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【獣医師が解説】犬を飼う前に知っておきたい!犬アレルギーの特徴・症状・対策方法を解説






犬の飼育を検討していたり、実際に飼っていると度々耳にする「犬アレルギー」という言葉。
犬の被毛等が原因で、アレルギー症状が出ることを犬アレルギーと言いますが、実際に症状が発症してしまうと大変です。

今後の愛犬との生活に支障をきたしたり、また生活環境を変更したりと、負担がかかってしまうことがあります。

実際に犬アレルギーとはどのようなことが原因で起こるものなのでしょうか?
本記事では犬のアレルギーについて特徴・症状・対策方法などをご紹介します。

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【目次】【獣医師が解説】犬を飼う前に知っておきたい!犬アレルギーの特徴・症状・対策方法を解説

 

犬アレルギーについて

犬アレルギーの主な症状

1. 犬アレルギーで見られる症状

2. 呼吸困難や皮膚炎に陥ることも

犬アレルギーの対策方法

1. 清潔な環境は必須

2. 直接の接触を避ける

3. 家族が発症した場合は接触を避ける

4. 飼わないという選択も

犬アレルギーの検査

1. 血液検査

2. 接触テスト

さいごに

 

 

犬アレルギーについて

 

アレルギー はじめに

 

アレルギーとは、免疫反応がアレルゲンと呼ばれる特定物質に過剰反応して起こる症状を指します。

アレルギーには様々な原因がありますが、その中でも「犬アレルギー」とは の被毛や唾液が原因で起こるアレルギーを呼びます。

 

動物アレルギーの中でも代表的な犬アレルギーですが、現在犬の体内で生成されるアレルゲンは7種類が確認されています。

特に、犬の体内で作られているCanf1という物質が有名です。

 

主に犬の被毛やフケ、唾液に含まれる物質を吸い込んだり触れることによって犬アレルギーは起こります。

実際に犬アレルギーの症状がでてしまった場合は、どのような問題があるのでしょうか。

 

次項より犬アレルギーの特徴をご紹介します。

合わせて、犬アレルギーに対する対策も併せて見ていきましょう。

 

 

犬アレルギーの主な症状

 

犬アレルギーにかかるとどのような症状が見られるのでしょうか、

特に多い症状についてご紹介します。

 

1. 犬アレルギーで見られる症状

 

犬アレルギーになった場合の症状としては、風邪と似た症状が出ることがあります。

具体的な例としては、咳や鼻水、鼻炎のような症状や目のかゆみ、目の充血等が多く挙げられます。

 

重症化すると呼吸困難や皮膚に湿疹が出たり、酷いかゆみや発熱を伴うこともあります。

これらの症状には個人差がありますので、同じ物質が原因でも軽症の方もいれば重症化する場合もあります。

 

しかし、花粉症や他のアレルギーでも見られる症状であり、原因の特定には慎重になる必要があります。

犬が原因のアレルギーと分かった場合は、すでに飼っている方にとっては今後の愛犬との接し方は大きな課題となります。

 

これらのアレルギー症状は、アレルギーの原因となる対象と接しないことで抑制することが可能です。

アレルギーの症状が見られた場合には、早めに医療機関を受診してアレルギーの原因を調べることが望ましいです。

 

犬が原因とはっきりと分かった場合には、すでに飼っている方は全く犬と接しないというのも難しい話です。

なるべく症状が出ないように愛犬との生活を見直して、工夫や対策を講じる必要があります。

 

2. 呼吸困難や皮膚炎に陥ることも

 

犬アレルギーの症状は個人差が大きいですが、症状が強くでると命の危険を伴うこともあり、早期発見が重要です。

症状が進行すると、下痢や嘔吐、吐き気やめまいを伴うこともあり、特に呼吸困難は危険な症状の一つです。

 

犬が原因のアレルギー物質を吸うことで、呼吸器官が腫れてしまい呼吸がうまくできずに呼吸困難を引き起こすことがあります。

 

呼吸困難などのアレルギー症状は、重症化するとアナフィラーキシーショックを起こし命にかかわる場合もあります。

犬と接すると呼吸の状態が悪くなる場合は、なるべく早く病院に行きましょう。 

もともと喉や気管に疾患を持っている方や、喘息の人は症状を悪化させる可能性があるため特に注意が必要です。

 

さらに、特につらい症状として挙げられるのが皮膚炎です。

犬とヒトの皮膚が接触したり、犬の被毛やフケがヒトの皮膚に付着することにより、過剰な免疫反応が起こり、触れた部分や場合よっては全身に発疹が出ます。

特徴としては、短時間で発疹が広がり強いかゆみを伴います。

 

アレルギー対象の犬から、離れれば発疹は落ち着くことが多いですが、掻きむしってしまうと傷になります。

その傷口から菌が侵入して感染することにより、二次感染を引き起こして症状が長引くことになるのです。

 

皮膚炎は再発や重症化しやすく、また傷の具合によっては残ってしまうこともあります。

長期の治療は身体や経済的な負担にもなるので、早急に対策したいものです。

 

 

犬アレルギーの対策方法

 

アレルギー 症状

 

辛い症状を伴う犬アレルギーですが、なるべくならないように対策することは有効です。

また、犬を飼いたい方にとっても犬アレルギーの有無は重要な選択ポイントでしょう。

 

それでは、犬アレルギーになるべくならないためには、どのような対策があるのでしょうか。

 

1. 清潔な環境は必須

 

まず、アレルギーを完全に予防することや治療する方法は現在確立されていません。

発症してしまった場合には、その症状によって内服薬や外用薬を使用することにより、症状を緩和させることになります。

 

犬アレルギーの完治は難しいものになりますが、症状を緩和させる方法は存在します。

第一に犬アレルギーをある程度抑ええるためには、清潔な環境は必要不可欠です。

 

こまめな掃除や換気はアレルゲン物質を減らすことになり症状の緩和に有効です。

定期的な シャンプー によって、犬自身を清潔に保つことができれば原因であるフケなども減少できるので良いでしょう。

 

犬の被毛によりアレルギーに反応が出る場合には、犬の毛を短く刈って飛び散らないようにすることも良い方法です。

居住空間にアレルゲンをため込まないことが重要です。

 

2. 直接の接触を避ける

 

犬アレルギーを発症した方にとっては、直接犬とふれあうことは症状を重症化することにつながります。

直接犬と触れ合わないように、マスクや手袋をした上で間接的に接触することにより、症状を軽減できます。

 

愛犬をこまめに トリミング に出して、トリマーに手入れしてもらうことにより接触の機会を極力減らせるでしょう。

空気清浄機の使用も効果的です。

ペットの消臭・除菌に強いタイプの空気清浄機を使用することにより、短時間なら愛犬と接することができる場合もあります。

 

しかし、間接的な飼育は異常に気付きにくく、コミュニケーション不足になる場合もありますので注意したいものです。

他の家族に飼育を手助けしてもらい、愛犬の様子を細かく報告してもらうのが良いでしょう。

 

3. 家族が発症した場合は接触を避ける

 

家族の中で犬アレルギーを発症した人が出た場合には、その家族と犬の居住スペースを分けることにより改善されます。

アレルギーの原因である犬との接触を少なくすることにより、お互いにストレスなく生活をおくることが可能です。

 

服や靴下、スリッパなどに被毛やフケが付着して家中にアレルゲンを広げてしまう可能性もあります。

アレルギー症状がひどい場合は、愛犬と触れた後にスリッパの履き替えや衣服の着替えが必要になることもあります。

 

さらに、屋外飼育の犬でしたら接触を必要最低限にすることにより共同生活が可能です。

少し寂しい気もしますが、家族の一員である犬の世話は、他の症状が出ていない家族がすることにより解決できるでしょう。

 

症状によっては、犬を里親に出すなどの「手放す」というつらい選択を迫られることもあります。

このような場合に重要なのは、本当に犬が原因でアレルギーが起こっているのかはっきりさせることです。

どうしても犬アレルギーの症状が深刻化する場合には、辛い選択を迫られることになります。

 

そのようなことになった場合の預け先や里親の募集に関して事前に家族で話し合い、はっきりとさせておくことが重要です。

犬に対するアレルギーが起こるかどうかは事前に知ることは難しいです。

 

しかし、飼育するということは責任を伴いますので、飼育する前に明確にしておくことが大切ですね。

 

4. 飼わないという選択も

 

上記のように犬アレルギーが重症化した場合、愛犬との生活がいきなり崩壊してしまう可能性があります。

犬を飼育するということは、10数年生涯を共にするということです。

 

犬に限らず、生き物の飼育にはそれなりの責任と覚悟が必要であり、簡単に放棄することはできません。

どのような理由があれ、不当に遺棄すれば処罰の対象にもなります。

 

犬の飼育を検討している人の中に花粉症などのアレルギーがある人がいる場合はには、事前にはっきりさせておくことが大切です。

さらには喘息などの疾患があり、将来的に犬アレルギーを発症する可能性がある場合には、長期飼育の計画をたてます。

そして、場合によっては犬を飼わないという選択が必要になってきます。

 

犬アレルギーが原因で犬を手放すことになれば、犬にとっても飼い主にとっても辛い選択に他なりません。

将来的に不幸な犬を生み出さないためにも、熟考した上で犬を迎えたいものですね。

 

 

犬アレルギーの検査

 

犬を飼う前に、自分が犬アレルギーかどうかをはっきり検査しておくことはとても重要です。

アレルギー検査を受けることで選択の幅も広がります。

 

ここでは、主なアレルギー検査をご紹介します。

 

1. 血液検査

 

主な医療機関で受けられる検査方法として、挙げられるのが血液検査です。

少量の血液を採取してその血液の値を調べることにより、アレルゲンを特定する方法です。

 

RASTテストと呼ばれる方法が一般的で、血液に「IgE」というアレルゲンに対して免疫反応が起こった時に作られる抗体の値を調べます。

 

しかし、このテストで犬アレルギーではないと診断されてもアレルギーにかかる可能性がないわけではありません。

医師の説明を詳しく聞いて納得した上で実行する必要があります。

 

2. 接触テスト

 

文字通り、犬と接触することで症状がどの程度出るかを見るアレルギーテストです。

プリックテストともいい、皮膚などに直接アレルゲンを付着させて10分程度放置し、腫れやかゆみなどの反応をみます。

医療機関で監視のもと行うので、安全であり身体を傷つける必要がなく、子供でも負担なく受けることが可能です。

 

自分でできる方法としては犬とふれあえる 動物園 やペットショップに赴いて症状の有無を調べることができます。

被毛が抜けにくい犬種、お手入れのしやすい犬種などの特徴をペットショップで教えてもらうことができます。

また、事前に自分で調べておくと、具体的な犬種の名前をあげて相談することもできます。

 

しかし、そのような施設でのふれあいは短時間で終了するものなので、実際に暮らし始めてから症状が出ることもあります。

 

ただし、接触テストは「アレルギーの危険性がないと考えられる方」が取る方法です。

あらかじめ犬と触れ合うことにより、症状がでる可能性があるとわかっている場合には、危険ですのであえて接触することは避けましょう。

きちんと医療機関を受診した上で調べてもらうようにします。

 

これらの検査を行っていっても、ある日突然症状が出てしまう可能性はあります。

しかし、事前にある程度自分が犬アレルギーを発症する可能性がどのくらいあるのか知っておくことはとても大切です。

 

 

さいごに

 

犬 アレルギー まとめ

 

犬のアレルギーについての特徴や対策方法をご紹介しました。

愛犬との生活は犬好きの人にとっては魅力的であり、楽しいものです。

 

一方で、いつかアレルギーになる可能性もあるということも承知してないといけないことです。

また、症状を知っておくことで、いち早くその可能性に気付くことができ、軽度のうちに対処できるようになりますよ。

 

 

監修:獣医師 平松育子(ひらまつ いくこ)

 

山口大学農学部獣医学科(現:山口大学共同獣医学部)卒業後、複数の動物病院で勤務医を経て、ふくふく動物病院を開業する。

また、YICビジネスアート専門学校ペット総合科で講師を務める。

 

その他、AIAJ認定アロマテラピーインストラクターとして、人とペットが楽しめるアロマテラピーにも取り組む。

飼い主様としっかりコミュニケーションを取ることを大切にし、飼い主様とペットの笑顔に繋がる診療を心がけている。


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