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ヨウムは、アフリカの アンゴラ 、 ケニア 、 コンゴ 、 タンザニア 、 象牙海岸南東部 などが原産の 鳥 です。
主に アフリカの西海岸森林地帯 に生息しています。
ちなみに、漢字では 洋鵡 (ヨウム)と書きます。
ペットとしての歴史は古く、ヨーロッパでは早くからコンパニオンバードとしての地位を築きました。
その歴史は、古代ギリシアにまで遡ります。
主に貴族がペットとして飼っていたようで、イギリスでは17世紀の国王チャールズ2世の愛人であるフランセス・スチュアートが飼っていたことがわかっています。
もちろん、ヨーロッパのみならず、アメリカでも早くから飼われるようになりました。
非常に高い知能から、研究の対象としても注目されています。
今では日本をはじめ、世界中で目にすることができる定番ペットです。
そうとはいえ、ポピュラーなオウムや セキセイインコ と比べると、ヨウムという名が聞き慣れないかもしれません。
ヨウムという名がオウムによく似ているので、「オウムなの?」とお思いになった方も多くいらっしゃるでしょう。
しかし、ヨウムは多くのセキセイインコと同じ オウム目インコ科 に分類されます。
オウム目には オウム科 と インコ科 があり、冠羽という頭の飾りがあるものがオウム科に分けられます。
ヨウムは冠羽がありませんから、大きなグループで見るとセキセインコと同じオウム目インコ科に分類されるのです。
セキセイインコや文鳥などの鳥ペットには、豊富なカラーがあります。
同じコンパニオンバードですから、「ヨウムにも色んな種類があるの?」と思われるかもしれません。
しかし、ヨウムには基本的な ノーマル に加えて、 2種類の変色種(亜種) しかありません。(厳密には細かい品種が存在しますが、大きく分けるとこの3種類になります)
2種類の変色種(亜種)とは、 コンゴヨウム と コイネズミヨウム です。
ご覧頂いてもお分かりになるように、ノーマルとコンゴヨウムのカラーの違いはほとんどありません。
大柄な方がコンゴヨウムなのですが、 似ていることから、日本では特に区別されずに取り扱われています 。
そのため、ショップにいる大柄なヨウムは、ひょっとしたらコンゴヨウムかもしれません。
ただ、どちらも大きさの他は、おなじみの グレーの体色 に 真っ赤な尾羽 が美しい品種です。
頭から首にかけて、淡い縁取りのある美しい羽が生え、背から尾羽になるほど濃いグレーになります。
虹彩が薄い のも特徴的で、黒目だけの鳥ペットに比べて感情が読み取りやすいとも言われています。
気になるお値段ですが、 23万~30万円前後 がおおよその相場となっています。
もちろんショップや個体、年齢によっても違いがありますので、ぜひ色々なお店に足を運んでみてください。
コイネズミヨウム は、 やや小柄 で 暗赤色の尾羽 を持ち、 上クチバシが淡い褐色 をしています。
黒いクチバシのノーマル(コンゴヨウム)とは簡単に見分けられるので、日本でも区別して売られています。
お値段は、 28万~33万円前後 と、ノーマル(コンゴヨウム)に比べて少しお高くなる傾向にあります。
後述しますが、寿命がとても長いペットですので、一生をかけて付き合っていくことになるでしょう。
体長はおよそ 33cmほど 、体重は 400gほど で、鳥ペットの中では中型から大型の部類です。
ペットショップでも、オウムや大型のインコと一緒に陳列されていることがよくあります。
まず、ヨウムの特徴としてあげられるのは、 知能の高さ と 器用さ でしょう。
特にヨウムは、記憶力や言葉の表現力にとても優れています。
知能の高さが、 得意なおしゃべりの能力 に結びついているのです。
実際に、アメリカのアイリーン・ペッパーバーグ博士が、ヨウムの言語能力について様々な研究を行っています。
その研究により、単に「言葉を真似る」と言われていたヨウムが、「言葉を理解して話す」能力を持っていると認められました。
ペッパーバーグ博士によると、実験に使われたヨウムのアレックスは、50種類もの個体と7つの色を認識できたほか、抽象的な言葉の意味を理解していたということです。
このように、最も賢い鳥といわれるほど優秀なヨウムは、複雑なコミュニケーションをこなすことが可能です。
以下の動画には、ヨウムが人間とおしゃべりを通してコミュニケーションをとる様子が映されているのでご覧ください。
また、もうひとつの特徴として、 体温がとても高い ことがあげられます。
平均で 約40度 と高温で、代謝がとても良いのです。
そのため、性格によって差はありますが、たいていのヨウムは 水浴びを好みます 。
水圧の低いシャワーや蛇口の水、霧吹きからの水浴びなどをとても喜びます。
しかし、 お湯を浴びるのはNG です。
ヨウムの羽毛には水をはじく脂が分泌されており、お湯を浴びるとこの撥水効果がなくなってしまうのです。
以上の点に気を付けながら、冷たいお水でヨウムをリフレッシュさせてあげましょう。
さらに、おしゃべりを通してどんどん仲良くなってあげてください。
ヨウムは、とても 愛情深い 性格です。
多くのオウムや大型インコと同じように、パートナーと認めた相手にはとてもよく懐きます。
また、 温和な性格 であることでも知られ、オウムや大型インコ特有の雄叫びはほとんどありません。
鳴き声もそれほど大きくないので、日本の住環境には適したペットだと言えます。
その反面、とても 繊細で神経質 な面もあります。
最も自己主張の強い鳥と言われるのも、優れた知能やデリケートな性質と深く結びついています。
そのため、怖がらせたり、罰したりするのはやめましょう。
ストレスから毛引き症を起こしたり、体長を崩してしまうこともあります。
しかし、メスは比較的おっとりした性格だと言われているため、購入する際の参考にしてみると良いでしょう。
デリケートな性格であることも理解しつつ、魅力たっぷりなヨウムを大切にお世話してあげてください。
ヨウムは とても長生き です。
鳥ペットというと短命なイメージがありますが、ヨウムの平均寿命はおよそ 50年 と言われています。
飼育下では、少し前後することもあります。
いずれにしても、長い付き合いになることを覚悟してお迎えする必要があります。
また、飼い主さんが2代目、3代目になることも珍しくなく、譲り受ける場合もあるようです。
縁あってヨウムを飼うことになった際には、できるだけ長くお世話してあげたいですよね。
いつまでも長く元気でいてくれるように、しっかり準備を整えて、大切にお世話してあげましょう。
ひとくちにヨウムの病気、といっても様々なものがありますが、ここでは代表的なものを取り上げます。
これらの病気は、比較的ヨウムに起こりやすいものです。
繊細なヨウムならではのストレスによる疾患も多くあります。
日頃から健康チェックを行い、少しでも異常を感じたらすぐに動物病院へ連れて行ってあげましょう。
特にヨウムは、 病気でも元気にふるまうことがある ので、よく注意して観察してあげてください。
早速飼ってみたくなったという方もいるかもしれませんが、飼う前にしっかり準備をしておくことが大切です。
ヨウムは、特に準備や心構えが必要なペットでもあります。
一番基本的で重要な飼育アイテムは、やはり ケージ です。
羽が広げられて、少し動き回れる程度の大きさは必要です。
しかし、ケージの中は飛び回る場所ではないので、ある程度の大きさがあれば大丈夫です。
目安としては、一辺が 45~60cm ほどあれば充分でしょう。
シンプルな四角形で、塗装のないものがおすすめです。
お値段は、 8千~2万円 ほどとなります。
以下の商品が近いサイズのケージですので、ぜひ参考にしてみてください。
参考価格:19,030円(税込)
メーカー名:ホーエイ
サイズ (幅X奥行X高さ) :46.5×46.5×66cm
重量:6.5㎏
生産国:日本
次に基本グッズですが、必須アイテムは止まり木、エサ入れ、水入れです。
副食入れや、菜挿しがあればより便利です。
止まり木は、形に変化のある自然木のものを数本入れましょう。
変化があることで、ヨウムの脚の健康にも良いです。
参考価格:780円(税込)
長さ:約25cm
重量:110g
エサ入れや水入れは、なるべく別売りの丈夫なものを購入しましょう。
おすすめは、ステンレス製です。
落下したりひっくり返したりしないために、ホルダー付きだとより良いです。
参考価格:598円(税込)
サイズ:直径12×高さ5cm
参考価格:699円(税込)
サイズ (幅X奥行X高さ) :
大:直径3.3×高さ5.7cm
小:直径2.7×高5.0cm
ショップには色々なデザインのものがありますから、ぜひ上記の情報を参考に、素敵なグッズを探してみてください。
おもちゃは、鳥ペットに欠かせないアイテムです。
知能の高いヨウムを満足させてあげるためにも、色々なおもちゃが必要になります。
おすすめは、中にかくされた紙くずや、おやつを取り出すことができる 穴あきタイプ のものです。
その他にも、ロープや木製ブロックでできた かじって遊ぶタイプ のおもちゃがあります。
頭を使って遊ぶ 知育おもちゃ も、ヨウムにぴったりですね。
ただ、どのタイプにしても、ヨウムは おもちゃを遊んでいるうちに壊してしまいます。
おもちゃは消耗品だと思って、なるべく安価なものを購入しましょう。
もしくは、身近にあるもので手作りすることもできます。
木製スプーンなどに穴をあけて、ロープでつないで吊るすおもちゃにしても良いですし、ボール紙におやつを仕込んでも楽しいです。
何より経済的です。
ヨウムの健康を考えて、 自然素材 のおもちゃを選んであげたり、手作りしてあげてください。
カラフルな 人工素材 のおもちゃも適度に取り入れると、見た目も楽しくて良いかもしれません。
参考価格:2,699円(税込)
サイズ :
全体の高さ:約28cm
ケージの高さ:約9.5cm
六角形の一辺の長さ:約6cm
重量:300g
参考価格:1,760円(税込)
サイズ:約15×41cm
ぜひ、素敵なおもちゃを購入して、あるいは手作りして、ヨウムと一緒に遊んであげてください。
餌も、ヨウムを飼う際に外せないものですよね。
ヨウムは シード類 や ペレット 、副食として 青菜 や ボレー粉 を食べます。
特にシード類は大好物で、高カロリーなヒマワリの種などが大好きです。
ただし、食べ過ぎは禁物です。
脂肪の摂り過ぎで肥満になったり、病気の原因になってしまうことがあります。
基本的な主食はペレットにして、シード類はおやつにときどき与えるのが理想的と言えるでしょう。
参考価格:2,897円(税込)
メーカー名:ズプリーム
内容:1.6㎏
生産国:アメリカ合衆国
参考価格:288円(税込)
メーカー名:黒瀬ペットフード
内容量:200g
生産国:日本
より詳しく「餌について知りたい!」という方は、インコの餌についてまとめた記事があります。
ぜひ、こちらの記事を参考にしてみてください。
→ 何を食べさせたらいいの?インコの餌について知っておきたいコトまとめ!
ヨウムと一緒に暮らすには、必須アイテムに加えて、適切な環境が大切です。
ふさわしい環境を整えて、ゆったりした気持ちでお迎えしてあげたいですよね。
まず、ヨウムが日々過ごす空間となるケージは、 壁際など部屋の隅に置きましょう 。
飼い主さんの姿が見える、リビングなどに置くのがベストです。
さらに、ヨウムを飼うには、ケージとともに 放鳥スペース が必要になります。
ヨウムには、 毎日の放鳥は欠かせません。
これがないと、 ストレスがたまったり、運動不足になったりしてしまいます 。
ケージから出す時間を十分とって、ヨウムとたくさん触れ合いましょう。
しかし、放鳥にはいくつか注意点があります。
ヨウムが家具をかじったり、貴重品を壊してしまうかもしれません。
大切なものはあらかじめしまっておく などの工夫が必要です。
もうひとつの注意点は、 部屋が汚れる ことです。
放鳥は毎日のことですから、こまめに掃除をして清潔感を保ちましょう。
また、大人しい性格といっても、 全く鳴かないというわけではありません 。(個体の性格にもよります)
さらに、飼い主さんがヨウムを気遣って、慎重になる必要もあります。
大きなクチバシを見ても分かるように、噛む力がとても強い鳥です。
お迎えした際も、すぐに触ったりはせずに、 慣れるまで様子を見るのが大切です 。
臆病な性格の場合、辛抱強く我慢することもあるかもしれませんが、焦らずじっくり向き合いましょう。
すぐに仲良くなれるペットも良いですが、ゆっくり信頼関係を築くのも素敵ですよね。
ぜひ、ヨウムも飼い主さんも気持ちよく暮らせるように、しっかりと環境を整えてあげてください。
英表記:African Grey Parrot
原産地:アンゴラ、ケニア、コンゴ、タンザニア、象牙海岸南東部
体長:33cmほど
体重:400g前後
品種:ノーマル、コンゴヨウム(日本ではあまり区別されていない)、コイネズミヨウムなど
値段:
ノーマル、コンゴヨウム 23~30万円前後
コイネズミヨウム 28~33万円前後
特徴:知能が高く、器用。おしゃべりが得意。体温が高く、水浴びが大好き
性格:愛情深く、温和。繊細で神経質な一面も
寿命:50年程度
かかりやすい病気:毛引き症、ビタミンD・Ca欠乏症、ウイルス性羽毛疾患、クラミジア感染症(オウム病)、胃腸炎
入手のしやすさ:比較的容易
ヨウムの特徴に加え、必須アイテムやお迎えする環境についてご紹介しました。
一生のパートナーとも言える素敵なヨウムをお迎えし、大切に可愛がってあげてください。
※合わせて読みたい: どの種類が初心者にも飼いやすい?インコの人気種の特徴や飼い方。オウムとの見分け方も解説
最終更新日 : 2021/10/29
公開日 : 2016/09/15