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キジバトは、ハト科キジバト属の 鳥類 。
別名ヤマバト。
北海道から九州まで生息するキジバトと、奄美群島・沖縄などに生息する亜種リュウキュウキジバトがいます。
現在は都市部の電柱や公園で見かけることも少なくありません。
そんなキジバトは、昔から幸運を呼ぶハトと親しまれてきました。
そのため、軒先やベランダなど家のそばに巣を作られても微笑ましく見守る人も多いようです。
ここでは、そんなキジバトの生態についてご紹介していきます。
キジバトは別名ヤマバトですが、現代では都市部でも見かけることが多くなった種類です。
しかし、最も都市部で多く見られるハト、ドバトとは全く別物。
ここで、キジバトの特徴を詳しく見ていきましょう。
羽の先からくちばしの先までの全長は約30cm〜35cm。
公園などに多いドバトに比べて一回り小さく、スリムに見えるのが特徴です。
羽根の色はブドウ色とも呼ばれる、紫がかった灰色。
キジのメスの羽色によく似ているところからキジバトと名付けられました。
キジバトの雌雄では明確な色の違いはありません。
翼と背中の羽根は黒や白、赤褐色のウロコのような縁が入っています。
一見地味な羽色ですが、明るい森の中に入ると保護色となり、外敵から身を守りやすくしてくれる効果があります。
特に、背中のウロコ状の色合いは木陰に隠れやすく、無防備な抱卵中に襲われるのを防ぐ役目を担っています。
キジバトの鳴き方はよくハトの鳴き方とされる「ポッポッポー」でも「クルックー」でもないようです。
聞こえ方は様々ですが「デーデー、ポッポー」とも「ホーホー、ホッホー」とも聞こえ、しばしば フクロウ と間違う人も。
さえずりは個体差があり、全てがこの特徴的な鳴き方をするわけではありません。
明け方や雨上がりなど、薄暗い環境で鳴くことが多いとされています。
キジバトの生息地は、ユーラシア大陸の東部と日本各地。
北海道では夏鳥として夏の間だけ渡って来る渡り鳥。
日本本州やその他の地域では留鳥で、一年を通して国内で活動しており、繁殖しています。
今ではいたるところで見られる鳥ではありますが、本来の生息地は明るい森でした。
ヤマバトの別名通り、山に住む狩猟動物でもありました。
現在も狩猟動物として、猟期になると狩りの対象になります。
ハトは雑食性で、果実や種子や、昆虫、ミミズなどを食べます。
カルシウム補給のために、貝類を食べることも。
豆や米も好物で、畑や田んぼの作物をついばむことがあり、害鳥とされることもしばしば。
キジバトは今や日本ではあちこちで見かけるありふれた鳥ですが、世界的には限られた地域にしか生息していない貴重な鳥。
学名は「Streptoperia orientlis」であり、「東洋のキジバト」という意味を持ちます。
日本ではもともと山や森に住む鳥で、狩猟対象とされていました。
しかし、1960年代に都市での狩猟が全面禁止されたことにより、人間を怯えていたキジバトの警戒心が徐々に薄れ、人に段々慣れていったようです。
70年代になると、都市で暮らすキジバトが増え、今ではスズメやカラスなどの次によく見かける鳥になりました。
キジバトが巣を家の近くに作ると幸運を呼ぶと言われていたことも彼らの警戒心を薄める理由だったのかもしれません。
キジバトとよく間違えられるのはドバト。
大きな違いは、体の大きさと羽色。
キジバトに比べてドバトは一回り大きく、薄い紺色に青や赤がかかった模様が入っています。
首部分が胴部分より濃い色であることが多い種類。
よく公園で見かけるハトですね。
また、ドバトは地中海原産のカワラバトが家畜化した鳥で、集団で暮らす習性があります。
キジバトが単独またはつがいで行動するのに対して、ドバトは複数の仲間とともに 餌 を探します。
何羽かの集団でいたらそれはドバトということが多いです。
さらに、キジバトは人に慣れてきたとはいえども野鳥らしく警戒は怠りませんが、ドバトはより人間に対して警戒心が薄いといえます。
都会でも見かけるようになったキジバト。
人の近くに住まう彼らはどのように繁殖しているのでしょうか。
ここで詳しく見ていきましょう。
キジバトは他のハトたちと同じく、春から秋にかけて繁殖します。
しかし、繁殖に必要なピジョンミルクと呼ばれる栄養豊富なミルクを雛に与えて育てるため、親が餌を食べられる限りは子育てが可能。
周年いつでも繁殖期となり得ます。
キジバトの巣は、木の枝にまばらに細い枝を組んだ簡単な皿巣。
非常に簡素で、下から卵が見ることができるほど。
この皿巣をベランダのくぼみや、他の鳥の古巣に作り、繁殖の準備を行います。
卵は親に比べて非常に小さく、簡素な巣でも十分に温めることができます。
1度に2個の卵を産み、昼はオス、夜はメスが抱卵。
15日ほどで孵化し、さらに15日ほどで巣立ちます。
大きくなった雛は、前述したピジョンミルクで育ちます。
オスもこのミルクを出すことができるため、つがいで子育てをすることになります。
キジバトは古くから幸運のシンボルとして親しまれています。
その背景は、キジバトの生態。
前述した通り、キジバトは夫婦で子育てをするため、自宅近くに巣を作ると夫婦円満、家内安全のシンボルとなっていったようです。
キジバトがベランダや家の近くに来て巣を作っていれば、それは喜ばしいことだとする人も多いのです。
しかし、中にはキジバトを害鳥とする人もいるので、安易なエサやりは避けましょう。
人に慣れ、都会にも住まうキジバト。
家庭で飼育することはできるのでしょうか?
その答えは、残念ながらNOです。
日本においてキジバトは、「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」の元で狩猟鳥に指定されています。
野鳥であるため、原則家で飼育することはできません。
もし、怪我をしていたり、巣から落ちた雛を保護する場合は、県の動物保護課に問い合わせる必要があります。
雛を拾っても、怪我がなければ木の上に上げておくだけの方が得策。
ヒナの親がやって来て巣に戻すまで様子を見ましょう。
キジバトを動物保護課からの許可を得た上で保護するなら、怪我が治るまたは独り立ちできるまで責任を持って育てる必要があります。
ヒナには、ピジョンミルクのかわりに豆乳を与え、成長後は米、豆、トウモロコシ、雑穀などに切り替えを。
ミルワームなど昆虫類も与えると良いでしょう。
市販のハト用のエサには必要な栄養素が全て含まれているためおすすめ。
消化促進のために小石を体内に貯める修正があるので、貝殻や小石も少量与えましょう。
もしキジバトを保護したらこれ。
ハトの健康を考え、厳選した穀物をバランスよく配合した自然フード。
多年の経験と研究の上に完成された理想的なブレンドで、ハトに必要な栄養素がギュッと詰まっています。
キジバトは今や私たちの日常生活に入り込んでいる野鳥。
幸福のシンボルとされる身近な生き物です。
これからは公園にいるハトがドバトかキジバトかすぐに分かりますね。
キジバトを見つけてこの記事のことを思い出していただければ幸いです。
公開日 : 2017/09/21