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「オポッサム」と聞いてピンとくる人もいれば、ピンと来ない人もいます。
誰もが耳にした事があるようなメジャーな動物ではありませんが、「死んだふりをする動物」と聞けば、イメージが湧く人もいるのではないでしょうか?
そんなオポッサムですが、最近ではペットとしての人気も高まっており、少しずつではありますが認知度も高まってきました。
愛くるしいルックスと性格を兼ね備えたオポッサムを「飼育したい」と思う人も増えてきているので、ペットとしての飼育を考えている人や興味がある人は、今回まとめた記事を参考にしてみてくださいね。
飼育をする前にまずは「オポッサム」についての理解を深めることから始めてみてください。
オポッサムの生態を知っている人はそこまで多くいません。
最近ではペットとしての人気が高まっているとはいえ、まだまだオポッサムの認知度は低いのが現状です。
知らない人も多い「オポッサム」。
まずはその生態から見ていきましょう。
オポッサムはオーストラリア、北アメリカ、中央アメリカ、南アメリカと広い範囲に生息しております。
樹上性の動物で木登りを得意としておりますが、芝生エリアでも生活している為、生息地では住居に侵入してくる事もしばしばあるのです。
オポッサムの見た目は「ネズミ」と似ていますが、カンガルーやコアラと同様にお腹に袋を持つ“育児嚢(いくじのう)”にあたるので、有袋類となります。
しかし、オポッサムは見た目がネズミに似ている事から「フクロネズミ」や「コモリネズミ」とも呼ばれており、ネズミの仲間と間違える人がいますが、オポッサム目オポッサム科にあたります。
有袋類最大の種類を誇り、オポッサム科の数は70種類以上にものぼります。
大きさとしてもネズミほど~ 猫 くらいの大きさまで存在しているので、一口に「オポッサム」といっても様々であることが分かります。
基本的には樹上で生活している為、手足の爪は鋭く、長い尻尾は手足のように器用に使う事ができます。
よくオポッサムについて「死んだふりをする動物」というイメージを抱いている人がいますが、これは本当であり、“死んだふり”つまり“擬死反射”をするのはオポッサム最大の特徴でもあります。
その理由としては、外敵に襲われた際に“死んだふり”をすることで、自分の身を守ることが目的とされています。
外敵に遭遇した際に本能的に“死んだふり”をして横に倒れたり舌を出したりしますが、これは擬死反射になるので、時間が経つとまた起き上がるのです。
擬死反射をする動物は他にもたぬき、ニホンアナグマ、 モルモット がいますが、こうした動物同様にオポッサムも脳は目覚めた状態だけど体は横たわる警戒行動をするのです。
しかし、中には死んだふりをした際に「悪臭」を発して、本当に死んでいるかのように見せるオポッサムもいるので、種類によって違いがある事が分かります。
オポッサムは大人しい性格で人に懐きやすいので、ペットとしての人気も高まってきています。
ルックスはネズミに近く可愛らしいので、最近ではペットショップでも取り扱う場所が増えてきました。
日本での飼育では、ピグミーオポッサム(ハイイロジネズミオポッサム)が多く、大きさとして手のひらサイズになります。
オポッサム科のジネズミオポッサム属に分類されており、最小最古の有袋類とされており、名前の通りその体はとても小さいです。
ブラジル、ボリビア、パラグアイ、北アルゼンチンに広く生息しており、基本は樹上生活となりますが、地上にも降りてくるので住居に侵入する事もあります。
全長はおよそ20cm程になり、体の大きさとしては10cmになります。
体重も約100gほどとかなり小さく、手のひらサイズの大きさになることが分かります。
野生であればその寿命は約4年程とされていますが、ペットとしての飼育であれば寿命は約8年程になります。
しかし、病気やケガをしてしまえば寿命よりも短い命となってしまうので、異変を感じたら近くの動物病院へ受診してもらうことをオススメします。
オポッサムの特徴の一つに「育児嚢(いくじのう)」というものがあります。
これは、カンガルーやコアラが持っている“お腹の袋”になりますが、これは体内に赤ちゃんを育てる環境が備わっておらず、未熟な状態で赤ちゃんが生まれてくるので、“赤ちゃんを守る為”に体外に袋が備わっているとされています。
しかしながらピグミーオポッサムは、有袋類ではありますが“お腹の袋”がありません。
本来であればお腹の袋の中で育つことになりますが、ピグミーオポッサムはお腹の袋がないので、生まれたばかりの赤ちゃんは母親の背中や尻尾にしがみつきながら生活することになります。
一度に生まれてくる赤ちゃんも15匹ほどになりますが、これは背中に乗るギリギリの数とも言われております。
成熟するまでの期間で5~6ヵ月程になりますが、このように背中の上で育てることからも「コモリネズミ」とも呼ばれているのです。
ピグミーオポッサムは縄張り意識があり単独行動を好むので、複数で飼育するよりも一匹で飼育する事が好ましくなります。
性格としては比較的人間に懐きやすいですが、ピグミーオポッサムも一匹一匹性格が違うので、必ずしも飼育したオポッサムが懐くとは限りません。
しかし、時間を重ねるうちに慣れてくるので、懐かないからといって飼育を放棄しないで下さい。
また、慣れてないうちは手を噛む事もあるので注意して下さい。
ケージといってもオポッサムは基本的に樹上で生活しているので、「高さ」を重視したケージが必要になります。
リス 用や 爬虫類 用のケージで大丈夫ですが、金網タイプのケージであれば隙間から逃げ出してしまう場合があるので注意が必要となります。
また、扉から逃げる事もよくあるので、ケージの開閉時には逃げ出さないよう注意して下さい。
巣箱はオポッサムが生活する環境として置いておくと良いです。
巣箱の中には新聞紙とガーゼを入れてあげて、定期的に巣箱を掃除してあげることが必要となりますが、毎日掃除してもオポッサムにストレスを与えてしまうので、定期的な頻度を心掛けて下さい。
また、綿を入れてしまうと食べてしまうので、巣箱やケージの中に入れないようにしましょう。
餌入れや水入れは ハムスター や ウサギ 用の食器で構いませんが、給水器はうまく水を飲む事ができないので控えましょう。
餌や水に関しては、毎日変えてあげて新鮮さを保つようにして下さい。
野生のオポッサムは冬眠するので、室内の気温が低下すると冬眠を始めようとします。
動きが鈍り冬眠の準備を始めようとするので、ケージに爬虫類用のヒーターなど設置して温度を調整してあげるようにしましょう。
温度としては25℃前後を目安に保つようにして下さい。
野生下では果実や昆虫、種を主食としています。
その為、飼育するオポッサムも同じような主食にしますが、ハムスターやリス用のエサを細かくして、それと細かく切った果物を混ぜて、朝と夕方の1日2回与えてあげましょう。
補助食として茹で卵、エサ用の昆虫(ミルワーム)、茹でた 鳥 のささみ、栄養補給ゼリー(ハムスターなど)を与えて栄養バランスを保つようにして下さい。
野生よりも飼育した方が寿命が延びるとしても、病気を患ってしまえば寿命が短くなってしまいます。
ピグミーオポッサムも“かかりやすい病気”というのはあるので、症状が確認されたら近くの動物病院へ受診するようにして下さい。
また、不衛生な環境下や過度なスキンシップはオポッサムにストレスを抱えてしまい、免疫力や体力の低下を引き起こしてしまいます。
そうなると病気を引き起こしてしまうので、日頃からオポッサムが過ごしやすい環境作りを心掛けて下さい。
かゆみやフケ、脱毛など皮膚に関わるトラブルが発生して、炎症を引き起こします。
目視では確認する事が出来ず、顕微鏡でしか見る事ができない「原虫」という寄生虫の感染が原因で発症します。
健康的なオポッサムであれば感染しても発症せずにいるのですが、ストレスや栄養不足によって免疫力が低下してしまうと発症してしまうことになります。
症状としては下痢や腸炎になりますが、悪化した場合には血便や貧血、体重低下などを引き起こしてしまうので、早期発見や早期治療を心掛けましょう。
ストレスが原因で尻尾や足など自分の体を噛んでしまいます。
また、体に腫瘍やかさぶたができてしまうと噛みちぎってしまう事もよくあるので、傷口には消毒をストレス対策には生活環境の改善を心掛けて下さい。
オポッサムの性格やルックス、それに「死んだふり」が話題になって最近ではペットとしての需要も高まっていますが、まだまだ生態や飼育方法を理解している人は少ないのが現実です。
しかし、オポッサムの理解が乏しく、飼育環境が不適切なものになってしまえば、病気を引き起こしてしまい、本来生きるであろう寿命よりも短い時間しか生きる事が出来なくなってしまいます。
ペットを「購入する」という事は難しくなく、一過性のブームや流行りによってペットを購入する人が多いのですが、その購入したペットを「長生きさせる」という事はとても難しいといえます。
なぜなら、ブームが去ってしまうとペットへの愛情が薄れてしまう場合があるからです。
飼育自体の難易度はそこまで高いものではないので、ペットに対する知識を深め日頃から愛情を持って接していれば、たとえ病気を患っても早期改善できるはずです。
オポッサムの飼育を考えている、もしくは興味がある人はこのように「生き物の命」を大切にして飼育するように心掛けて下さい。
最終更新日 : 2020/10/28
公開日 : 2017/12/11