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猫・犬のようなペットの「マーキング」といえば、主にオシッコをかける「スプレー行為」のことを指します。
原因・理由として考えられるのは、縄張りアピールやストレス、発情期による異性へのアピールなどと言われています。
環境の変化によって不安・恐怖・寂しさを感じている、あるいは成熟してきたことによって他の個体に自己紹介を行っている可能性が高いでしょう。
マーキングは、 猫 でも 犬 でも、またオスでもメスでも見られる行為です。
ペットがマーキングを行っている場合には、猫や犬の今の様子をよく観察し、どういった感情を抱えているかをしっかり考えながら対策していく必要があります。
スプレー行為を防止するためには、発情期を迎える前(生殖機能が発達する前)に、去勢・避妊手術を実施することが望ましいです。
一度でもスプレー行為をした猫や犬は、本能的にマーキングすることを覚えてしまうため、しつけやトイレトレーニングをしても完全に防ぐことが難しくなってしまいます。
ただ、スプレー行為が始まってしまってからであっても、去勢・避妊をすることによって多少は軽減される傾向があります。
この先繁殖させる予定がないのであれば、去勢・避妊手術を実施すべきかどうか獣医師と相談して決めると良いでしょう。
最初の発情期を迎えやすい時期は、メス猫なら生後5ヶ月~1年目に、オス猫なら生後9ヶ月~1年目であるため、生後数ヶ月~1歳の内に去勢・避妊手術を行っておくのが理想的です。
去勢・避妊手術にかかる費用は、個体のサイズや病院にもよりますが、おおよそ1〜4万円前後です。
※合わせて読みたい: オス猫・メス猫の発情期の時期・期間・注意点!綿棒はNG?去勢・避妊はどうする?
犬の去勢・避妊の時期は、猫と同様、生後数ヶ月~1歳くらいの内が適切でしょう。
もちろん個体によっても差はありますが、メスの小型犬なら生後5~10ヶ月、メスの大型犬は生後8~12ヶ月くらいに初めての発情期を迎えます。
一方、オスには具体的な発情期の時期はないとされていますが、発情しているメスが近くにいると影響を受け、いつでも交尾が可能な状態になります。
また、ストレスが原因でスプレー行為をしてしまうことがあるため、やはりメスと同じように、1歳になる前には去勢手術を行うと良いでしょう。
去勢・避妊手術の費用は、医院や犬種・サイズによっても異なりますが、おおよそ2〜5万円前後が相場です。
以下からは、猫と犬、それぞれのマーキング行為の特徴や、対処方法についてご紹介していきます。
※合わせて読みたい: 犬の去勢のメリット・デメリット 時期はいつがいいか、費用、術後のケアは?
猫は尿やフン、おでこ・頬・口の周りなどから出る自分のニオイで、印を付けたがる特性があります。
猫のマーキングには、スプレー行為を含め、以下の3種類があります。
飼い主の足元やお気に入りの家具などに顔をこすりつける行動は、特にしつけをする必要はありませんが、実はマーキングの一種です。
リラックスしている際に見られる行為で、頬や顎にある分泌腺からフェロモン(ニオイ)を出し、自分の物であることをアピールします。
壁やカーペットで爪を研ぐ行為は、爪の手入れやストレス解消の可能性もありますが、「自分の陣地はここから」という縄張りのアピールをしていることもあります。
気持ちが高揚している時に、爪の間の分泌腺からもフェロモンを出し、自分のニオイを残します。
強く元気な猫の縄張りであることを、他の猫へ主張するための行動です。
※合わせて読みたい: 猫の爪のお手入れはどうする?猫の爪とぎ、猫用の爪切り、猫の爪の切り方などを解説
そして、今回の本題であるスプレー行為は、ストレスあるいは縄張り主張のいずれかと思われます。
オス猫であれば、発情中のメス猫を惹きつけるために行っていることもあります。
室内で継続的にスプレー行為をする場合は、生活環境に何かしらの問題や不満を抱えている可能性を疑い、対策を講じましょう。
前述の通り、若い内に去勢・避妊手術をしておくことが一番ですが、発情期を迎えてから施術したなどの理由で、スプレー行為を完全に防げない状況の時のポイントを解説します。
猫はとてもデリケートな動物です。
引っ越しをした、知らない人が出入りしている、模様替えで家具の位置を変更したというような変化はありませんか?
生活環境が変わったことで、ストレスや不安を抱えている可能性があります。
引っ越しや模様替えをした際には、これまでと似たレイアウトで家具を置き、家族が増えた場合には猫が過ごしてきた部屋になるべく入れないようにしてみて、徐々に慣れさせてあげましょう。
生活スペースをサークルで囲って制限している場合は狭すぎる可能性もありますし、ベッドや食事をする場所が落ち着かないパターンも考えられます。
また、トイレのある位置が落ち着かなかった、トイレを新調して違和感があったというケースもあります。
静かな場所に置いてみる、体のサイズに合ったトイレを用意する、トイレ砂の種類を変えるという方法で解決することもあります。
窓付近にトイレがある場合には、外にいた野生の動物や鳥に威嚇されたことがあり、トイレに行くのが怖くなってしまった可能性もあります。
もう一つトイレを設置してみて、新しいトイレなら馴染むかどうか確認してみるのもおすすめです。
※合わせて読みたい: 猫のトイレについて、しつけ方や掃除方法、オススメの猫砂や猫のトイレなどを紹介!
スプレー行為をしてしまった場所には、濃いオシッコのニオイが残ります。
水拭きだけではニオイが残り、再び同じ場所にオシッコをしてしまうため、洗剤や熱湯を使って掃除をした後、アルコールやペット用の消臭剤でニオイを除去しましょう。
いずれの方法の場合も、猫にかけてしまわないようくれぐれもご注意を。
ところで、マーキングではなく、尿漏れなどの粗相である場合との違いについてはご存じでしょうか。
スプレー行為の場合には、テーブルの脚や壁のような垂直な場所に対して、お尻を向け、腰を上げて立った状態で行います。
オシッコのニオイも強いのが特徴です。
一方、粗相の場合は座ったままで、下にある床・カーペットを汚してしまうことが多いです。
普段から、猫用トイレを使わない習性もできてしまっているのではないでしょうか。
ただし、あまりにも頻繁にが見られる場合には、尿路結石などの病気にかかっている危険性も考えられるので、早めに動物病院で診てもらいましょう。
ここからは、犬のマーキングについてチェックしていきましょう。
犬もオシッコで、自分のテリトリーの主張や、発情期間であるサインを提示する習性があります。
電柱などへ後ろ足を高く上げてオシッコをかけるのは、高い位置にマーキングをすることによって、他の犬に対し自分が大きな犬であるように見せるためと考えられています。
また、定かではありませんが、犬はオシッコのニオイで、個体の成熟度や体の大きさなどが分かるという説もあり、マーキングによって異性へアピールをしている可能性もあります。
飼い犬が突然マーキングを始めた場合には、発情期が関係しているケースが多いですが、やはりストレスを溜めていないかどうか、犬の様子を観察してあげることが重要です。
まずは、ペットと飼育者の主従関係がはっきりしているかどうか、改めて確認してみましょう。
もしも愛犬が「自分のほうが地位が上」と思い込んでいるようであれば、しつけをし直す必要があります。
主従関係をしつけるためには、飼い主の方よりも犬が高い場所へ行かないようにしましょう。
例えば、犬を仰向けに寝かせてみる、ソファーの背もたれ部分に乗ろうとした時には「ダメ」と注意するといった方法が効果的です。
さらに散歩の時には、好きなように歩かせるのではなく、飼い主が決めた行き先へきちんと付いてくるように慣れさせましょう。
※合わせて読みたい: 犬のしつけをマスター!愛犬のしつけ方や正しい飼い方を把握しよう
また、愛犬と適切なコミュニケーションを取ってあげられているか、今一度考えてあげることが肝心です。
スキンシップの時間が足りず、飼い主に構ってもらえない寂しさから、部屋にマーキングをしてしまうこともあります。
なお、 散歩 の時間が少ないようであれば、家でも運動できる環境にしてあげましょう。
運動不足でエネルギーを発散できず、ストレスでスプレー行為をしてしまう犬もいます。
悪天候続きで散歩の時間を取れない時のために、可能であれば室内に ドッグラン 代わりになるスペースを設け、また仕事や家事の合間に一緒に遊んであげるよう工夫してあげてください。
ちなみに、スプレー行為が習慣化している場合には、再度トイレのしつけを行う必要があります。
無意識にトイレ以外の場所で排泄する癖が付いてしまっているため、時間をかけてトレーニングしていきましょう。
ニオイが付いてしまった場所は、しっかりと掃除をして、ペット用の消臭剤でニオイも完全に取り除いてください。
いつも特定の場所にオシッコをしてしまう場合は、新しいトイレを置いてみるのも有効です。
なお、マーキングをした直後に強く叱ると、「マーキングをする=飼い主に構ってもらえる」と勘違いし、悪化することもあるので、あまり注意はし過ぎず、手早く掃除することもポイントです。
マーキングではなく、単なる粗相、もしくは膀胱炎を患っている可能性もあるため、簡単な見分け方についてもご紹介しておきましょう。
粗相の場合は、オシッコの量が非常に少ないです。
特に膀胱炎にかかっている場合、残尿感があって少量のオシッコを何度も出し続けてしまいます。
室内で頻繁にちょっとずつ排尿している場合には、膀胱炎である危険性が高いです。
放置すると、慢性化したり、強い痛みを感じたりすることもあるため、早めに動物病院へ連れて行ってあげましょう。
ただし、壁やタンスなど垂直な物体に対し、足を上げて排泄しているようであれば、たいていの場合はマーキングです。
膀胱炎かマーキングであるかは尿検査でわかるので、判断に迷ったらすぐに獣医師の指示を仰ぎましょう。
猫や犬といった動物はとても繊細で、何をきっかけにストレスを感じてしまうかわかりません。
マーキング癖がなかなか直らないと、飼い主自身も不安に思ったり大変に感じたりすることは多いかもしれませんが、動物達はそれ以上に辛く苦しい気持ちを抱えているかもしれないのです。
動物達にとって、マーキングは本能から来る行動の一種。
健全に生きていくためにも、飼い主に気付いてほしい何かを訴えているはずです。
「どうしてマーキングをしてしまうのか」という疑問を常に持ち、落ち着いてペットの様子を観察し、小さな変化も感じ取ってあげることが大切です。
そして少しでも様子がおかしい時や、スプレー行為をやめそうにない場合には、できる限り早く、動物病院やしつけ教室へ相談しに行きましょう。
一人で悩まずプロのアドバイスを聞くことで、ヒントが見つかることもあるでしょう。
大事な家族の一員だからこそ、お互いに快適に暮らしていくためにできることは何か、日々イメージしながら過ごしていきたいですね。
公開日 : 2018/09/03