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フェレットは「 犬 ・ 猫 よりも臭いが気になる」「酸っぱい臭いがする」といった話をよく聞きます。
イタチ科の動物であるフェレットには、臭いを分泌する「臭腺」があり、 スカンク と同様で身の危険を感じると激しい臭いを出す特性があります。
また、縄張りを主張する場合にも臭いを発すると言われています。
フェレットの臭いは、主にこの「臭腺」や、毎日排泄されるフン・オシッコが原因と言えます。
ただし、日本で販売されているフェレットは、大抵の場合海外から輸入しており、あらかじめ「臭腺」が取り除かれています。
ほとんどの個体が国外の「ファーム」と呼ばれる飼育場で繁殖し、「臭腺除去手術」や「生殖腺除去(避妊・去勢)手術」を行ってから、日本へやってきます。
つまり、スカンクと似たような強烈な臭いを発生させる心配はほぼありません。
基本的に上述した「臭腺除去手術」や「生殖腺除去手術」を受けているフェレットのことを「スーパーフェレット」と呼び、一方で手術を受けていないフェレットのことは「ノーマルフェレット」と言います。
希なケースではありますが、ノーマルフェレットを万一お迎えした場合には、必ず手術を行いましょう。
手術を済ませている個体であれば証明書を発行してもらえるので、譲り受ける際に確認しておきましょう。
ノーマルフェレットは、素人では手に負えないほど凶暴化する性質があり、また発情期(3月から8月頃)になると非常に強い臭気を発します。
発情期を迎える前、生後4ヶ月〜1歳以内くらいを目安に、去勢または避妊手術を実施してください。
去勢や避妊をしないまま交配する機会が訪れないと、フェレットが病気にかかりやすくなってしまうというリスクもあります。
なお、フェレットを診察できる動物病院は限られています。
各手術を済ませているかどうかに関わらず、近所でフェレットに対応できる医院があるかどうかは早めに確認しておきましょう。
無事に手術を済ませたスーパーフェレットであっても、ウンチやオシッコの臭いはだんだん染み付いていきます。
毎日清潔な環境を保ってあげることで、臭い対策はもちろん、フェレットの健康を守ることにも繋がります。
ここからは、フェレットの臭い対策の基本となるポイントをご紹介していきます。
まずは、フェレットのケージやその周囲を掃除することが重要です。
できれば毎日、忙しくても週に1度はケージを拭いてあげましょう。
フンや尿が付着している他、エサのカスが残って臭いの原因になることもあります。
また、ケージや食器にオシッコを付ける「マーキング」という行為をする習性もあります。
ケージの周辺にある床やカーテン、家具にまで尿が飛んでいる可能性が高いので、水拭きをしたり、消臭剤や除菌剤を使ったりしながら定期的に清掃しましょう。
拭き掃除を頻繁に行う余裕がない方は、ケージの周りの床に小さなペット用マットを敷いて洗濯できるようにするか、毎日交換できる ペットシーツ を置いても良いでしょう。
この場合、フェレットが齧って遊んでしまわないよう注意が必要です。
消臭スプレーを購入する際は、万が一フェレットの口に入ってしまっても安全であることが表記されているペット用の物を選ぶようにしましょう。
拭き掃除の際も、フェレットが舐めてはいけない洗剤が残ってしまうことがないようご注意ください。
フェレットのトイレの掃除については、1日2回以上が理想的です。
トイレ内に汚物が溜まりすぎてしまうと、臭いが蓄積してしまうだけではなく、フェレットがトイレ以外の場所で排泄してしまう可能性があります。
朝・晩1回ずつは、トイレ掃除が必須と思っておきましょう。
ペット用のトイレシートやトイレ砂を利用すると、手入れが楽になります。
ただし、紙や砂を食べてしまう恐れがあるので、トイレは金網付きの物を用意し、網の下にシートや砂をはみ出ないように設置することをおすすめします。
ハンモックやマットといった布製品は、なるべく毎日、最低でも週に1回くらいの頻度で交換してあげましょう。
オシッコなどの臭いが残りやすいだけでなく、付着した抜け毛がフェレットの口に入ってしまい、毛球症になってしまう危険性もあります。
コロコロで丁寧に毛を取り、洗濯してあげましょう。
なるべく多めにストックを用意しておくと良いですね。
なお、寝転がって遊ぶハンモックには、消臭剤は使わないようにしましょう。
臭覚が優れているフェレットにとって、消臭剤の臭いは負担になってしまう可能性があります。
消臭対策として、香りが強い芳香剤や香水を使うことはNGです。
臭いが強い物が周囲にあると、フェレットのストレスになってしまい、体臭がきつくなってしまうことがあります。
何より、ストレスは健康に悪影響を及ぼします。
他の香りでフェレットの臭いを消そうとすることはせず、とにかく衛生的にするよう心掛けてください。
フェレットの体の水拭きやお風呂、シャンプーの時間も大切です。
体臭が気になる時は水で濡らしたガーゼで拭き、1〜2ヶ月に1回、37~38℃程度のぬるま湯に入浴させてあげましょう。
頻繁に洗い過ぎると、かえって体臭が強くなる可能性があるため、多くても10日に1回が目安です。
嫌がらないようであれば、フェレット専用シャンプーで洗ってあげるとより効果的です。
水が耳に入らないよう注意し、また入浴後にはタオルやドライヤーでよく乾かすようにしましょう。
週に1回程度、耳かきもしてあげましょう。
特有の分泌液が出るため臭いが強く、また垢がたまってくるとかゆくなってしまい、耳ダニの原因にもなります。
市販のフェレット専用「イヤースポット」液で耳垢を浮かせ、綿棒で掃除をします。
お風呂や耳かきを嫌がって暴れてしまう場合は、無理に続行してしまうと怪我をさせてしまう恐れがあるので、動物病院やフェレット専門店にお願いしましょう。
フェレットは人間と同じように、食事の内容によってフン・オシッコの臭いや体臭も変わってきます。
実際、主食を変えたことによって「トイレの臭いが気にならなくなった」「体臭が急に臭くなった」という経験をした飼育者もいらっしゃることかと思います。
もちろん固体差はあり、飼育環境によっても臭いは異なるものですが、どうしても臭いが気になって悩んでいる場合には、フェレットフードやご飯の内容を変更してみる方法もおすすめです。
なお、フェレットは肉食動物であるという特性上、動物性たんぱく質や動物性脂肪を摂取する必要があり、また消化器官が短いです。
このため、できれば粗たんぱく質34〜36%以上、脂肪18%以上で、繊維2〜3%以下の消化しやすいフェレットフードを与えることが理想的です。
好き嫌いがあるため、複数の種類のフードを混ぜてあげてみると良いでしょう。
フェレットのフンやオシッコが悪臭と感じる場合には、消化器系に何かしらの異常がある可能性もあります。
いつもとフンの色が違う、下痢気味といった状態が見られたら、腸炎や胃潰瘍などを患っているかもしれないので、早めに病院へ連れて行ってあげてください。
臭いの有無にかかわらず、フェレットのトイレを観察することは病気の早期発見に繋がるため、毎日注意深く見てあげましょう。
室内には臭いや抜け毛が浮遊しているため、臭いを分解する機能を持った空気清浄機を活用するのも効果的です。
ただし、漠然と置くだけでは空気清浄機の威力が発揮されないので注意してください。
部屋の隅っこや家具とのスキマには置かず、汚れた空気をたくさん吸引できるように、周りに物がない広い場所に設置しましょう。
フィルターが詰まっていると換気性能が下がってしまうため、定期的な手入れも忘れずに。
フェレットに限った話ではなく、すべての動物・ペットには臭いがあります。
ここまでご紹介したことから分かるように、衛生管理を徹底することは、臭い対策にも健康維持にも直結します。
臭いの大小がどうであれ、動物を家族の一員としてお迎えするからには、常にきれいな状態を保ってあげることが大切です。
フェレットにとっても飼い主にとっても、クリーンで住み心地の良い環境づくりを実現していってくださいね。
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公開日 : 2018/10/11