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人間と同じように、 猫 もくしゃみをします。
猫も人間もくしゃみが出る仕組みは同じです。
鼻は空気を取り込んだり匂いをかいだりする器官ですね。
空気を取り込む際には、ほこりや菌なども入ってしまう可能性がありますが、鼻の粘膜がそれらを取り除く働きをしています。(人間の場合は鼻毛もその役割をします)
くしゃみは、このほこりなどが鼻の粘膜の中にある知覚神経を刺激することによって発生します。
粘膜についた何らかの異物を体内に追い出そうとしているのが「くしゃみ」です。
猫のくしゃみも異物が鼻に入ってしまったときや、アレルギーや鼻水などの風邪症状などによって引き起こされます。
生理的な反応によって猫がくしゃみをすることがあります。
人間もほこりっぽい場所に行ったりするとくしゃみが出るように、猫もほこりなどの異物が鼻に入ったことによってくしゃみが出ることがあります。
これは一時的な生理現象なので心配しなくても大丈夫です。
ただし、何度もくしゃみを繰り返すときはアレルギー反応であることも考えられます。
気温の急激な変化によりくしゃみが出ることがあります。
人間でも寒い場所に行くとくしゃみが出ますね。
猫はもともと砂漠地帯出身なので、寒さには弱い傾向があります。
寒いと呼吸器が刺激されてくしゃみが出やすくなりますが、これも生理的な反応で一時的なものです。
ただし、くしゃみは猫風邪などの病気の初期症状として出ることも多く、寒い季節は風邪が蔓延しやすいため、愛猫の様子に注意することは大切です。
生理的な反応ではなく、何らかの病気が原因でくしゃみが出ることがあります。
猫もアレルギーになります。
くしゃみや鼻水をひきこすアレルゲンは、ほこりなどのハウスダスト、ノミ・ダニが多いとされており、まれに花粉症の場合もあります。
一般的に「 猫風邪 」と呼ばれる、ウィルス感染による病気を発症したときもくしゃみが出ます。
猫風邪とはくしゃみ、鼻水、目やに、涙目などの人間の風邪に似通った症状を発症しますが、症状が重篤になることが多く、気を付けないと命に関わる場合も少なくありません。
猫風邪症状を引き起こす菌やウィルスは、猫カリシウイルス、猫ヘルペスウイルス、クラミジア、マイコプラズマなどです。
特に子猫や老猫は感染すると危険ですので、気になる症状が現れたらちゅうちょせずに、すぐに病院を受診してください。
早期に治療を受ければ完治まで短期間で済みますし、医療費も安く済みます。
アレルギー性鼻炎や猫風邪の症状が長く続くと、副鼻腔炎(蓄膿症)になってしまうことがあります。
筆者は保護活動をしていますが、猫風邪から慢性的な症状の副鼻腔炎を発症してしまうことは珍しいことではなく、そのような症状の猫を何度も保護しています。
副鼻腔炎になってしまうと完治は難しく、生涯に渡ってくしゃみや鼻水などの症状に悩まされるとこともあります。
鼻水をくしゃみで吹き飛ばすので、周囲の壁に鼻水の塊(鼻くそ)が飛散して掃除が大変ですし、何より常に息苦しいので猫がかわいそうですね。
鳩 のフンから検出されることが多いということが知られていますが、それ以外にも自然界に広く存在しているウィルスです。
接触する可能性は低くありませんが、健康であれば発症しません。
しかし、免疫力が低下しているときに感染すると、鼻水、くしゃみなどの症状が現れ、鼻に腫瘍ができてしまう場合も。
くしゃみなどの他に鼻がつまることにより、いびきをかくという症状も見られます。
エイズ・ウィルスに感染し、発症すると猫風邪のような症状が出てくしゃみをすることがあります。
猫エイズ・ウィルスは猫にしか感染せず、感染経路は交尾やケンカの噛み傷とされており、感染力は弱いのですが、今のところ的確な治療法がないとされる不治の病です。
くしゃみなどの症状が出るのは感染初期の「急性期」と呼ばれる期間です。
猫を保護したときに風邪症状が見られたり、放し飼いにしている猫がくしゃみや鼻水などの症状を発症したりときは、エイズの検査もしてみることをおすすめします。
生理的な反応によるくしゃみであることがはっきりしていれば、様子を見ても大丈夫でしょう。
生理現象によるくしゃみは、1回~3回程度で収まるのが普通です。
ただ、1日に何回もする、数日に渡って続く、目やにや鼻水などの他の症状も確認できるときは要注意です。
これらの症状が見られるときは、何らかの病気によりくしゃみが引き起こされている可能性が高いです。
猫のくしゃみが、ほこりなどが原因と考えられる場合やハウスダストが原因であるアレルギー反応であると判明したときには、住環境を清潔に保つことを心がけましょう。
マメな掃除が大切ですが、掃除機を使うとアレルゲンが舞い上がってしまいますので、拭き掃除をすると良いです。
使い捨てのお掃除シートなどを使うと、それほど手間をかけずに拭き掃除ができますよ。
日本の空気清浄機は非常に優秀なので、匂いの除去だけでなくハウスダストや花粉を感知してくれる機能が搭載されているものもあり、猫を飼育するご家庭で導入すると高い効果が期待できます。
特に複数の猫を飼育している場合は導入を検討してみても良いでしょう。
多頭飼育の場合は、空気清浄機のフィルターを規定より早めに交換すると効果が維持できますよ。
筆者は機種にもよりますが、半年~1年で交換するようにしています。
猫がくしゃみをするのが、ほこりやアレルギーが原因であることが考えられるときは猫ベッドなどの猫の寝床なども清潔に保つようにしましょう。
自分の抜け毛でくしゃみが出ることもあるので、ベッドに付着した抜け毛は取ってあげたいところです。
ふわふわの 猫ベッド が大好きな猫ちゃんは多いと思いますが、洗濯ができないものが多いのが困った点です。
洗濯機に入れて洗濯することは難しいですね。
筆者は猫ベッドを重曹と酢を使って押し洗いしています。
猫ベッドに付着した毛などを取った後に、洗面器やたらいなどにぬるま湯を入れて猫ベッドを浸します。
重曹をベッドに満遍なく振りかけてつけおきしたのちに、手で押し洗いします。
洗い流したら重曹を中和させるために、洗面器のお湯に酢を大さじ2杯程度入れてリンスします。
すすぎ終わったら、脱水機で脱水しますが型崩れを防ぐために1分程度にしてください。
かなり水気が残っているので、天気の良い日に行うと良いですね。
汚れがひどいときは重曹にプラスして洗剤を使うときれいになりますが、すすぎは十分に行ってください。
洗濯までしなくても、猫ベッドに重曹スプレー(重曹を水に溶かしたもの。濃度は約5%にする)を吹きかけてお掃除シートなどで拭きとると、ほこりや毛を取り除くことができますし、消臭効果も期待できますよ。
お掃除シートは猫がなめても大丈夫なように、防腐剤などの添加物の少ないものを選ぶと良いでしょう。
ただ、もし本当にアレルギー性だと獣医師から判断された場合には、掃除や洗濯、空気清浄だけでは症状を抑えることはできません。
アレルギーとは、ほんの少しの刺激でも反応が出てしまう体質で、環境のアレルゲンをゼロにするということは物理的に無理だからです。
そのため、必ず治療薬や低アレルゲン食を併用しながら、環境も気を付ける程度にしましょう。
見えない敵であるアレルゲンと掃除で闘うおうとすると、飼い主さんがノイローゼになってしまうことも考えられます。
病気によるくしゃみを予防するにはワクチンの接種をしましょう。
ワクチンには感染力が強い代表的なウイルスが含まれています。
ワクチンを接種すると絶対に猫風邪を引かないわけではありませんが、重篤な症状になることを防げますし、ワクチン接種することによってしか予防できない病気もあります。
病気によるくしゃみなどの症状を発症させないためには、完全室内飼育をしましょう。
外に出さないことで、多くのウィルスから大切な猫を守ることができます。
特にエイズ・ウィルスは感染した猫との交尾やケンカなどで感染するので、室内飼育をすることで予防できます。
猫のくしゃみには、大きく分けると一時的なものと病気によるものがあります。
猫も生理現象でくしゃみが出ることはありますが、くしゃみが続いたり他の症状も発症したりしていれば病気の可能性が高いので、すぐに動物病院に連れて行ってあげてください。
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・ 子猫の飼い方マニュアル。子猫の食事やケアの仕方、飼育にかかる費用、注意点
監修:獣医師 山口 明日香(やまぐち あすか)
日本獣医生命科学大学獣医学部獣医学科卒後、2つの動物病院に勤務し、現在も臨床獣医師として働く。
ワークライフバランスを整えるため、在宅でのLINEおよび電話による健康相談、しつけ相談も開始。
その過程で、病気のみならず各種トレーニングと問題行動の大変さ、大切さを知る。
今後は学校飼育動物学で学んだ動物飼育と、子供の情緒の発達についても発信し、獣医動物行動研究会において問題行動の知識を深め、捨てられる動物が減るように正しい情報を伝えるべく模索中。
最終更新日 : 2022/05/09
公開日 : 2018/06/18