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シュナウザーはドイツ原産で、ピンシャー犬種から作られたと言われています。
日本やアメリカでは テリア の仲間に入れられていますが、テリアの血は入っていません。
ドイツでは、中世の頃から家事や農家の仕事を手伝ってきました。
飼い主や家、食べ物を守ったり、ネズミを捕ったり、家族が市場に行くお供をしたりと、農家になくてはならない存在でした。
牛を市場に追っていったり、ミルクや牧草を積んだ荷車を引くこともあったそうです。
最初のシュナウザーたちは、今人気のミニチュア・シュナウザーより大きかったのですね。
ドイツの田舎で真面目に働いていたシュナウザー。
一躍世間の注目を浴びたのは、1870年代にドッグショーに出演したのがきっかけ。
変わった容姿のおかげで目立ったようです。
その時の犬種名は、ワイアーヘアード・ピンシャー。
ドッグショーで賞を取った子の名前が、たまたま「シュナウザー」だったのですね。
シュナウザーとは、ドイツ語で口ひげという意味。
あまりにもピッタリな名前だったからか、19世紀の終わりには、この名前で世界的に有名になっていました。
その後、アーフェンピンシャーや プードル と掛け合わせ、小型の ミニチュア・シュナウザー が作られました。
ミニチュアが作られたのは本国ドイツでしたが、犬種として安定したのは、アメリカに渡ってからでした。
また、力強い牛追い犬を求めて、グレート・デーンやロットワイラーなどと交配し、 ジャイアント・シュナウザー も作られました。
ジャイアント・シュナウザーは、長年、牛を市場に連れて行くために使われていました。
しかし、鉄道に仕事を奪われてからは、番犬として飼われたり、ドッグショーで活躍しています。
賢く、警戒心が強いことから、警察犬になることもあります。
元のシュナウザーは、ジャイアントやミニチュアに対して、スタンダード・シュナウザーと呼ばれることもあります。
ドイツの農家に生まれ、世界的なスターになったシュナウザー。
次は、その特徴や性質を見てみましょう。
ドラマ『マルモのおきて』でも注目を浴びたシュナウザー。
ディズニーのアニメ『101匹ワンちゃん』では、さらわれた子犬たちを助ける勇ましい役でした。
歌手で女優のドリス・デイがペットとして飼っていたことでも有名です。
ドリス・デイが動物愛護の非営利団体を立ち上げたのは、ペットのシュナウザーを事故で亡くしてからだそうです。
シュナウザーの魅力はどこにあるのでしょうか。
口の周りと眉にある長い毛が、個性的な顔を作り出しているシュナウザー。
生まれたときは、尾が長く、小さな耳も垂れている子が多いです。
尾は短く切ることが多く、耳は一部を切って立たせることもあります。
毛はラフコートと呼ばれる中くらいの長さ。
週に1 - 2 回はコーミング、2 - 3 カ月に1度はトリミングが必要です。
ミニチュア・シュナウザーの代表的な色といえば、ソルト・アンド・ペッパー。グレーと白の組み合わせです。
その他に、真っ黒なブラック。
そして真っ白なホワイトがいます。
白と黒の組み合わせは、ブラック・アンド・シルバーと呼ばれています。
フルスピードで走るとこんな感じです。
スタンダート・シュナウザーとジャイアント・シュナウザーは、ブラックかソルト・アンド・ペッパーのみです。
毎日日光にさらされて、だんだん色が薄くなる退色。
多くの犬に見られる現象です。
シュナウザーの場合、年をとると濃い毛が白っぽくなっていきます。
また、ホワイトシュナウザーは、毛色が少し黄色みを帯びてきます。
これを避けるためには、ストリッピングという毛を抜く作業が必要です。
ただ、この作業はお金がかかるだけではなく技術的に難しく、そもそもやってくれる人があまりいません。
シュナウザーは口の周りの毛が長いので、食べものや水分がくっつきやすいです。
これをそのままにしておくと、変色の原因となります。
飲食の後は、乾いた布で拭いてあげる習慣を付けましょう。
また、目ヤニが原因で、目の周りが変色する場合もあります。
目ヤニに気づいたら、すぐに取ってあげましょう。
涙も、清潔なコットンなどでこまめに拭いてあげてください。
体高は、オス・メス共に、30 - 35cm。
体重は、オス・メス共に、約6 - 13kg。
体高は、オスが47 - 50cm、メスが44 - 47cm。
体重は、メス・オス共に、23 - 25kg。
体高は、約59cm - 70cm。
体重は、オス・メス共に、約32 - 35kg。
ミニチュア・シュナウザーの寿命は12 - 14 歳、スタンダード・シュナウザーは13 - 16 歳、ジャイアント・シュナウザーは7 - 10 歳くらいです。
では次に、シュナウザーの性質を見てみましょう。
しつけをするには、個性を理解することが不可欠ですね。
どんな性質の犬種かによって、しつけ方も変わってきます。
シュナウザーの個性を理解した上で、正しくしつけましょう。
シュナウザーは、もともと一日中働くために飼われていた犬です。
十分に運動してエネルギーを発散しないと、無駄吠え、穴掘りなど他の方法で発散しなければならなくなります。
ミニチュア・シュナウザーなら、毎日45分くらいの運動が目安です。
長い散歩に連れて行けないときは、ボールを投げて取って来させるなど、お気に入りのゲームをしましょう。
シュナウザーは犬の中でもとりわけ賢く、時には私たちの上手を行きます。
また、何とか自分の思い通りにしようとして、色々な方法を考えつきます。
「ここまでなら怒られないかな」と飼い主を試そうとすることもあります。
いたずらも幼いときはかわいいものですが、飼い主たるもの、リーダーシップを発揮するのを忘れないでください。
賢いということは、トレーニングをしやすいということでもあります。
頑固になることもありますが、トレーニングが楽しいと、進んで覚えようとします。
シュナウザーは生き生きとしていて、跳ね回るのが大好きですので、子どものいい遊び相手になります。
特にミニチュア・シュナウザーは、スタンダードやジャイアントより従順で、良い家族になる素質十分。
また、小さい割に頑丈です。
シュナウザーは、あまりケンカをしません。
特にミニチュア・シュナウザーは、滅多に攻撃しません。
他の犬が気に入らなくても、ちょっかいを出すよりは、無視することを好むようです。
上手に紹介すれば、他のペットと仲良くなることも多いようです。
スタンダード・シュナウザーとジャイアント・シュナウザーは、家族や家を守ろうとする本能が強く、よその人にあまり気を許しません。
ミニチュア・シュナウザーはそれほどではありませんが、家族を守ろうとして吠えることもあります。
シュナウザーの大切な仕事は、ネズミ駆除でした。
あなたの大切な革靴をしゃぶってしまうのも、そのせいかもしれません。
この癖をやめてもらうのは、そんなに難しいことではありません。
他にしゃぶれるものを与えればいいのです。
では最後に、シュナウザーとの生活を楽しむために、しつけと病気について見てみましょう。
かつてはしつけのために犬を叩く飼い主もいましたが、今では、逆効果であることがわかっています。
叩いたり怒鳴り散らしたりしないでも、しつけることができます。
そして、しつけを意識するなら犬が幼いうちに始めるのがベストです。
シュナウザーの良きリーダーとなるには、まず、家の中のことを決めるのはあなただということをわからせてください。
毎日の食事のとき、きちんとお座りをさせてから与えるのも、言うことを聞かせる良い方法です。
犬にとって吠えるのは自然なこと。
完全に吠えるのを止めさせるのは賢いことではありません。
吠えるのを止めて咬むようになる可能性もあります。
とはいえ、吠えすぎるのは困りもの。
吠えすぎないようにするには、なぜ吠えるのかを理解する必要があります。
犬が吠える原因はいろいろあります。
縄張りを守るため。
危険を知らせるため。
かまってほしいから。
あいさつとして。
欲求不満のはけ口。
もし、あなたのシュナウザーが縄張りを守るために吠えているのだったら、外を通る人が見えないよう、窓にブラインドを付けるのも一つの方法でしょう。
あなたの気を引こうとして吠えているのだったら、おそらく過去に、吠えるからかまってあげたことがあるのでしょう。
これを止めさせるには、吠えても無視することです。
10分から15分、吠えさせておくのです。
そして、吠えていないときに、撫でてあげたり、声をかけてみてください。
吠えていい時といけない時があることをわかってもらうのが一番です。
吠えるのを止める合図を作って、覚えさせましょう。
そうすれば、番犬として吠えなければならない時には、ちゃんと吠えてくれるでしょう。
シュナウザーは噛み癖がつきやすい犬ではありません。
ただ、幼いときに遊びで咬むのをそのままにしておくと、大人になってからも咬むのが癖になってしまうことがあります。
咬んでも痛くない幼いときから、咬んではいけないことを教えた方がお互いのためです。
犬はリーダーを必要としています。
それが、彼らの自然なのです。
良きリーダーとなってあげることで、絆も強まります。
シュナウザーは比較的丈夫な犬種ですが、かかりやすい病気もあります。
かゆみを伴う皮膚病や尿石に気を付けてください。
レッグペルテスという、大腿骨の股関節部分が壊死する病気もあります。
また、耳の中の毛が多いため、他の犬種よりも外耳炎などになりやすいです。
耳が垂れていると、特に蒸れやすいようです。
英語名:schnauzer
原産国:ドイツ
毛色:ソルト・アンド・ペパー、ブラック、ホワイト、ブラック・アンド・シルバー
体重
ミニチュア・シュナウザーの体重:6 - 13kg
スタンダード・シュナウザーの体重:23 - 25kg
ジャイアント・シュナウザーの体重:32 - 35kg
シュナウザーの値段
ミニチュア・シュナウザー:15 - 25万円
スタンダード・シュナウザー、ジャイアント・シュナウザー:20 - 40万円
オスよりメスの方が価格が高め。
毛色でいうと、ブラック・アンド・シルバーがきれいに出ている子犬が最も高く、次いでブラック、ホワイト、ソルト・アンド・ペパーの順。
性質:物覚えがいい。警戒心が強い。遊び好き。
かかりやすい病気:尿石、皮膚病
賢くて楽しいシュナウザー。
たっぷり一緒に遊んであげてください。
いっぱい手をかけてあげてください。
ペットを持つ喜びを、思い切り味わわせてくれるワンちゃんです。
最終更新日 : 2021/04/12
公開日 : 2016/07/23