をしていますが、中央の尾羽は先端が白くなっていて(イベリア半島に生息する亜種は尾羽の先端が白くなっていない)よく目立ちます。
羽は大きめで、青灰色の独特な色をしています。
そのため、羽だけで落ちていてもオナガの羽だと比較的分かりやすいです。
オナガは雌雄同色なので、見た目で雌雄の判断をするのは難しいです。
しかし、求愛行動には違いがあるので、繁殖期に見分けることができる可能性はあります。
どのような求愛行動かというと、メスは翼を広げた状態で木の枝に止まり、鳴きながらオスを待ちます。
一方オスは、気に入ったメスがいればエサを咥えてメスのところまで飛んでいきます。
分かりやすそうに見えますが、この動作に見慣れていない場合は判別が難しいでしょう。
オナガの幼鳥と成鳥の違いですが、見分けやすい点は2ヵ所あります。
1つ目は頭の部分で、幼鳥は頭にごま塩を降ったかのように白っぽくなっています。
2つ目は尾羽の部分です。
成鳥は尾羽の先端の一部が白くなっているのですが、幼鳥の場合は全ての尾羽の先端に白斑があります。
また、成鳥より幼鳥の方が尾羽が短めです。
雑木林や街路樹の樹上に巣を作ります。
カラスから巣を守るために、日本最小のタカであるツミの巣の近くに巣を作ることもあります。
さらに天敵に対して集団で防衛をするために、複数の巣が集まっていることもあるのです。
頭が良いように見えますが、 カッコウ に托卵されてしまうこともあり、そのまま自分の子ではないことに気付かずに育ててしまうこともあったりします。
オナガの巣自体は、枝を重ねた皿状になっています。
オナガは雑食性です。
昆虫類やその幼虫、きのみや果実などを採食します。
その他に、小鳥の巣を襲って卵や雛を食べてしまうこともあります。
採食するときは、小さな群れで一定地域を巡回するように木々を移動しながらの場合が多いです。
オナガはロシア東部や日本などの東アジアと、イベリア半島の一部に分かれて分布しています。
日本国内ではオナガの生息範囲が狭まっており、東日本に偏っています。
福井県以東から神奈川県以北辺りで観察される程度です。
もともとは九州北部と関東地方に生息していました。
しかし、九州のオナガは絶滅し、西日本では1980年代以降ほとんど見られていません。
関東地方に生息していたオナガは、北へと生息地域を広げていきました。
なお、オナガが九州から姿を消した理由は、はっきりと分かってはいません。
一説では、同じ仲間のカササギとの争いに負けたためとも言われています。
そのカササギは、九州北部に留鳥として生息しています。
現在、オナガは平地から山地の林やその周辺の河川敷、雑木林などで生活をしています。
緑が多い公園や農耕地などの人が住んでいるような場所にも生息しているので、町や都会でも庭に餌台を設置していれば観察できることがあります。
朝夕に活動し、日中は林内で生活していますので、オナガを観察する際は朝夕の時間帯を狙った方が良いでしょう。
可愛らしい細身な体型をしていますが、鳴き声はとても激しいです。
「ギューイゲェーキィキィ」「ギューイ」「ピューイ」などと鳴きます。
1度に6〜9個の卵を産み、抱卵期間は17〜20日です。
雛は約18日で巣立ちをするので、雛を見れる期間は短めです。
分類:鳥綱 スズメ目 カラス科 オナガ属 オナガ
和名:オナガ(尾長)
英名:Azure-winged Magpie
全長:約35〜37cm
尾羽:約20〜30cm
翼開長:約40cm
見た目:頭は黒、体が白、尾が青
雌雄判別:見た目では難しいが、求愛行動に違いがある
成鳥と幼鳥の違い:
幼鳥→頭にごま塩のような模様、全ての尾羽の先端に白斑
成鳥→頭は黒、一部の尾羽の先端に白斑
巣:雑木林や街路樹の樹上に枝を重ねて皿状に作る
食性:雑食性(昆虫類やきのみ、小鳥の卵など)
生息地:
世界→東アジアとイベリア半島の一部
国内→福井県以東から神奈川県以北辺り
鳴き声:「ギューイゲェーキィキィ」「ギューイ」「ピューイ」
産卵数:6〜9個
抱卵日数:17〜20日
巣立ち:約18日
日本では原則、野鳥を飼育することはできません。
そのため、オナガも飼育することはできなくなっています。
しかし、オナガを保護した場合、状況によってはオナガの飼育をすることもあると思います。
もしオナガを保護した場合は、各地域の野生鳥獣担当機関に連絡をしましょう。
オナガをペットとして飼うことはできなくても、地域によって家で観察することは可能です。
オナガが生息している地域であれば、家の庭に鳥用の餌台を置くことでオナガが来ることがあります。
餌台に置く餌ですが、種子類より果実類の方がよってくる場合が多いので、柿やミカンなどの果実類を置いておくと良いでしょう。
ただし、他の鳥も観察したい場合、オナガが他の鳥も追い払ってしまう可能性が高いです。
他の鳥も観察したい場合は、餌台の設置場所を離して複数設置してみてください。
餌台を設置したばかりの頃は、すぐにオナガは来てくれないかもしれません。
警戒心が強いため、大きな木や電柱から餌台を観察し、徐々に下に降りてきてくれると思います。
オナガがエサ台にすぐに来てくれなくても近くにいるようであれば、気長に待ってあげましょう。
オナガは身近な鳥ではありますが、生息地が減ってきている鳥です。
そのため、数が増えてくれるよう見守ってあげたい鳥でもあります。
公開日 : 2018/11/01