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3. リス亜科、Callosciurinae亜科、Xerinae亜科
リスとはどのような生き物なのかご存知ですか?
みた目や仕草の愛らしさはよく知っていても、なかなか生態やその歴史にまで詳しい人は少ないかもしれません。
そこで、リスとはどのような動物なのかということからご紹介します。
見た目通り、リスといえば「小柄」な動物であることが第一の特徴です。
かなりの種類がいるリスですが、一番小さいと言われている「アフリカコビトリス」で体長はおよそ7~10cm程度。
逆にリスの仲間の中でもっとも大きいとされている「アルプスマーモット」で、体長はおよそ53~73cmです。
体重で比較してみると「アフリカコビトリス」はなんとたったの10g!
この小ささには目を見張りますが、驚くのは「アルプスマーモット」との体重差です。
リスの中で最大と言われれている「アルプスマーモット」はなんと5~8kgもあるのです。
かたや手のひらサイズなのに対し、もう片方は両手で抱えるサイズなのですから、体格の幅広さには目を見張るものがあります。
総合的にみたリスの平均的な体長は15~22cm、体重は240~300gが一般的なサイズです。
見た目の特徴として、リスは「げっ歯類」であることも有名です。
小さな前足で、木の芽や果実を上手に掴んで、とても器用に齧って食べます。
リスの食べた方はとても几帳面で、例えばとうもろこしなどだと、列ごとに順序良く齧って食べていきます。
リスは日中の明るい時間に活動する「昼行性」タイプの動物です。
朝昼の明るい時間帯に活発に活動し、暗くなると巣穴で眠るのでまるで人間のようです。
この生活スタイルのおかげで、リスはペットとしても飼育がしやすいです。
食べ物が豊富にある季節には「貯食(ちょしょく)」を行います。
「貯食」とは、いろいろな動物がおこなう行動の一つで、エサをみつけてもその場で食べず、隠すして一時的に蓄えることを指します。
エサの少ない季節が来ても大丈夫なためであったり、食べきれないので後で食べるためであったりなど、貯食にも様々な理由があります。
また、リスの特徴の一つに「ほお袋」があります。
沢山のたべものを一度にほおばって、頬がぱんぱんに膨らんでいる姿を見たことはありませんか?
実はこれも「貯食」の一環なのです。
そのほお袋は大変便利で、食べ残しを置いておくだけでなく、エサの保管場所までの運搬も行うのです。
リスの小さな手では、一度にたくさんの食べ物を運ぶことはできません。
そこで、ほお袋に大量の食べ物を詰め込むことで、一度に多くの食べ物を運ぶのです。
保管場所は人目に付きにくい地面の中や、樹木の上にあり、地面を掘ってその中に入れ、上から土を掛けるなどの器用さも持ち合わせています。
こうすることで、エサが少なくなる季節でも安心して暮らすことができるのです。
もちろん、気温によっては冬眠することもありますが、気温があまり下がらなければ冬眠はせずに、年中通して活動を行います。
個体差もありますが、リスの平均寿命は約5~10歳です。
しかし、野生の場合は他の動物に狙われることなどあり、実際のところは3~5年程度ではないかと言われれています。
ただ、ペットとして飼育されている場合や、その環境がリスにとって適している場合は10年以上生きる個体もいます。
リスの歴史はかなり古くから遡り、古代ローマ帝国の記録の中に、リスをペットとして飼っていたという記述があります。
日本では「シマリス」がペットとして可愛がられてきましたが、中世ヨーロッパ時代には、リスは毛皮製品を作る目的で捕獲されていました。
ただ、日本でも最初からすべての人々に愛されていたわけではありません。
北海道に生息した「エゾリス」や「シマエゾリス」などは、食べ物を食べている姿が拝んでいるように見えるため、先住民であるアイヌの人々に気味悪がられていたのです。
今となってはその食べている姿こそ、愛らしい仕草として私たちの目に映っていますが、時代が変われば印象は変わるということがよく分かります。
化石などから調べた結果、リスはなんと3600万年前ごろから生息していたと言われています。
地球の北半球にあたる場所に多く生息しており、特に「北アメリカ」付近にその大半が生息していたと考えられています。
現代のモモンガによくにた化石は、約4000~3500万年前まで遡った「始新世後期」ごろのものだと記録されています。
そこから派生したリスの種類は、現在では5亜科58属285種に分類されています。
北アメリカを起源として始まったリスは、現在の分布では3つの系統に分けられます。
アジア圏の熱帯地方に分布していると言われている、大型の「樹上性」タイプです。
南米でも特に熱帯地方に生息する種類で、こちらも「Ratufinae亜科」と同じく「樹上性」対応のリスが多いです。
このSciurillinae亜科こそが、唯一残った現生種のリスであると言われています。
リス科の中でも最大規模の系統と言われているのが、「リス亜科」「Callosciurinae亜科」「Xerinae亜科」の3つで構成されている、第3のグループです。
さすが最大規模なだけあり、この第3グループのリスはほぼ全世界に分布しています。
「リス」という名前の語源は、漢語の「栗鼠(りっそ / りっす)」が元になっていると言われています。
「栗鼠」というのは、「栗」などの木の実を食べる「ネズミ」に似た生き物という意味からこの漢字が当てられました。
読み方としてそのまま「クリネズミ」と呼ぶこともあるようです。
中国では、その他にも「木鼠(きねずみ)」「松鼠(シンシェー / ソンスウ)」と呼ぶ場合もあります。
「木鼠」は、リスがすばしっこく木に登る様から付けられました。
「松鼠」は、リスの多くが針葉樹林に生息していたことから付けられたそうです。
ユーラシア北部に生息する「キタリス」は、ヨーロッパでは毛皮製品に使われています。
現在でもヨーロッパだけではなく、ロシアでも重宝されています。
毛皮だけでなく、最近までアメリカの一部の地域では、リスを食用として好まれていました。
現在でもアメリカの南部のエリアでは、食用としてリスを狩猟することは認められています。
日本でも過去に北海道の先住民であるアイヌ民族が、リスを食用に狩っていましたが現在は禁止されています。
ネズミ科目リス科に属するリスの種類は、なんと5亜科58属285種も存在します。
主に樹の上で生活する「樹上性リス」や、草原や草地などの地上で主に生活している「ジリス」、さらには「滑空能力」をもっているものまで、多種多様に生息しています。
地上で暮らすタイプには、「マーモット」や「 プレーリードッグ 」をはじめ、日本でもペットとしてよく飼われている「 シマリス 」がいます。
滑空能力があるタイプは、「 モモンガ 」や「ムササビ」などがあり、リスのイメージとは少しかけ離れたタイプのものとなります。
そこで、ここでは国内外を交えて、リスの中でも有名な品種をご紹介します。
リスと言えば「シマリス」といっても過言ではない程です。
恐らく書店でリスの飼育の書籍を探せば、大半が「シマリス」関連のはずです。
ペットとしても一番多く流通していることもあり、手軽に手に入れやすい所も魅力の一つです。
価格帯としては5,000~10,000円程度と、手が届く手ごろな金額と言えるでしょう。
良く見かける茶色の毛に黒い縞模様の物であれば、この程度の価格ですが、やはり色や模様の違いで金額に差は出てきます。
希少価値のある全身が白い「ホワイトシマリス」になると、価格は一気に高騰し40,000円以上の値をつけます。
高額なものになると60,000円近くなるものもいるようなので、希少価値の高さが価格に反映されています。
子リスに至っては、もう少々値段が上がると考えておいてください。
シマリスを家族として迎え入れる場合は、生後2~3か月の子リスの時期がおすすめです。
しつけをするには子どもの頃が肝心です。
例にもれずシマリスも子どものほうがしつけがしやすい上に、人に慣れやすいのでおすすめです。
それでは、健康な子を選ぶためにはどのような点に注意すれば良いのでしょうか。
大切なことは、必ず「直接見る」ことと、「手で触れてみる」ことです。
通販でも販売はされていますが、やはり生き物なので輸送中に弱ってしまう可能性があります。
リスは温度調整が重要な小動物なので、温度管理ができない時間が長い手段があるものは、避けることをおすすめします。
選ぶときのポイントは毛並みの良さや、つややかさを第一にチェックしましょう。
次に手に乗せてみて、痩せすぎていないかを確認してください。
目や肛門に汚れはないか、ごはんはしっかり食べているかも、よく観察すると良いでしょう。
これらのチェックポイントを考えると、シマリスを購入するならできるだけ直接購入できるところを選ぶのが無難です。
リス、またはシマリス専門のブリーダーや、ペットショップに足を運んで、良い子を見つけてあげましょう。
北海道に生息している「エゾリス」ですが、実は「鳥獣保護法」により、現在は飼育することはできません。
和名は「蝦夷栗鼠」。
この名前を命名したのは、「日本鳥学会会長」であり「日本鳥学の父」と呼ばれていた「黒田長禮(くろだながみち)」氏です。
北海道の地に生息するエゾリスは、主に平野部に生息しています。
また、標高およそ1,700mぐらいの常緑針葉樹林や、落葉広葉樹林でも生息していることが確認されています。
少々弱い個体であるのか満1歳まで生きることができるのは、エゾリス全体のおよそ1/4ぐらいです。
野生では長生きをすることが困難なのか、頑張っても3年生きられたら長いほうだと言われています。
しかし、人間の飼育下に入れば、16年も生きたという記録があることには驚かされます。
体長はオスもメスもあまり差は無く、全長22~27cm程度です。
力持ちであることもエゾリスの特徴で、自分の体重の1/3ぐらいある木の実なども口に咥えて運ぶことができます。
エゾリスの特徴的な大きな尻尾は、平均して16~20cmほどあり、尾に生えているふさふさの毛は5cm程の長さがあります。
この大きな尻尾は、木の上を俊敏に移動するときに平衡を保つための役割を果たします。
実はエゾリスは尻尾だけではなく、冬の寒い季節になると、ピンと立った耳にも同じような長い毛が生えてきます。
体全体の毛も、寒くなると冬毛に生え変わるため、北海道に生息しているにもかかわらず野生でも冬眠をしません。
エゾリスの名前で販売されていたこともある「キタリス」は、実はヨーロッパからアジア一帯にかけて生息している品種です。
そのため、「キタリス」は北海道には生息していません。
この「キタリス」も捕獲や飼育は法律で禁止されています。
見てのとおり、エゾリスととても似ています。
耳の先と尻尾に、ふさふさの長い毛が生えることも、エゾリスと同じです。
しかし、よく見るとキタリスは体長がおよそ30cm程度と、エゾリスより少々大きめです。
分布図から見ると、エゾリスはキタリスの一種となりますので、見た目がそっくりなのも仕方ありません。
過去には環境省に申請をし、認可が下りれば飼育をすることが可能な時期もありました。
ですが、日本の生態系を守るため、感染症のリスクを未然に防ぐなどの理由により、現在は輸入や販売、譲渡や飼育などはすべて禁止されています。
九州地方以外の日本国内で多く生息しているのが「ニホンリス」です。
別名「ホンドリス」とも呼ばれています。
「ニホンリス」は、樺太経由で日本に上陸した、「キタリス」の亜種とされています。
体長は16~22cm程度で、体重は250~350gと、リスの平均定期なサイズと言われています。
体毛の色は夏と冬で変化します。
夏場は茶色かかっていたり、赤みかかった毛色をしています。
冬になると灰色かかった色や、褐色の毛並みに変化します。
喉の部分からお腹に掛けては白い毛並みをしており、この白い部分があるかないかで、見た目が良く似ている「タイワンリス」と見分けることができます。
ニホンリスはもともと、本州・四国・九州に分布していたのですが、1970年以降、九州地方での捕獲例がなく、恐らくこのエリアのニホンリスは絶滅したのではないかと言われています。
毛皮や食用にするための狩猟獣とされていた時代があったことや、生息地の破壊などが進み、生息数の減少が懸念されている品種なのです。
なお、ニホンリスは絶滅の恐れがある「地域個体群(環境省レッドリスト)」にも登録されています。
そのため、ニホンリスも鳥獣保護法で守られているので、捕獲や飼育をすることは禁止されています。
リスにしては少々耳が小さめに感じるかもしれませんが、立派なリスの仲間です。
「タイワンリス」はその名の通り、台湾固有の亜種です。
もともとは、アジア全域に広く生息していた「クリハラリス」から派生した品種とされています。
全長約20~24cm、体重は400g前後と平均より少し大きめといったところでしょうか。
ニホンリスよりも一回りほど大きなサイズとなっています。
他のリス同様、日中に活動しますが、オトナタイワンリスは原則、単体で行動しています。
見た目とは相反して俊敏なところがあり、1m程度の木と木の間を飛ぶこともできます。
「滑空能力」があることや、短い体毛が特徴的な部分なところを見ると、モモンガやプレーリードック寄りの個体に近いのかもしれません。
このタイワンリスは、1935年ごろに台湾から伊豆に持ち込まれたた個体が逃げ出して、日本国内で繁殖しました。
そのため、もともと日本に生息している「ニホンリス」の生態系に影響を与えるようになってしまったのです。
ニホンリスの絶滅を避けるためなどあり、勝手に繁殖や飼育、保護ができないよう、2005年に「特定外来生物」に指定されました。
リス科の動物の多さはここまででご紹介しましたが、実はこの動物もリスの仲間なのです。
そんなリスの仲間たちをご紹介します。
ジャンル分けすると、地上で生息するタイプのリスにカテゴリーされます。
地上で生息するリス科の性質同様に、地面に穴を掘ってその中で生活を行います。
そして、家族からなる群れを形成し、まとまって暮らしています。
聴覚が大変優れていて、外的が近づくと鳴き声を上げて仲間に危険を知らせます。
プレーリードッグは平均20万前後で販売されており、一般の家庭で飼育することが可能です。
体の大きさに対し、驚くほどの大きな黒い瞳が特徴的な「モモンガ」もリスの仲間です。
やはり注目すべきは滑空することです。
前足から後ろ足にかけて張られている「飛膜」を大きく広げることで、木の枝から枝へと滑空します。
ニホンモモンガは体長約14~15cm程度、体重は約150~200gほど。
リス科の中でも滑空するタイプのモモンガは、主に木の上で生息しています。
また夜行性であることも、一般的な私たちが知っているリスとは逆となっています。
モモンガは「フクロモモンガ」「アメリカモモンガ」の2種類がペットとして飼育することが可能です。
価格は「フクロモモンガ」の場合、一般的なカラーとなるグレーやブラウンだと15,000~30,000円程度です。
当然、全身が白い毛であったり、目が赤いなど特徴的な部分があると10万~20万程度に跳ね上がります。
フクロモモンガのさらに希少種と言われているのが、白い毛で黒い瞳の個体です。
このタイプになると、価格は10万~30万円程度と言われています。
古き時代から、長きにわたって人間と共存してきたリスは、日本では昭和40年代ごろから人気のペットとして飼われるようになりました。
春先になると、小さくてかわいいシマリスの赤ちゃんを、ペットショップで見かけるようになります。
ただ、小動物の飼育方法について詳しく書かれた書籍などは少ないため、飼育方法がわかりにくいと二の足を踏まれる方も多いようです。
ここからは、リスをペットとして飼いたい方へ、リスを飼うにはどうすれば良いかをご紹介します。
リスの平均寿命でお話しした通り、リスに適した環境であればあるほど、リスは大変長生きをする傾向があります。
ですので、ご自宅でリスを飼育される際は、できるだけリスにストレスがかからない飼育方法を行いましょう。
リスにとって快適な環境とはどのようなものか。
それは「野生」にできるだけ近づけてあげることなのです。
ケージはリスの運動量を維持して上げるために、背の高いものを用意すると良いでしょう。
できればリス専用のものがあればベストですが、高さがあれば無理に専用の物でなくても大丈夫です。
目安としては幅や奥行や高さが、それぞれ50cm以上あると、リスも満足することができます。
かなり大きめのケージとなりますので、リスを飼う前にまずはケージを置くスペースの確保から始めるとよいでしょう。
また、ケージの周囲はできれば空間を開けておきましょう。
げっ歯類は歯が伸び始めるとなんでもかまわず齧ってしまう習性があります。
大切なものを齧られたり、うっかり電化製品のコードなどを齧って事故が起きてしまわないようにする配慮も必要です。
参考価格:7,382 円
メーカー名:SANKO
サイズ(幅X奥行X高さ):17.0×60.0×40.0cm
重量:4.1kg
生産国:中国
リスを飼育するためのケージが用意できたら、リスが快適に過ごせるための設備を設置していきます。
ケージの中に用意しなくてはいけないのは、「巣箱」「エサ箱」「トイレ」「給水器」の4つです。
ケージの底の部分と床には必ず床材を敷き詰めてあげてください。
乾燥しているウッドチップや乾牧草などでもかまいません。
ただし人工的なチップは稀に、アレルギーを起こすこともあるようなので、使用する際は注意が必要です。
新聞紙をちぎったものや綿もおすすめです。
底面に置いておくと、自分で巣箱へ持ち帰る姿も見られます。
参考価格:960円(税抜)
メーカー名:SANKO
内容量:7kg
生産国:アメリカ合衆国
巣箱や餌箱は、できれば木製のものが望ましいでしょう。
プラスチックのほうが掃除が容易ですが、リスが齧ってしまった場合、破片が飛び散ってしまったり、それをうっかり食べてしまったり、ケガをするなどの可能性が出てきます。
そのような場合でも、木などの自然の素材の物であれば、多少は安心できます。
小鳥用の巣箱を使うこともできます。
参考価格:1,018円
メーカー名:ナチュラルペットフーズ
サイズ(幅X奥行X高さ):11.5×14.5×10.5cm
重量:170g
エサ箱に関しては、陶器のものもおすすめです。
淵に乗っかってエサを食べることもありますので、ひっくり返さないよう重さのあるものがベストです。
木製の物の場合、げっ歯類特有の歯が伸びることへの対応も可能です。
歯が伸びてきても、木製だと齧りやすく、ストレス発散にも適しています。
参考価格:840円
メーカー名:SANKO
サイズ(幅X奥行X高さ):8×8×5cm
重量:115g
生産国:中国
給水器は、市販のケージに取り付けるタイプのもので問題はありませんが、スペースに余裕があるのであれば、陶器の物などで水飲み場を作るのも良いでしょう。
トイレに関してはしつけをするのは難しいと最初は思っておきましょう。
ただし、本来リスはきれい好きな生き物なので、一度トイレの場所が決まると、基本的にそこで排せつを行います。
それでもケージの外におしっこなどが飛び散る可能性もありますので、その点を注意してケージの置き場所を決定してください。
リスを飼育する際に気を付けるべきなのはどういったことでしょうか。
健康で長生きしてもらうためにも、リスの特性に合った飼育環境を整えてあげたいですね。
ケージは直射日光が当たらない場所に設置してください。
リスは温度管理に注意が必要な生き物なので、直射日光が当たってしまうと弱ってしまう可能性があるので要注意です。
可能であれば、ケージのすぐそばに温度計を設置して、こまめに温度管理をしてあげるぐらいが良いでしょう。
小動物は何か症状が現れた時点で、すでに危険な状態に陥ってしまう事が多いので、こまめなチェックが大切です。
夏は冷却用のアイテムを使用する、冬はパネルヒーターなどを導入するとよいでしょう。
これらのアイテムを使用する際は、ケージの底面すべてに敷いてしまうのではなく、一部だけにするのがポイントです。
そうすることで、リスが自ら温度調節をするための逃げ場ができるからです。
飼い主さんが管理してあげることも必要ですが、リス自身が自ら温度調整できるようにしておくことも大切です。
温度管理で注意したいのが、冬眠させないことです。
野生ではないリスはエサに困ることはありません。
なのでペットとして飼う場合は冬眠をさせる必要はないのです。
下手に冬眠させてしまうと、リスの健康状態次第では大変危険な状態に陥る可能性があります。
ですから、冬場は特に室温には注意をして冬眠しないようにしてあげてください。
冬眠させないための目安は、室温が常に20℃以下にならないように管理するのがポイントです。
生き物を飼うということは、ケガや病気はつきものです。
しかもリスのような小動物は何かあったら、その時点で危険な状態になっていることもあるのです。
そこでまずは普段からリスをみてくれる動物病院を調べておきましょう。
一般的な動物病院は犬や猫などを専門にみていたりして、リスは受け付けてくれない可能性もあります。
可愛いリスのために、きちんと病院をみつけておきましょう。
リスに最も多い疾患が「脱毛」です。
ストレスというよりも、脱毛の症状が出ると感染症の疑いがありますので、速やかに獣医さんへ連れて行きましょう。
もちろん、過度のストレスでも脱毛は起こります。
ホルモンバランスの崩れなどでも起こりますので、ストレスが溜まらないような環境づくりをしてください。
タンパク質の欠乏からも脱毛が起こる場合もあります。
この場合も当然獣医さんの診断を仰ぐこととなりますが、原因がタンパク質不足の場合はよくなるまで卵や煮干し、茹でた大豆などの高たんぱくなエサを与えて回復を促します。
温度管理にシビアなリスは、室温が高くなると熱中症を引き起こしてしまいます。
リスは人間のように汗をかくことはありません。
なので、気化熱で体温を下げることはできないのです。
体が小さいので、短時間でも死に至ってしまう可能性が高いです。
日光浴や直射日光、室温管理には十分注意してください。
飲み水を切らさない事や、エアコンの風が直接当たらないようになども忘れず行いましょう。
病気ではありませんが、活発に動き回ることが多いリスは、ケガも多いです。
少量の出血や、足を引きずるなどはかなり日常茶飯事で起こります。
症状がひどい場合や、深刻になりそうなようであれば、すぐにでも獣医さんへ連れて行きましょう。
ですが、明らかに軽傷だと判断できる場合は、自宅で様子を見ても構いません。
いつのまにか骨折しているということは小動物にはよくあることです。
足を引きずっている、うずくまって動かないなど、おかしいなと思ったらすぐ獣医さんへ連れて行きましょう。
高い所から落下して脊椎の損傷などを起こしていると、最悪のケースも覚悟しなくてはなりません。
普段から、ケガをしないような環境をつくると同時に、骨を強くするエサや、適度な日光浴をおこないましょう。
日光浴は季節にもよりますが、1日5分以上は日光浴をさせるのがベストです。
すぐに熱中症にかかってしまいますので、日光浴の際は飼い主さんは決して目を離さないようにしてください。
リスがあまりにもよくケガをするようであれば、環境の見直しが必要です。
多頭飼育をしている場合は、個別にケージを用意するのも良いでしょう。
ケージの鉄の部分に引っかかりやすい場所や、劣化して突出している個所がないかもチェックしてみてください。
あとはリス自身のストレスにも注意を払いましょう。
ストレスが溜まると、どうしてもその矛先は自分の体に向けられてしまいます。
自分で自分を噛んでしまうだけでなく、やたら尻尾を噛む、毛づくろいが多すぎるなどもストレスのサインです。
野生のリスは木の実などを主食として食べて生活しています。
植物質のものをメインとしますので、どんぐりや、花そのものも与えると喜んで食べてくれます。
市販されている「ペレット」と呼ばれる固形飼料でも問題はないのですが、そればかりではストレスを溜めかねません。
無理がない程度にで構いませんので、自然に近いものを織り交ぜながら、リスにご飯を与えてください。
手軽に手に入れられることでおすすめなのが「種子類」です。
げっ歯類にはひまわりの種などが良いでしょう。
これらは、リス用ではなくてもハムスター用などとして販売されていますので、それを活用するのもおすすめです。
果物や野菜もあげると大変喜びます。
よく洗って、リスが食べやすい大きさにカットしてあげましょう。
基本的に生のままあげても大丈夫ですが、体のことを考えると加熱したほうが良い食材もあります。
豆類は「レクチン」という有害物質が、ほうれん草は「シュウ酸」が多く含まれていますので、必ず茹でてからあげるようにしましょう。
植物性の物を好んで食べますが、動物性の物も時には与えることが必要です。
自然に近い状態となると、市販の「ミルワーム」やエサ用の「 コオロギ 」もありますが、難易度が高い場合は「煮干し」や「茹で卵」でもOKです。
エサ箱を用意しているからといって、いつも同じ場所に置いてしまうと、リスの為にもよくありません。
ケージの中でも底に種子をばらまいてみたり、遊び場所に置いてみたりなど自然に少しでも近づける工夫が大切です。
自然に近づけるには、その季節ごとにあった食べ物や植物をチョイスするのも良いでしょう。
花や虫、果物や野菜、それぞれに旬があります。
飼い主さんも一緒に季節を感じながらリスのご飯を考えてあげると楽しくなりそうです。
肥満に気を付ければ、ある程度のおやつはアリといえるでしょう。
手からあげることで、手乗りになってくれれば、病院などの移動の際がスムーズになることもあります。
投薬が必要な際も、はちみつを薄めたものに混ぜて与えると楽ですし、おやつを与えているすきに塗り薬を塗ることもできます。
あげるものと、あげすぎないようにすることさえ守れば、おやつもリスと飼い主さんの大切なコミュニケーションの時間となるでしょう。
おやつの場合、ついつい人間のイメージで甘いものなどを想像しがちですが、それは自然からはるかに遠ざかってしまいます。
ですので、人間用に加工されたものはリスには与えないようにしてください。
これらはリスに限らず、ほとんどの動物全般に与えることは厳禁です。
中毒を起こすものや、胃腸を壊すなどの症状を引き起こすものなので、決して与えないでください。
花なども好むリスですが、種類や観葉植物にも注意が必要です。
バラ科の植物の種には「青酸配糖体」という毒素が含まれていますので、リスに与えないようにしてください。
ウメ、アンズ、モモ、リンゴ、ナシ、サクランボなどの種がそれにあたります。
観葉植物の場合も「ポトス」や「ユリ」の葉、「マメ科の植物」などにはリスにとって猛毒となる物質が含まれています。
ですので、与えるだけでなく、室内にリスを離すときにもくれぐれも注意してあげてください。
野菜や果物も、繊維質が多いものは与えすぎると下痢をおこしてしまう可能性が高くなります。
繊維質だけでなく、水分が多い食材も与えすぎには注意です。
少量ずつ小分けで与えてください。
一日の摂取量の目安はシマリスの場合、約30g程度です。
日中に活動する特性を持っていますので、エサの時間は午前中の早い時間が望ましいでしょう。
リスはペットとして飼育していても「貯食」をおこないます。
巣箱などにエサを隠していたりしても、毎日同じようにエサを与えてあげてください。
ただし、果物のような傷んでしまうものや、エサで巣箱がいっぱいになっているなどの場合は、取り除いてあげる必要があります。
リスは一日に、5~10mlの水分が必要です。
与えているエサの内容や、季節・気温・室温などでも必要量は変化します。
与える水は水道水で問題ありません。
むしろミネラルウォーターなどは継続してあげるのは望ましくありません。
ミネラルの過剰摂取は結石を起こしてしまいかねないのです。
カルキ臭などが気になる場合は、水道水を一度沸かしてから冷まして与えるとよいでしょう。
浄水器を通したお水でも問題ありませんが、傷みやすい欠点がありますので、こまめにとりかえてあげましょう。
リスがどれぐらい飲み水を飲んでいるか把握をしておくことは、健康状態の管理に大変役立ちます。
突然飲む量に増減があったら、何かの予兆かもしれません。
チェックのしやすさを考えると、ボトルタイプの給水器は便利といえるでしょう。
英語表記:Squirrel
原産国:日本や北アジアなど
体色: 茶色・灰色・褐色・白色など
品種: エゾリス、ニホンリス、ジリスなどの国内に生息するものと、キタリス、タイワンリスなど海外に生息するものなど
値段: シマリス 5,000~10,000円程度、品種、見た目などで10万以上するものもあります。
特徴: 日中の明るい時間に活発に活動し、温度変化に弱いです。
性格:やんちゃでいたずらっこ。内気で臆病な面もあります。慣れると大変人懐っこくなります。
寿命:品種によるが野生の場合は3年程度、飼育下にあればシマリスで6~7年、ジリスで10~12年、16年生きた例もあります。
かかりやすい病気:脱毛、肥満、熱中症、ケガ・骨折など
入手のしやすさ:少々難しい。シーズンと品種によるが、シマリスなどは春先に手に入りやすい傾向にあります。
リスの生態や、歴史などの基本データと、ペットとして飼育する際の情報をご紹介しました。
ペットとしてはあまりメジャーではないリスですが、慣れると大変人懐こい性格なので、飼いやすい動物とも言われています。
飼い主さんとリスとの信頼関係を築くことができれば、よいパートナーとなってくれることでしょう。
基本さえ押さえれば、飼育はさほど難しくありません。
もしリスとの生活に興味が沸いたら、ぜひペットショップに足を運んで、実際に触ったり見たりしてみてください!
最終更新日 : 2020/11/29
公開日 : 2017/08/28