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生物学的にもヒトに近く、人間との関わりも深いニホンザルは親しみやすい存在です。
多くの 動物園 で会うことができますし、最近ではテレビなどでもよく見かけます。
とても賢く様々なことを覚えるので、「日光猿軍団」を代表として様々な分野で楽しませてくれています。
そんな身近なニホンザルですが、ペットとして飼うというイメージはあまりないかもしれません。
実際のところ一般家庭でペットとして飼われているケースは少なく、通常のペットショップにはほぼいないです。
許可なども必要なので、そう簡単にはペットとして迎えられません。
しかしハードルは高いものの、飼うこと自体は可能です。
そんなニホンザルについてその特徴や飼う時の注意点などについてまとめました。
ニホンザルは野生にも数多く存在する動物です。一般的なニホンザルの生態や分布、食性と言った情報を紹介します。
和名:ニホンザル(日本猿)
学名:Macaca fuscata
英名:Japanese monkey
分類:サル目オナガザル科マカク属
ニホンザルはその名前の通り日本に生息する固有の 猿 です。
主に餌などが豊富に存在する山地帯に生息します。
社会性を持ち、数十頭からときには100頭以上の集団を形成して生活します。
顔とお尻には毛が生えておらず、赤い肌が見えているのが特徴です。
基本的には昼行性で、夜中にはあまり活動しません。
高い学習能力や記憶力をもち、餌の場所や道具の使い方など様々なことを覚えます。
東北地方から九州地方まで、幅広く生息しています。
地域によってやや見た目も異なり、寒冷地であるほど体が大きく体毛が密になる傾向があります。
ニホンザルは大きく分けて「ホンドザル」と「ヤクシマザル」に分かれます。
ヤクシマザルは屋久島に固有のサルで、ホンドザルよりもやや体が小さいです。
猿と言えば芸達者であることで有名です。
「猿まわし」といった踊りや寸劇を交えた大道芸を、誰もが一度は目にしたことがあると思います。
物語に登場することも多く「桃太郎」、「さるかに合戦」など枚挙に暇がありません。
「猿も木から落ちる」といったことわざなどにもよく聞くため、それほど昔から関わりの深い動物であったと言えますよね。
一方で農作物を荒らしてしまったり、観光客への飛びつきなどの被害が報告されています。
獣害対策がとられるなど、どう良好な関係を保つかなどが問題視されています。
オス:6~18kg
メス:6~14kg
47~60cm
25年から30年とされています。 犬 や 猫 と比べると長命です。
野生ではなく良好な飼育環境ではさらに長生きする可能性もあります。
とても長い付き合いとなるので、将来を見据えて飼い始めないと不幸にしてしまうこともあります。
野生のサルは雑食性で果実や葉っぱ花などを中心に植物性の食物を選びますが、キノコ、昆虫、海藻ときには爬虫類など季節に応じて様々なものを食べます。
肉や魚の類は基本的には食べません。
とても感性豊かでかなり人間に近い感情があるとされており、またそれを遠慮なく出します。
闘争心や攻撃性もあるので、興奮しているときはむやみに近づくと怪我をしてしまうこともあります。
力も強く鋭い歯があるので、とくに子供などは注意したほうが良いです。
このような性質をよく理解しないと飼うのは危険です。
一般的にはメスよりもオスの方が人になつきやすく、テレビで芸などを披露しているニホンザルも多くはオスとなっております。
ペットショップなどで売られていることは稀なので、サル類などを扱う専門店を探さないといけません。
価格についてはばらつきがありますが、30~60万円と高額です。
また、市販に流通される個体はかなり少ないため、専門店をこまめにチェックしておかないとなかなか巡り会えません。
ニホンザルは「特定動物」に指定される動物ですので、飼育するためには都道府県知事の許可を受ける必要があります。
「特定動物」とは人に危害を加える恐れのある危険な動物として、飼養施設の構造や保管方法についての基準が定められている動物です。
もし無許可で飼育してしまった場合は、6が月以下の懲役か100万円以下の罰金を課せられてしまう可能性があります。
また、飼うニホンザルが合法的に入手され、ちゃんと登録されている個体でなければいけません。
これらの点をしっかりと確認しなければならず気軽に飼えない点が、他のペットとは違います。
小動物 とは異なり狭いケージの中で飼育して飼うことはできません。
大きく頑強なケージにするか、広い部屋の中で動き回れるようにロープを張ったり段差を作ることが大切です。
また、上で休めるような止まり木も必要です。
運動量が足りないと、ストレスがかかるばかりか体形がおかしくなってしまうこともあるので、飼育環境は工夫がいります。
ニホンザルは社会性のある動物のため、他者とのコミュニケーションがとれない状況はとてもストレスになります。
仕事などで家を空けがちな方では飼うのは少々難しいです。
雑食性が強いので比較的何でも食べますが、やはりバナナなどの植物性の果実が主食になります。
ヒトの食べ物でも食べてしまいますが、健康上あまり与えるのはよくありません。
一日2回ほど、バナナなどの果実を中心に栄養バランスが偏らないように餌を与えます。
タンパク質の補給にはコオロギなどの昆虫が効果的です。
最近ではサル用の人工飼料が売られていることもあるので、それらをメインにすることも選択肢のひとつです。
社会性の動物で群れの中でも順位が決まったりしているので、上下関係には厳しい動物です。
そのため仲良くなるということも大切ですが、こちらが上だということを理解させ従わせる態度も必要になります。
それを怠ると問題行動の多い子になってしまうので、事前にしつけかたを学んでおくことはとても大事です。
猫などとは違い特定の場所でトイレをしつけるのは難しいとされています。
こまめに掃除するか、おむつを履かせるなどしてしなければ飼育環境が汚れてしまいがちです。
ニホンザルは人にも感染する可能性のある病気になることがあります。
とくに寄生虫などは怖いので、定期的に病院で検査するなど注意しなければいけません。
その他腸炎なども罹りやすいです。
ニホンザルを中心とした霊長類の診察が行える獣医師はそれほど多くはありません。
何かあったときに駆けつけられる病院などは、しっかりと確認しておきたい点です。
正直な所ニホンザルをペットとして飼うことは、不可能ではないものの難しいです。
しかし、無理に自宅で飼わなくとも様々な場所で会うことはできます。
ここでは、ニホンザルに会える動物園や娯楽施設を紹介します。
・横浜動物園ズーラシア
住所:神奈川県横浜市旭区上白根町1175−1
マップ: Googleマップ
・東武動物公園
住所:埼玉県白岡市爪田ヶ谷425番地
マップ: Googleマップ
・上野動物園
住所:東京都台東区上野公園9-83
マップ: Googleマップ
・那須ワールドモンキーパーク
住所:栃木県那須郡那須町高久甲6146
マップ: Googleマップ
・日光さる軍団劇場
住所:栃木県日光市柄倉763
マップ: Googleマップ
ここで上げた以外にも、様々な施設でニホンザルのかわいい姿を見ることができます!
とても近しい存在であるもののペットとしてのイメージはあまりないニホンザルの情報について書きました。
とても賢く、寿命も長く、その容姿も人に近いことからニホンザルを買うことは、本当に子どもを授かるような感覚に近そうです。
飼う上での難しさもありますが、もっとも知能が高く人間に近い感情をもつ動物のひとつでもあるため、深いコミュニケーションを楽しめる点がニホンザルを飼う良さです。
犬や猫、 熱帯魚 といった一般的なペットと比べると飼うことの難しさはあると思いますが、うまく付き合えれば本当にかけがえのないパートナーとなってくれるかもしれません。
公開日 : 2017/09/12