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初心者にもおすすめの日本を代表する鳥「十姉妹」の飼育方法や特徴について






十姉妹(ジュウシマツ)は、日本でペット用として改良された鳥の一種。
飼育のしやすさや、繁殖のしやすさ、声も小さくて近所迷惑にならないなど、ペットとして飼育しやすい要素が多い鳥でもあります。

初めて鳥を飼うという方にもおすすめな鳥で、基本的な鳥の飼育方法について理解しておけば、しっかりと寿命を全うしてくれることでしょう。

今回はそんなジュウシマツの歴史や飼い方について見てみましょう。

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1. 十姉妹(ジュウシマツ)はどんな鳥?

 

ジュウシマツは漢字で書くと「十姉妹」とも表記され、日本では古くから親しまれてきた の一種です。

あまり鳥に詳しくない方でも、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

 

十姉妹は初心者でも飼育することができる小型の鳥なので、鳥かごのサイズによっては数羽まとめて飼育することができる鳥です。

そんなところも、居住スペースの小さい日本で人気が高い由縁となっているのかもしれません。

 

近年では小型の鳥というと「 セキセイインコ 」や「 文鳥 」の人気が高いですが、数十年前は十姉妹の人気が非常に高く、多くの方が飼育したことがあるという程に、かつての日本人には馴染みの深い鳥でもあります。

 

 

2. 十姉妹(ジュウシマツ)の特徴について知りたい!

 

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名称:ジュウシマツ(十姉妹)
体長:10cm〜12cm
体重:12g〜18g
寿命:3年〜10年
原産国:日本

 

日本における十姉妹の歴史は古く、江戸時代から飼育されていたと言われています。

そんな十姉妹の魅力といえば、何と言っても観賞用にも優れ、初心者にも飼いやすい鳥であるということです。

 

性格的には非常に穏やかな鳥で、初めて鳥を飼う方でもすぐに十姉妹の虜になることでしょう。

ただし、十姉妹は「手乗り」というよりかは、「鑑賞」の方が向いている鳥です。

数羽でまとめて飼育しても仲良く生活してくれますので、こうした様子を見るのに癒やされる事でしょう。

 

十姉妹の鳴き声は大きい?小さい?

 

十姉妹の鳴き声は小さいので、マンションなどで飼育しても近所迷惑になるということもほぼ無いでしょう。

こうした特徴も、十姉妹がペットとして改良され、人気を博してきたポイントの一つと言えるでしょう。

 

フィンチ類は手乗りに向かない?

 

ペットとして飼育される鳥の種類には「 インコ 」や「フィンチ」「オウム」といった種類がありますが、十姉妹はフィンチと呼ばれる鳥の種類の一種。

「手乗り」に向いている鳥には「セキセイインコ」に代表されるインコ類が有名ですが、インコ類であっても手乗りに向かないインコも中にはいます。

 

一方、フィンチ類では「文鳥」が手乗りで飼育できる代表格ですが、十姉妹に関しては非常に臆病な性格なため、あまり手乗りには不向きな鳥なのです。

このように、種類によって性格も様々なため、「インコだから手乗りに向く」ですとか「フィンチは手乗りに向かない」ということではないのです。

 

インコとフィンチの違いとは?

 

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簡単に説明すると、「インコ」のくちばしは丸くカーブしたくちばしを持ちますが、「フィンチ」のくちばしは真っすぐで円錐形のくちばしです。

また、木の枝等に止まっている鳥の様子を見てみると、足の指の形も違うことがわかります。

 

正面から足の指を見ると、「インコ」は前に2本・後ろに2本の「対趾足(たいしそく)」となっています。

一方の「フィンチ」の足の指を見てみると、前に3本・後ろに1本の「正足(せいそく)」、もしくは「三前趾足(さんぜんしそく)」と呼ばれる足になっています。

他にもいくつかの「形」がありますが、インコに見られる「対趾足」の鳥は主に樹上での生活を送る鳥が多く、しっかりと枝を掴んだり獲物を捕まえるのに適した足の形です。

 

フィンチ類に見られる「正足」の鳥は樹上や地上で生活を送り、木の枝を掴むことや地上で歩くことに適した足の形をしています。

身近な鳥では「スズメ」や「 カラス 」も正足の足を持つ鳥で、鳥の足で最も多いのがこの正足になります。

 

十姉妹でも手乗りには出来ます

 

このように、同じ鳥でもインコ類やフィンチ類によって体や足の形状も違いますが、十姉妹が必ず手乗りにならないわけではありません。

十姉妹はあくまでも「臆病で手乗りに不向き」なだけで、十姉妹でも「べったり」は難しいものの、しっかりと手乗りにすることも可能です。

 

そのためには、十姉妹の性質や性格についてしっかりと理解することに加え、飼育のタイミングを合わせることが大切になってきます。

では、十姉妹の性質について詳しく見てみましょう。

 

 

3. 十姉妹(ジュウシマツ)の種類について知りたい!

 

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十姉妹は、実は野生には存在しない鳥です。

というのも、十姉妹はペットとして飼育するのに改良された鳥だからです。

 

十姉妹の祖先となる鳥は、江戸時代ころに中国から渡ってきた「チュウゴクコシジロキンパラ」という鳥と考えられています。

このチュウゴクコシジロキンパラは中国や東南アジア等で見られる鳥で、上半分がこげ茶色、下半分は白いのが特徴の野鳥です。

 

十姉妹が日本で親しまれてきたのは、前述の通り江戸時代辺りから。

十姉妹は非常に長い年月をかけ、優しい性格で攻撃性もなく、非常に飼育のしやすい鳥へと改良されてきたのです。

 

実は多彩な十姉妹の種類

 

十姉妹の種類は、色の違いや羽毛の「タイプ」によって分けられます。

 

・並十姉妹

 

 

最もポピュラーで、ノーマルの十姉妹と言うと、この「並十姉妹」になります。

並十姉妹には、黒や茶色、白の羽毛があります。

 

・白十姉妹

 

 

白十姉妹は、その名の通り全身が真っ白な十姉妹です。

この白十姉妹をベースに、頭の天辺に「月」のような丸い模様が入った白十姉妹を「月十姉妹」、尾羽の中心に色が付いている白十姉妹を「一本槍十姉妹」と呼びます。

 

白十姉妹は、普通の白十姉妹よりも高値で取引され希少です。

このほか、背中に茶色い斑模様が入る「小班十姉妹」と呼ばれる白十姉妹もあります。

 

・「巻き毛」が特徴の種類

 

 

十姉妹の種類には「巻き毛」が特徴の種類が存在します。

パッと見は寝癖が付いているかのようなこれらの種類ですが、「芸物十姉妹」とも呼ばれ、並十姉妹よりも高値で取引されている場合が多いです。

また、巻き毛がある場所によって種類が分けられており、その好みも様々です。

 

・梵天:「頭」だけに巻き毛がある種類
・千代田:「胸」だけに巻き毛がある種類
・中納言:「首周り」にだけ巻き毛がある種類
・大納言:「頭」「首周り」「胸」が巻き毛の種類
・獅子:「全身:が巻き毛の種類

 

 

4. 十姉妹(ジュウシマツ)の値段について知りたい!

 

十姉妹の値段は種類によっても変わりますが、並十姉妹でしたら2,000円程で販売されています。

また、前述でも説明した巻き毛の「梵天」に関しては3,000円ほどと、希少になればなるほど価格は上がっていきます。

十姉妹を迎え入れる際には、季節にもよりますが、十姉妹を含めて10,000円程度あれば、最低限の道具も揃えられるでしょう。

 

 

5. 十姉妹(ジュウシマツ)の性格について知りたい!

 

ジュウシマツは「十姉妹」と漢字で書きますが、この漢字の由来となっているのが、十姉妹の持つ性格から来ていると言われています。

十姉妹は複数羽でも仲良く出来る様子から、まるで「家族」のようにも「姉妹」のようにも見られる事から、「十姉妹」の名が付けられたのだそうです。

 

仲間と仲良く生活する十姉妹

 

 

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十姉妹はペットとして改良されてきた鳥のため、その性格も非常に穏やかです。

この点が、初心者でも容易に飼育できるという点に挙げられるのですが、飼い主に対しても攻撃的になることもなく、扱いにくいという事の少ない鳥なのです。

ペットとして飼育されてきたために「外敵」に対する警戒心や免疫はありませんが、攻撃的な性格を無くした代わりに、他の仲間との揉め事も少なく、協調性を持って仲良く生活することができる鳥です。

 

しかし、外敵に対しては非常に弱く、臆病な一面もあります。

そのため、飼い主さんと慣れる前までは落ち着きがなく、常に怯えているような状態になってしまいます。

こうした状態を和らげるためにも、十姉妹は複数羽での飼育が向いているのです。

 

十姉妹は懐く?懐かない?

 

手乗りにも不向きで臆病な性格と言うと、あまり人に懐かないのではと思いますが、そんな事はありません。

十姉妹は十分に人に懐きますが、少しだけ時間がかかるだけなのです。

 

十姉妹を懐かせるためには、まずは驚かせたり怖がらせたりしないこと。

無理に手に乗せようとしたり、捕まえようとするとトラウマになってしまい、懐かせるのに時間がかかってしまいます。

 

まずは、十姉妹に顔を覚えさせ、飼い主さんの「声」や「様子」を覚えさせることから始めましょう。

毎日、「おはよう」や「おやすみ」といったコミュニケーションでもかまいませんので、いつもと同じようにコミュニケーションを重ねていくことが大事です。

 

十姉妹は寂しがりな一面もありますので、毎日こうしてコミュニケーションを取ることは必須でもあるのです。

逆にこうしたコミュニケーションが無ければ、ストレスにもなってしまいます。

 

こうしていくうちに、十姉妹の方から飼い主さんのもとへやってくるでしょう。

十姉妹は仲間を大切にする鳥ですので、飼い主さんも「仲間」と思わせてしまえばこっちのものです。

 

 

6. 十姉妹(ジュウシマツ)の飼い方について知りたい!

 

十姉妹は初心者の方でも安心して飼育の出来る鳥ですが、鳥を飼育するにあたって基本的なことを理解しておかなければなりません。

その一つが飼育するための道具です。

「鳥かご」や「フード」など、鳥を飼育するにもいくつかの道具が必要になってきますので、十姉妹を「飼育する前」にそろえておく必要があります。

 

「鳥かご」

 

 

メーカー名:マルカン
名称:バードパレス フォレスト
参考価格:2,700円
サイズ:幅 30cm×奥行 23cm×高さ 39cm
原産国:中国

 

多くのスペースを必要としない十姉妹。

鳥かごに関しても、小型サイズの鳥かごでも十分に飼育することが出来ます。

 

このサイズですと2〜3羽が適したところですが、逆に鳥かごのサイズを大きくしすぎてしまうと「保温」がしにくくなります。

広々とした鳥かごも魅力的ですが、1羽1羽の居住スペースを考慮して、狭すぎず・広すぎずの適したサイズの鳥かごを選ぶようにしましょう。

 

「止まり木・パーチ」

 

 

メーカー名:SANKO
名称:スリム・パーチ
参考価格:626円

 

ケージにもプラスチックの止まり木がセットで付いていますが、ツメの伸びすぎをやや防いでくれる、天然木の止まり木に差し替えるのもおすすめです。

プラスチックの止まり木ですと簡単に洗えるので衛生的にはできますが、足への負担や爪の伸び過ぎにもあまり効果は期待できませんので、こうしたパーチを差し替えたりして、鳥の様子を見てみるようにしましょう。

 

「フード・えさ」

 

鳥用のフードには「皮付き」「皮なし・皮むき」といった種類がありますが、「皮付き」は基本的には成鳥のフード、「皮なし」「皮むき」のフードは幼鳥のフードという考え方で良いでしょう。

雛用のフードに関しては後述しますが、「殻」を剥いた状態の原料は日持ちがしなかったり、旨味が損なわれやすいため、成鳥用のフードは「殻付き」がおすすめです。

 

・フード

 

 

メーカー名:黒瀬ペットフード
名称:プロショップ専用 mania フィンチ
参考価格:1,305円
容量:1L

 

十姉妹の主食には「十姉妹(ジュウシマツ)用」や「フィンチ用」等と書かれたフードを選ぶようにしましょう。

他の種類のフードも同じようなフードに見えますが、配合はもちろんのこと、フィンチ類が食べやすいサイズの原料が使用されているなど、実は若干の違いがあるのです。

適切な栄養と、適切なサイズの食事ができるよう、フィンチ用のフードを選びましょう。

 

・小松菜

 

 

メーカー名:ナチュラルペットフーズ
名称:小松菜
参考価格:703円
容量:50g

 

ペットで飼育する鳥は、カルシウムや鉄分、ビタミンをしっかりと餌以外の食事からも摂取する必要があります。

そのひとつが、「小松菜」や「青菜」などの餌です。

小松菜以外でも、緑色の野菜は鳥にとって必要不可欠な栄養素を含みますので、栄養補助剤的な役割のためにも、こうしたフードを入れてあげましょう。

 

・ボレー粉

 

 

メーカー名:ペッズイシバシ
名称:クオリス 小鳥のためのボレー 牡蠣殻
参考価格:272円
容量:250g

 

上記の青菜と同じく、栄養補助剤の役割としても大事なボレー粉。

ボレー粉は、貝殻を粉砕した粉で、カルシウムが豊富なフードです。

 

カルシウムが不足してしまうと、十姉妹の足や翼にも悪影響を及ぼすため、カルシウムの摂取は欠かせません。

また、母鳥や繁殖を控えている時のメスには必須の栄養素となります。

 

「温度」

 

 

メーカー名:マルカン
名称:保温電球カバー付 40W HD-40C
参考価格:3,758円

 

飼育する地域や温度によっては、ケージに取り付けるタイプのヒーターが必要になる場合があります。

特に冬に使用するものですが、部屋の温度が日中との寒暖差が激しい場合には、こうしたヒーターを使用することをおすすめします。

 

巣箱について

 

ペットショップなどにも「巣箱」や「藁の巣」が販売されているかと思います。

十姉妹は、こうした巣箱や巣の中で過ごすのが好きな鳥です。

 

ケージ内にスペースがあれば入れてあげても良いと思いますが、巣に入ると発情し始めてしまうこともあるため、オス・メスで入れないようにしましょう。

逆に、繁殖を考えているのであれば、すぐに巣を入れてあげると良いでしょう。

 

メスが発情してしまうと、「卵詰まり」などを引き起こすこともありますので、巣箱を入れる際には、十分に考えてから入れるようにしましょう。

ちなみに「卵詰まり」という症状は、メスの死亡原因にもなりうるものです。

 

くれぐれも、メリット・デメリットを踏まえた上で、巣箱や巣を入れるようにしましょう。

見た目的には可愛らしいものですが、必ず入れなければいけないものではありません。

 

 

7. 十姉妹(ジュウシマツ)を飼う前に知りたいこと

 

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十姉妹は飼育のしやすい鳥ですが、基本的な鳥の飼育方法に関しては理解しておきたいところです。

神経質になりすぎる必要はありませんが、健康的な生活を送らせるためにも、温度管理や日頃の飼育環境の大切さについて見てみましょう。

 

ストレス解消のためにも放鳥を

 

一通りの道具が揃いましたら、いよいよ十姉妹を鳥かごにいれてみましょう。

この時、「成鳥」であれば問題ありませんが「ヒナ」である場合には別途、段取りが変わりますので注意が必要です。

 

十姉妹はケージ内でもそれなりに運動は行なえますが、少し慣れてきた頃には部屋の中で放鳥してあげるようにしましょう。

ケージの外に出すだけで、ストレスの解消になったり、若干の運動にもなりますので、十姉妹の健康維持のためにも行いたいところです。

 

また、放鳥するさいには窓が空いていないかなど、必ず確認してから放鳥しましょう。

特に夏場は外に逃げてしまったなど、多く聞かれる事故の一つです。

そのほか、誤って踏んでしまったり、気が付かずに座ってしまったり、ドアに挟むなどの事故も非常に多いので気を付けましょう。

 

十姉妹は繁殖しやすい

 

十姉妹は複数羽で飼育するのがおすすめですが、オス・メスで飼育していると「巣箱」を入れていなくとも、簡単に繁殖してしまいます。

 

先にも触れましたがメスは「卵詰まり」の原因にもなりますし、生まれた後のことを考えてからオス・メスで飼育するようにしましょう。

ヒナの貰い手はいるか、そのまま飼育することはできるかなど、十分に考慮してください。

そして、十姉妹は子育て上手な鳥としても知られ、飼い主さんがヒナの世話を行わずとも、しっかりと成長します。

 

十姉妹の性別判断

 

 

十姉妹の性別判断は非常に難しいのですが、十姉妹が取る仕草でオス・メスの判断が行なえます。

といっても外見での判断は難しく、主にオスの繁殖期の行動や鳴き声でオス・メスの判断を行うのが一般的です。

 

オスは繁殖期のなるとメスを誘うため、独特のダンスのようなステップを踏み始めます。

また、繁殖期のオスの鳴き声にも変化が見られるようになります。

 

一方のメスに関しては、こうした行動や鳴き方の変化は見られません。

 

複数羽で飼育する際には、しっかりとオス・メスを分けてあげるのが理想的ですが、ペットショップ等から迎え入れる際にオス・メスの判断が出来ていなければ、確実に判断できるまで控えておくべきかもしれません。

 

十姉妹の「水浴び」

 

多くの鳥は「水浴び」を行いますが、十姉妹に関しても同じく水浴びは大事な行動です。

 

鳥の水浴びには、体に付着した汚れや虫、換毛を促すと言った意味があります。

ですので、鳥にとって水浴びは健康維持を行うのに欠かせない行動の一つなのです。

 

外でスズメなどが水浴びしている様子を見たことが無いでしょうか。

鳥が水浴びを行う際には、羽をばたつかせて、水の中で転がりながら水浴びを行います。

 

そのため、飼育下で水浴びさせる際には、周りがびしゃびしゃになってしまいます。

水浴び用の道具も販売されていますが、鳥によっても水浴びする場所の「好み」がありますので、必ずその容器内で水浴びを行うかは試してみなければわかりません。

また、水浴びが苦手な場合には、霧吹きなどを遠目からかけてあげることで、徐々に水浴びに慣らせていく方法もあります。

 

 

8. 十姉妹(ジュウシマツ)のヒナについて知りたい!

 

 

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十姉妹は繁殖能力が高く、容易に数を増やすことが出来る鳥です。

また、十姉妹はヒナの飼育も上手なことで知られ、飼い主さんが手伝わなくともしっかりと成長してくれることでしょう。

 

ただし、親鳥に子育てを任せてしまうと「手乗り」にすることは難しくなります。

十姉妹は成鳥になってしまうと、どうしても警戒心が強くなってしまい、なかなか人に対して警戒心を解こうとしません。

毎日顔を合わせていれば、次第に警戒心も解いてくれるようになりますが、時間はどうしてもかかってしまうのです。

 

販売されている手乗りの十姉妹は、ヒナから育てられている子です。

ペットショップと同じように、手乗りの十姉妹を育てるためには、飼い主さんがヒナのお世話をするのが最もてっとり早い方法になります。

 

挿し餌の仕方

 

 

十姉妹のヒナを世話するには、「挿し餌」を行う必要があります。

「挿し餌」とはヒナの口に飼い主さんが餌を「差し込む」方法で、親鳥がヒナに餌を与えるのと同じように、飼い主さんが餌を与えるのです。

与える餌は「あわ玉」と呼ばれる餌で、人肌程度の温度のお湯であわ玉を柔らかくし、挿し餌専用の用品や「シリンジ」を使い、ヒナの口に入れていきます。

 

餌を与えるタイミングは、十姉妹のヒナの「胃袋」に餌が無くなるタイミングとなります。

毎日世話をしていると、消化のタイミングもわかってきますので、始めのうちは特に注意深く観察しながら飼育するようにしましょう。

 

ヒナがお腹がきつくなってくると、次第に口を開けなくなりますので、胃袋の餌の量を確認しながら与えていくようにしましょう。

非常に手のかかる作業になりますが、手の上で挿し餌を行うとこでヒナは恐怖心も無くなり、逆に「手の上」が安心する場所と認識するようになります。

そのため、手乗りにするためには、挿し餌は必須となるのです。

 

 

メーカー名:コバヤシ
名称:育ての親セット 小鳥用 K-1 カラーアソート
参考価格:438円

 

温度管理が最も重要

 

鳥のヒナを飼育するにあたり、一番に大事になってくるのが「温度管理」です。

成鳥の適した温度は20度〜25度といったところですが、ヒナの適温になると30℃弱を常に保つような状態でなければいけません。

鳥の子育てでは、親鳥に埋もれて子育てしている様子を見たことがあると思いますが、同じように高い温度を維持して「保温」する必要があるのです。

 

そのため、通常の鳥かごではヒーターを入れても温度がしっかりと保たれないため、水槽等で飼育するのが理想的になります。

また、水槽で飼育する際には「酸欠」にならないように、しっかりと空気の通り道を作ることも大切です。

「床材」に関しては新聞紙を細く割いたものや、「敷わら」と呼ばれるものも販売されていますので、こうしたものを床材として敷いてあげましょう。

 

清潔な状態を保つこと

 

これだけ暑い環境ですと、「置き餌」しているとすぐに傷んでしまいます。

徐々にヒナの子育てに慣れてくると挿し餌をした後に、残った分を「置き餌」にしたり、他の食べ物も入れっぱなしになってしまう場合もあるでしょう。

 

しかし、こうした行動は「雑菌」が繁殖するのに適した環境を作ることになります。

餌はもちろん、ヒナが排泄した糞をきれいにすることや、床材をきれいに取り替えるのも必須です。

 

また、乾燥しすぎないように「水」を入れておくことも大事ですが、この水も毎度取り替えるようにしましょう。

清潔な状態が保たれなければ、ヒナの健康も損なわれてしまいますので、決して不潔な状態を維持するようなことは避けるようにしましょう。

 

巣立ちも早い十姉妹のヒナ

 

ここまで説明したヒナの飼育も実はおおよそ生後1ヶ月頃までの作業となり、生後3ヶ月頃になると、十姉妹も大人びた様子に変わってくるでしょう。

生後1ヶ月位までは神経質に飼育する必要もありますが、生後2ヶ月を迎える頃には徐々に、成長になる準備を始めていきましょう。

 

挿し餌は徐々に自発的に食べるようにさせるため、「皮なし」のフードを入れておくようにしましょう。

ヒナは自分で動くようになると、自ら餌を探し始めます。

いつまでも挿し餌を行うのも良くはありませんので、乾燥した餌を置いておき、自発性を養わせましょう。

 

また、成鳥になってからのケージ生活に慣れさせるため、水槽内を歩き回るようになったら「パーチ」「小枝」などを入れておきます。

自然と枝を掴む事になれさせる目的もありますが、挿し餌を行う段階で「指」に捕まらせることでも、止まり木に掴まる訓練が行なえます。

 

数羽で飼育するのが理想的な十姉妹

 

 

ここまで世話をしてくると、ヒナへの愛情も強くなることでしょう。

それは、鳥にも伝わっていることなのですが、べったりと甘えてくるような性格なのは、1対1の関係である間と理解しておきましょう。

 

十姉妹1羽と飼い主さんだけであればべったりと懐いてくれる可能性も高いですが、鳥は他の鳥と生活し始めると、飼い主さんにべったりという様子では無くなってきます。

決して「慣れなくなる」という訳ではないのですが、どちらかというと「ドライ」な様子になります。

特に、十姉妹は仲間と生活するのが理想的な種類の鳥ですので、十姉妹の適した環境を考えれば、1羽で寂しく生活するよりも賑やかに生活した方が良いのかもしれません。

 

 

9. 十姉妹(ジュウシマツ)の寿命について知りたい!

 

十姉妹の寿命は3年〜10年。

平均的な寿命ですと、8年前後程となっています。

 

十姉妹は飼育が簡単な鳥ですが、特にかかりやすい病気もあるわけではありません。

体も小さく、飛ぶ力も弱い十姉妹ですが、以外にも病気知らずな所もあります。

 

ただし、これもあくまで健康的な生活を送っている事が前提です。

例えば、繁殖の頻度が高く卵を産ませ続けていると体力も落ちてしまい、寿命が短くなってしまったり、暑すぎる環境下・寒すぎる環境下で飼育している場合にも注意が必要です。

十分な温度管理や飼育環境を整えるなど、最低限の飼育環境は整えるようにしましょう。

 

 

10. 十姉妹(ジュウシマツ)の基本データ

 

名称:ジュウシマツ(十姉妹)
英名:Bengalese Finch
学名:Lonchura striata var. domestica
体長:10cm〜12cm
体重:12g〜18g
寿命:3年〜10年
原産国:日本

 

 

十姉妹は飼育もしやすく、初めて鳥を飼育する方にもおすすめの鳥です。

また、十姉妹はインコのような「おしゃべり」をするわけではありませんので、おしゃべりを交えてのコミュニケーションをとりたい方は、フィンチ類ではなくインコ類を迎え入れるようにしましょう。

 

十姉妹は基本的には「鑑賞」向きの鳥です。

コミュニケーションはしっかりと取れますが、複数羽で飼育されている十姉妹の姿を見るのが、十姉妹の楽しみとなるでしょう。

日本を代表する十姉妹、鳥を飼おうか迷っている方にもおすすめの鳥です。


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