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アメリカザリガニは、 エビ や カニ などの仲間で甲殻類に分類されます。
赤色もしくは赤褐色の身体に大きなハサミが特徴ですが、まれに色素異常などの原因による青や白の個体がいる場合もあります。
アメリカ南部のルイジアナ州から日本へ移入され、今では全国各地に分布しています。
田んぼや用水路、池や沼などの水流が穏やかで水深が浅く、底に泥が堆積している環境を好みます。
成長スピードは比較的速く、脱皮を繰り返して大人になるまでに2年ほどかかります。
個体差はありますが、体長は1年で約4センチ、2年で約6センチほど成長します。
雑食で、藻類・水草・魚類・両生類・水生昆虫・動物の死骸などを食べます。
一般的に獰猛な性格ですが、意外に神経質なところもあるので、飼育の際はなるべくストレスを与えないよう注意が必要です。
アメリカザリガニが日本に移入される前は、ニホンザリガニが「ザリガニ」と称され、図鑑においても「ザリガニ」が和名として用いられていました。
しかし、アメリカザリガニが移入されたことにより、「ニホンザリガニ」「アメリカザリガニ」と区別されるようになりました。
現在では、日本に最も多く生息するアメリカザリガニが「ザリガニ」と称されることが多くなっています。
オスとメスの見分け方として、ハサミの形や大きさで判断する方法があります。
大きく長い立派なハサミを持つのがオスで、体のサイズに対して小さなハサミを持つのがメスです。
より正確な見分け方としては、裏返して腹部にある生殖器・生殖口を確認する方法などもあります。
外来種アメリカザリガニと在来種ニホンザリガニのそれぞれの主な特徴を以下に挙げます。
上記の特徴から、アメリカザリガニとニホンザリガニの違いをまとめると以下のようになります。
野生のアメリカザリガニはおよそ4~5年、飼育のアメリカザリガニはおよそ3年で寿命を迎えます。
個体差もあるので中には倍近く生きることもあるようですが、まれなケースでしょう。
飼育しているアメリカザリガニを長生きさせるためには、飼育環境やストレスを与えないよう気遣ってあげることが大切です。
また、これから飼育したいと思っている方は、寿命のことをきちんと踏まえた上で飼育するかどうか決めましょう。
日本ではザリガニを扱った料理は一般的ではありません。
一部の外国料理店などでは扱っている場合がありますが、それは食用として市場に出回っているザリガニです。
野生のアメリカザリガニは不衛生な環境に住んでいる場合が多く、寄生虫や食中毒のリスクがあるので、一般家庭での調理は控えましょう。
日本では馴染みのないザリガニ料理ですが、海外では広く食べられています。
フランスでは「エクルビス(Écrevisses)」と呼ばれ、アメリカザリガニやウチダザリガニを用いた料理があります。
中国では「麻辣小龍蝦(マーラー・シャオロンシア)」と呼ばれる、ザリガニの辛子煮が人気です。
アメリカザリガニの原産地であるアメリカ合衆国ルイジアナ州の郷土料理、ケイジャン料理・クレオール料理ではガンボやジャンバラヤの食材に使われています。
他にもスウェーデン、オーストラリア、インドネシアでもアメリカザリガニは食用として人気があります。
気になるアメリカザリガニの味ですが、エビをより水っぽくしたような淡泊な味です。
魚を飼う時のように、水槽にたっぷりの水を入れます。
たっぷりの水で飼うことによって、水が汚れるのが遅く、水槽の水を取り替える回数を減らすことができます。
こちらの飼い方は水深が深いため、ザリガニに空気を送るためのエアポンプが必要になります。
また、水の量が多いため水槽の掃除が大変です。
浅い水を張って飼います。
こちらの飼い方は、ザリガニが自分で呼吸できる環境を作ってあげる必要があります。
水面から身体を出して呼吸できるよう5~6センチの水深にし、呼吸できず溺れてしまわないように石や流木といった足場を設置します。
水が浅いため、エアポンプを使う必要がなく、水が少ないため掃除もしやすく手軽というメリットがあります。
しかし、すぐに水が汚れてしまい、水を交換する回数が多いというデメリットもあります。
プラスチックの透明な虫かごは、ぶつけてしまった時などの衝撃でひび割れてしまうのであまりおすすめしません。
複数のザリガニを飼いたい場合は、2匹で60センチの水槽程度のスペースが欲しいところです。
脱走防止のため、蓋付きの水槽がおすすめです。
水槽の底に薄く敷くために必要になります。
アメリカザリガニは短いヒゲに砂をのせてバランスを保っているので、砂利ではなく、砂でなくてはいけません。
最低でも、飼っているザリガニに対して1つ以上の隠れ家を用意することで、喧嘩のリスクを減らすことができます。
隠れ家としては、プラスチック製のパイプ管や割った植木鉢がおすすめです。
ペットショップなどにペット用の土管や壺も売っています。
水草を入れることによって、水質を浄化することができます。
また、ザリガニは雑食のため、水草も食べます。
よくペットショップで売られているオオカナダモで大丈夫です。
水深を深くして飼うときに必要になります。
ザリガニは空気がないと生きていけないので、水深を深くするときは水中に空気を送ってあげます。
水のろ過もできるエアポンプがおすすめです。
水を浅くして飼う場合にはエアポンプは使わないので、石や流木などの足場が必要になります。
ザリガニは空気を取り込むために身体を水の外に出しますが、そのとき身体に対して水深が深いと呼吸できません。
そのような時に、足場として石や流木などが役に立ちます。
パン・米・魚・ほうれん草・水草・枯れ葉・煮干し・ハム・ニンジンなど…アメリカザリガニは本当に何でも食べます。
エサの選択肢が多いのはありがたいですが、こうも選択肢が多いと逆に困ってしまいますよね。
アメリカザリガニには何を与えるのが最適なのでしょうか。
価格・手軽さ・栄養面を考えると、ペットショップで売っているザリガニ専用のエサが最もおすすめです。
さらに、 水草 を設置しておくとなお良いでしょう。
ザリガニのエサは水に浮かぶタイプ・沈むタイプがあるので、飼育環境に合わせて選んでください。
エサを入れ過ぎると水が汚れてしまうため、量に気を付けてください。
また、1つの水槽で複数のザリガニを飼っている場合、エサの量がが少ないと共食いをする恐れがあるので注意が必要です。
アメリカザリガニにとって水は大変重要で、水温が身体にダイレクトに反映されます。
ここでは、ザリガニの水の管理についてご紹介します。
アメリカザリガニは5~30℃の水温に適応できます。
しかし、水温が30℃になると水中の酸素が薄くなり水も汚れやすくなるため、さすがのアメリカザリガニも弱ってしまいます。
水温が15℃以下になると、冬眠に向かって動きが鈍くなります。
水温5℃になると冬眠状態になり、動かなくなります。
アメリカザリガニは水温が0℃になると死んでしまいます。
また、水温が急速に上がっても死んでしまいます。
水が深い場合は、水が汚れるのが遅いため1週間に1度程度で大丈夫です。
水が浅い場合は、すぐに水が汚れてしまうので、1週間に3回程度水の交換をしましょう。
水道水は塩素消毒されているため、水槽の水を交換する際は必ずカルキ抜きをしましょう。
カルキ抜きはペットショップで売っている塩素中和剤を使うか、水道水を日光にさらすだけで大丈夫です。
日光にさらす時間は夏・秋なら半日、冬・春は1日程度です。
アメリカザリガニは1927年、ウシガエルのエサ用として神奈川県鎌倉市に持ち込まれました。
しかし、アメリカザリガニが養殖場から逃げ出して繁殖したため、全国的に広まってしまったとされています。
私たちにとって身近な存在のアメリカザリガニですが、実は「生態系被害防止外来種」に指定されています。
生態系被害防止外来種とは、特定外来生物被害防止法による規制の対象外であるが、日本国内で生態系や人、農林水産業に悪い影響を及ぼす恐れのある生物。
要注意外来生物に代わり平成27年(2015)より指定開始。
環境省・農林水産省がリストを作成する。
[補説]
平成29年(2017)3月現在、動植物429種が指定されている。
フェレット・アカミミガメ・グッピー・セイタカアワダチソウなど国外から持ち込まれた種のほか、屋久島に持ち込まれたタヌキなど、本来その地域に生息していなかった在来種も対象となる。
( 出典: デジタル大辞泉 )
日本でのアメリカザリガニの問題として、下記が指摘されています。
2022年5月11日には「改正外来生物法」が参院本会議で可決され、 個人の販売目的でない飼育や個人間の無償譲渡、捕獲が容認 されましたが、 輸入や販売、放出は禁止 とされています。
そのため、もしアメリカザリガニを飼育する場合は、飽きたからといって放出してはいけません。
生態系への影響を拡大させないためにも、移動や分布拡大に繋がるような行為はやめましょう。
分類:エビ目ザリガニ下目アメリカザリガニ科
英表記:Crayfish、Red swamp crayfish
原産地:アメリカ合衆国ルイジアナ州周辺
体長:8~20センチ
特徴:雑食で赤色や赤褐色の体と大きなハサミを持つ
性格:獰猛
寿命:3~5年
かかりやすい病気:水温ショック・pHショック
入手のしやすさ:容易
アメリカザリガニを飼育する時は生態系保護のことを忘れてはなりません。
正しい知識を身に付けて、最後まで責任を持ってアメリカザリガニを飼育しましょう。
※合わせて読みたい: ザリガニの種類、飼い方、繁殖方法
最終更新日 : 2022/05/16
公開日 : 2017/09/19