Top > 中型哺乳類 > 霊長類/類人猿/サル
本ページに掲載のリンク及びバナーには広告(PR)が含まれています。
オスの立髪がマントのような「マントヒヒ」。
オナガザル科ヒヒ属に分類されています。
果たして、どのような特徴があるのでしょうか。
みていくことにしますね。
マントヒヒはオスとメスで少しサイズ感が異なります。
オスの体長は70-80cm、メスは50-60cmとオスが一回り大きくなっております。
体重もオスは20kgほど、メスは10kgほどになっていますね。
特徴的なのは顔と臀部(でんぶ)に体毛がなく肌が露わになっているところ。
ピンクの肌が際立っていますね。
オスは灰色の体毛、側頭部や肩の部分の対応は長く伸びていることも印象的。
この長い体毛がマントのようで「マントヒヒ」と呼ばれる理由でもあります。
ちなみに、メスや子供のマントヒヒの体毛は褐色となっています。
ここからは、少しだけマントヒヒの豆知識を紹介していきますね。
マントヒヒは古代エジプトで、神や神の使者として崇められていました。
神殿の壁、パピルス(古代の紙)にもその扱いが記録されていますね。
それだけにとどまらず、聖獣として神殿で飼われミイラもつくられたほどですよ。
マントヒヒの英語名につく「Sacred」も「神聖な」という意味になっています。
ただ、エジプトおける本種は絶滅しています。
マントヒヒもそうですが、日本にも 猿 の仲間が存在しますね。
動物園でよく見る「チンパンジー」や「オラウータン」、「 ニホンザル 」もまとめて「猿」と表現しがちですね。
例えば、英語で「monkey」(モンキー)というとニホンザルやマントヒヒのような広鼻猿しか意味しません。
そして、「霊長類」とよく聞くと思います。
これにもしっかりとしたくくり、意味はありますよ。
霊長類とは原始的な猿から我々、人間までを含めた猿類の総称。
また、似たような言葉に「類人猿」があります。
類人猿は霊長類でも人間に近い種類のチンパンジーやオラウータン、テナガザルなど。
「猿」といっても細かな分類があるのですね。
今度はマントヒヒが属する「ヒヒ属」について解説していきます。
ヒヒ属に分類される仲間は、マントヒヒ、アヌビスヒヒ、キイロヒヒ、チャクマヒヒ、ギニアヒヒが存在。
ちなみに、「ヒヒ」は「狒々」から由来するとも言われています。
狒々は日本に伝わる妖怪。
山の中に潜んで持ち前の怪力で女性を襲う…との言い伝えがありますね。
マントヒヒもそうですがヒヒ属に分類される動物はよく「あくび」をします。
人間があくびするのは疲れた時ですが、マントヒヒのあくびは意味が少し異なります。
マントヒヒがあくびのように口を大きく開けるのは「おどかし」の意味。
口を開けたマントヒヒをしっかりとみて見ると、目をしっかり見開いて、犬歯を見せていますね。
動物園ではあくびをしたマントヒヒをみた私たちは思わず歓声をあげます。
マントヒヒは自分は人気者だという認識ではなく、「もっと近くと噛むぞ!」と威嚇していることもあるのです。
疲れたあくびなのか、威嚇なのかしっかりみて見るのも面白いかもしれませんね。
では、マントヒヒの生活に迫っていきたいと思います。
どのような生活をしているのでしょうか。
マントヒヒはイエメン、エチオピア、サウジアラビア、ソマリア、スーダン西部などに生息しています。
もう少しイメージしやすく言えばアフリカ東部からサウジアラビアにかけてですね。
具体的な住まいは草原や岩場。
昼と夜で行動の仕方に違いがあります。
昼はオスと数頭のメス、子供の少数で移動しながら食事をしたりします。
夜間は外敵から身を守るために100頭以上の群れで、崖の上などで休息。
マントヒヒのオスは一夫多妻のハーレム状態をつくります。
少し強引な印象ですがオスは親元を離れていないメスを連れ去り、ハーレムを増やしていく習性もあるようですね。
ハーレムを離れようとするメスに対してオスは首を無理やり噛み付いて連れ戻そうともします。
その時、噛む強さで死んでしまうメスもいるとのこと…。
マントヒヒの繁殖期に決まった時期は特にありません。
妊娠期間は170日程度で1産1子が基本で、稀に2子の場合もあります。
人間と似ていますね。
離乳期間は8ヶ月ほどですが、早い場合は半年くらい、長引いても15ヶ月ほど。
性成熟するのはオスが5-7年、メスは4年半。
野生の場合は外的要因の影響で一概には言えませんが、飼育下での寿命は30-35年ほどの寿命となっていますね。
ちなみに、同属のアヌビスヒヒとの間で自然下での交雑種が発見されていますよ。
マントヒヒの食べ物は飼育下や野生下で異なります。
飼育下ではバナナやパン、イモ類を食べますね。
野生で生きているマントヒヒは昆虫類、小型爬虫類、木の葉や種子など雑食となります。
野生下で生きているマントヒヒには天敵とも言える動物がいます。
これまではヒョウやライオンといった大型の動物と言われてきました。
しかし、マントヒヒが生息している場所でヒョウやライオンは絶滅していると言われていますね。
最大の外敵は人間ではないかとも言われ始めています。(生存に必要な環境に与える影響が大きいのでしょうか…)
人間を除けば、ハイエナやワシなどの猛禽類に襲われることもあります。
その時、マントヒヒは鋭い犬歯をむき出しにして立ち向かっていき、身を守ろうとしますね。
マントヒヒは大きな種類で猿に分けられますので、似ている動物も存在しますね。
その中でも「マントヒヒ」と「マンドリル」の違いは何かと思う方も多いことでしょう。
マンドリルについて少し説明すると分布や生息地域が異なります。
マンドリルはアフリカ西部のカメルーンやコンゴ共和国にいます。
そして、熱帯雨林で行動していますので、マントヒヒとは分布も生息場所も異なりますね。
名前でも「マン」がつきますので似ている動物ではあるものの、意味は異なりますよ。
マンドリルは「マン」と「ドリル」の二つの言葉をくっつけて出来上がっています。
「マン」は「man」で人間という意味、「ドリル」は霊長類の分類の一つ。
合わさって、マンドリルと名付けられているわけです。
見た目も特徴が異なります。
マンドリルはパッと見ると色あざやかな印象を受けますね。
頬が青く、赤い鼻と黄色のひげ。
とにかく派手、カラフルといったところですね。
ちなみに、カラフルであればあるほどモテるようで、モテるオスは20頭ものメスを従えるハーレム状態に。
性格も多少違っていて、マンドリルは比較的大人しく、マントヒヒは少々攻撃的です。
もちろん、同じ霊長類ですから共通点もありますが見分ける時には参考にしてみてくださいね。
マントヒヒを日本で見るには 動物園 しかありません。
そこで、関東付近でおすすめの動物園を紹介したいと思います。
東京都 からは羽村市動物公園をオススメします。
マントヒヒのほかニホンザルやテナガザルなど仲間たちもたくさんいますね。
鳥類 の在籍もあり様々な動物を見ることができますね。
爬虫類 もいて、ケヅメリクガメやビルマニシキヘビなど変わった動物もいます。
神奈川県 からは「野毛山動物園」の紹介です。
爬虫類の在籍が多い印象の動物園ですが、マントヒヒやアカエリマキキツネザル、チンパンジーなどもいますね。
ワラビー やレッサーパンダなど女性からの人気が高い動物も在籍。
最後は 埼玉県 の東武動物公園。
マントヒヒを含めると猿の仲間は10種類前後いる動物園ですね。
ニホンザルやエリマキキツネザルなどがいますよ。
古代のエジプトでは神と崇められたマントヒヒ。
日本で野生のマントヒヒを見ることは不可能ですので、動物園でマントヒヒをみてみましょう。
オスの長い体毛は勇ましさを感じることでしょう。
公開日 : 2017/11/04