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アルマジロと聞くと、イメージとしては体を丸く団子のようにして丸くなり、身を守る動物を想起するかもしれませんが、 実は完全に丸くなるのはアルマジロの中でも「ミツオビアルマジロ」と「マタコミツオビアルマジロ」の2種類だけ。
完全に丸くなるイメージがあるアルマジロですが、 アルマジロの特徴となるのは丸くなることではなく、アルマジロを覆う頑丈な「鱗甲板(りんこうばん)」なのです。
この鱗甲板、アルマジロの外敵から自らを守る役目を果たしていますが、その硬さも銃弾をも跳ね返すというのですから驚きです。
アルマジロは英語で表記すると「armadillo」ですが、「アルマジロ」の語源となるのはスペイン語の「武装した小さなもの」という意味の「armado」という言葉。
まるで鎧をまとっているようなその姿から、武装している動物として認識されていたのでしょう。
この鎧のような鱗甲板は、 亀 の甲羅のように胴体の背中に付いているだけでなく、頭部や尻尾、四肢と、体の大部分を覆っています。
また、この鱗甲板は硬く丈夫なだけあり、その重量もかなりの重さ。
アルマジロの種類のひとつ「ムツオビアルマジロ」を例に取ると、体長は40〜50cmとやや大きめの ウサギ 位のサイズですが、体重は3.5kg〜6.5kgです。
ウサギが1〜2kg程度なので、かなり重めなのがわかりますね。
丈夫な鎧を身につけている代わりに、相当な重量を身にまとわなくてはならないのです。
アルマジロの天敵となるのがジャガーやピューマ、オオカミなどです。
これらの動物から身を守るため、アルマジロは頭と後ろ足をたたみ、硬い鱗甲板に身を隠します。
その際にボールのような形になるのがアルマジロのイメージですが、前述の通りボール状になるのはミツオビアルマジロ属に限られます。
ボール状にならない他の種類のアルマジロはと言うと、ひっくり返されるとお腹がむき出しの状態になってしまうため、主に穴へと逃げ込むのが基本となるようです。
ただし、 ミツオビアルマジロ属に関してもボール状になるのはすぐ側に危険が迫っている場合に取る行動のようで、基本的には多種と同じように穴へと逃げ込むのだそう です。
丸まったところで身を守ることは出来ますが、天敵からは逃れることが出来ませんので、あくまでも最後の手段といったところでしょう。
アルマジロは気候の暖かい地域に生息する動物で、主に熱帯雨林や草原、砂漠などの場所に生息しており、主な生息地は中南米です。
四季のある日本では、あまりアルマジロという動物に馴染みはなく、実際にアルマジロを見るとなると動物園等で見るのが一般的。
そんなアルマジロですが、性質も攻撃的ではなく、実は人に対してなついたり、ペットとして飼育することの出来る動物なのです。
実際に迎え入れるとなると、最低でも30万円といった価格で販売されていますが、日本でペットとして飼育されている例は少なく、まだまだその生態や飼育方法に関しても未知な部分が多い動物です。
そこでまずは、アルマジロの特徴や種類についてご紹介します。
アルマジロは哺乳網(哺乳類)の動物で「アルマジロ科(Dasypodidae)」に分類され、全部で20種類ほどの種類が存在しています。
その中の種類で「ミツオビアルマジロ属」や「ムツオビアルマジロ属」「ココノオビアルマジロ属」など、「オビ(帯)」が名前に入っているアルマジロがいます。
この帯とは、アルマジロの鱗甲板にある何本かの「帯」のことで、帯状に繋がっている鱗甲板は丸くなったりと、ある程度自由に可動することを可能にしています。
帯の数から、「ミツオビ」であれば3本の帯が、「ムツオビ」であれば6本〜8本の帯を持っているためにその名が付けられた事がわかります。
では、アルマジロの種類を見てみましょう。
英名:Northern naked-tailed armadillo
学名:Cabassous centralis
体長:31〜42cm
体重:2〜3.5kg
保全状況:情報不定種(DD:Data Deficient)
英名:Chacoan naked-tailed armadillo
学名:Cabassous chacoensis
体長:32〜46cm
体重:約1.5kg
保全状況:近危急種(NT:Near Threatened)
英名:Greater naked-tailed armadillo
学名:Cabassous tatouay
体長:41cm〜49cm
体重:約5kg
保全状況:低危険種(LC:Least Concern)
英名:Southern naked-tailed armadillo
学名:Cabassous unicinctus
体長:36〜38cm
体重:3〜3.8kg
保全状況:低危険種(LC:Least Concern)
英名:Andean hairy armadillo
学名:Chaetophractus nationi
体長:22cm〜40cm
体重:約2.1kg
保全状況:危急種(VU:Vulnerable)
英名:small hairy armadillo
学名:Chaetophractus vellerosus
体長:22〜40cm
体重:約840g
保全状況:低危険種(LC:Least Concern)
英名:Big Hairy armadillo
学名:Chaetophractus villosus
体長:26〜34cm
体重:1〜3kg
保全状況:低危険種(LC:Least Concern)
英名:Greater fairy armadillo
学名:Chlamyphorus retusus
体長:14〜17.5cm
体重:約1kg
保全状況:情報不定種(DD:Data Deficient)
英名:Pink fairy armadillo
学名:Chlamyphorus truncatus
体長:9〜12cm
体重:約1kg
保全状況:情報不定種(DD:Data Deficient)
英名:Southern long-nosed armadillo
学名:Dasypus hybridus
体長:39〜49cm
体重:1〜2kg
保全状況:近危急種(NT:Near Threatened)
英名:Greater long-nosed armadillo
学名:Dasypus kappleri
体長:83〜106cm
体重:8.5〜10.5kg
保全状況:低危険種(LC:Least Concern)
英名:Nine-banded armadillo
学名:Dasypus novemcinctus
体長:38〜58cm
体重:2.5〜6.5kg
保全状況:低危険種(LC:Least Concern)
英名:Hairy long-nosed Armadillo
学名:Dasypus pilosus
体長:約57cm
保全状況:危急種(VU:Vulnerable)
英名:Llanos long-nosed Armadillo
学名:Dasypus sabanicola
体長:約60cm
体重:約4kg
保全状況:近危急種(NT:Near Threatened)
英名:Seven-banded armadillo
学名:Dasypus septemcinctus
体長:約40cm
体重:約1.5kg
保全状況:低危険種(LC:Least Concern)
英名:Six-banded armadillo
学名:Euphractus sexcinctus
体長:40〜50cm
体重:3.5〜6.5kg
保全状況:低危険種(LC:Least Concern)
英名:Giant armadillo
学名:Priodontes giganteus
体長:75〜100cm
体重:18.7〜32.3kg
保全状況:危急種(VU:Vulnerable)
英名:Southern three-banded armadillo
学名:Tolypeutes matacus
体長:22〜27cm
体重:1〜1.6kg
保全状況:近危急種(NT:Near Threatened)
英名:Tolypeutes tricinctus
学名:Brazilian three-banded armadillo
体長:22c〜27cm
体重:1~1.6kg
保全状況:危急種(VU:Vulnerable)
今から数千年前に絶滅してしまった「グリプトドン(Glyptodon)」。
グリプトドンは、かつて南アメリカ大陸に生息していた古代生物で、全長3m・高さ1.3mほどとかなり巨大な生き物だったようです。
写真を見ただけでも察しが付きますが、この グリプトドンはアルマジロの祖先と考えられている古代生物 なのです。
グリプトドンはアルマジロのような関節のある「鱗甲板」ではなく、厚さ2cmほどの頑丈な甲羅を持っていたため「亀」の祖先にも思えますが、亀の祖先と考えられているのは「パッケポリス」と呼ばれる、甲羅のない古代生物だったようです。
頭部や尻尾、足を引っ込めることが出来たのはアルマジロ同様で、頭部には甲羅、尻尾は鱗で覆われていたようです。
個体によって差はありますが、参考価格はおおよそ下記のような金額感です。
以上のアルマジロが販売されてます。
決して安い金額ではありませんが、アルマジロはペットとして飼育することもできる動物です。
アルマジロをペットとして迎え入れたいと考えている方は、本記事を読んでアルマジロの基本的なことを把握しておきましょう。
アルマジロは本来、南アメリカ大陸の動物であると考えられていますが、現在においては北アメリカ大陸でも生息が認められるようになり、生息域も意外と広範囲に及ぶ動物です。
アルマジロは基本的に夜行性で、巣穴を掘って地下に生息しており、多くのアルマジロは16時間近くもの睡眠時間を取ります。
また、地下に潜るのは、日中の暑さを避ける意味もあるのです。
ただし、 こういった習性も野生化でのアルマジロに限られ、ペットとして飼育されているアルマジロは警戒心も薄いため、穴を掘ることもなく自分の好きなように睡眠をとります。
決して攻撃的ではなく、凶暴な動物ではありませんが、一部の地域では狩猟の対象となっているアルマジロ。
その理由には、アルマジロの行動や食性に問題があるのでした。
アルマジロが捕食するのは主に 蛇 や昆虫類、カタツムリ、ミミズといった生き物です。
また、 アルマジロの食性は雑食性 のため上記で挙げた動物性蛋白質も摂取しますが、死肉・腐肉も食べることがあり、ネズミ等の死骸も食物の対象となります。
このほか、果実や穀物などの植物性タンパク質や食物繊維も摂取し、人間用の農作物なども餌となる場合があります。
さらに問題となるのが、こうした食物を探すために穴を掘ったり、巣を掘るアルマジロの習性です。
時には トウモロコシ畑等の農地、庭先や墓地なども荒らしてしまうことがあるため、アルマジロは害獣扱いとされているのです。
アルマジロは人間の住む地域でも行動しますが、道路を横断している最中に轢かれてしまうことも多い動物です。
中でもアメリカに生息するココノオビアルマジロは「スピードバンプ」と呼ばれることもあります。
スピードバンプとは「速度を下げさせるために路面に設置している隆起」の意味を持ち、夜の田舎道などで轢かれるアルマジロを避けるため、スピードを落として走らなければならない皮肉として呼ぶこともあるようです。
夜行性の動物であるアルマジロは、特に夜の道路が危険地帯とも言えるのです。
アルマジロの「鱗甲板」は外敵から身を守るために、非常に硬く作られています。
そんな鱗甲板の頑丈さを物語るエピソードが、「銃弾」を跳ね返したというもの。
アメリカ ジョージア州では、農地などに穴を掘ってしまうアルマジロは害獣指定されているため、駆除の対象とされています。
そんなアルマジロが保安官のラリーさん宅付近に現れ、駆除のために拳銃で撃つことに。
ところが、放たれた銃弾はアルマジロに命中したものの跳ね返り、さらには91mも離れた義理の母に命中してしまうというまさかの事態になります。
義理の母は幸いにも一命をとりとめましたが、 一方のアルマジロは銃弾を跳ね返したものの、銃弾の衝撃で死亡していました。
このように、拳銃の銃弾ではアルマジロの鱗甲板を突き破ることが困難なため、地元警察はショットガンでの駆除を推奨しているのだそう。
日本では考えられない事件ですが、一部のアルマジロは絶滅を逃れるため、住処を移動し、こうして人間の生活圏に入り込んでしまうのです。
オオカミ等はアルマジロの天敵となりますが、最大の天敵となるのは私達「人間」かもしれません。
あまり知られてはいませんが、一部ではアルマジロを「肉料理」として食べる文化も存在しており、アルマジロが密猟の対象にもなっています。
また、アルマジロを「剥製」にするために密猟したり、「鱗甲板」を手に入れるために密猟するケースも。
アルマジロは危険を察知すると丸くなってしまうため、いとも簡単に密猟されてしまうのです。
前述のように、 一部のアルマジロは人間の生活圏に入り込みすぎてしまい、駆除の対象として殺されるケースも多いですが、頻繁に密漁されてしまったり、生活圏を失ったりもしています。
アルマジロの一部の種類は絶滅危急種としてレッドリスト入りされていますが、害獣扱いとされる種類も存在するのです。
「レッドリスト」とは「国際自然保護連合(IUCN)」が作成している、絶滅の危機に瀕している動物たちをリスト化・ランク付けしたものです。
地球には、約2万種の動物が絶滅の危機に瀕していますが、いくつかのアルマジロの種類も絶滅の危機に瀕している動物なのです。
最上段の「絶滅種(EX:Extinct)」は既に絶滅してしまった種を表し、下に行くほど絶滅の危機が低い動物を表しています。
現時点で絶滅の危機に瀕しているアルマジロは、下記の4種類。
ただし、常に状態は変わっているため、これよりも増える可能性もあれば、減る可能性もあります。
これらのアルマジロが分類される「危急種(VU:Vulnerable)」は、絶滅の危険が増大している種です。
現状のままでいくと、近い将来には確実に一つ上のランクとなる「絶滅危惧種(EN:Endangered)」へと移行していきます。
ENは、「近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの」という分類になり、人の手を借りなければ確実に絶滅してしまう恐れがあります。
「情報不定種(DD:Data Deficient)」に関しては明確な情報が不足しているため、正確な状況が判断できず情報不定種とされていますが、そもそも情報が少ないということ事態が、個体数の少なさを物語っているのかもしれません。
アルマジロによく似た動物に「センザンコウ」という動物がいます。
センザンコウの体は鱗で覆われており、アルマジロと同じく危険を察知すると体を丸くして、硬い鱗で体を防御します。
しかし、センザンコウの主食となるのは蟻のため、かつてはアリクイの仲間とされてきました。
アルマジロのような体を持ち、アリクイのような食性を持つセンザンコウ。
あまり聞き馴染みのないセンザンコウですが、そのウロコや肉が漢方薬の原料としてセンザンコウの密猟が盛んに行われており、すでに絶滅してしまった種類も存在します。
現在、世界で8種類のセンザンコウが確認されていますが、この8種類全てがレッドリストに加えられている、絶滅危惧種となっています。
「チャランゴ」とは、南米にあるアンデス地方の民族音楽「フォルクローレ」で使用される弦楽器のこと。
実はこのチャランゴ、弦楽器の胴体部分にアルマジロの「甲羅(鱗甲板)」を利用した弦楽器なのです。
何故にわざわざアルマジロの鱗甲板を利用しているのかというと、南米ではアルマジロの肉を食べる文化があり、食された後の鱗甲板は皿として利用するか、捨てるかといった扱いをされていました。
また、南米の高地では思うように木々も生えておらず、木材の需要も高かったのです。
チャランゴは本来、木材を利用して作られていましたが、廃棄されていたアルマジロの鱗甲板を木材の代わりとして利用し始め、いつしかそれが主流となっていったと言われています。
現在では、一部のアルマジロも絶滅危急種となっているため、アルマジロの鱗甲板で作られたチャランゴは非常に稀で、木彫りのチャランゴが一般的となっています。
アルマジロの寿命は種類にもよりますが、平均すると8〜12年ほど。
中には15年を越える個体も存在し、飼育下では20年を越える個体も存在したようです。
自然界ではここまで長生きするのは難しいですが、飼育下であれば十分に長生きする動物でもあります。
ペットとして飼育される事も多いアルマジロ。
自然界でのアルマジロは一人行動が基本で、昼間は巣穴で眠り続け、夜は巣穴から出て一人で行動し始めるという生活サイクルを送ります。
そんなアルマジロですが、 ペットとして飼育される際には日中の睡眠時間も短かったり、そもそも夜行性であるはずが日中も活動的になる場合も。
なつきやすい性格をしているためにペットとして飼育されることも可能な動物ですが、ペットとして飼育する際には危機感も無くなり、本来の生活サイクルでは活動しなくなるようです。
水槽内等で飼育する際には、爬虫類用の日中用のライトや夜間用のライトを使用するのもひとつの手かもしれません。
アルマジロは哺乳類の動物ですが、正しい生活サイクルを送らせるためには、昼夜の差を付ける必要があります。
ただし、自然界のリズムで生活しなくとも生活を送れますので、あまり神経質にならなくても良いでしょう。
アルマジロを日本で飼育する際には、アルマジロの生態についてしっかりと理解しておく必要があります。
野生下でのアルマジロは、昆虫類やミミズ、蛇などを捕食して生きています。
こうした食性から、 アルマジロには「動物性蛋白質」が必要 だということがわかります。
ですので、ペットとして飼育する際には「フェレットフード」や「 キャットフード 」が適したフードとなります。
フェレット は完全な肉食性の動物です。
そのため、 フェレットフードの主な原材料は動物性蛋白質になっているので、アルマジロのフードとしても利用できるでしょう。
また、同じく肉食である 猫 のキャットフードでも代用することが可能です。
マーシャル社のフェレットフードは爪を立てるだけで崩れる硬さですので、まだ幼いアルマジロや新たにアルマジロを迎え入れた際など、初めての時には消化もしやすいので最適です。
参考価格:2,860円(税込)
メーカー名:マーシャル
内容量:623g
生産国:アメリカ合衆国
自然界のアルマジロは生きている生き物を捕食するため、ペットとしてアルマジロを飼育する際にも、時には生食も大事な食事となります。
とはいえ、近所に居るミミズを与えるというのも、少々安心できるものではありませんので、ペットショップなどで コオロギ やミルワームといった餌を購入するようにしましょう。
生食は高タンパクな食事が摂取出来るだけでなく、アルマジロのストレス解消に繋がったり、重要な栄養素の摂取にも繋がる食事です。
参考価格:395円(税込)
メーカー名:ナチュラルペットフーズ
内容量:35g
アルマジロは雑食性の動物です。
主食は動物性蛋白質ではありますが、果実や穀物類といった植物性蛋白質も摂取しています。
そのため、上記で説明したフェレットフードなどの他にも、 生野菜をトッピングしてみたり、 鳥 用のパウダーフードを与えてみるのもおすすめです。
鳥用のパウダーフードの中でも「ローリーネクター」は、インコの雛を育てる際に利用するなど、栄養満点のパウダーフードです。
ローリーネクターを水で溶き、ペースト状にして与えると良いでしょう。
参考価格:3,280円(税込)
メーカー名:ハリソン
内容量:454g
この他、キャベツや小松菜、さつまいも、カボチャなどの野菜、リンゴ、バナナ、キウイ等の果物を細かく刻み、与えるのも良いでしょう。
アルマジロは肥満になりやすい動物のようで、無計画に食事を与えすぎるとすぐに肥満体型になってしまいます。
そのため、日頃からの体重管理が重要です。
肥満は何かしらの病気を引き起こす要因にもなりかねません。
食事をたくさん与えていれば良いというものではありませんので、適量をしっかりと摂取させるよう、体重管理と食事の管理を徹底するようにしましょう。
また、適度に運動を行うようにしましょう。
運動不足は肥満を引き起こすだけでなく、健康維持にも影響をおよぼします。
そのためには、 適度に広いスペースで飼育するか、外で散歩できる場所等が必要です。
アルマジロを飼育するケージやスペースに関しては、ある程度大きなスペースを予定していた方が良いです。
可能であれば外に出て散歩させる等も考えたほうが良いですが、首輪等もありませんので、無理そうであれば自宅内で飼育するようにしましょう。
アルマジロは地中に穴を掘る習性からもわかるように、潜ることが好きな動物です。
そのため、 寝床には牧草や新聞紙を割いたもの等を敷き詰めるなど、擬似的に潜ることができるような環境を作ってあげてください。
大きな水槽で飼育する際には、居間などで運動できるスペースを用意しておきましょう。
こうした環境を作るためにも、 ケージも出来る限り大きめなサイズ(90cm四方以上など)のケージを用意するのが無難です。
アルマジロは睡眠時間も多い動物ですが、飼育下ではそこまで睡眠時間を取らない場合もあります。
そのため日中も活動するようになりますが、アルマジロの爪は長く硬いため、床にも配慮が必要です。
部屋の中で飼育する際には、そのままだと床もボロボロになってしまいます。
ケージの下にはすのこを敷くなど何かしらの対策が必要となります。
ただし、カーペットなどは「ダニ」の住処となってしまったり、「ホコリ」の原因にもなりますので、避けるようにしましょう。
特にアルマジロは部屋を暖かくしておく必要がありますので、ダニにも最適な住処となってしまうのです。
アルマジロは主に暖かい地方に住む動物ですので、寒い気候や温度の低い環境を苦手としています。
そのため、ペットとしてアルマジロを飼育する際には、温度管理も重要なポイントです。
夏〜冬を通じてあまり温度変化がないよう、クーラーと暖房の設置は必須。
また、夏場は日陰を作ってあげたり、冬場は暖を取れるような工夫も施しましょう。
アルマジロは、皮膚(甲羅)にトラブルを抱えやすい動物です。
中でも乾燥には非常に弱いため、気候の変化が起きやすい日本では十分に注意する必要があります。
冬は特に空気も乾燥しがちです。
アルマジロの皮膚が乾燥しすぎないよう、部屋の湿気や温度には十分に注意しましょう。
また、乾燥状態が悪化してくると膿が出るようになってしまいますので、乳液を塗るなどのケアも大事になってきます。
ハンセン病とは「らい菌」と呼ばれる菌が皮膚や神経に感染し、障害などを引き起こす感染症のこと。
ハンセン病は人類史上最も古くから知られる病気の一つでもありますが、現在においては治療法が確立されているため、日本でも年間0〜1人という少ない罹患数の感染症で、感染しても完治する事のできる感染症です。
ハンセン病の感染ルートは、口や鼻から吸い込む事で感染する飛沫感染や、傷口等から感染する接触感染によるもの。
ただし、らい菌の感染力は非常に弱く、自然界においても人間とアルマジロ以外に感染することはほぼありません。
人間界以外では、アルマジロだけがハンセン病に感染してしまいますが、実際のところ感染しても95%は発症しないと言われています。
その理由には、ハンセン病に対する薬剤が開発されていること、らい菌の感染力が弱いということが挙げられます。
アルマジロは地域によっては道具として利用されたり、食される動物ですが、例え食したところでハンセン病に感染する可能性は低いのです。
感染症と聞くと少々恐ろしい気分にもなりますが、ハンセン病はかつて恐れられていた病気であり、現代においてはそこまで恐れる必要は無いのかもしれません。
とはいえ、アメリカの南部に行くとアルマジロを見かける機会もありますが、野生下のアルマジロに触れるのはトラブルのもとにもなりかねませんので、念のため避けたほうが良いでしょう。
アルマジロは温度管理が十分でなければ、飼育することが難しいです。
クーラーや暖房など、温度管理が行えるものは必ず用意するようにしましょう。
飼育スペースに関しても、ある程度工夫が必要です。
アルマジロは穴を掘る習性を持ちますので、定期的に穴を掘らせるようにするなどしましょう。
こういった行動はストレスの解消に繋がるだけでなく、アルマジロの爪を削る役割もあります。
アルマジロの爪は硬く、伸びすぎていると自宅内を傷つけたり、爪をどこかにはさんで折ってしまうなどのトラブルを引き起こしてしまいます。
ペットとして飼うことのできる動物とはいえ、日本でアルマジロを飼育するのは非常に珍しいパターンと言えます。
そのため、アルマジロを飼育する際には、アルマジロを診察できる動物病院を探しておくようにしましょう。
といっても、アルマジロを診察できる動物病院は恐らく稀でしょう。
エキゾチックアニマル等を専門とする動物病院もありますので、そういった動物病院を当たってみると良いでしょう。
いざ病気や体調を崩してから探していては、手遅れになりかねません。
飼育を決めたタイミングで、急な動物病院に自宅付近でアルマジロを飼育することが出来る環境かどうかを判断するようにしてください。
アルマジロにはたくさんの種類が存在しており、ペットとして迎え入れることの出来る種類も限られていますので、事前にアルマジロに関しての知識を持つようにしましょう。
マタコミツオビアルマジロ、ココノオビアルマジロ、アラゲアルマジロ、ムツオビアルマジロの4種は販売されていますが、同じアルマジロと安易に考えるのは危険です。
マタコミツオビアルマジロは体長〜27cm、体重〜1.6kgというサイズ。
一方ココノオビアルマジロは体長〜58cm、体重〜6.5kgとマタコミツオビアルマジロの2倍以上の大きさとなります。
そして、価格に関してはココノオビアルマジロの方が100,000円安いのが相場。
ココノオビアルマジロとマタコミツオビアルマジロの飼育を比較すると、飼育スペースの違いや食事量の違いなども発生しますので、販売価格などで判断せずに十分な知識を持つようにしましょう。
(ココノオビアルマジロ)
英名:Nine-banded armadillo
学名:Dasypus novemcinctus
体長:38cm〜58cm
体重:2.5kg〜6.5kg
原産:北米大陸南部〜南米大陸
食性:雑食性、食虫動物
寿命:12年〜15年ほど
価格:300,000円〜
アルマジロを迎え入れる際には、アルマジロが健康的に過ごすことの出来る環境整備が重要です。
個体の販売価格も決して安い金額でないだけでなく、住環境を整備するのにも幾らかの金額が必要となるので、十分に資金を集めてから迎え入れるようにしましょう。
意外と人に懐くアルマジロ。
他の人とはちょっと違ったペットが欲しいという方には、もってこいのペットかもしれません。
最終更新日 : 2021/11/02
公開日 : 2017/11/03