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シマリスは北アメリカ、ロシア、アジアの北東部に生息しています。
住む場所によってシマリスの種類は異なりますが、日本にいるシマリスはシベリアシマリスの亜種であるエゾシマリスという種です。
「エゾ」という名前の通り、北海道に生息しています。
日本において、野生のシマリスは北海道以外に生息していません。
北海道以外で野生の リス を見ることはできますが、それは二ホンリスでシマリスとは異なります。
一部例外的に海外から輸入されたシマリスで、ペットとして飼育されていた個体が捨てられて野生化したという事例はあります。
エゾシマリスは生息地となる森林の減少や、天敵が多く生存が厳しいことなどから、数が少なくなり絶滅が危惧されています。
シマリスの特徴は、背中から尾の付け根にかけて、5本の黒い縦縞と4本の白い縞模様があることです。
名前の由来もこの縞模様から来ています。
体長は20~30cm程です。
そのうち尾長は8~12cm程で、体長の半分近くを尻尾が占めています。
平均体重は90~130gで、 小動物 の分類に入ります。
野生のシマリスであれば寿命は4~5年程です。
シマリスは食物連鎖のピラミッドでは最下層で被捕食者であるため、自然界での天敵はたくさんいます。
歳を取ってくると身体的な衰えなどから生き残ることが難しくなり、天敵に捕まる可能性も上がります。
しかし、飼育下となれば天敵に襲われる心配が無いことから、6〜8年程は生きられます。
また、適切な飼育環境であれば環境も安定するので寿命は延びます。
上手に飼育すれば10年ぐらいは生きることもあります。
シマリスは臆病で繊細な性格を持つ一方、活発で好奇心旺盛な一面も持ち合わせています。
ただ、それは個体によっても差があります。
やんちゃでいたずら好きな子もいますし、臆病な子もいます。
好奇心旺盛なために、物をかじられて壊されないような飼育環境づくりが必要です。
部屋に放す場合、コード類をかじられないようにしましょう。
また、元気に動き回るので、ケージから脱走されないように注意してください。
逆に臆病な子であれば、ちょっとしたことでストレスを与えないように静かな飼育環境を用意したり、触りすぎないようにしてあげることが大切です。
シマリスは一般的に5,000~10,000円程で購入できます。
10,000円前後ぐらいで販売されていることが多いです。
全身が白いホワイトシマリスとなると、希少性の高さから40,000〜60,000円程になります。
購入する際は、健康な個体かどうかを見極める必要があります。
ポイントは「毛並が良く、つやつやしているか」「痩せすぎていないか」「しっかりエサを食べているか」などです。
通販でも購入できますが、シマリスを直接見ることはできませんし、配送中は温度調整ができないため、到着したころには弱っていることもあります。
そのため、直接店頭へ行くことをおすすめします。
ここからはシマリスの飼育方法を紹介していきます。
まずは用意しなければならない必要なものから見ていきましょう。
ケージに関しては、必要な物がある程度揃っているリス用のケージがあります。
専用の物だと手間もコストも多少省けて便利です。
広さは、幅と奥行きが50cm程あるのが理想的です。
シマリスは運動量が多く半樹上性であるため、地面を走ったり木に登ったりします。
床面積と高さにある程度のスペースを必要とします。
また、網目が細かい金属製のケージにすると良いでしょう。
網目を使って上り下りがしやすく快適です。
ケージの素材はプラスチック製の物もありますが、シマリスに限らず齧歯類は物をよくかじります。
プラスチック製だと、かじることによって素材を誤飲してしまう可能性があるためやめた方が良いです。
ケージは直射日光の当たらない場所で、温度を20〜25℃ぐらいを保ちやすい場所に置きましょう。
参考価格:11,500円(税込)
メーカー名:ホーエイ
サイズ(幅X奥行X高さ) :80.0×62.0×20.0cm
重量:6.2㎏
隠れ家や寝床になる巣箱は、シマリスが安心して暮らすためには必要不可欠です。
木製の巣箱やプラスチック製の巣箱があります。
どちらのタイプにもメリットデメリットがあるので、それぞれ紹介します。
木製の巣箱の場合、素材が自然の物であるということが強みです。
シマリスがかじり回っても、素材が木製であればシマリスの健康面への心配はありません。
しかし、木製の巣箱はプラスチック製の巣箱に比べてカビが生えやすかったりと衛生面に不安要素があります。
一方、プラスチック製はかじったときに誤飲してしまうと、体調を崩す原因にもなりかねません。
ただ、カビは生えにくく、衛生面は木製の巣箱よりも良い状態を保ちやすいです。
参考価格:1,370円(税込)
メーカー名:Doolland
飼育ケージの底に敷くためのものです。
シマリスは、自分の巣の中に敷く草を外から集めてくる習性があります。
床材を敷いておけば、巣へ運ぶところも見られるかもしれません。
また、尿を吸収する役割もあります。
床材は新聞紙を細かく破ったものでも代用できます。
参考価格:350円(税込)
メーカー名:マルカン
サイズ(幅X奥行X高さ) : 25x9x50cm
重量:480g
リスが水を飲むためのものです。
小さな容器に水を入れてケージ内に置いておく、接地式の水入れを利用する方法もありますが、ボトル式の取り付けタイプの方がおすすめです。
設置式だと活発なシマリスが動き回った時に、水入れを倒してしまう危険性があります。
倒すまでにはならなくても、シマリスの体が濡れてしまったり水が汚れてしまったりしやすくなりますが、ボトル式だとそういった心配はありません。
注意すべき点としては、飲み口の材質です。
飲み口がプラスチック製のタイプだとシマリスがかじって壊す可能性があるので、飲み口は強度の高いステンレス製のタイプにしてあげましょう。
参考価格:693円(税込)
メーカー名:GEX
サイズ (幅X奥行X高さ) :6.5×9×14.5cm
内容量:150ml
重量:50g
生産国:台湾
シマリスのエサとして利用できる物はたくさんあります。
趣旨、野菜、果物、穀物、木の実、そしてハトのエサも利用できます。
飼育に慣れてない間は、市販のリス用のエサを与えることをおすすめします。
栄養のバランスも取りやすいですし、野菜や果物などは与えても良いものといけないものがあるためです。
野菜だから大丈夫だと思って何でも与えていると、シマリスが体調を崩す恐れがあります。
エサを与える頻度は1日に1〜2回程で、1日で25〜30g程食べるように与えましょう。
参考価格:388円(税込)
メーカー名:アイリスオーヤマ
内容量:500g
生産国:日本
エサ入れもプラスチック製の物であればかじられてしまうので、陶製の物がおすすめです。
きちんと餌をエサ入れに入れることで、ケージ内が汚れることを防ぐことができます。
参考価格:840円(税込)
メーカー名:SANKO
サイズ (幅X奥行X高さ) :8×8×5cm
重量:115g
生産国:中国
シマリスが登ることができる登り木を用意してあげると、上下運動もできます。
少しでも自然環境に近づけてあげることで、シマリスも生活しやすくなります。
また、齧歯類のシマリスには「かじる」行為はとても重要です。
歯の長さを整えることにもなりますし、ストレス発散の効果も大きいです。
専用のかじり木でなくても構いません。
木を入れて置き、シマリスがかじるようであれば良いです。
かじり木を用意した方が、用意しない状況よりもケージ内の他の物をかじりにくくなります。
参考価格:750円(税込)
メーカー名:マルカン
ペットを飼育する上では病気の予防は欠かせません。
シマリスを飼育する上で気を付けたい病気をご紹介ます。
シマリスの上下の前歯は、死ぬまで伸び続けます。
かじったりすることでお互いの歯がこすり合わさり、適度に削れていきます。
これによって、伸び過ぎることなくエサを食べることができています。
歯が伸びすぎないよう自分で調節ができている訳です。
しかし、自分の力で歯の長さを調節できないと、前歯が伸び過ぎてしまいます。
そうすると、口腔内が伸びすぎた歯で傷ついたり、エサを上手に食べることができなくなったりしてしまいます。
これが不正咬合です。
歯が伸びすぎている場合は、かじり木を多めに入れるなどして、シマリスがかじりやすい環境をつくりましょう。
それでも改善されない時は、動物病院で歯の調節をしてもらえるので、動物病院に連れて行きましょう。
ストレスからくる病気で、自咬症という病気があります。
自咬症とは、自分の尻尾や脚をかじることにより、皮膚が見えるぐらいまで毛がはげてしまう病気です。
そのような症状が見られたら自咬症を疑う必要があります。
一般的に原因はストレスですので、シマリスにストレスを与えるような飼育環境や飼育方法になっていないかを見直す必要があります。
しかし、気を付けなければならないこととしては、毛がはげていれば必ず自咬症という訳ではないということです。
自分で尻尾や脚をかじっている訳ではないのに毛がはげているようであれば、皮膚病の可能性を疑う必要があります。
一般的にペットが下痢になる原因は、エサが問題か寄生虫や細菌、ウイルスの感染によることが多いです。
エサが原因である場合は、エサが傷んでいたり、エサに水分が多かったりといったことが原因かもしれません。
また、エサに問題がなくても、エサが変わっただけで下痢になることがあります。
その場合は慣れると治ることもありますが、そうでなければエサを変えた方が良いです。
ウイルスなどによる感染である場合は、早めに動物病院へ連れて行きましょう。
必要な物を確認してところで、次は飼育場の注意事項を確認していきます。
シマリスにはタイガー期があります。
何だかシマリスには似合わない名称ですが、簡単に言うと「シマリスが凶暴化する時期」です。
シマリスが凶暴化する時期は大体決まっています。
一般的には、秋口から冬の初めに突然凶暴になります。
野生の本能が働いてなのか、噛みついたり襲いかかってきたりなど、普段のかわいらしいシマリスと異なります。
ただ、春先には元の状態に戻ります。
もちろんタイガー期が来ないことや、タイガー期が終わらないなどということも稀に起こります。
タイガー期が起こる原因は明確になっていませんが、一番有力だとされている説をご紹介します。
野生のシマリスは、日照時間が短くなって気温が下がる秋になると、エサが不足する冬に備えてドングリなどのエサを蓄える習性があります。
日本にいる野生のエゾシマリスは、秋にミズナラやカシワのどんぐりを冬眠に備えて巣へ蓄えます。
シマリスは繁殖の時期以外は1匹で生活しており、他のシマリスと出会うと片方が追っ払います。
少ないエサを他のシマリス等の動物たちと取り合うのです。
エサを確保できなかったら死んでしまうので、自分の生存のために凶暴化して攻撃し、他の個体を排除するように動くと考えられています。
それでは、タイガー期が来たらどうすれば良いのか、タイガー期を抑える方法はあるのかということですが、シマリス特有の現象ですので、タイガー期を抑える明確な対策はありません。
しかし、タイガー期が冬に向けてのエサの確保のために起こる現象ということを考えると、いつもよりエサを多めに与えることや、巣箱へ持ち帰ったエサを取り除いたりしないようにすると良いかもしれません。
タイガー期はもちろん、それ以外の時期でも噛みつかれないように気を付けましょう。
シマリスは自分の縄張りに侵入されないよう攻撃する習性があります。
シマリスがケージ内に居る状態で、不用意に掃除などであちこち触ると、縄張りを荒らされているとシマリスが思い噛みついてくる可能性があります。
また、シマリスは飼い主に慣れていないときよりも、慣れてきてから噛みつくようになると言われています。
これは、慣れるとシマリスが飼い主を怖がらなくなるためです。
飼い主として慣れてきてくれているのは嬉しいことですが、噛まれるのは複雑ですよね。
シマリスに縄張りを侵されていると思われないよう気を付けましょう。
掃除ではフンを取り除いたり、汚れた床材を入れ替えたりします。
また、水やエサ、床材など、減った物は補充します。
シマリスのケージ内の掃除で注意すべきことは、食べ残しの処理です。
シマリスは食べ残す習性があり、ある程度食料を保存していると安心する動物です。
そのため、巣箱の中にエサが残っていることがあります。
水分のある野菜や果物は残しておくと衛生上良くないので取り除く必要がありますが、種子など水分がないエサを残している場合は取り除かずに置いておきましょう。
残しているからといって、エサを全部取り除かないように注意してください。
シマリスを飼育する際には 20℃〜25℃ ぐらいを保つことが理想です。
それぞれの季節に応じて適切な温度管理をしましょう。
明け方と日中の温度差が激しくなります。
特に明け方は寒いのでペット用のヒーターを使ってあげたりして、冷えすぎないようにしましょう。
巣箱の側面や、床面半分にヒーターをあてると良いです。
シマリスは人間のように汗をかいて気加熱で体温を調節することができません。
そのため、日中はエアコンが必要です。
エアコンの風が直接リスにあたらないように気を付けてください。
また、ペット用の冷却シートや保冷剤を使用するという手もあります。
その際は、シマリスがかじっても問題ないか購入時に確認しましょう。
春同様、温度差に気を付けましょう。
明け方は寒いですし、日中はまだまだ暑いことも多いです。
日中は温度が上がりすぎない場所にケージを置き、明け方などは必要に応じてエアコンやペット用ヒーターを使用しましょう。
エアコンで温度管理することが理想です。
温度が上がりすぎた場合は、エアコンを切らずに設定温度を変えるようにしましょう。
急激な温度変化はシマリスの命に関わるので、温度は徐々に変化させてください。
リスは縄張り意識が強いため、動物園のように広い環境であれば別ですが、ケージで飼育する場合は単独飼いにしましょう。
喧嘩をしてケガをしてしまう可能性があります。
そのため、シマリスは1つのケージで1匹だけを飼うようにしましょう。
他の動物でも、同じ空間での飼育はリスにストレスを与えるので避けた方が良いです。
シマリスは臆病な一面を持っているため、怖がらせたり嫌がることは大きなストレスとなります。
大きな音をたてたり、手荒く捕まえたりするのは避けましょう。
体を傷つけられると危険な存在と認識され、慣れるどころか隠れるようになってしまいます。
また、シマリスは尻尾を触られることを嫌がるので、極力尻尾は触らないようにしてあげてください。
値段:10,000円前後
寿命:およそ6〜8年
体重:約100〜200g
体長:約20〜30cm
特徴:背中から尾の付け根にかけて、5本の黒い縦縞と4本の白い縞模様がある
性格:臆病で繊細、活発で好奇心旺盛
かかりやすい病気:不正咬合、自咬症、下痢
注意点:タイガー期、掃除、多頭飼いしない、ストレスを与えない
シマリスはコツコツと信頼関係を築けば飼育しやすい動物です。
ペットとしてのかわいらしさは文句なしです。
1匹1匹しっかりと個性を理解してあげて、あなたの最高のパートナーを見つけてみてください。
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公開日 : 2017/09/03