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イタリアングレーハウンドは、グレーハウンドを小型化して細身にした犬種。
優雅で気品があり、しなやかな脚で軽やかに動く身のこなしがとても特徴的です。
「イタリアルネッサンスの誇り」といわれ、優美で高級感が漂う犬種になります。
グレーハウンドと同じように、前脚と後ろ足を揃えて動かし、背中を使って走る「ダブルサスペンションギャロップ」が印象的。
他種の犬とは比べ物にならない速度で走る事ができます。
丸く美しい線を描く腰と、バランスの取れた角度の後ろ足、前足を高く上げてから踏み下ろして歩く姿はとても優雅で気品があります。
この犬種の耳はローズイヤーと呼ばれ、耳の内側が見えている状態で、後ろに反り返って倒れているのが最も良いとされています。
つやつやとした短毛で、健康な被毛であれば太陽光に反射して輝いて見えます。
臭いや抜け毛の心配も少なく、とても清潔に飼う事ができる犬種です。
この犬種のもう一つの特徴としてよく知られるのが、生涯毛色を変えていく犬種であると言われている事です。
真っ黒の子犬を飼ったとしても、成長すると共にベージュやグレイの毛色が生えてくることはよく知られています。
例えばブルーの子犬を手にいれたとしても、変化が見られる事があるということです。
この毛色の変化もイタリアングレーハウンドを飼う一つの魅力とも言えます。
寒さには弱く、冬は服を着せてあげたり、部屋を温かくして温度調節をしてあげる必要があります。
もともと、人に対して優しい犬種です。
人見知りはしますが攻撃性は低いので、問題を起こしにくいとされています。
近年登録数が増えてきて、ペットショップでも見かけるようになってはきましたが、他の犬種に比べると飼っている人が少ないため、小型犬の中では珍しい犬種とも言えます。
イタリアングレーハウンドの起源は、ローマ時代あたりだと考えられています。
当時のイタリアングレーハウンドは、貴婦人達のペットとして大人気でした。
祖先は、古代エジプト、ファラオの宮殿に住んでいたグレーハウンドの末裔だとされています。
ルネッサンスの絵描きの作品の登場する事もあり、花瓶や器の柄としてその姿が刻まれています。
ギリシャ経由で、イタリアにたどり着いたのです。
この犬種が、イタリアングレーハウンドとして最も大きなステップを踏んだのは、このルネッサンスの期の貴族宮廷の事でした。
ルネッサンス文化活動の中、日本人にも親しまれる絵画の中に、イタリアングレーハウンドの姿があるのは珍しくなかったのです。
それほどこの犬種は、イタリア上流階級に馴染みのあった犬だということです。
その後、ウェールズを発祥とするテューダー家が開いたティーダー朝の時、イタリアングレーハウンドはイギリスに渡ります。
イタリアと同様、この犬種は王族達に愛され、そのご貿易によって世界へ広まっていく事になります。
のちにドイツ帝国の盟主となったプロ背印王国の王、フリードリヒ2世はこの犬種を大変愛したと言われています。
没後は愛犬の隣で永眠したいとまで言われているほどです。
基本的に上流階級に愛される犬種でしたが、今では一般家庭で飼われることも多くなってきました。
1880年代、過度な改良がなされ、チワワのような極端に小さな姿になりひ弱になってしまいました。
そのご1890年代に更に改良され、ローマ時代の姿を取り戻して、人気が再加熱したのです。
日本へ入ってきたのは江戸時代。
身分の高い階級で愛されてきました。
現代の日本においても人気が高まってきており、ブリーダーさんも多く、愛好家も増えてきています。
小型のサイトハウンド(視覚狩猟犬)のイタリアングレーハウンドは、走り回ったり何かを追いかけるのが大好きです。
感受性が非常に高く、穏やかな性格をしています。
少し人見知りな性格をしているため、見知らぬ人には距離をおいて近づこうとしません。
ですが、攻撃性はないのでそれが問題になる事はありません。
逆に、他の犬から攻撃を受けて怪我をしてしまう方を注意する必要があります。
家族に対しては忠実で献身的。
とても従順で、愛せば愛すほど愛情を持って返してくれる素晴らしい犬種です。
人間の気持ちに敏感に反応するので、しつけの際の叱り方に注意が必要になります。
子犬の間は好奇心から、家具や家電製品のコード、靴などをかんだり、ティッシュなどを散らかしてしまうといういたずらもあります。
強く怒ってしまうと萎縮して、性格にも影響を与えてしまいかねます。
いたずらされては困る物、かまれては困る物、そういうものは手の届かない所に置くように対処しましょう。
大人になれば穏やかで賢い性格がでるため、そういったいたずらはしなくなります。
上手く固体にあった怒り方、しつけの仕方を見つけることがとても重要です。
基本頭の良い犬種ですので、しつけにてこずる飼い主さんは少ないようです。
人間の子どもや他のペットとも仲良くできる犬種です。
が、乱暴な子どもや、荒い犬が相手だと、骨折をしたり怪我を負わされることがでてきます。
体高32cm~38cm。
体重が最高5kgとなっています。
標準以上の体重増加は細い脚に負担をかけてしまうため望ましくありません。
この犬種はオーバーコートのみが生えているシングルコートです。
かつ超がつくほど短毛であるため、抜け毛も少なくお手入れの手間はほとんどかかりません。
週に一回程度、スキンシップ、血行促進、被毛のつや維持のため、ブラッシングをおすすめします。
シャンプーは月に一回程度で大丈夫です。
私達人間が丁度良いと思う温度より少しぬるめにして、犬用のシャンプーでお手入れしましょう。
指先で優しくマッサージするように体全体を洗い、シャワーヘッドを体に当てるようにすすぐと、水が散らずいやがりません。
耳掃除や歯磨きも定期的に行なってあげましょう。
耳掃除はつきに一回程度。
専用のローションを染み込ませたやわらかい布やコットンなどを使い、優しく耳の中を掃除します。
イタリアングレーハウンドの耳の軟骨はとても薄く繊細です。
扱いには十分に気をつけましょう。
歯磨きは理想は毎日一回ですが、それが無理ならできるとき、月一回でもいいので是非行ないましょう。
その際は歯茎を中心に優しくマッサージするように磨いてあげるのが大事です。
イタリアングレーハウンドの毛色としては、下記が一般的です。
それ以外の毛色としてクリーム、スレートグレー、レッド、ブルー、シールなどが存在します。(JKCの規定色は、ブラック、イザベラ、グレー)
これらの色合いにホワイトが入る事によって○○xホワイトとなります。
ドッグショーにおいてはホワイトが入らない単色が理想とされています。
平均寿命はだいたい13年ほど。
もちろん個体差もありますが、15歳以上の犬も少なくないようです。
比較的長生きをする犬種だと言えます。
固体によっては大食いの子だったり、逆に偏食をする固体も多いようですが、バランスの良い食事を上手に食べさせるのも、長生きをしてもらう一環でもあります。
細い足と肋骨(ろっこつ)の浮き上がった脂肪の少ない体つき。
見た目は華奢なイメージですが、イタリアングレーハウンドは意外と頑丈な犬です。
ですが、その脚の細さゆえ、骨折、膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう:後ろ足の膝蓋骨(膝のお皿)が滑車溝といわれる正常な位置からはずれてしまう病気)が挙げられます。
フローリングの上を走り回って、滑って膝のお皿を脱臼してしまうケースもあります。
骨のもろさは犬種特有のものなのか、遺伝性のものなのか意見は分かれています。
ですが、骨折をするイタリアングレーハウンドは非常に多く、室内で椅子やベッドから飛び降りただけで骨折したというケースも少なくないのです。
手足だけでなく、尻尾の骨折、他の骨折も起こしやすいといわれています。
この犬種は良く飛び跳ねます。
場所を選ばすあのジャンプ力でピョンピョン飛びはね、細くて長い尻尾を激しく振り回します。
フローリングには絨毯を轢いたり、跳ね回った時に転んだり倒れたりしてしまうような家具や雑貨などを置かないようにするなど、対策を心がけましょう。
骨折している事を見逃すことが無いよう、毎日の観察が大事です。
骨折をしているだけで、命を左右されるかもしれないという事を理解する必要があります。
飼育環境や運動環境に気を配る。
また、骨だけではなく、関節に関わる病気も起こしやすいと言われています。
日頃の生活環境などを見極め、悪化させないよう気をつけましょう。
また、体重増加は脚の負担になるので、食事管理に気をつける必要もあります。
さらに、麻酔などにも敏感と言われています。
骨折などで手術をするにあたり、麻酔や鎮静剤が必要になる場合もあります。
そのことも十分理解し、骨折してしまった場合の応急処置の方法も学んでおく事をお勧めします。
骨折の危険性はどの犬種よりも高いと言う事を覚えておいてください。
現在の相場はおよそ20万円前後。
人気犬種で、ブリーダーさんの数も多く、価格に開きがあります。
両親がショー入賞経験ありなどの経歴があると、30万円を越える事も珍しくありません。
まだはっきりとした事はわかりませんが、骨の弱さは遺伝すると言われているので、両親や兄弟を見せてもらう事をおすすめします。
その骨格の細さから、体格の違う犬と遊ばせる時には注意が必要になります。
激しい遊びは骨折にもつながります。
しつけが難しい犬種ではありませんが、そのすばしっこさと素早さから、逃げ出してしまうと捕まえるのが大変です。
運動不足によるストレスから逃げ出してしまう事もあります。
その様な場合は、運動不足にならないよう十分な工夫が必要になります。
子犬の段階から逃げてしまわないよう、しつけをしておくことをおすすめします。
イタリアングレーハウンドは暑さ寒さにとても弱い犬種です。
野外での飼育には不向きです。
散歩や運動、日光浴を除いては室内で飼うべきです。
その大きな理由は、短毛で寒さに弱く、日本の厳しい寒さには耐えられないためです。
運動量は多いですが、散歩の歳には暑さ・寒さへの対策を忘れにようにしましょう。
熱中症や低体温症になるないよう日頃からの注意が必要です。
季節によっては室内でも温度の管理が必要になります。
子犬のうちから犬用の服を着せ、慣れさせておくことをおすすめします。
十分な運動と日光浴をさせることは骨折しにくく健康に育つためにとても大事なことです。
そのことも頭に入れて家族として迎えてあげてください。
最終更新日 : 2020/12/09
公開日 : 2017/04/20