本ページに掲載のリンク及びバナーには広告(PR)が含まれています。
現在する飼育犬の中で最も古い歴史を持っていると言われているサルーキ。
その歴史は紀元前6000年以上前にも遡り、当時の遺跡の中からサルーキの姿形によく似た犬の彫刻が見つかっています。
現在は愛好家を中心に人気があり、ジャパンケネルクラブが公開する 犬種別犬籍登録頭数でも毎年100頭以上の登録があります。
性格も賢く温厚な 犬の種類 なので、大型犬と一緒に生活したい方にはぜひオススメしたい犬種ですが、一緒に生活するには少しばかりコツが必要です。
今回は、サルーキの長い歴史を振り返るとともにその性格や特徴についてもご紹介したいと思います。
では、早速サルーキの歴史から見ていきましょう。
現存している飼育犬の中で最も古い犬の一つと言われているのがサルーキです。
2004年のアメリカのサイエンス誌では、DNA鑑定の結果、サルーキが狼に最も近い犬として発表されました。
ここでは、そんな長い歴史を持つサルーキの歴史を紹介します。
サルーキは、エジプト王族とともに暮らしていた歴史があります。
当時、「アラーの神からの遣い」と考えられていたサルーキは、特別な犬として扱われていました。
王族に愛され、王族とともに暮らし、ともに寝ていました。
犬は本来、宗教の教えにより「不浄の動物」と考えられていたために、亡くなった時も人間と一緒に埋葬されることは許されていません。
しかし、サルーキだけは特別な存在として認められていたため、人間とともに埋葬されており、紀元前数千年の古代エジプトのファラオの墓から王族とともにサルーキのミイラが見つかっています。
それほどサルーキが王族にとって特別な存在であり、愛されていたことがわかります。
サルーキは、もともとアラビアの遊牧民とともに狩りをしながら生活をしていました。
主にガゼルという砂漠のシカやキツネ、 ウサギ などを狩る狩猟犬として活躍し、遊牧民にもとても大事にされていたようです。
サルーキとともに行動していた遊牧民は、サルーキの他犬種との交配を禁止しており、長い間ずっと純血を守ってきました。
遊牧民が活動領域を広げていく中でサルーキも各地で子孫を残していき、そのままサルーキ同士で交配を続けた犬や他犬種と交配された犬など、様々な歴史を経てサルーキの血筋が広がったとされています。
その地域の特性などにより様々なバリエーションを持って繁殖していったサルーキは、その後ヨーロッパに渡り、イギリスのKC(ケネルクラブ)には1923年に公認、アメリカのAKC(アメリカンケネルクラブ)には1929年に登録されました。
世界各地に広がっていったサルーキですが、元々は狩猟犬として活躍していたため、その狩猟の形が変わるとともに数が減少していき、今現在は狩猟犬としての役割ではなく家族の一員としての役割が基本となっています。
サルーキは体高58〜71㎝、体重20〜25Kgと大型犬に属します。
引き締まった筋肉質な体と細長い足、体とは対称的な小さい頭に細長い口と首が特徴でモデルのように凛とした佇まいが美しい犬です。
垂れた大きい耳と尻尾の毛が長いのもサルーキの大きな特徴です。
サルーキは歴史とともに各地で変化を遂げてきたため、地域によって毛色や体型が異なっており、毛色は、ホワイト・クリーム・ゴールド・レッド・ブラックアンドタン・コンビネーションなど様々な色が認められています。
サルーキは長い歴史の中で狩猟犬としての役割を果たしてきました。
中でも「サイトハウンド」と呼ばれる、自身の視覚で獲物を発見し凄まじいスピードで獲物を追いかけて狩るタイプに分類されます。
サイトハウンドと呼ばれる犬種は、 アイリッシュウルフハウンド ・ アフガンハウンド ・ イタリアングレーハウンド ・ ウィペット ・グレーハウンド・スパニッシュグレーハウンド・スルーギ・ディアハウンド・ ボルゾイ などがあげられます。
中でも生粋のハンターであるサルーキは、非常に足が速く時速70㎞ほどで走ることができ、犬の中で一番の俊足と言われるグレーハウンドに次いで足の速い犬です。
もともと砂漠でガゼル(シカ)を追いかけていた背景から、サルーキは別名「ガゼルハウンド」「ペルシアン・グレーハウンド」などと呼ばれています。
サルーキはとても頭の良い犬ですので、しつけの理解も早いでしょう。
飼い主に忠実な性格なので、飼い主がしっかり信頼関係を築ければしつけも問題ないでしょう。
ただ、王族の犬だった背景もあり、とても高貴な犬で人や他の動物に媚びることもなく、独立心の強い犬種です。
少し頑固で自分で決めたことは譲らない部分もあるので、きちんとボスは誰なのかを認識させないと言うことを聞かなくなってしまいます。
幼少期からきちんとしつけてあげることが重要です。
サルーキはとても内向的で穏やかな性格です。
家の中でも基本的には大人しいです。
攻撃性も薄く友好的なので、子供にも優しく接することができるので仲良くなれることでしょう。
「好奇心旺盛で元気いっぱいのワンちゃんがいい!」というご家庭には不向きかもしれませんが、「落ち着いた知性の高いワンちゃんと暮らしたい!」という方にはぴったりです。
サルーキは、その見た目からかなり強そうに見えるかもしれませんが、実際はとても繊細な犬種です。
感受性が高く、些細なことでもストレスを感じてしまうこともあります。
食事が変わった時に食べてくれなかったり、下痢をしてしまったり、来客や引越しなど身の回りの変化にとても敏感です。
また、散歩が少なく運動量が足りなかったり、居住スペースが十分でないとストレスが溜まりやすいので、迎え入れる前に散歩や居住スペースなどの環境を整えられるかどうかは家庭内でしっかり話し合う必要があるでしょう。
サルーキの毛は長いシングルコートです。
毛が長いと絡みやすいので、定期的にブラッシングでお手入れをしてあげましょう。
週に2〜3回、状態を見ながらブラッシングしてあげるといいと思います。
狩猟犬だった背景から、運動能力は抜群で走ることがとても大好きです。
家の中ではとても大人しいですが、外に出た瞬間に喜んで走り出す子もいるくらい外を駆け回るのが大好きな犬種ですので、毎日の長距離散歩は必須です。
1日2回、1時間以上たっぷりお散歩をさせてあげましょう。
また、サルーキは本能で動くもの(鳥などの小動物)を追いかけてしまう習性があります。
散歩中に獲物を見つけると飼い主の制止を聞かずに走り出してしまう可能性があるため、ノーリードの散歩やお子様だけの散歩は危険です。
もし思いっきり走らせたいという場合は、ドッグランなどに連れて行ってあげましょう。
サルーキ特有の病気や遺伝性の病気はありません。
ただし、とても細い足のため骨折しやすいです。
骨が発達途中の若い時や年をとってからは、あまり無理をさせないように注意してあげましょう。
また、皮膚が弱く、体が大きいために床ずれを起こしてしまうことがあります。
寝る場所はなるべく柔らかいものを敷いてあげるなどの対策も必要です。
もともと砂漠に住んでいたサルーキですが、実は暑いのも寒いのも苦手です。
体脂肪も低いので、特に寒さには弱く冬は対策が必要です。
室内で飼育している場合は人間と同じように生活していれば問題ないと思いますが、室外の場合は暑い日や寒い日は室内に入れてあげるなどして対策をしましょう。
もともとは、ずっと人と一緒に暮らしていた犬種なので、家の中で一緒に過ごしてあげると喜びます。
平均寿命は12〜14歳と言われています。
大型犬の中では長生きの犬種です。
ただし、長生きする分、老後のケアが非常に重要になってきます。
サルーキは体も大きいので、病院通いや介護は飼い主の負担も大きいです。
事前に老後のケアまで考えて一緒に過ごせるかどうか考えることも非常に重要です。
20〜25万円が相場のようです。
ペットショップで見かけることは少ないので、ブリーダーに相談するのがいいでしょう。
サルーキの親戚種と呼ばれている犬種がいます。
それが、「スルーギ」(別名:アラビアン・グレイハウンド)です。
筋肉質な体型に細長い足、小さな頭に長い口や首などとてもよく似ていますよね。
外見で大きく異なるのは、耳や尻尾の毛が短いところくらいです。
スルーギの出生は細かなことはわかっていませんが、北アフリカのモロッコが原産と言われています。
サルーキと同じく、遊牧民とともに狩りをしながら生活していたサイトハウンド犬種で、人間に非常に大切にされてきました。
出生の詳細が明らかになっていないため、正式なサルーキとの関係性がわかっていませんが、サルーキとスルーギは親戚種として考えられています。
ただ、スルーギは世界大戦の影響によりかなりの数が減少し、一時は絶滅寸前までいきました。
現在は、わずかに残った犬たちから繁殖し少しずつ数を伸ばしているものの、まだまだ数は少ないです。
ジャパンケネルクラブの登録でも近年スルーギの登録はなく、非常に珍しい犬種と言えます。
名称:サルーキ
原産国:中東
誕生年:詳細不明
入手:やや難しい
値段:20〜25万
体重:20〜25kg
体高:大型
平均寿命:12〜14年
特徴:筋肉質、細い足、垂れ耳、細長い口、細い首
性格:穏やか、内向的、賢い、繊細
エジプト王室にも愛された、古い歴史を持つ犬、サルーキ。
見た目とは対称的にとても穏やかで優しいワンちゃんなので、家族の一員としてすぐに馴染んでくれるでしょう。
そして運動大好きなワンちゃんなので、「大きな犬と一緒に毎日運動したい!」という飼い主さんにオススメです。
ぜひ、家族に迎え入れてみてはいかがでしょうか。
公開日 : 2017/07/07