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キャラクターやモチーフとしても愛されるスコティッシュ・テリア
スコティッシュ・テリアの特徴は、インパクトのある太い眉と頬ひげ、そして短い足です。
彼らの体つきはコンパクトですが、非常にがっしりとしていてとても頑丈です。
大きな耳は先端がとがっていて、尻尾とともにピンと上を向いて立ちあがっています。
被毛は硬くて厚いワイヤーコートのダブルコートで、雨や風にも負けない作りになっています。
また、小さな体ですが俊敏で活発に動き、力強いのも特徴の1つと言えるでしょう。
スコティッシュ・テリアの歴史ははっきりしませんが、非常に古くから存在していると言われています。
諸説ありますが、彼らはハイランド地方原産の テリア としては最古の犬種だと考えられています。
かつてスコットランド(イギリス)には、害獣退治や猟犬として活躍するテリアが数多くいました。
どのテリアも優秀であったことから、各地方の飼い主たちは「我こそがスコティッシュ・テリア」(スコットランドのテリア)だと考えて譲らず、どの系統のテリアがスコットランドの名前を冠するのにふさわしいのか相当な議論が行われたそうです。
結局アバディーンという都市周辺で飼育されていたテリア(通称アバディーン・テリア)が元となり、現在のスコティッシュ・テリアが誕生しました。
そして誕生したスコティッシュ・テリアは短足と悪天候に耐える被毛を生かして、地中に潜ってアナグマやカワウソを狩る猟犬として活躍しました。
President FDR’s Scottish Terrier, Fala, starred in his own film in 1943. pic.twitter.com/uMAOgeUVkY
— White House History (@WhiteHouseHstry) October 20, 2017
そんな彼らはペットとしての人気も高く、著名人に愛されたことでも知られています。
イギリスのヴィクトリア女王をはじめジョージ・W・ブッシュ大統領やロナルド・レーガンアメリカの大統領の愛犬として、なんとホワイトハウスに住んだこともあります。
中でもフランクリン・ルーズベルト大統領が飼育していた 「ファラ」 という名前のスコティッシュ・テリアは非常に有名で、そのおどけた仕草や愛らしさから、大統領の家族だけでなくアメリカ国民にも広く愛されました。
彼らはペットとしてはもちろん、様々なキャラクターやモチーフとしても愛されてきました。
ウイスキーが好きな方であればスコッチウイスキーの “Black & White” のラベルに描かれた黒い犬、というとピンとくる方もいるかもしれません。
(白い犬はスコティッシュ・テリアと同じくイギリス生まれの犬種「ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア」)
また、彼らは犬が主人公のディズニー映画 「101匹わんちゃん」 や 「わんわん物語」 にも登場しています。
スコティッシュ・テリアの体高は25.4~28cmほど、体重は8.6~10.4kgほどです。
性別による大きさの差はほぼありませんが、オスの方がやや体重が重い傾向にあります。
スコティッシュ・テリアのカラーは、ブラック、ウィートン、ブリンドルが認められています。
この3色であれば、どのような色調でも良いとされています。
スコティッシュ・テリアは誠実かつ真面目で、控えめな性格をしています。
猟犬として活躍していたことから独立心が強く、勇敢ではあるものの攻撃的ではありません。
飼い主には忠実で従順ですが、テリアの仲間らしい頑固な一面も持っています。
諸説がありますが、スコティッシュ・テリアの寿命は12年ほどだといわれています。
その寿命は、小型犬としてはやや短い傾向にあります。
英名:Scottish Terrier
別名:スコッチ・テリア、スコッチ、スコッティ
原産国:イギリス
サイズ:小型犬
グループ:3G・テリア
大きさ:体高・25.4~28cmほど
体重・8.6~10.4Kgほど
寿命:12年ほど
次にスコティッシュ・テリアとの暮らしに向いている人について説明していきます。
彼らの被毛はごわごわとしたワイヤーコートですが、意外と手入れに手間がかかります。
なぜならスコティッシュ・テリアらしいスタイルを維持するためには、こまめなブラッシングに加えてプラッキングと呼ばれる特別なトリミングが欠かせないからです。
そんなスコティッシュ・テリアは、被毛の手入れが苦にならない方に向く犬種だといえます。
スコティッシュ・テリアは愛らしい見た目をしていますが、頑固でプライドが高い一面を持っています。
そのためしつけが簡単とは言えず、心を通わせるためにはじっくりと時間をかけて向き合っていく必要があります。
そんなスコティッシュ・テリアは、犬とじっくり向き合える方に向く犬種だといえます。
次の項目では、スコティッシュ・テリアのお迎え方法や価格について見ていきましょう。
スコティッシュ・テリアは、 ブリーダー やペットショップから購入できます。
ただし、日本国内においてはやや珍しい犬種なので、常に販売されているとは限りません。
また、いくつか遺伝病があることでも知られているため、子犬は信頼のおけるブリーダーから迎えた方が良いです。
なお、何か事情(飼い主の病気やアレルギーなど)があり、里親を探している個体がいるかもしれません。
スコティッシュ・テリアを飼いたいと考えている方は、里親募集サイトをチェックしてみても良いでしょう。
スコティッシュ・テリアの価格は、 1 頭あたり20~30万円ほどです。
これはあくまで概算であり、カラーや性別、血統によって価格が大幅に前後する可能性があります。
次の項目ではスコティッシュ・テリアの飼い方と、そのポイントについて説明していきます。
スコティッシュ・テリアの主食には、品質の良い総合栄養食のドッグフードを与えてください。
犬種として尿石症(尿路結石)やアレルギーなどの皮膚疾患になりやすい傾向があるため、ドッグフードの質を重視することをおすすめします。
与えるフードの種類や量について悩んだ時は、ブリーダーや動物病院に相談すると良いでしょう。
スコティッシュ・テリアの ブラッシング は、最低でも週に3回は行いましょう。
彼らの被毛はダブルコートで上毛は硬くゴワゴワしていますが、下毛は柔らかく密に生えています。
意外ともつれやすい毛質をしているため、定期的にブラッシングをしてください。
抜け毛の量は普通ですが、換毛期には抜け毛が多くなるのでブラッシングの頻度を増やして対応すると良いでしょう。
また、スコティッシュ・テリア本来の見た目や毛質を維持するためには、定期的に 「プラッキング」 と呼ばれる特別なトリミングを行う必要があります。
これは専用の道具(トリミングナイフ)や手を使って余分な毛を抜き、人工的に換毛させる手法のことです。
プラッキングは自宅でもできないことはありませんが、専門的な技術であることからトリマーやテリア専門のブリーダーにやってもらうか、あるいはやり方を教えてもらった方が良いでしょう。
なおプラッキングは特殊な技術であり、全てのトリマーがこの技術を取得しているとは限りません。
トリミングサロンに依頼をする場合は、プラッキングができるトリマーがいるか事前に確認しておきましょう。
そうとはいえ、ペットとして飼う場合はプラッキングをせず、バリカンなどで他の犬種と同様に全身の毛をカットする方も少なくありません。
スコティッシュ・テリア の シャンプー は、月に1回を目安に行いましょう。
彼らは皮膚疾患になりやすい傾向があるため、定期的なシャンプーが欠かせません。
しかし皮膚や被毛にシャンプーが残ってしまうと、逆に皮膚疾患の原因となってしまいます。
シャンプーをする前にはブラッシングを行ってもつれを取り除いておくこと、すすぎをしっかり行ってシャンプーを残さないことを心がけてください。
スコティッシュ・テリア の散歩は 1 回30分程度、1日2回行くと良いでしょう。
彼らは他のテリア種と比べると、必要とする運動量は多くありません。
そうとはいえストレス解消と適度な運動量を確保するためにも、毎日散歩に連れて行ってあげてください。
また彼らはもともと猟犬であることから、物を追いかけたり引っ張ったりすることを好みます。
狩猟欲を満たすためにも散歩に加えてボールやロープなどを使い、庭や部屋で思いきり遊ばせてあげましょう。
スコティッシュ・テリアは飼い主に対して忠実で従順であるものの、プライドが高く頑固な面があることからしつけが簡単とは言えません。
彼らはプライドが高いことから、自分が納得できないことに対しては頑として動かない傾向があります。
また、同じことを繰り返すトレーニングを好まないため、彼らのしつけには忍耐と努力が必要です。
自分の考えに自信を持ち、考え方が偏りやすい傾向があるため、色々な遊びやゲームを通じて多くの刺激を与えてあげると良いでしょう。
どうしてもしつけが上手くいかない時は、プロの訓練士の力を借りることをおすすめします。
スコティッシュ・テリアは 「尿石症(尿路結石)」 や 「皮膚疾患」 にかかりやすいといわれています。
尿石症を避けるためには、常に新鮮な水を飲める環境を整えることと、トイレを清潔にしておくこと、皮膚疾患を避けるためには定期的なブラッシングとシャンプーを欠かさないことが大切です。
なお、遺伝病としては「 フォンウィルブランド病(VWD)」「膝蓋骨脱臼」 などが知られています。
ただ、ブリーダーは遺伝病が起こらないよう、細心の注意を払ったブリーディングを行っています。
これらの病気を避けるためには、信頼のおけるブリーダーから子犬を迎えることが大切です。
スコティッシュ・テリアはもともと猟犬であることから、強い狩猟本能を持っています。
小動物を見かけると、本能的に追いかけて捕まえたくなってしまう可能性があることを覚えておきましょう。
小動物を見ると我を忘れて追いかけてしまうこともあるため、ハムスターやウサギなどの小動物と一緒にしないよう配慮するのはもちろん、散歩中に迷子にならないようにしっかりとリードを握っておきましょう。
イギリス生まれの犬種 「スコティッシュ・テリア」 について説明してきました。
スコティッシュ・テリアは被毛のケアに手間がかかること、また頑固な面がありしつけが簡単ではないということが伝わったでしょうか。
スコティッシュ・テリアは国内外ともに安定した人気を誇る、愛好家が多い犬種です。
日本国内で純血犬種の登録や保護を行っている愛犬団体・ジャパンケネルクラブの2019年(1月~12月)犬種別犬籍登録頭数を見てみると、スコティッシュ・テリアは205頭(142犬種中46位)の新規登録が行われています。
もしスコティッシュ・テリアと一緒に暮らすことになったら、ぜひ根気強く向き合ってあげてください。
根気と忍耐を持ってきちんとしつけられたスコティッシュ・テリアは賢くて忠実、かつユニークな性格で家族にたくさんの笑顔をもたらしてくれることでしょう。
最終更新日 : 2020/12/17
公開日 : 2020/09/25